ゲーム関連

きまぐれテンプテーション クリア

82点。
アンネリーゼとの掛け合いがとても楽しいキャラゲー、と思いきや、思った以上に陰惨でホラーな内容にびっくり。
特に強いメッセージ性があるわけでもないけど、エロいし、面白いし、良かったなって。ヒロインは1人なので、アンネが気に入るかどうかはかなり重要。
ただ、うちのオンボロパソコンではかなり動作が重かったです。
E-moteとか完全に切ってたのにそれでも重かった。

ストーリーは同社の「バタフライシーカー」以上に陰惨なミステリでしたね。
最後、手帳にちょっとした書置きはあるけれども、後日談がないのでアンネとの再会感がなくて寂しいです。

普段、主人公をバカにする系のヒロインは嫌いなのですが、アンネの主人公いじりはイヤミがなく
主人公の反応も含めて楽しめました。
これがアンネリーゼちゃんの人(悪魔)徳のなせる業かなと。

バタフライシーカー カオスナイトメアクリア感想

「バタフライシーカー」の後日談FD。
本編同様のクオリティの高さと、本編の結末を損なわないバランスを兼ね備えた良作。本編から4点下げているのはボリューム不足によるもののみ(まぁ本編より安いので当然だけど、基本的に値段は点数に加味していないので)。
まずは「バタフライシーカー」EDの透子姉さんへの純愛が、
新ヒロイン(もかわいいけど)の登場で、そっちに乗り換えるエンディングに行かなくてよかった。 

その新ヒロイン、凛子もかわいいけど、今回のMVPは『ちーさん』こと千歳先輩かな。
早乙女さん、天童さんは少し見せ場が少なかった代わりに、新ヒロインの凛子と千歳先輩が大活躍した印象。
梓先生の安定感も相変わらず。

総じて、本編を楽しめた人はプレイして損のないFD。お薦めです。

「バタフライシーカー」クリア感想

安心充実の海原望テキスト、大きなハズレなしのサスペンス・ミステリー。個人的にヒロインは天童さんとお姉ちゃん、シナリオは羽矢ルートが大好きです。


『犯人当て・トリック当て』ではなく、『犯罪によって変わっていく人間関係』や、『犯罪被害者・加害者のその後の人生』などをメインにした作品。
大好きなアメリカ・ミステリのようで、とても面白かったです。

推理パートに関しては、難易度が相当低いので食い応えが足りないと感じる方も多そうですが、『名探偵がそういうんだから、そうなんですねー』的なアンフェアさはなく、誠実なつくりです。
物語の根本でもあるアカオリチョウという存在は、ミステリとしてちょっとどうかなとは思いましたが、最終章はサスペンスに変わるので、まぁいっか、と流せました。


☆氷室千歳ルート  評価はB+。

連続殺人事件の犯人像と、氷室先輩の人物像が非常に似ており、そこから氷室先輩の成長を描くルートです。
事件自体は序章も含めて5つの事件の中では最もあっさりでしたが、ヒロインの成長物語としては良質でした。
ただ、虐待の話は読んでいてちょっとキツかったです。
眼鏡は闇を抱えているのか……。

ちなみに、僕は発達障害の自閉スペクトラムでして、『他人の気持ちがわかりづらい』という特徴を持っています(他にもいろいろ悪い特徴がありますが)。

しかし、どう考えても犯人さんや、千歳さんは僕よりも遥かに症状が重いですね……。
千歳先輩、障碍者手帳取れると思いますよ(どうでもいいアドバイス)。



☆早乙女羽矢ルート。 評価はS。

上で書いたとおり、現代アメリカミステリの系譜を継ぐような、上質なクライムノベル。
トマス・クックの「緋色の記憶」や、ウィリアム・ケント・クルーガーの「ありふれた祈り」、
ジョン・ハートの「ラスト・チャイルド」あたりを思わせるルートで、(ミステリ部分はともかく)これらの名作と比較しても劣らない素晴らしいルートだったと思います。


被害者遺族である羽矢が、知らずに恋をした相手は、加害者遺族である圭介。
加害者本人ではないとわかっていながらも、簡単に割り切れるものではなく、二人の間に生まれてしまう溝が切ないです。
それでも、何とか心に折り合いをつけ、成長していく羽矢の姿にはグっときました。

犯人に関してはただのバカとしか思えませんが、推理難易度的にも簡単ながらもちょうど良かったです。
欲を言えば、事件の性質上、街の地図も欲しかったところですが。

あと、二人の殺人鬼については同情の余地が一切ないので、最後あっさりしすぎかなと思いました。
片割れの方は名前すら出なかったようなw


☆天童優衣ルート。 評価はA-。

天童さんはちょっと怖いけど、マジでかわいいです。
こういう娘、大好きなんですが、鋭すぎる彼女を持つと気苦労が耐えなそうでもありますね(実体験)。
天童さん自身も気疲れしそうで心配ですが、彼女はとても心が強いので、何とか大丈夫かなと安心しました。
外見はか弱そうだけど、内面は芯がしっかり通っているヒロインには昔から弱いです。

氷室・早乙女両ルートに比べ、天童さんは既に人間として成熟しているため、
成長物語としての側面は弱め。

3人娘はどの順番からプレイしても良いんですが、僕のプレイ順ではここでアカオリチョウというギミックが明かされます。
個人的にはちょっとガッカリしました。
『なぜこの街では猟奇殺人が多いのか』をきちんと説明しようとする誠実な態度は買いたいのですが、
『コナンの周囲ではよく人が死ぬんだよ!』的な【お約束】で乗り切っちゃった方が、かえって良かったんじゃないかな、というのがこのルートでの感想。
アカオリチョウは危惧していたとおり最終章でも活躍するので、そういうわけにもいかないんですが。

犯人の迫力ある顔芸が怖くて、インパクトが大きかったですw 


☆最終章 評価 A

ここまで、『ハンニバル・レクター』として存在感を放ってきた、ミステリアスな透子さん。
天童さんルートの時点で、彼女が、アカオリチョウのせいでこうなってしまったんだとしたら、
透子さんの悪魔的な魅力が消えちゃって残念だなぁと思って読んでいました。

結果、確かに悪魔的な魅力は消えちゃったんですが、薄幸美人お姉さんという新たな属性を獲得し、透子さん株は下がらなかったので、良かったなと。

最終ルートは敵が権力者だという事もあって、サスペンス色が強め。巨大権力に守られた殺人鬼に立ち向かう、という展開で、これはこれで面白かったです。
羽矢ルートと同じで、同情の余地が全くない犯人に対しては凄い淡泊というか、もう少し懲罰のカタルシスをくれよ、とは思いましたが。
作中で言われているのとは違って、天童さんの言葉内容はそれほどキツいとは感じなかったので、それも含めてw

ラストは、なんだかベルンハルト・シュリンクの「朗読者」を彷彿とさせて、あまり明るい未来が見えませんでしたが、これはこれで一つの純愛として綺麗だなと思いました。

30年とか40年の刑期を終えて、初老に差し掛かったお姉ちゃんをずっと待っていられるのかな、という不安は頭をよぎりますが(どれぐらいの刑期なのかは、作中で判決が出ていないので不明だけど正当防衛を除いても6人殺してるしなぁ)。



ここまで全く触れる機会がなかった梓先生も含めて、登場人物みな魅力的で(犯人の一部除く)、
ミステリを通して成長や恋を描く、上質のクライム・ノベルとしてとても楽しく読むことができました。
海原さんは3作品やりましたが、どれも80点超えなので追いかけていきたいです!

「エヴァ―メイデン」クリア感想

85点。

3章までなら89点。最終章でやや失速も、切ない百合物語が楽しみたい人に特にお薦め。
テキストが素晴らしく、とにかく先が気になる展開になっているため、百合が苦手じゃなければ普通にお薦めします。


☆前置き

短文でも書きましたが、とにかくテキストが巧いです
(それだけに、バックログが1クリックずつしか遡れないのはマイナスですが)。

謎の専門女学校プエラリウム。
極端なまでに厳しい「規」が定められているこの学園は、まるで牢獄のように少女たちを縛りますが、
大多数の生徒たちはあまり不思議に思っていないようです。
あらゆる『欲望』が禁忌とされ、中でも『恋愛・性愛』に関するものは徹底して排除されています。


転校生主人公のアルエットは、特進クラスへと入り、特進クラスの人々と学園生活を送りつつ、
夜には学園に蔓延る怪しげな『ネヴァーメイデン』や、『〇〇(植物名)の乙女』といった怪物に生命を狙われる、という不思議感満載の、ホラー要素ありSF要素ありファンタジー要素あり、ミステリ要素は……あるのか?(ジャンルは百合ミスティックホラーになっているけど)といった物語になっています。
直接的な怖さは薄いですが、薄ら寒い気持ちになるという意味では確かに、ホラーです。
グロはないので、そこは苦手な人もご心配なく。

全体的な印象としては、同社・同ライターの「フェアリーテイル・レクイエム」を思わせる設定。
なので、「フェアリーテイル~」、が楽しめた方はこちらも楽しめるでしょうし、こちらを楽しんだ方は「フェアリーテイル~」もお薦めです。

とにかく魅力的なのが特進クラスの生徒たちで、彼らの恋愛には本当にキュンキュンさせられました。

1章は世界観説明が多いので、カップリングを中心に2章から行きます。



☆2章 パヴォーネ×マコー  評価 S(S~E)

メガネ委員長は基本苦手なのですが、本作のマコーはメガネ委員長史上最高に好きかもしれません。
とにかく、報われない恋。これに尽きます。
大好きなパヴォーネの世話を焼きながら、スキンシップを禁じる『規』に強く縛られるマコー。
頭でっかちで、肉体的接触すら本当は良くない行為だと感じながら、パヴォーネのスキンシップを内心嬉しく思うマコー。
第一のテスト『薔薇の造形』は彼女にとって苦手分野で、どんなに努力しても成績が振るわないことから、どんどん落ち込んでいく彼女は、パヴォーネから贈られたブルー・ドレスを機に自らの恋心を完全に自覚し、パヴォーネとの間に深い溝を作ってしまいます。

パヴォーネはパヴォーネで、考え方が一番僕に近いキャラクターなので(要は、割とルーズとも言える)
とても親近感を持って読むことができました。

どんどん堕落し、遂にパヴォーネを想って自慰をしてしまったマコーは『悪しき種』に食い破られ、『向日葵の乙女』として異形化してしまいます。

おめかしをしたブルードレスのCG、向日葵を背景にパヴォーネとキスを交わすCGなど美しいシーンも多く、
非常に心を揺さぶられました。


☆3章 ロビン×キャナリー  評価 S

この百合ップルも素晴らしい。
一方的にキャナリーを嫌うロビンでしたが、二人で脱出計画を練ることで急接近。
こちらは、上記のパヴォーネ×マコーと違い、すれ違いながらもそれぞれの誤解を解いていき、最後は結ばれる幸福ながらも少し儚いハッピーエンド。
キャラクター単体で考えると、大人しくて弱気だけれど芯の強いキャナリーはドストライクな女の子。
ボーイッシュで頭も切れ、グイグイ引っ張っていってくれるロビンとの相性も抜群で、時に切なく、時に微笑ましく楽しみました。
脱出計画も非常にスリリングで楽しかったです。
『月桂樹の乙女たち』のCGや、ロビンがキャナリーの手を引いて走るCGも美しいですねぇ。

ただ、この辺りからアルエットやルクがやっていることは、『正義』(というのは単純な表現ですが)なのか?という疑問が強く湧きました。
学園の『規』を守る、治安側という意味では正義ですけど、そもそもこの学園自体がおかしいので……。

それこそ、国家の安泰を守る『特高警察・秘密警察』的な感じで、なんか『規』に従わない生徒(例えるなら、『革命分子』とか『反政府デモの人』ですかね)の方が正しいんじゃないかと思ってしまい、
それは結局最後まで変わりませんでした。

まぁ、主人公側が悪役というゲームもあっていいとは思いますけどねw


☆4章 アヴェルラ×アルエット 評価 B

問題は4章なんですよねぇ。いや、出来が酷いとかそういう事はないです。普通に面白いとは思います。
ただ、問題点がいくつかありまして。
最大の欠点は、僕が好きな上記2カップルは仮死状態になっているため、出番が全然ないんですよ!
(抜け殻のようになったパヴォーネは残ってるか)。

で、残ったアルエットは良いんですけど、アヴェルラもルクも正直あまり好みではないので、メインカップルが一番興味ない、という寂しい結果になってしまいました。

また、ちょっとよくわからない点もあるんですよね。これは僕の読解力不足もあるとは思いますが。


まずはアヴェルラ編ですが、これは完全にバッドエンドですね……。
物語としてはあまり語ることはないです。
ツン度高めなアヴェルラ様が、実はアルエットを好きだった、というのはなかなかポイント高いんですが、
物語の進行的に、『自分に振り向いてくれないアルエット』を『アヴェルラ大好きアルエット』に、
文字通り造り変えるというエンディングで、まぁこの終わり方だとこのカップルを高評価するのは難しいです。

それ以上に、アヴェルラがなぜ生徒を襲っていたのかが、実はよくわかりませんでした。
ルクの力を削ぐため、で合っていますでしょうか?
でも1章で、アルエットの(機械人間の)命も奪っているし、よくわかりません。


☆4章 ルク×アルエット 評価 B

結果良ければ全て良し! かもしれないけど……。
自分を4回以上殺している相手を変わらず好きでいるアルエットの気持ちに同調するのは難しかったです。
また、この『現在のプエラリウム』ってルクが作ったものですよね?
過剰な『規』で生徒たちを縛っているのも結局はルクですよね?

結局『エヴァ―メイデン』はルクに決まっていて、その他の生徒を『メイデンの頭脳(生贄ともいう)』にしようとしているのもルクですよね?

確かにルクが受けた偏った教育(洗脳)を考えれば、そうなるのはわかりますが、
一番の悪役はルクじゃん!!と思ってしまいました。

正直、それに振り回された他の生徒たちがかわいそうです。

最後、生き返った生徒たちがほんの少し出てきますけど、そこはもっと出番増やしてほしかったですし
(活き活きと日々を暮らすシーンが見たかったです)、
これは不要かもしれませんが、外の世界がどうなっているのかも知りたかったです。

そういう意味で、随分あっさり終わっちゃったな、という印象を受けました。

3章までで、散々先の気になる展開と、切なさ200%の百合模様で悶えまくっていただけに、
最終章で拍子抜けしてしまった感じです。

ふゆから、くるる 感想(バレあり)

77点。

ふたなり百合が大好き、ということでこの点数。ふたなり百合が好きじゃなければもっと低い。
このシリーズは「はるまで、くるる」が別格で、その「はるくる」に一番似ているため、どうしても比較対象になってしまうのがつらい。ふたなり百合が嫌いな人はプレイしない方が良いと思います。
「はるまで、くるる」ふたなり百合版+「へそ茶笑う」(あきゆめ表現)レベルの茶番ミステリが間に挟まる感じ。

物語の素材、特にカーネーションシステムは面白いのでそこを突っ込んでいくのかと思ったら、
なぜか首無し密室殺人の方向へ進行。
殺人鬼、宇賀島ユカリの殺人動機はとてもわかりやすく書かれているため、真相が明かされても全く驚きナシ。

密室殺人に関しても、迷探偵主人公が、読者の僕(というか大半のプレイヤー)以下のしょうもない動きしかせず、助手の水名ちゃんの方がまだマシなレベル。
密室トリックにしても、殺人チェスにしても図解にすればいいのに、それらが全くないため、ただただ主人公が言うとおりに物語が進むのを見守るだけで、プレイヤーが真犯人を推理できる余地はなし。
結末も含めて、これは茶番です。

で、その後はSFに戻ってまずまず面白いけど、ご先祖様と全く同じ顔をしてる2人がまたカップルになっているのは、近親相姦が凄くて謎。まぁイラスト素材など含めて、そうするしかないノベルゲームの限界なのかもしれないけど、図解を入れやすいというノベルゲームの利点も活かせていませんし。

あと、「あきゆめ」の時に引き続いて、誤字の数が多すぎる。
まぁ、去年壮絶誤字地獄の「さくら、もゆ」をプレイしたため感覚がマヒした感はあるけど、
やっぱり100個以上はあったと思う。
「あたな」っていう誤字だけで3回もあったし。


褒めるべき点は、ふたなりヒロインというヌキゲー以外ではなかなかない設定を使って、頑張ってストーリーを構築しようとした点で、そこはまずまず評価したいですが、ふたなり好き以外の人にとってはどうでもいいだろうな……。
まぁ、性癖に刺さったのでそこそこエロかったです。
「あきゆめ」のときみたいに、ただただ意味もなく下ネタを振り回すのではなく、序盤からしっかりHシーンが多かったのはダレにくくて良かったですし(ミステリ部に突入すると途端にHシーンがなくなるので、そういう意味でもミステリ部がつまらなかった)。


ふたなり好きが抜きゲーとしてプレイする意識でやるなら、「思ったより良いシナリオだったな」という感想になるかもしれませんが、
シナリオゲーを求めてプレイすると、どうなんでしょうね(コンシューマー移植されているみたいですけど、それなら「はるまで、くるる」を移植してほしかった)。


最後にもう一度、多すぎる誤字はどうにかしてください><
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