ゲーム関連

つよきす三部作 やってます② つよきす2学期 1エリカルートクリア(バレあり)

というわけで、前回のつよきす記事は前振り。ここからが本番です。




10月4日、生徒会選挙に立候補するエリカに、少しでもお近づきになりたくて
推薦責任者に名乗り出るレオ。
よっぴーの口添えもあって無事に推薦責任者になれた!
ちなみに他ルートだと、乙女さんがエリカの推薦責任者になります。

10月7日、全校生徒の前で、エリカの推薦演説を行うレオ。
内容はないよう……でも、エリカの推薦責任者を自分から立候補し、全校生徒の前に立ったその
クソ度胸だけは、頑張ったと思う。
ご褒美は何が良い?と聞くエリカに、レオがこれまたクソ度胸を発揮し、想いの丈を告白!

呆れ気味のエリカだったが、「条件付き」ならということでなんとOK。
客観的には全然付き合っているようには見えないけれども、とにかく一応、あの憧れの姫と付き合うことができて、まるで夢のようだぜ!
しかし、名前を呼ぶのもダメ、メールの返事は返ってこない……そんな付き合い方でいいの? とも思うけど、何せずっと憧れていた「姫」が相手だからね。天にも昇る心地ですよね。


中間テスト、しょっぼい成績のレオに、エリカは「期末テストでは全教科80点以上を取らないと、別れる」と申し渡します。
このカップル……というかカップルと言っていいのかな? 
エリカの気持ち一つで関係性が壊れかねない感じで、「ちょっとでも格好悪いところを見せたら別れるから」を連呼するエリカに、「任せとけ!」と無駄に自信満々なレオ。
feeの目から見たら、「こんな女やめとけww」と言って叩き出すところですが、今のfeeは対馬レオになりきりプレイ中なので、問題なし! 憧れの姫からの無理難題もどんどんこなしていきます。

そんなレオに対し、姫は(性的に)興味を持ったのか、生徒会室で手コキの暴挙。
「また気が向いたらしてあげるね」って、これ単なる性処理玩具……オモチャでもいいんだよ! 
高嶺の花の姫に手コキされる学園生活、最高じゃないですか! という感じで、いたずらフェラされたりと弄ばれるレオですが、期末テストで全教科80点以上を叩き出したレオに、エリカはとうとう処女を捧げます。
「いつまでも処女のままじゃ格好悪いしね」というのが姫の弁ですが、少しずつレオの事が気になってきているようです。
初Hの3日後にはメイド服姿で教室でH。いやぁ、羨ましい学園生活!
やっぱり学園モノは学校でHをしてほしい!(←激しくどうでもいい本音)


この3回のHシーン、CGも結構かわいくて最低限のエロさはあるなーと思うんですが、
いかんせんテキストが短い。レオが早漏すぎる。早漏にて御座候。
ついでに言えば、「主人公とヒロインが毎回一緒にイク」のは不自然だと私は常々思っておりますが、
それにしたってエリカお嬢様、1回もイってないですよ! そりゃそうですよ、レオが早すぎるw


さて、2学期も終わりクリスマスのデートを取り付けたレオ。
久しぶりにエリカに会える!と胸を躍らせるレオだけど、エリカは実は悩みを抱えていました。
彼女の抱える「野望」のためには、ふさわしい相手と「お見合い」をしなければなりません。
凡人のレオじゃあね。
だからセフレどまりにしようと思ってたんだけど、本気になっちゃったエリカ。
クリスマスデートを最後にお別れ…と決めたエリカは、どことなく気弱で、いつもの傲慢さよりも
かわいらしく守ってあげたい感じがします。
多分、いつもの傲慢さは演技で、これが(2学期ライターが考える)本来のエリカなんじゃないかなぁと思いました。ギャップ萌え? 結構かわいい。


その後、自分の「野望」の邪魔になるレオとお別れを決意するエリカでしたが、
よっぴーのナイスアシストもあり、エリカを引き止めに走るレオ。
「家の都合で、嫌々お見合いに甘んじるなんて姫じゃない!
霧夜カンパニーじゃなくても野望は掴める!」

というレオの熱い言葉に動かされ、姫はついにレオの手を取ったのでした。


完。



というわけでした。


(順番が逆なので)1学期の内容をうろ覚えなんですが、これ、1学期のエリカルートよりも
面白い気がします。
1学期のエリカって、要は既にある「霧夜カンパニー」の頂点に立ってそれで世界を動かすわけでしょ?
そりゃ確かに内部抗争とか大変そうだけど、一から成り上がっていく「2学期」のエリカの方が
好感が持てますですね。

ただまぁ、付き合い始めて1カ月かそこらのレオを、あの重大な局面で選ぶかな?
姫ってもう少し、「打算」で生きている人間じゃないのかな?という疑問はありますが、
そこは(1学期の姫ではない)、(2学期の姫)として考えればおかしくない気もします。
また、そもそも姫の「野望」ってなんだよw という辺りはかなーり漠然としていますし、
レオの事が好きなよっぴーが、エリカとの仲をこんなに手助けしてくれるかな? とかまぁいろいろ
気になるところはありますが……

案外面白かったな、これ。というわけでエリカルートの評価はこちら。

SーE

レオ B+ 感情移入できたので
エリカ B+ 案外かわいかった。特に12/25のあたり。
シナリオ B なんてことない話だけど、アリっちゃアリ。
羨ましさ A 竜鳴館学園で、楽しい友達に囲まれているだけでも癒されるのに、姫とも……羨ましい
青春度 B レオの青臭さや、ダラダラした学園生活もある意味青春ではある

Hシーン C+ 
データ シーン回想数6:レオの射精回数:5回 sex回数:4回(うち1回は同日に2回戦)
    オーラルHの回数2回 H日数:5日 エリカの逝った回数:0
  

総合満足度 B


さーて、次は誰行こうかな……カニ辺りかな……








 

つよきす三部作 やってます① 序章

【前ふり】

最近、ただひたすら『癒される』事を目的として、
「つよきすシリーズ(1学期~3学期)」をプレイしなおしています。

大好物の作品を差し置いて、なぜ特にファンというわけでもない「つよきすシリーズ」の再プレイやねん!
という疑問も湧いてきそうですが(現に一度質問されましたw)、まぁそりゃそうっすよね。


以前書いた感想はこちら。
つよきす   つよきす3学期

まぁどう見ても、ファンには見えないw 

なぜつよきすかというと、現実逃避がしたかったんですよね。
そのためには、なるべく現在の自分……私は一応社会人なので、社会人が活躍する話ではない方が良い。できれば学園モノ。
また、人間関係のストレスで体調を崩したため、あまりギスギスしていない話が良い。
人間の狂気とかにもあまり触れたくない。
また、体調不良のため、複雑な物語を噛みしめる事ができないので、適度に力を抜いて読めるものが良い。
特に「元気がない」時に断続的にプレイする(元気がある時にはもっと好みの作品に触れたいw)  ということもあって、やはり「細かく展開を覚えてないと困る」作品はパス。
それから、ダラダラ―っとプレイできるものが良い。できれば長時間。

というふうに絞っていくと、案外候補がなかった。そこで「つよきす」です。
学園モノだし、3作合わせれば多分80時間ぐらいありますよね、これ。
シリアスでもないし、テキストも難しくない。ピッタリじゃん!


さて、「つよきす」。
主人公は高校二年の対馬レオ。
親友のスバル、悪友のカニとフカヒレ(対馬ファミリー)に囲まれ、クラスメイトのエリカに憧れる高校生。
堅物な従姉の乙女さんと同居。
ひょんなことから生徒会に入ることになり、エリカとも接点が生まれる。
生徒会メンバーは、スバル、カニ、フカヒレ、乙女さん、エリカの他に
レオに思いを寄せるクラスメイトのよっぴー、孤高の下級生なごみといった面子。
ライバルのA組には過去に因縁がある素奈緒(元カノではないんだけど、そんな感じw)もいる。

そんなレオの高校2年生の1年間を
「つよきす」「つよきす2学期」「つよきす3学期」の3作でたっぷり堪能しちゃおうZE! という企画でございます。
批評空間の感想を改めて書き直すかは未定ですが、今読み返してみると「1学期」の感想なんかはかなりテキトーだし、せっかくだから書き直そうかな? どうしようかな? 
まぁそれはクリアしてから考えましょう。


というわけで、どの娘から攻略しようかなーと。
候補は5人。
えーと、確か好きな順に①なごみ、②素奈緒、③カニ、④姫、⑤乙女さん でした。
よっぴーは嫌いじゃないんですが、「癒されたい」というコンセプトなのでごめんなさい!
瀬麗武は……まぁ気が向いたらやります。


(1学期の)共通ルート。
やっぱりフカヒレは最高に笑えますね。
スバルもいい奴だし、カニもこう見えてよくよく見るとかわいいし、とても居心地が良い。
乙女さんは……あー、やっぱり俺、乙女さんは好きじゃないや。ファンの方、ごめんな。
で、レオが生徒会にいよいよ入りまして……えっ、もうキャラ選択画面なの?
なごみとか素奈緒とか全然接点ねーじゃん! 
さすがに(この時点では)よく知らない女の子の元に通うのもあれだし、
俺がレオならこの状況じゃ、勝手知ったるカニか、玉砕覚悟で憧れの姫ぐらいしか選べねーべよ……。


ちょっと逡巡した結果、「そうだ!」と思ってやおら取り出したのはクソゲーと名高い2学期w
で、共通ルートを始めてみると……うーん。
僕は1学期のファンというわけでもないのですが、やはりテキストのレベルは違いますね。
というか、フカヒレが超つまんない。フカヒレが出てきたらスキップですよ。
1学期のフカヒレは、「面白くていじり甲斐のあるいい友達」だったのに、
2学期のフカヒレは「とりあえずストレス発散でこいついじめとくか」な感じ。
これじゃ笑えないっすね。
後、テキストも全体的にキレが悪くて、特に乙女さんのアクション描写とかは最悪。
ただ、『未読スキップ』が許されるのが2周目の特権。
見るからにつまんなそうなシーンを飛ばしさえすれば、ストレスなくプレイできますね!

で結局、美味しくなさそうな「2学期」を先にプレイすることにしました。


美少女万華鏡 神が造りたもうた少女たち(ネタバレ感想)

83点。


物語の展開は非常にオーソドックス。

孤独な主人公→ロボットの目覚め→ロボットとの反目(村人との反目含む)
→ロボットとの和解(村人との和解も含む)→恋人へ(蜜月)→夢の終わり(暗転)→新しい生活へ


という流れです。


人と関わりを持てず孤独に生きてきた主人公の博士(ひろしではありません。はかせです)は、ロボットを練習台にコミュニケーションを取ろうとします。
しかし、そのロボットとすらうまくコミュニケーションが取れません。
このロボット(アリス)は非常にワガママで感情の起伏が激しく、付き合うには難しい相手でした。
(典型的ツンデレだと思って読めば、非常に解りやすい娘ではあるんですが。リアルであの態度を取られたら、難しいですよね)

そんなアリスに手を焼いて、力で従わせようとする博士とアリスの亀裂はますます深まっていきます。
アリス自体は非常に高慢でワガママな性格をしているのですが、
彼女の不満、寂しさ、見捨てられることへの不安と悲しみが非常に巧く描写されており、
博士やプレイヤーに、「ウザい奴」ではなく「面倒だけど憎めない奴、かわいい奴」として印象づけることに成功しています。


無表情なドロシーは、アリスとは違い博士には従順ですが、心に壁を作っています。
そんなドロシーが博士に対して(確かひまわり畑を見た後のシーンだったと思うんですが、自信ナシ)
「口だけの人ではなかったんですね」と話すシーンがあります。
この辺りから、そして博士が見せるアリスに対する優しさ(甘さとも言えますが)を見て、少しずつドロシーの表情が豊かになっていくのも、印象的でした。


そうして関係が深まっていく博士とアリス&ドロシー、そして村人たちでしたが、そんな平和な日常に1つ目の爆弾が落ちます。


アリスとドロシーを村に連れて行ったことから、2人がリリーと接触し、その夜「アリスとドロシー、どちらを取るのか?」と2人に迫られる……そんなシーンがあります。


この作品での博士のNG行動は1にも2にも「2人を村に連れていく」事にありまして、ロボットが身を隠さざるを得ない世界では、非常に危険な行動だと言わざるを得ません。
実際、3回目の(ドロシールートでは2回目の)NG行動によって、楽園での生活は終わりを告げてしまいます。


アリスとドロシー、どちらも選べなかった博士は一度リリーの元へ。
ここで最初の選択肢、「リリーエンド」への選択肢が発生します。


リリーと結ばれた博士は、その後研究に身が入らずに、研究所を火事にしてしまい、アリスとドロシーを失い
廃人になってしまうというエンドです。明らかにバッドエンドですね……。
唯一の人間ヒロインなのに……やはり博士は人間とは結ばれないさだめなのでしょうか。


さて、本筋ではリリーの誘いを断って一路家へと帰ります。
そこで、今までアリス寄りの選択肢を選んでいればアリスルートに、ドロシー寄りの選択肢を選んでいればドロシールートに入ります。この2つのルートは物語自体はほとんど同じで、これがメインルートになります。


どっちつかずの選択肢を選んだ場合はハーレムルートになります。ここでは、幸せに暮らす3人の姿が描かれており……メインルートよりも、こちらのルートの方が遥かにハッピーエンドですよね。
リリーも死なないし、村も崩壊しないし、2人とHできるし……。
物語自体は尻切れトンボだけど、これからも楽しく3人でお幸せに! 完!



で、終わってしまってはあれなのでメインルートの感想へ。
アリスとドロシーを再び村に連れていく、というNG行動の結果、誰にとっても悲惨な展開へと繋がっていくわけですが、
このルートで面白いのはエンディング。
顔にやけどを負った主人公は自らの容貌に強いショックを受け、『化け物』と形容します。
それはそうでしょう。動揺するのは当然です。


ただ、そんな博士の容貌を、アリスやドロシーは受け入れてくれました。
生き残った人々であるブギーマンも受け入れてくれました。
そして、エピローグでの博士は、元気を取り戻しているように思えます。
これはつまり、「誰も気にしない:皆から受け入れられる障害」は最早、障害ではないということだと思いました。


ジョン・ヴァーリィの短編小説「残像」では、盲目の人々が集まって住んでいるコミューンがあります。
孤独を感じていた主人公、どこに行ってもハズレものだった主人公は、
彼らの仲間に入るために、自ら進んで目を潰すのです。
そうして、主人公はコミューンに受け入れられ、そこで幸せに暮らしていきます。


「村」を失った博士でしたが、ブギーマンと共に暮らす新たな生、決して悪いものではないように感じました。
ただ、ラストの「たった一つの冴えたやり方」はちょっと浮いていたかなとはw



本作では、ライターの趣味でしょうか。
非常に様々なところからパロディやオマージュが取られています。
単に名前を借りたところだけで言えば、30や40じゃきかない感じで、
それもラノベやアニメからギャルゲ、古典童話に海外SFに海外ドラマなど、割と広範囲なところから取られているのが趣深いです。

ある意味ひけらかしとも言えますが、僕などは単純なので「おぉ、そうきたか!」と思ってしまいました。
また、火傷の描写やウィルスの説明などは、きちんと調べて描いている印象を受けましたし、SF的世界観もきちんと作りこまれていて、「短編抜きゲーでしょ?」と思ってプレイすると驚くことになると思います。


個人的にはとても気に入りました。
続編にも期待したいです。

フェアリーテイルレクイエム 感想(バレあり)

85点。

甘美で不穏な暗黒童話の世界へようこそ。


☆前置き

本作のテーマは「現実逃避と、逃避からの脱出」。

不登校、引きこもり、ニート、ブラック企業社員、ブラック集落在住者、愛情のない夫婦、長期入院者、長期受刑者……
その他何でも良いのだが、
「今の境遇のままではいけないと解っている」、「けれど、今の境遇を壊して、新しい社会に出るのが怖い」という葛藤は、恐らく多くの人が抱えている普遍的な命題だと思う。
それ故に、媒体問わず多くの作品がこのテーマで作られている。

個人的にはこの作品をプレイしながら、映画「ショーシャンクの空に」を連想した。
刑務所の中の世界は確かに苛酷だが、楽園でもあった。
刑務所から出た受刑者の一人は、自殺してしまう。彼は、「楽園」の中にずっといたかったのだ。
一方で、「楽園」で殺されていく者もいる。


エロゲでも、そっくりそのままではないものの、「Fate/hollow ataraxia」、「リトルバスターズ」、「ナツユメナギサ」、「すみれ」あたりが当てはまるだろう。
しかし……これらの作品の中でも、本作は一際完成度が高かったと思っている。

それは、ひとえに「童話世界の持つ甘美な残酷さ」が実によく描けているからだと思う。



☆前半5ルートについて


前半5ルートで描かれているのは、「現実世界に向き合わず、耽溺した童話世界の『甘さ』と『残酷さ』」。

甘い甘いお菓子の家は、子供を食べるために魔女が作った残酷な装置。
本作における『楽園』は、まさに「ヘンゼルとグレーテル」に登場するお菓子の家そのものです。

そこは確かに、甘く、いつまでも浸っていたいような幸福な空間で、けれども陰に残酷な思惑が渦巻いています。
逆に言えば、残酷な思惑が渦巻いてはいるけれども、そこは確かに甘く、いつまでも浸っていたいような幸福な空間なのです。



「幸福」の描き方として特に秀逸なのはアリスルートで、「猫のない笑い」を取りに木に登っては落っこち、
主人公に抱きとめられての「これが恋に落ちるということなのね」、「それが愛の重みよ」などの一連の流れ、台詞回しは完璧。
このシーン以外でも、アリスの言い回しは非常に楽しく面白く、何度も癒されました。

一方でどのルートを辿っても、選ばれなかったヒロインの中から誰かが死ぬという「残酷さ」も見事で、
ラプンツェルルートではグレーテル、ゲルダルートではアリス、グレーテルルートではゲルダが亡くなりますが、
主人公とヒロインは、幸福に生きていきます。

毎日がお祭り騒ぎのアリスとの日常。青い鳥を探し続けるグレーテル(ミチル)との日々、
永遠に続くラプンツェルとの毎日。
もう一生正気に戻らなくても良いのではないか。ずっと甘美な世界に浸っていたい。
そんな気持ちにさせられる「キャンディのような甘さ」の陰で、少女たちは犯され、死んでいきます。

この対比が実に素晴らしいと感じました。
「現実逃避からの脱出」を描く作品において、
逃避先に「甘さ」しかないならば、現実に帰る必要を感じません。
逆に、逃避先に「辛さ」しかないならば、勇気を出して現実に帰るのを、読者は焦れながら待つしかありません。

しかしこの作品には「甘さ」と「辛さ」が、どちらもきちんと描かれている。
それだけに、彼女たちが下す「現実へと帰る」という決断が重みを増すのだと思います。


バッドエンドで良かったのは、グレーテルのバッドとラプンツェルのバッド。
キモキャラのコミヤをかまどで焼き殺すグレーテルは、本作品登場童話の中でも随一の武闘派、
グレーテルの貫録を見せてくれました。
魔女をかまどで焼き殺したという逸話を持つグレーテルに手を出すとか、命知らずにも程があるぜ……。

ラプンツェルのバッドは、ラストシナリオにも繋がる「現実世界へ帰って、どうするの?」という残酷な問いを発しており、「死亡」エンドよりも心がひんやりとする思いがしました。


もしも、私たち読者が「楽園」の住人だったらどうでしょうか。
やはり、現実へと帰りたいですか? そりゃ、あんなキモい医者だらけのところ、居たくないとは思います。
でも、わけのわからないままあそこで楽しく暮らし、そして死ねたら……それはそれで一つの幸せだと思ってしまう私は、やはり現実世界に疲れているのでしょうか……。


☆最終ルート「レクイエム」感想

最終ルートでは、そんな「楽園」からの脱出が描かれます。
と、こう書くだけで終わってしまってもいいんですが(汗)、

ドロシーの魔法で帰還するシーン。
竜巻に乗って皆で手を繋ぎ、励まし合うシーンは最高に良かったです。

振り返ってみれば、「楽園」では楽しい事も沢山ありました。そこで生まれた絆もありました。
特に印象深いのは、ラプンツェルとグレーテルの絆でしょうか。
皆で催したはちゃめ茶会、アリスとゲルダの友情など、印象深いシーンがたくさんありました。

そして、ラプンツェルのバッドエンドでも描かれたように、現実世界への恐怖があります。
精神病院から帰ってきた、身寄りのない彼ら。現実世界で、果たして生きていけるのかと聞かれれば、
相当過酷だと思われます。

現実に怯えるあまり、魔法が解けかかってしまう主人公やオディール。
そんな彼らを励まし、力づける仲間たちの暖かさ。

もちろん生活保護などを受けたり、池野氏からの何らかの援助などもあるかもしれず、
絶対に生きていけない、というわけではないでしょうが……。
本作では、その部分がカットされているのが、数少ない不満ではあります。
長々と描写せずとも良いので、各ヒロインの現実世界での奮闘も見たかったです。
まぁ、ラストの「花束」で、健在ぶりが確認できるだけでも良いか、と思わなくもない、ですが……

せめて誰か一人でいいから、主人公の側にもいてあげてほしかったという気持ちはやはりありますね。

現実世界に戻っても、突拍子もないアリスのムードにあてられれば、苦しさも苦しく感じないでしょう。
亡くした妹の、兄の代わりではないが、グレーテルと身を寄せ合って暮らすのもいいかもしれません。
側にいてくれるのがオディールならば、きっとあらゆる局面で頼もしいでしょう。
個人的に一番ヒロインとして好きなのがラプンツェルで、彼女と共に荒波を乗り越えていくのも良いです。
そして、明らかにメインヒロイン格のゲルダ……なぜ主人公の側にいないのか理解に苦しむw


何にせよ、「楽園」は崩れ、少年少女は現実世界へと帰りました。
プレイヤーである私も「楽園」を去り、現実世界を生きる準備をするべき時なのでしょうか……。


……すみません、もう少し「逃避」させてください。また、別の「エロゲ」という「楽園」へ……。
いっつも逃避している気がするんですが、特に今(2016年12月現在)、ちょっと現実が辛いんですわw



銀色 感想(バレあり)

77点。

まず章ごとの感想を、最後に全体の感想を書きます。


【1章】 評価 A~A+  (S~Eで)

後年、1章のライター片岡とも氏の手から、「ナルキッソス」という作品がリリースされました。
不治の病を抱えた少女が自らの死に場所を探し、旅に出るという物語ですが、
1章のストーリーはそんな「ナルキ」に通じるものがあります。

つまり、人とは呆気なく死んでいくものだということ。
どうすることもできない不幸、死はあるのだということ。
名前のない彼女、名前を忘れられた彼。
花は咲き、枯れていく。蛍は光り、消えてゆく。
人は生まれ、そして死ぬ。

徹底されているのは、これは何も特別な悲劇ではないということです。
この当時、多くの人々がこのように、誰からも顧みられることなく人知れず死んでいったことでしょう。
それは何もこの時代だけではなく、あらゆる時代、あらゆる国において、
こうした「死」はくり返されてきたことだと思います。


「生きた証がほしい」。
あやめと水仙(ナルキッソス)の違いはあれど、書かれているテーマは同じです。
誰からも顧みられず、特別派手な花でもないけれど、それでも凛と咲く一輪の花。
片岡とも氏の死生観とは、つまるところそういうものなのかもしれません。

私たちはいつか死にます。その時に、「精一杯咲いていたよ」と言えるような生き方をしたいものですね。


【2章】 評価 A-

2番目に出来の良い章。

1章とは違い、序盤は良くも悪くも「普通のギャルゲー」といったほのぼのな日常シーンが続きます。
狭霧かわいいなーとも思いますし、1章と比較すると若干緩いなぁという印象も受けます。
物語はそのまま終盤へと進み、狭霧が人柱となって洪水を収め、村を助けるという物語が展開されます。

こちらは1章とは違い、死が「華々しい」ものとなっています。
何せ、村を救った英雄になるわけですから。(英雄として迎えられたかどうかはともかく、本人にはそうした満足感があったと思います)
それは、村から受け入れられなかった彼女が、生命を賭けて掴んだ「居場所」であり、名誉ある死だと思います。

それに対する村人のゲスぶりなどは、(予想はしていましたが)やはりなかなか熱いものがあり、
ラスト30分の展開はエンタメとしてとても面白かったです。

良い意味でも悪い意味でも1章のそれとは違い、「感情のある死」、「泣ける」ストーリーだと思います。


【3章】 評価 B

これが噂のねーちゃんですか。

個人的には、「三角関係の修羅場」は大好物なのですが、これは率直に言ってねーちゃんの頭がおかしいだけかなと思いました。
いや、確かに現実にもこういう頭のおかしな人はいるわけで、突拍子もないとかリアリティに欠けるとは思いません。

しかし個人的には、もう少しねーちゃんの心に寄り添えるような内容が良かったなと思います。

たとえば、優しかった夕奈と朝奈の過去エピソードを大幅に増やすとか。
ねーちゃんの心理描写にテキストを費やすとか。
もう少しねーちゃんに同情できる部分を増やすとか。
「10年来の許嫁が、妹にとられた」とかならあの怒りようもまぁまぁ解りますが、まだ付き合ってもいない男でしょ?
好きになったのが数日早かった、ぐらいの話でしょ? 

銀糸がもたらした悲劇~という体裁のストーリーですが、銀糸がなくてもいつか似たような事は起きたと思います。
だって、ねーちゃん、普通に頭おかしいもん。

ラストも尻切れというか、ねーちゃんが死んだ後どうなったのかわからないし……


【4章】 評価 B-

正直、書くことがないです。全4章の中では一番テキストが拙くて、展開も一番地味でした。
カウンセラーは頭おかしいな。



【総評】

「願いをかなえる銀糸」の話ということになってはいるものの、実際の所、物語にそこまで「銀糸」が絡んでいるかと聞かれると微妙です。

2章は「村の洪水が収まる」云々の奇跡はありますが、そこは物語の大切な部分ではないと思います。


村人の「人柱になれ」という欲求に、狭霧が喜んで従う話です。

3章は、「銀糸」の力でねーちゃんが狂っていくのかと思いきや、実際起こった事は最初の「彼が店に入ってきた」を除けば、
「足を滑らせたら皿が割れて怪我」とかそんなレベルなので、「銀糸」の存在はアクセントではありますが、主役ではありません。
ではどういう話かというと、キチガイねーちゃんの虐待に、朝奈がそれでも姉を慕い続けて不幸になる話です。

4章も、「銀糸」の存在感は「母の死」と「失語症」。これらは銀糸がなくても描ける内容です。
それよりは、ヤブカウンセラーの虐待めいた治療に、あやめが粛々と従う話かなと。


つまり、2~4章の共通点としては、「周囲からの虐待・ブラックな環境に、ヒロインがなぜか粛々と従うストーリー」と言い換えられまして、
起こる悲劇・苦しみのほとんどは、「ブラックな環境から逃げ出す」ことで、回避できたように思うのです。


村なんか捨てて男と逃げれば狭霧は死なずにすんだし、
夕奈なんかほっといて男と逃げれば朝奈はあそこまで追い詰められずに済んだし、
ヤブカウンセラーの診療に行かなければ、あやめは追い詰められることもないのです。
だから、これらは一見「避けえない悲劇」に見えますが、悲劇を呼んだのは結局のところ、「ヒロインの思考」の方にあるわけですね。


この中で、2章の狭霧のストーリーは、「人柱」に力があると思われているであろう世界での物語であり、
彼女の決意によって実際村が救われたわけですから、「無駄な死」でもないという意味で、バランスが取れたストーリーだと思います
(「意味のある死」だからこそ、1章の突き放したような「どこにでもある死」という印象が薄れてしまっているのも確かですが)。


そんなわけで、「ブラックな環境からは逃げればいいじゃんw」と思ってしまうわけですが、過労死問題などを考えましても、
「逃げるという選択肢を選べずに、不幸になってしまう人」というのは多数いるわけで、バカにしたものでもありません。
ただ、そんな過労死で亡くなっていくかのようなヒロインの姿を読まされる身としては、「もういい……もう逃げろ!」と思ってしまいますね。


で、1章がなければ、「不幸を回避できなかったのは結局、本人の心の中にある」
「ブラックな環境からは逃げるべし!」というテーマの物語でした!と言い切っちゃってもいいんですが、
1章はそんな生ぬるい話ではなくて、文字どおり逃げ場がないですからね。
だから1章だけは、2章以降とは別種の物語だと思いますし、1章が一番出来が良いんだよなぁ……。

記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター

livedoor プロフィール
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ