本・映画などなど

国内ミステリ オールタイムベスト(2022年3月10日記入)


S 何を措いてでも読むべき作品
A とても面白かった作品
B まずまず面白かった作品
C あまり面白くなかった作品
D 良さがわからなかった作品

気分でつけているので、リストごとにSになったりAになったりしている作品もあるかもしれませんが、2ランク以上のミスはないはずですw

近々読む作品は、自分のために目立つよう間を空けました。
そのせいで、読者様には不自然なスペースが空いているように見えると思いますが、
ご了承ください。

現時点で読む可能性の薄いものは斜体になっております。


1985 文春


1  横溝正史 獄門島 1947
2 中井英夫 虚無への供物 1964
3 松本清張 点と線 1957
4 坂口安吾 不連続殺人事件 1947 再読
5 小栗虫太郎 黒死館殺人事件 1934  
6 夢野久作 ドグラ・マグラ 1935 再読
7 横溝正史 本陣殺人事件 1946
8 鮎川哲也 黒いトランク 1956
9 連城三紀彦 戻り川心中 1980
10 高木彬光 刺青殺人事件 1948
11 船戸与一 山猫の夏 1984
12 天藤真 大誘拐 1978
13 江戸川乱歩 二銭銅貨 (短編) 1923
14 江戸川乱歩 陰獣 1928
15 松本清張 ゼロの焦点 1959
16 泡坂妻夫 11枚のとらんぷ 1976
17 泡坂妻夫 亜愛一郎の狼狽 (短編集) 1978
18 水上勉 飢餓海峡 1962
19 結城昌治 ゴメスの名はゴメス 1962
20 土屋隆夫 危険な童話 1961
21 島田荘司 占星術殺人事件 1981
22 泡坂妻夫 乱れからくり 1978
23 大岡昇平 事件 1977
24 北方謙三 1983
25 江戸川乱歩 心理試験 (短編) 1925
26 竹本健治 匣の中の失楽 1978
27 志水辰夫 飢えて狼 1981
28 高木彬光 白昼の死角 1959
29 生島治郎 黄土の奔流 1965
30 北方謙三 逃がれの街 1982
31 大藪春彦 野獣死すべし 1958
32 高木彬光 人形はなぜ殺される 1955
33 都筑道夫 なめくじ長屋捕物さわぎ (短編集) 1968
34 生島治郎 追いつめる 1967
35 仁木悦子 猫は知っていた 1957
36 笠井潔 サマー・アポカリプス 1981
37 江戸川乱歩 孤島の鬼 1929
38 鮎川哲也 黒い白鳥 1959
39 森詠 燃える波濤 1982
40 小泉喜美子 弁護側の証人 1963
41 土屋隆夫 影の告発 1963
42 横溝正史 悪魔の手毬唄 1957
43 島田荘司 斜め屋敷の犯罪 1982
44 横溝正史 八つ墓村 1949
45 小林信彦 紳士同盟 1980
46 高木彬光 成吉思汗の秘密 1958
47 志水辰夫 裂けて海峡 1983
48 鮎川哲也 りら荘事件 1968
49 江戸川乱歩 押絵と旅する男 (短編) 1929
50 陳舜臣 枯草の根 1961
51 船戸与一 夜のオデッセイア 1981
52 森村誠一 高層の死角 1969
53 松本清張 砂の器 1960
54 笠井潔 バイバイ、エンジェル 1979
55 岡本綺堂 半七捕物帳 (短編集) 1917 「かむろ蛇」、「冬の金魚」など6編読んだ。
56 江戸川乱歩 パノラマ島綺談 1926
57 佐野洋 一本の鉛 1959
58 井沢元彦 猿丸幻視行 1980
59 都筑道夫 猫の舌に釘をうて 1961
60 笹沢左保 招かれざる客 1980
61 岡嶋二人 焦茶色のパステル 1982
62 木々高太郎 人生の阿呆 1936
63 黒岩重吾 背徳のメス 1960
64 夏樹静子 蒸発 1972
65 阿刀田高 ナポレオン狂 (短編集) 1979
66 筒井康隆 富豪刑事 (短編集) 1978
67 高橋克彦 写楽殺人事件 1983
68 北方謙三 眠りなき夜 1982
69 横溝正史 蝶々殺人事件 1946
70 鮎川哲也 死のある風景 1965
71 浜尾四郎 殺人鬼 1931
72 陳舜臣 炎に絵を 1966
73 松本清張 黒い画集 (短編集) 1960
74 久生十蘭 顎十郎捕物帳 (短編集) 1939
75 夏樹静子 Wの悲劇 1982
76 海渡英祐 伯林 一八八八年 1967
77 森詠 さらばアフリカの女王 1979
78 戸板康二 團十郎切腹事件 1959
79 戸川昌子 大いなる幻影 1962
80 赤川次郎 マリオネットの罠 1977
81 小栗虫太郎 完全犯罪(短編) 1933
82 岡嶋二人 あした天気にしておくれ 1983
83 都筑道夫 三重露出 1964
84 大藪春彦 蘇える金狼 1964
85 結城昌治 暗い落日 1965
86 森村誠一 人間の証明 1975
87 赤川次郎 幽霊列車 (短編集) 1976
88 佐野洋 轢き逃げ 1970
89 都筑道夫 誘拐作戦 1962
90 船戸与一 非合法員 1979
91 笠井潔 薔薇の女 1983
92 檜山良昭 スターリン暗殺計画 1978
93 北方謙三 友よ、静かに瞑れ 1983
94 大下宇陀児 石の下の記録 1948
95 多岐川恭 落ちる (短編集) 1958
96 栗本薫 ぼくらの時代 1978
97 加納一朗 ホック氏の異郷の冒険 1983


文春2013


1 横溝正史 獄門島 1947 1
2 中井英夫 虚無への供物 1964 2
3 島田荘司 占星術殺人事件 1981 21
4 夢野久作 ドグラ・マグラ 1935 6 再読
5 宮部みゆき 火車 1992 - 再読
6 松本清張 点と線 1957 3
7 天藤真 大誘拐 1978 12
8 綾辻行人 十角館の殺人 1987 -
9 京極夏彦 魍魎の匣 1995 -
10 横溝正史 本陣殺人事件 1946 7
11 鮎川哲也 黒いトランク 1956 8
12 連城三紀彦 戻り川心中 1980 9
13 東野圭吾 容疑者Xの献身 2005 -
14 小栗虫太郎 黒死館殺人事件 1934 5 
15 山口雅也 生ける屍の死 1989 -
16 泡坂妻夫 亜愛一郎の狼狽 1978 17
17 北村薫 空飛ぶ馬 1989 -
18 東野圭吾 白夜行 1999 -  一度挫折
19 坂口安吾 不連続殺人事件 1947 4 再読
20 綾辻行人 時計館の殺人 1991 -
21 島田荘司 斜め屋敷の犯罪 1982 42
22 有栖川有栖 双頭の悪魔 1992 -
23 京極夏彦 姑獲鳥の夏 1994 -
24 江戸川乱歩 二銭銅貨 1923 13
25 松本清張 砂の器 1960 53
26 原尞 私が殺した少女 1989 -
27 江戸川乱歩 孤島の鬼 1929 37
28 高木彬光 人形はなぜ殺される 1955 32
29 髙村薫 レディ・ジョーカー 1997 -
30 山田風太郎 妖異金瓶梅 1954 -「赤い靴」だけ読んだ
31 水上勉 飢餓海峡 1962 18
32 高木彬光 刺青殺人事件 1948 10
33 鮎川哲也 りら荘事件 1968 48
34 泡坂妻夫 乱れからくり 1978 22
35 江戸川乱歩 陰獣 1928 14
36 歌野晶午 葉桜の季節に君を想うということ 2003 -
37 松本清張 ゼロの焦点 1959 15
38 泡坂妻夫 11枚のとらんぷ 1976 16
39 横溝正史 犬神家の一族 1950 -
40 竹本健治 匣の中の失楽 1978 26
41 宮部みゆき 模倣犯 1995 -
42 岡本綺堂 半七捕物帳 1917 55
43 桐野夏生 OUT 1997 -
44 皆川博子 死の泉 1997 -
45 大沢在昌 毒猿 新宿鮫II 1991 -
46 船戸与一 山猫の夏 1984 11
47 藤原伊織 テロリストのパラソル 1995 -
48 山田風太郎 太陽黒点 1963 -
49 京極夏彦 絡新婦の理 1996 -
50 馳星周 不夜城 1996 -
51 島田荘司 奇想、天を動かす 1989 -
52 横山秀夫 第三の時効 2003 -
53 髙村薫 マークスの山 1993 -
54 横山秀夫 半落ち 2002 -
55 笠井潔 サマー・アポカリプス 1981 36
56 島田荘司 異邦の騎士 1988 -
57 横溝正史 八つ墓村 1949 44
58 船戸与一 猛き箱舟 1987 -
59 小泉喜美子 弁護側の証人 1963 40
60 宮部みゆき 理由 1996 -
61 真保裕一 奪取 1994 -
62 三津田信三 首無の如き祟るもの 2007 -
63 麻耶雄嵩 夏と冬の奏鳴曲 1993 -
64 森博嗣 すべてがFになる 1996 -
65 大沢在昌 新宿鮫 1990 -
66 貴志祐介 黒い家 1997 -
67 山田風太郎 警視庁草紙 1975 -
68 泡坂妻夫 しあわせの書 1987 -
69 久生十蘭 魔都 1948 -
70 西澤保彦 七回死んだ男 1995 -
71 笠井潔 哲学者の密室 1992 - 150ページほどで挫折……いつか再挑戦したい
72 舞城王太郎 煙か土か食い物 2001 -
73 伊坂幸太郎 アヒルと鴨のコインロッカー 2003 -
74 乾くるみ イニシエーション・ラブ 2004 -
75 横溝正史 悪魔の手毬唄 1957 42
76 麻耶雄嵩 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 1991 -
77 仁木悦子 猫は知っていた 1957 35
78 京極夏彦 鉄鼠の檻 1996 -
79 土屋隆夫 危険な童話 1961 20
80 我孫子武丸 殺戮にいたる病 1992 -
81 稲見一良 ダック・コール 1991 -
82 綾辻行人 霧越邸殺人事件 1990 -
83 中島らも ガダラの豚 1993 -
84 殊能将之 ハサミ男 1999 -
85 逢坂剛 カディスの赤い星 1986 -
86 連城三紀彦 夜よ鼠たちのために 1983 -
87 江戸川乱歩 パノラマ島奇談 1926 55
88 高木彬光 白昼の死角 1959 28
89 志水辰夫 背いて故郷 1985 -
90 山田風太郎 明治断頭台 1979 -
91 佐々木譲 ベルリン飛行指令 1988 -
92 赤江瀑 オイディプスの刃 1974 -
93 貫井徳郎 慟哭 1993 -
94 高野和明 ジェノサイド 2011 -
95 有栖川有栖 孤島パズル 1989 -
96 都筑道夫 なめくじに聞いてみろ 1968
97 逢坂剛 百舌の叫ぶ夜 1986 -
98 岡嶋二人 99%の誘拐 1988 -
99 宮部みゆき 龍は眠る 1991 - 全く覚えていないが、多分読んでる。多分。
100 鮎川哲也 黒い白鳥 1959 37

(ブックガイドブック1983:作業中。作者名は……勘弁して)

1 獄門島
2 虚無への供物

3 乱れからくり
4 刺青殺人事件

5 本陣殺人事件
6 人形はなぜ殺される

7 11枚のとらんぷ

8 八つ墓村
9 不連続殺人事件 再読

10 戻り川心中
11 黒死館殺人事件
12 大誘拐
13 悪魔の手毬唄

14 黒いトランク

15 ドグラマグラ 再読
16 点と線

17 犬神家の一族

18 亜愛一郎の狼狽
19 危険な童話
20 弁護側の証人

21 陰獣
22 りら荘事件
23 砂の器
24 マリオネットの罠
25 白昼の死角
26 占星術殺人事件

27 猿丸幻視行

28 匣の中の失楽

29 孤島の鬼

30 最長不倒距離 都築道夫
31 幽霊列車
32 猫の舌に釘を打て

33 猫は知っていた

34 ゼロの焦点

35 三毛猫ホームズの推理
36 殺しの双曲線
37 高層の死角

38 ゴメスの名はゴメス

39 血みどろ砂絵

40 伯林1888年

41 人間の証明

42 仮題・中学殺人事件

43 Wの悲劇 夏木静子
44 ぼくらの時代 栗本薫
45 蝶々殺人事件 横溝正史
46 仮面舞踏会 横溝正史
47 富豪刑事
48 野獣死すべし
49 影の告発 土屋隆夫

50 吸血鬼 江戸川乱歩
51 化人幻戯 江戸川乱歩 途中まで読んだ
52 追いつめる 生島治郎

53 サマーアポカリプス 笠井潔

54 湖底のまつり
55 針の誘い
56 七十五羽の烏

57 悪魔が来りて笛を吹く 横溝正史
58 セーラー服と機関銃 赤川次郎

59 バイバイ・エンジェル 笠井潔

60 細い赤い糸
61 黒い白鳥 鮎川哲也

62 顎十郎捕物帖
63 妖異金瓶梅 山田風太郎 「赤い靴」だけ読んだ
64 憎悪の化石 鮎川哲也

65 飢餓海峡 水上勉

66 魔術師 江戸川乱歩
67 忍びの卍 山田風太郎

68 変調二人羽織
69 枯草の根 陳舜臣

70 黄土の奔流 生島治郎

71 盗作・高校殺人事件

72 リンゴォ・キッドの休日
73 真珠郎 横溝正史
74 誘拐作戦 都築道夫

75 夜歩く 横溝正史
76 大統領の密使
77 江戸川乱歩傑作選

78 招かれざる客 笹沢佐保
79 黒蜥蜴 江戸川乱歩

80 破戒裁判 高木彬光
81 炎に絵を 陳舜臣
82 キリオン・スレイの生活と推理 都築道夫

83 一・二・三・死 高木彬光
84 パノラマ島奇談 江戸川乱歩

85 殺しへの招待 天藤真
86 誘拐 高木彬光
87 蘇る金狼
88 汚れた英雄
89 冷えきった街
90 内部の真実
91 女王蜂 横溝正史 
92 警視庁草紙 山田風太郎

93 事件 大岡昇平
94 魔界転生 山田風太郎

95 なめくじに聞いてみろ 都築道夫

96 異郷の帆
97 人喰い 笹沢佐保

98 皆殺しパーティー 天藤真

99 屋根裏の散歩者 江戸川乱歩

100 空白の起点 笹沢佐保

2023年に読んだ本(随時更新)

。S→味わい深く、いつまでも心に残りそうな作品


虐殺器官/伊藤計劃……

人を虐殺に駆り立てる『虐殺文法』の設定が秀逸。
『アメリカを守るため、世界を滅ぼす』ジョン・ポール。
そして形こそ違え同様の思想を持つウィリアムズが、主人公クラヴィスの愛する人ルツィアを殺した事、
自分を愛してくれていたと思っていた母親の真実の気持ちに触れた事から、主人公のクラヴィスは『世界の人々のために(詭弁)』アメリカを虐殺の坩堝へと叩き落す。
それが、彼の考えるルツィアを殺したウィリアムズに対する復讐であり、ジョン・ポールの起こした災厄による贖罪だった。

人は『大事な人を守るため』に、『無関係な人を殺す』。
愛のために、人を殺す。
微グロがちょっと苦手だったけれど、名作。


A→読んで良かったと思える作品

地球からの贈り物/ラリー・ニーヴン……

ニーヴンらしい緻密なSF世界観と、ニーヴンらしからぬシンプルかつ活き活きした冒険物語で、
ガチガチSFで読みにくい「ノウン・スペース」シリーズにおいて、娯楽性の高い作品に仕上がっている。


魂の駆動体/神林長平……

『ディック的世界観』+『車』+『老人2人の友情』物語で、
車には全く興味がないため83点だったけど、それでも楽しめたんだから、車好きならもっと楽しめるはず。自分も老人になった時に、こんな友だちが側にいたら嬉しいなと思った。
意識とは何か、知覚とは何か、魂とは何かを探求する『ディック的世界観』なので、
ある種、夢オチと言えなくもないような、夢ではないような。その辺は読者の想像に任せる感じだけど、それでいい。

(追記)「魂の駆動体」の第二部だけど、
『現実説』と『夢オチ説』それぞれに良いところがあるなと思う。

メタ的な事を言うなら『現実説』しかない。
夢の中で主人公はキリアになっているけど、アンク視点のパートもあるので。
キリアの見た夢だと考えるなら、その視点移動は『反則』だと思う
ただ、『夢オチ説』の良さは、主人公が昏睡している間、いろんな人たちが病室を見舞って主人公に声をかけてくれていた、という
人間的な暖かさを感じられること。
このセリフは、誰が見舞いに来た時のものかな?などと考えるのも楽しい。

『現実説』を僕は取るけど、夢オチ説も味がある。

柳生忍法帖/山田風太郎……
忍者もエロも出てこない、シリーズでは異色の剣術チャンバラ作品だけど、普通に面白かった。
沢庵和尚や、ラスボスの銅庵、最後の柳生十哲登場などの下巻は少しダレたけど(そういうのはなしで、純粋な剣術アクションが面白かった)、それでも良作。


百舌鳥の叫ぶ夜/逢坂剛……

チリのピノチェト大統領来日に際して、暗殺への警備と、公安警察の躍動。
そして、「男の娘暗殺者」の百舌鳥。

大勢の思惑が入り乱れるノンストップサスペンスは、複雑な構成、(当時の)世界情勢、巧みな伏線に支えられている。

最後、少しあっけなかったけどね。


夜のオデッセイア/船戸与一……

八百長ボクサーの主人公、その元カノで売春婦に転落した女と、売春婦に育てられている孤児の黒人男子。
あぶれもののプロレスラー2人と、八百長ボクサーのトレーナー。

人生に失敗した6人が、パーレヴィの財宝を求めて輝きだすも、それも束の間。
再び八百長ボクサーとトレーナーは、オデッセイア(車)に乗って広大なアメリカを走り始める。

しかし、最後をギャグで〆るとは思わなかったなw


B→暇つぶし以上の有益な何かを得た作品

秘悪書争奪/山田風太郎……

EDになった将軍家定のため、伝説のエロ本を求めて、忍者たちがエロ忍術で戦う、という設定は素晴らしかったんだけど、
今回はキャラ的に少し弱めで、シリーズの中ではハズレ気味。
ラスボスは「相手と一緒にエロい夢を見て、相手を操る事が出来る忍者」でした

忍法忠臣蔵/山田風太郎……
『忠臣蔵』本来の面白さに忍術を絡めた【二次創作的】作品。
そのぶん、忍者同士の戦いは正直いらなかった気もするけどw

婚約者を刺身にした序盤のシーンがラストに繋がってくる構成は秀逸。


フロスト日和/ウィングフィールド……
前作「クリスマスのフロスト」よりは面白かった気がする。

ブラック体質のフロスト警部&デントン署、無能揃いの警察官の中で、フロスト警部は比較的マシな方、という感じ。
多数の事件を絡み合わせて、見事に全てを解決してしまうプロットは流石。

新平家物語/吉川英治……
最後の方は義経話が多いというか、頼朝と梶原景時が真のクズキャラだったなって。
清盛の姿が活き活きと描かれている前半が面白い。平家の時代が良かった……。
後半は、陰湿な源氏内でのいじめっ子頼朝が暴れるので鬱。




オックスフォード運河の殺人/コリン・デクスター……
入院中のモース警部は暇つぶしに100年以上前の事件に興味を持ち、驚くべき真実を掴む。デクスター作品の特徴でもある、モース警部の混線した迷推理がない分、デクスターファンには物足りないかもしれないが、個人的にはスピーディーでこちらの方が好み。
あと、入院中にモテモテのモース警部がウケた。

猟犬クラブ/ピーター・ラヴゼイ……
めんどくさいミステリオタクの社会人サークルでの殺人事件。

ラヴゼイに求めていたものとは違ったけど、最低限は楽しめた。

新宿鮫/大沢在昌……
最後の50ページは、サスペンス性が溢れて面白いし、序盤の伏線もハマって見事な出来。
読後感としては、『プロットのしっかりした、レイモンド・チャンドラー作品』といった印象。

あまりにもホモホモしく、BL描写が苦手なため。気にならない方なら72点。
あとは、ギリギリ平成に書かれているんだけど、
ケータイ電話がなかったり、カセットテープがあったり、溢れる昭和感が凄かったw

C→暇つぶし程度にはなった作品

森を抜ける道/コリン・デクスター……
モース警視シリーズが好きな人には楽しめるんじゃないかな。


忍者月影抄/山田風太郎……
このシリーズのファンだけど、今回は外れ。
「エロ」+「人間ドラマ」+「無常感」+「厨2バトル」の四拍子揃っているのがこのシリーズの良さだけど、今回は厨2バトルしかない。

各キャラ1人につき1つの忍法を持っているのがこのシリーズの特色だけど
キャラクターが立っていないと、忍法だけの存在になってしまうし、
その忍法自体も今回は大人しめ。

ついでに、今回は闘うのが男だけだからエロもないw


新宿鮫2毒猿/大沢在昌

黄金銃を持つ男/イアン・フレミング……
007シリーズ最終作として、何となく感慨深いものがある。敵の『黄金銃を持つ男』は、黄金銃をほとんど使えなかったけどw
『ドクター・ノオ』で出てきた、友人キャラのライダーや、ジャマイカが出てきたのは懐かしかった。


D→自分には合わなかった作品

ムーンレイカー/イアン・フレミング……
相変わらず、最初はカード詐欺のチンケな悪役が、突然世界を破滅させる大物になるという謎プロットは健在。

007は二度死ぬ/イアン・フレミング……
タイガー田中とかキッシー鈴木とか、プロレスラーみたいな日本人だらけである意味面白い……。



E→プロ作品として見るにはつらい作品
 

これから読む本

ハーモニー/伊藤計劃
夜のフロスト/ウィングフィールド……


SFオールタイムベスト(2023年3月4日記入)

ミステリ版をやったので、SF版も。

既読作品

S 何を措いてでも読むべき作品
A とても面白かった作品
B まずまず面白かった作品
C あまり面白くなかった作品

D 良さがわからなかった作品
太字ではないもの  未読(あるいは小学生の頃読んで、内容も覚えていないもの)

気分でつけているので、リストごとにSになったりAになったりしている作品もあるかもしれませんが、2ランク以上のミスはないはずですw

賞関係は気づいたやつだけ。適当。


SFマガジン2014

1『ソラリスの陽のもとに』スタニスワフ・レム 

2『ディアスポラ』グレッグ・イーガン 

3『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン  ヒューゴー賞/ネビュラ賞

4『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター 

5『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク 

6『万物理論』グレッグ・イーガン 

7『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス  ヒューゴー賞

8『新しい太陽の書』ジーン・ウルフ 
『拷問者の影』世界幻想文学賞、『調停者の鉤爪』ネビュラ賞、『警士の剣』ローカス賞、


9『夏への扉』ロバート・A・ハインライン 

10『ハイペリオン』 ダン・シモンズ ヒューゴー賞/ローカス賞

11『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン 

12『ハイペリオン』四部作 ダン・シモンズ   『ハイペリオンの没落』までは読んだ
『ハイペリオン』ヒューゴー賞/ローカス賞 『ハイペリオンの没落』英国SF賞/ローカス賞
『エンディミオンの覚醒』ローカス賞


13『ユービック』フィリップ・K・ディック  再読

14『ノーストリリア』コードウェイナー・スミス 

15『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック  再読

16『火星年代記』レイ・ブラッドベリ  再読

17『都市と都市』チャイナ・ミエヴィル  ヒューゴー賞/ローカス賞/クラーク賞/英国SF賞/世界幻想小説賞

18『航路』コニー・ウィリス  ローカス賞

19『都市と星』アーサー・C・クラーク 

20『ハイペリオン』二部作 ダン・シモンズ  
『ハイペリオン』ヒューゴー賞/ローカス賞 『ハイペリオンの没落』英国SF賞/ローカス賞

21『スローターハウス5』カート・ヴォネガット 

22『闇の左手』アーシュラ・K・ル・グィン  ヒューゴー賞/ネビュラ賞

23『逆転世界』クリストファー・プリースト  英国SF賞

24『ブラッド・ミュージック』グレッグ・ベア  ヒューゴー賞/ネビュラ賞

25『ぺルディード・ストリート・ステーション』チャイナ・ミエヴィル  クラーク賞/英国幻想文学賞

26『時間封鎖』 ロバート・チャールズ・ウィルスン ヒューゴー賞 

27『火星のタイム・スリップ』フィリップ・K・ディック

28『エンパイア・スター』サミュ工ル・R・ディレイニー 

29『パヴァーヌ』キース・ロバーツ 

30『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニイ

31『夢幻諸島から』クリストファー・プリースト 

32『リングワールド』ラリイ・ニーヴン  ヒューゴー賞/ネビュラ賞

33『砂漠の惑星』スタニスラフ・レム 

34『タイタンの妖女』カート・ヴォネガット 

35『バベル17』サミュエル・R・ディレイニー  ネビュラ賞

36『アッチェレランド』チャールズ・ストロス ローカス賞 

37『スキャナー・ダークリー』フィリップ・K・ディック  英国SF賞

38『順列都市』グレッグ・イーガン  キャンベル賞

39『ねじまき少女』パオロ・バチガルピ ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞/キャンベル賞

40『ブラインドサイト』ピーター・ワッツ 

41『楽園の泉』アーサー・C・クラーク  ヒューゴー賞/ネビュラ賞

42『宇宙のランデヴー』アーサー・C・クラーク  ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞

43『結晶世界』J・G・バラード 

44『流れよわが涙、と警官は言った』フィリップ・K・ディック  キャンベル賞

45『宇宙船ビークル号』A・E・ヴァン・ヴォ―クト 

46『火星夜想曲』イアン・マクドナルド 

46『エンジン・サマー』ジョン・クロウリー 

48『高い城の男』フィリップ・K・ディック ヒューゴー賞 再読

49『タウ・ゼロ』ポール・アンダースン 

50『双生児』クリストファー・プリースト 


SFマガジン2014 日本版 抜け多め

1ハーモニー

2果てしなき流れの果てに
3百億の昼と千億の夜

4グランヴァカンス
5虐殺器官 再読
6天冥の標
7華流の宮

8日本沈没

9妖星伝

10戦闘妖精雪風

12神狩り
13マイナスゼロ
14虚航船団

15宝石泥棒
16セルフリファレンスエンジン
17銀河英雄伝説 再読

18ビートレス
19上弦の月を食べる獅子
20ハイブリッドチャイルド

21マルドゥックスクランブル
22産霊山秘録
23屍者の帝国
24あなたの魂に安らぎあれ

25バレエメカニック
26復活の日
27凶天使

28消滅の光輪

29幻詩狩り

30日本アパッチ族

31旅のラゴス

32航空宇宙軍史シリーズ 「終わりなき索敵」のみ

33あなたのための物語
34皆勤の徒
35かめくん
36膚の下
37ドグラマグラ 再読
38廃園の天使シリーズ 「グランヴァカンス」のみ読了
39アラビアの夜の種族
40第四間氷期
41脱走と追跡のサンバ
42MOUSE
43太陽の簒奪者

44新世界より
45たそがれに還る
46チグリスとユーフラテス

47プリズム

48バビロニア・ウェーブ
49継ぐのは誰か


(SFマガジン2006年版) 『くじら座タウ星系発、X’masロケットに飛び乗れ!』様より引用

1.『ソラリス』スタニスワフ・レム

2.『幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク

3.『夏への扉』ロバート・A・ハインライン

4.『火星年代記』レイ・ブラッドベリ 再読

5.『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター

6.『地球の長い午後』ブライアン・W・オールディス ヒューゴー賞

7.『万物理論』グレッグ・イーガン

8.『《ハイペリオン》四部作』ダン・シモンズ 「2部作」まで読了
『ハイペリオン』ヒューゴー賞/ローカス賞 『ハイペリオンの没落』英国SF賞/ローカス賞
『エンディミオンの覚醒』ローカス賞



9.『ハイペリオン』ダン・シモンズ ヒューゴー賞/ローカス賞

10.『《ハイペリオン》二部作』ダン・シモンズ
『ハイペリオン』ヒューゴー賞/ローカス賞 『ハイペリオンの没落』英国SF賞/ローカス賞


11.『ノーストリリア』コードウェイナー・スミス

12.『《新しい太陽の書》シリーズ』ジーン・ウルフ
『拷問者の影』世界幻想文学賞、『調停者の鉤爪』ネビュラ賞、『警士の剣』ローカス賞、
『独裁者の要塞』キャンベル賞

13.『ユービック』フィリップ・K・ディック 再読

14.『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック 再読

15.『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン

16.『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン ヒューゴー賞/ネビュラ賞

17.『宇宙船ビーグル号』A・E・ヴァン・ヴォクト

18.『順列都市』グレッグ・イーガン キャンベル賞

18.『ブラッド・ミュージック』グレッグ・ベア ヒューゴー賞/ネビュラ賞

20.『エンパイア・スター』サミュエル・R・ディレイニー

21.『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス

22.『エンダーのゲーム』オースン・スコット・カード ヒューゴー賞/ネビュラ賞

22.『竜の卵』ロバート・L・フォワード

24.『闇の左手』アーシュラ・K・ル・グィン ヒューゴー賞/ネビュラ賞

25.『宇宙消失』グレッグ・イーガン

26.『月は無慈悲な夜の女王』ロバート・A・ハインライン ヒューゴー賞

27.『逆転世界』クリストファー・プリースト 英国SF賞

28.『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』フィリップ・K・ディック 再読

29.『火星夜想曲』イアン・マクドナルド

30.『《銀河帝国興亡史》三部作』アイザック・アシモフ

31.『結晶世界』J・G・バラード

32.『中継ステーション』クリフォード・D・シマック ヒューゴー賞

32.『ディファレンス・エンジン』ウィリアム・ギブスン&ブルース・スターリング

32.『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニイ

35.『航路』コニー・ウィリス

35.『重力が衰えるとき』ジョージ・アレック・エフィンジャー

37.『ディアスポラ』グレッグ・イーガン

38.『光の王』ロジャー・ゼラズニイ

39.『パヴァーヌ』キース・ロバーツ

40.『キリンヤガ』マイク・レズニック

41.『宇宙の戦士』ロバート・A・ハインライン

41.『スキズマトリックス』ブルース・スターリング

43.『《銀河帝国興亡史》七部作』アイザック・アシモフ 『4作目まで読んだ』

43.『スノウ・クラッシュ』ニール・スティーヴンスン

45.『スターメイカー』オラフ・ステープルドン

45.『流れよわが涙、と警官は言った』フィリップ・K・ディック

45.『2001年宇宙の旅』アーサー・C・クラーク

45.『リングワールド』ラリイ・ニーヴン

49.『タイタンの妖女』カート・ヴォネガット・ジュニア

49.『人間以上』シオドア・スタージョン




(SFマガジン2006 国内) 『くじら座タウ星系発、X’masロケットに飛び乗れ!』様より引用


1.『百億の昼と千億の夜』光瀬龍

2.『果しなき流れの果に』小松左京

3.『妖星伝』半村良

4.『マイナス・ゼロ』広瀬正

5.『宝石泥棒』山田正紀

6.『神狩り』山田正紀

7.『復活の日』小松左京

8.『産霊山秘録』半村良


9.『戦闘妖精・雪風<改>』神林長平


10.『日本沈没』小松左京


11.『ハイブリッド・チャイルド』大原まり子

12.『石の血脈』半村良

13.『上限の月を喰べる獅子』夢枕獏

14.『たそがれに還る』光瀬龍

15.『マルドゥック・スクランブル』冲方丁

16.『アラビアの夜の種族』古川日出男

17.『太陽の簒奪者』野尻抱介

18.『グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ』飛浩隆

19.『かめくん』北野勇作

19.『虚航船団』筒井康隆

19.『《銀河英雄伝説》』田中芳樹 再読

22.『星界の紋章』森岡浩之

22.『ドグラ・マグラ』夢野久作 再読

22.『BRAIN VALLEY』瀬名秀明

25.『猫の地球儀』秋山瑞人

26.『膚の下』神林長平

27.『あなたの魂に安らぎあれ』神林長平

27.『消滅の光輪』眉村卓

29.『終わりなき索敵』谷甲州

30.『幻詩狩り』川又千秋

30.『《戦闘妖精・雪風》二部作』神林長平

30.『第四間氷期』安部公房

33.『《グイン・サーガ》シリーズ』栗本薫

34.『継ぐのは誰か?』小松左京

35.『《航空宇宙軍史》シリーズ』谷甲州 「終わりなき索敵」のみ読了

36.『家畜人ヤプー』沼正三

37.『エイダ』山田正紀

38.『第六大陸』小川一水

38.『チグリスとユーフラテス』新井素子

38.『レキオス』池上永一

41.『神は沈黙せず』山本弘

41.『魂の駆動体』神林長平

43.『脱走と追跡のサンバ』筒井康隆

44.『猶予の月』神林長平

45.『我が月は緑』今日泊亜蘭

46.『《十二国記》シリーズ』小野不由美

47.『日本アパッチ族』小松左京


(SFマガジン98年版)

1 果てしなき流れの果に

2 百億の昼と千億の夜

3 夏への扉 
4 火星年代記 再読

5 ソラリスの陽のもとに
 
6 虎よ、虎よ 
6 幼年期の終わり

8 ハイペリオン

9 妖星伝
10 ファウンデーションシリーズ (ファウンデーションの彼方へ、まで)

11 地球の長い午後
12 星を継ぐもの

13  星界の紋章
14 アルジャーノンに花束を

14 あなたの魂に安らぎあれ

14 マイナスゼロ
17 ハイブリッドチャイルド

17 復活の日
19 銀河英雄伝説 再読
20 ハイペリオン二部作
 ハイペリオン ハイペリオンの没落
21 アンドロイドは電気羊の夢を見るか 再読
21 石の血脈
23 ブラッド・ミュージック

24 戦闘妖精雪風

25 日本沈没

26 たそがれに還る

26 ノーストリリア
28 リングワールド
29 神狩り
30 上弦の月を喰べる獅子

31 月は無慈悲な夜の女王
32 ニューロマンサー

32 消滅の光輪
34 竜の卵

34 産霊山秘録

34 虚航船団

37 グインサーガ

37 継ぐのは誰か?

39 旅のラゴス

40 宇宙船ビーグル号

41 第四間氷期

41 エンダーのゲーム

41 楽園の泉

44 終わりなき索敵
44 銀河乞食軍団
44 ユービック 再読
47 スキャナーダークリー

47 闇の左手

49 都市と星
50 エンパイアスター
51 デューンシリーズ (砂漠の神皇帝まで)

51 さよならジュピター

53 兇天使
54 脱走と追跡のサンバ

55 結晶世界

55 猶予の月
55 ヴィーナス・シティ
55 虚無回廊
55 パプリカ
60 新しい太陽の書4部作

60 カエアンの聖衣
62 鋼鉄都市 再読
62 引き潮のとき
62 スタータイドライジング

62 パヴァーヌ
66 朝のガスパール
66 スキズマトリックス

66 航空宇宙軍史シリーズ 「終わりなき索敵」のみ読了

69 逆転世界
69 都市
69 人間以上
69 猫のゆりかご(多分読んでる。自信がない)

69 日本アパッチ族

74 幻詩狩り

74 キャッチワールド
74 キャプテンフューチャー

74 バベル17
74 レンズマン
79 黙示録3174年  ヒューゴー賞
79 エイタ (エイダかな?)
79 敵は海賊・海賊版
82 火星のタイムスリップ

82 発狂した宇宙
82 帝都物語
85 タウゼロ

85 星からの帰還
85 ドグラマグラ 再読

85 光の塔
85 プリズム
90 敵は海賊シリーズ 「海賊版」のみ読了

90 バベルの薫り
90 宇宙戦争
90 さよならダイノサウルス

94 時間衝突
94 所有せざる人々

94 ハローサマー、グッドバイ
94 分解された男

SFマガジン 89年 海外 抜け多し

1 夏への扉
2 幼年期の終わり
3 ファウンデーションシリーズ 「ファウンデーションの彼方へ」まで
4 アルジャーノンに花束を 
5 火星年代記 再読
6 デューンシリーズ  「デューン砂漠の神皇帝」まで

7 虎よ、虎よ
8 リングワールド
9 アンドロイドは電気羊の夢を見るか 再読

10 ソラリス
12 月は無慈悲な夜の女王
17 2001年宇宙の旅
18 光の王
19 闇の左手
20 都市と星
21 地球の長い午後

22 宇宙の戦士
23 火星人ゴーホーム

24 スキズマトリックス

25 新しい太陽の書
26 所有せざる人々
27 火星のタイムスリップ 再読
28 楽園の泉
29 宇宙船ビーグル号の冒険
30 エンパイアスター

31 鋼鉄都市 再読
32 発狂した宇宙
33 砂漠の惑星

42 ユービック 再読
43 パーマーエルドリッチの三つの聖痕

44 都市
48 中継ステーション

SFマガジン 89年 国内 抜け多め

1 百億の昼と千億の夜

2 果てしなき流れの果てに
3 グインサーガ
4 宝石泥棒

5 戦闘妖精雪風

6 あなたの魂に安らぎあれ

7 銀河英雄伝説 再読
8 消滅の光輪
9 敵は海賊・海賊版
10 銀河乞食軍団
11 復活の日
12 日本沈没
13 レダ
14マイナスゼロ
15妖星伝
16たそがれに還る

17ダーティペアシリーズ

18虚無回廊
19産霊山秘録

20火星甲殻団
21虚航船団

22さよならジュピター

23神狩り
24帝都物語
25光の塔
26兇天使

27脱走と追跡のサンバ
28ウルフガイシリーズ
29司政官シリーズ 「消滅の光輪」のみ読了
30クラッシャージョウシリーズ

31日本アパッチ族

32幻詩狩り

33継ぐのは誰か

36第四間氷期

41七瀬シリーズ
46航空宇宙軍史シリーズ 「終わりなき索敵」のみ読了

49石の血脈

2022年読書ランキング・ベスト15

1位


ヴェールに覆われた、ありふれた少女時代から、
ヴェールから残酷な現実が垣間見える思春期。
自分の運命からは抗えないと知る成年期。
特殊な状況で生まれ育った3人の幼馴染たちの、三角関係・悲恋物語だけれども、
これは多分、誰にでもあること。
人間はいつか死ぬ、それが遅いか早いかの違いだけ。

2位  

11/22/63 上

11/22/63 上著者: 白石 朗/スティーヴン・キング

出版社:文藝春秋

発行年:2016

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歴史改変SFにして、上質なタイムトラベル・ロマンス。
特に、生徒との絆や、時空を超えて出会う恋人との生活が描かれる中巻が素晴らしい。
ラストもとても良かった。
ホラーもいいけど、こういう作品もキングはもっと描いてほしい。

3位

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい著者: 住野 よる

出版社:双葉社

発行年:2018

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このジャンルの中では、市川拓司の「いま、会いにゆきます」以来の感動。
登場人物が極度に絞られているからこそ、主人公と、彼女の人柄、二人の関係性の変化が非常に丁寧に描かれており、むず痒い青春恋愛から別れまで、全く飽きずに読むことができた。
彼女の人柄を表す「うわははっ」という笑いもいいですね。これが彼女の一つの魅力だと思う。

4位

ららのいた夏

ららのいた夏著者: 川上 健一

出版社:集英社

発行年:2002

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3位の「君の膵臓が食べたい」系の話で、甲乙つけがたい感動系作品で、
こういうのが大好きな人には100%お薦め。
スポーツ描写の迫真性も読みごたえあり。
(3位、4位とこの系統が続いている時点で、僕の好みがわかりやすいですねw)

5位

火花

火花著者: 又吉 直樹

出版社:文藝春秋

発行年:2015

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『自分なりのお笑い』を突き詰めて考えた結果、どんどん世間とズレていってしまう天才芸人の神谷は、どんどん借金も膨らみ、恋人(愛人?)の家を転々とするが一向に芽が出ず、それでも芸人への夢にとり憑かれ、試行錯誤をした結果、超えてはならない一線を超えてしまう。

語り手の主人公は、10年間お笑いをやったのち、「中の下」の芸人にしかなれない自分の限界を悟り、
お笑い芸人という一度はかなえた夢を、諦め、去っていく。

どちらが幸せなのだろうか。自分はどちらに憧れるのだろうか。
僕は、神谷に憧れてしまう。どうしょうもなさを、突き詰める神谷に。
誰からも評価されず、誰からも笑ってもらえなくなってもなお、夢を捨てられない神谷に。

6位

甲賀忍法帖

甲賀忍法帖著者: 山田 風太郎

出版社:角川書店

発行年:2010

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10人の伊賀忍者と10人の甲賀忍者の、バトルロワイアル作品。
奇想天外な忍術で楽しませつつ、伊賀の姫と甲賀の主が想い合う悲恋要素・無常観もあるが、後年の作品に比べると切なさはやや弱めか。
とはいえ、シリーズ1作目にして既に面白さの骨子は出来あがっている。

個人的に本作の忍法MVPは「恋する吐息やHの息が、毒ブレスになる忍法」。
「魔界転生」に出てくる「ムラムラしてる時は超強いけど、射精した瞬間にクソザコになる坊さん」には負けるけど、それに次ぐ暫定第2位です。

7位

功名が辻 1 新装版

功名が辻 1 新装版著者: 司馬 遼太郎

出版社:文藝春秋

発行年:2005

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山内一豊という素朴で真面目な男と、それを支える妻、千代の物語。
他作品で描かれていない、秀吉の晩年や、徳川方から見た関ヶ原の話などが面白い。
一豊については、凡人が出世してのぼせ上がり、ただの勘違い男になってしまったラストは、醜悪で惨めだった。

「一国一城の主になりたい」と思っても
主になって何がしたいのか、それをしたら本当に幸せなのか、ということまで考えずに、ただただ「異国一城の主になりたい」しか考えていないバカだった、という悲しい結末。

個人的に、同著者の「国盗り物語」→「新史太閤記」の副読本としてお薦め……というより、こちらの方が面白かった。

8位

空色勾玉

空色勾玉著者: 荻原 規子

出版社:徳間書店

発行年:2010

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イザナギ・イザナミの日本神話をベースにした、壮大なスケールの和製ファンタジー。
闇(くら)の血を引く少女、狭也(さや)は孤児となり、輝(かぐ)の村で育つ。
恋の歌を交わし合う村祭りの日、狭也を見初めたのは月代王(つきしろのおおきみ)だった。

月代王の弟、雉羽矢(ちはや)と出会った狭也は、輝(イザナギ)と闇(イザナミ)の闘争に巻き込まれ、
両親(イザナギ・イザナミ)も成し遂げられなかった、黄泉の国からの帰還を果たす。
ジャンル的には少女向けライトノベルだと思うけど、ファンタジーを愛する全ての人へお薦めの良作。

9位

破天の剣

破天の剣著者: 天野 純希

出版社:角川春樹事務所

発行年:2015

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九州統一直前まで行きながら、無残に秀吉に蹴散らされた島津4兄弟を、末弟家久の視点から語る名作。
自分だけ妾腹であるという事実、類稀な軍才を持ちながら、精神的にはいつまでも子供のまま。
沖田畷での圧巻の勝利と、卑劣な秀吉に毒を盛られて亡くなる最後が悲しい。
あと義久は無能……。家久の策を入れていればひょっとしたら……。

10位

のぼうの城 上

のぼうの城 上著者: 和田 竜

出版社:小学館

発行年:2010

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爽やか戦国歴史小説。
天下の豊臣軍が押し寄せる中、「(でく)のぼう様」を中心に団結する忍城主従(百姓含め)の絆が良い。
いつもぬぼーっとしている「でくのぼう」の成田長親。
不思議と領民から愛される忍城城主、長親(守兵500)の前に、秀吉軍2万3000が押し寄せる。
弱者に対して横柄な態度を取る長束正家に対して、
成田長親がついにキレた。「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。これが人の世か。
ならばわしはいやじゃ。わしだけはいやじゃ」

かくして、成田軍500VS豊臣軍23000の戦いが始まった。


11位


ホラー作家、スティーブン・キングが描く青春ストーリー。
レイ・ブラッドベリが描きそうな、カーニバルの原初的な恐怖と高揚を背景に、遊園地の職員として過ごした21歳の青春を瑞々しいタッチで描く。大切な人との出会いと別れ。
女性陣がカッコいいのも特徴で、探偵娘エリンとのその後の関係や、
狙撃手アニーのその後が気になった。

12位

自来也忍法帖

自来也忍法帖著者: 山田 風太郎

出版社:文藝春秋

発行年:2003

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今回の忍法はかなりエロ寄りで、その奇想天外な変態忍法も読みどころだけども、メインカップルは純愛で、読後感が爽やかなのが凄い。

登場人物が少なく、ヒーロー「自来也」とヒロイン「毬姫」、「石五郎」のキャラが立っており、切ないながらも、忍法帖シリーズの中では比較的幸せなエンディングなのも特徴。
その分、いつもの無常ENDが好きな人には物足りないかもしれないが。

また、ヒーロー自来也の正体が最終盤まで明かされないため、犯人当て(自来也当て)ミステリーとしても楽しめる。
ライトでエンタメ性溢れる快作。

13位

ハゲタカ 上 新装版

ハゲタカ 上 新装版著者: 真山 仁

出版社:講談社

発行年:2013

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「サプライズ枠」。
『経済・お金・会社』というキーワードが出るだけで身体が拒否反応を示しそうになるような読者である私。
そんな私が、日本人作家の経済小説で、初めて面白いと思った。

鷲津や芝野、貴子といったキャラクターの魅力にも支えられてると思うし、
日本の「時代遅れで閉鎖的」な企業体質・経営体質への批判というメッセージ性も感じられた。

(ちなみに、宮崎駿のジブリ映画「風立ちぬ」でも、『仕事をする人のカッコ良さ』を感じた。逆に言えば、今までの人生でそれぐらいしか、会社人間カッコイイ!と思った事がないのだけど……)

14位

薄紅天女 上

薄紅天女 上著者: 荻原 規子

出版社:徳間書店

発行年:2010

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更級日記をモデルにした、奈良時代→平安時代の移り変わりの時期を描いたファンタジーで、シリーズ第1作「空色勾玉」に並ぶ良作。

15位

新史太閤記 上

新史太閤記 上著者: 司馬 遼太郎

出版社:新潮社

発行年:2007

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コミュニケーションの天才、秀吉の前半生を魅力的に描いた作品。同著者の信長・家康よりも遥かに魅力的で、山崎の戦いまでは文句なく面白い。

終盤、小牧長久手の戦いになるとちょっと微妙になって、その後の秀吉の人生が描かれず、そこで終わっちゃうのが残念だけど、
その後の闇堕ちした秀吉が知りたい方は、『功名が辻』がお薦め。

2022年に読んだ本


S→味わい深く、いつまでも心に残りそうな作品

11/22/63 スティーブン・キング……

歴史改変SFにして、上質なタイムトラベル・ロマンス。
特に、生徒との絆や、時空を超えて出会う恋人との生活が描かれる中巻が素晴らしい。
ラストもとても良かった。
ホラーもいいけど、こういう作品もキングはもっと描いてほしい。


ジョイランド/スティーブン・キング……

レイ・ブラッドベリが描きそうな、カーニバルの原初的な恐怖と高揚を背景に、遊園地の職員として過ごした21歳の青春を瑞々しいタッチで描く。大切な人との出会いと別れ。
女性陣がカッコいいのも特徴で、探偵娘エリンとのその後の関係や、
狙撃手アニーのその後が気になった。
本当はアニーと結ばれてほしかったけど、それもまた苦く甘い青春の味か……。

わたしを離さないで/カズオ・イシグロ……
ヴェールに覆われた、ありふれた少女時代から、
ヴェールから残酷な現実が垣間見える思春期。
自分の運命からは抗えないと知る成年期。
特殊な状況で生まれ育った3人の幼馴染たちの、三角関係・悲恋物語だけれども、
これは多分、誰にでもあること。
人間はいつか死ぬ、それが遅いか早いかの違いだけ。


君の膵臓を食べたい/住野よる……
このジャンルの中では、市川拓司の「いま、会いにゆきます」以来の感動。
登場人物が極度に絞られているからこそ、主人公と、彼女の人柄、二人の関係性の変化が非常に丁寧に描かれており、むず痒い青春恋愛から別れまで、全く飽きずに読むことができた。
彼女の人柄を表す「うわははっ」という笑いもいいですね。これが彼女の一つの魅力だと思う。

ららのいた夏/川上健一……

↑の住野よるの「君の膵臓が食べたい」系の話で、こういうのが大好きな人には100%お薦め。
甲乙つけがたいけど、スポーツ描写も迫真性があるぶん、僅差でこちらの方が好きかな……互角ぐらいかな……。




火花/又吉直樹……

『自分なりのお笑い』を突き詰めて考えた結果、どんどん世間とズレていってしまう天才芸人の神谷は、どんどん借金も膨らみ、恋人(愛人?)の家を転々とするが一向に芽が出ず、それでも芸人への夢にとり憑かれ、試行錯誤をした結果、超えてはならない一線を超えてしまう。

語り手の主人公は、10年間お笑いをやったのち、「中の下」の芸人にしかなれない自分の限界を悟り、
お笑い芸人という一度はかなえた夢を、諦め、去っていく。

どちらが幸せなのだろうか。自分はどちらに憧れるのだろうか。
僕は、神谷に憧れてしまう。どうしょうもなさを、突き詰める神谷に。
誰からも評価されず、誰からも笑ってもらえなくなってもなお、夢を捨てられない神谷に。


空色勾玉/荻原規子……
イザナギ・イザナミの日本神話をベースにした、壮大なスケールの和製ファンタジー。
闇(くら)の血を引く少女、狭也(さや)は孤児となり、輝(かぐ)の村で育つ。
恋の歌を交わし合う村祭りの日、狭也を見初めたのは月代王(つきしろのおおきみ)だった。

月代王の弟、雉羽矢(ちはや)と出会った狭也は、輝(イザナギ)と闇(イザナミ)の闘争に巻き込まれ、
両親(イザナギ・イザナミ)も成し遂げられなかった、黄泉の国からの帰還を果たす。
ジャンル的には少女向けライトノベルだと思うけど、ファンタジーを愛する全ての人へお薦めの良作。


薄紅天女/荻原規子……
第1作「空色勾玉」に並ぶ良作。
更級日記をモデルにした、奈良時代→平安時代の移り変わりの時期を描いたファンタジー。

最後の大団円も素晴らしい(結ばれて良かった☺☺)


白銀のおか、玄の月/小野不由美……
シリーズ最終巻に相応しい圧倒的なボリュームと、良い意味で王道を行くファンタジー戦記でした。
残り100ページまで、これで本当にハッピーエンドに行けるのかハラハラしました。

割とトントン拍子にハッピーエンドに進んでいった最初の1000ページ。シリーズ最終作だけに、まとめに入るんだなぁと少し物足りなさを感じていたら、そこから怒涛のような逆境の連続。

次々と死んでいく仲間たち。
あぁ、そういえば小野さんって「屍鬼」の作者だったな、そんな甘い話を描く方じゃなかったな、と戦慄を覚える。
残り100ページでハッピーエンド(多分ハッピーエンドだと思うんだけど)にどうやってこぎ着けるのか、想像が難しい。単にシリーズをまとめるのではなく、クライマックスの盛り上げ方をよく知っていらっしゃる……。


ハゲタカ/真山仁……
日本人作家の経済小説で、初めて面白いと思った。

鷲津や芝野、貴子といったキャラクターの魅力にも支えられてると思うし、
日本の「時代遅れで閉鎖的」な企業体質・経営体質への批判というメッセージ性も感じられた。


のぼうの城/和田竜……
爽やか戦国歴史小説。
天下の豊臣軍が押し寄せる中、「(でく)のぼう様」を中心に団結する忍城主従(百姓含め)の絆が良い。
いつもぬぼーっとしている「でくのぼう」の成田長親。
不思議と領民から愛される忍城城主、長親(守兵500)の前に、秀吉軍2万3000が押し寄せる。
弱者に対して横柄な態度を取る長束正家に対して、
成田長親がついにキレた。「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。これが人の世か。
ならばわしはいやじゃ。わしだけはいやじゃ」

かくして、成田軍500VS豊臣軍23000の戦いが始まった。


破天の剣/天野純希……
九州統一直前まで行きながら、無残に秀吉に蹴散らされた島津4兄弟を、末弟家久の視点から語る名作。
自分だけ妾腹であるという事実、類稀な軍才を持ちながら、精神的にはいつまでも子供のまま。
沖田畷での圧巻の勝利と、卑劣な秀吉に毒を盛られて亡くなる最後が悲しい。
あと義久は無能……。家久の策を入れていればひょっとしたら……。


新史太閤記/司馬遼太郎……
コミュニケーションの天才、秀吉の前半生を魅力的に描いた作品。同著者の信長・家康よりも遥かに魅力的で、
山崎の戦いまでは文句なく面白い
終盤、小牧長久手の戦いになるとちょっと微妙になって、その後の秀吉の人生が描かれず、そこで終わっちゃうのが残念


天と地と/海音寺潮五郎……
上杉謙信の父、長尾為景の時代から、長尾晴景、そして謙信の第4次川中島の戦いまでを描いた作品

晴景時代が想像以上に長く(750/1500ページまで)
謙信がまだ32歳なのに作品があっけなく終わってしまったけど、この後の謙信は何もしてなかったんだろうか🤔?ともあれ、「自分の、心の中の正義」に殉じる謙信の生き様は共感しやすかったし、
後半出て来なくなっちゃったけど、松江のアネゴも良い味を出していて楽しめた。

ただ、欲を言えばこの後の謙信の活躍も書いてほしかったですね。



功名が辻/司馬遼太郎……
山内一豊という素朴で真面目な男と、それを支える妻、千代の物語。
他作品で描かれていない、秀吉の晩年や、徳川方から見た関ヶ原の話などが面白い。
一豊については、凡人が出世してのぼせ上がり、ただの勘違い男になってしまったラストは、
醜悪で惨めだった。

「一国一城の主になりたい」と思っても
主になって何がしたいのか、それをしたら本当に幸せなのか、ということまで考えずに、ただただ「異国一城の主になりたい」しか考えていないバカだった、という悲しい結末。

半身/サラ・ウォーターズ……
19世紀イギリスの監獄を舞台にした百合ミステリーにして、霊媒悪女の魅力が冴え渡る、どんでん返しモノ。
元カノが弟と結婚し、今また悪女の毒牙にかかった主人公の今後の人生が哀れでならない。
絶対うつ病まっしぐらだわ……。題材も似ている「女彫刻家」よりも個人的に上。
サラ・ウォーターズの別作品も読みたくなった。


甲賀忍法帖/山田風太郎……
10人の伊賀忍者と10人の甲賀忍者の、バトルロワイアル作品。
奇想天外な忍術で楽しませつつ、伊賀の姫と甲賀の主が想い合う悲恋要素・無常観もあるが、後年の作品に比べると切なさはやや弱めか。
とはいえ、シリーズ1作目にして既に面白さの骨子は出来あがっている。

個人的に本作の忍法MVPは「恋する吐息やHの息が、毒ブレスになる忍法」。
「魔界転生」に出てくる「ムラムラしてる時は超強いけど、射精した瞬間にクソザコになる坊さん」には負けるけど、それに次ぐ暫定第2位です。


自来也忍法帖/山田風太郎……
今回の忍法はかなりエロ寄りで、その奇想天外な変態忍法も読みどころだけども、メインカップルは純愛で、読後感が爽やかなのが凄い。

登場人物が少なく、ヒーロー「自来也」とヒロイン「毬姫」、「石五郎」のキャラが立っており、切ないながらも、忍法帖シリーズの中では比較的幸せなエンディングなのも特徴。
その分、いつもの無常ENDが好きな人には物足りないかもしれないが。

また、ヒーロー自来也の正体が最終盤まで明かされないため、犯人当て(自来也当て)ミステリーとしても楽しめる。
ライトでエンタメ性溢れる快作。


銀河英雄伝説外伝1 星を砕く者/田中芳樹……

物語は本編の少し前だけど、「0巻」として本編と併読すべき内容な気がする。
これぞ銀英伝とも呼べる艦隊戦、悪女シュザンナの強烈な陰謀、ミッターマイヤー&ロイエンタールの活躍と、完成度の高い作品。

時の番人/ミッチ・アルボム……

寿命を迎えてもなお生きることに執着するヴィクター老人と、クズ男にネットで晒されて自殺を選ぶ女子大生サラ。

二人の人生を振り返りながら、「時間」について綴った物語。
スタートダッシュが少し遅く感じたけど、終わってみればいつものアルボム節。「人々は絶えず効率を追求し、常に何かをして時間を埋めようとしています。
けれどそれでは人は満たされない。そんなことを続けても、もっと何かをしなければと思うだけなのです」

「終わりとは、過ぎ去った日々を表す言葉だ。決して、明日(未来)のことではないんだよ」
などの名言はさすがアルボム。
ただし、アルボムの名作「天国の5人」、「もう1日」と比べると1ランク落ちるので、
S₋、あるいはA+評価が妥当かもしれない。


ドラえもん のび太の鉄人兵団/瀬名秀明(藤子・F・不二雄)……

瀬名さんのしっかりした文章が紡ぐ、原作に非常に忠実なノベライズ。
映画版ドラえもんの中でも1、2を争う好きな作品の良さを十二分に表現できているという意味でも素晴らしいノベライズ。

子供の時は気づかなかったけど、
『皆が公平になったけど、競争心を失った社会(社会主義)』に絶望した博士が、
『強い競争心を植え付けたロボット』(アムとイム:アダムとイヴ)を作り、その結果が鉄人兵団として地球侵略を開始した事。
『奴隷ロボット』の廃止により、新たな労働力が必要となり、他惑星侵略へ進んでいく様子など、
19世紀末~20世紀初頭の帝国主義的世界観で面白い。

ただ、瀬名さんオリジナル要素を少しは入れても良かったかな、しょうもない作家がそれをやると大失敗するだろうけど、瀬名さんなら更に拡げられたんじゃないかな?と少しだけ思った。
だからこれをSにしても良いのかちょっと迷うけど、原作の素晴らしさも含めれば文句なしのS評価。
ノベライズの場合、評価が難しいですね。


A→読んで良かったと思える作品

乱鴉の饗宴/ジョージ・r.r.マーティン……
『繋ぎの巻』としては、最高峰の出来。
失政を重ねるサーセイと、共に裁判にかけられるマージェリー。
遠方で抵抗を続けるスタニスと、突如狂暴化したグレイジョイ家。そして海の向こうからウェスタロス奪還を狙うデナーリス。
続きが楽しみすぎる。


ぼくは明日、昨日の君とデートする/七月隆文……
最初の150ページくらいはつまらないけど、彼女の秘密がわかる(と言ってもタイトルがネタバレだけど)後半120ページはしっとりと読ませてくれるタイムトラベルロマンス。
こういうの大好きなので評価は甘め。
でもまぁ、良い作品でした。

サマー/タイム/トラベラー  新城カズマ……
主人公たちの住む辺里(ほとり)市の緻密な設定が、世界観をリアルに支えてくれる青春タイムトラベル作品。
後半、少しサスペンス色が強くなる。
悠宇を中心とした人間関係の方を深く描いてほしかった気がするけど、恋愛小説でもないしこれで良いのかもしれない。


一夢庵風流記/隆慶一郎……
最初から最後まで、人生を傾き倒した男として爽やかな読後感を覚える。
ただ、あまりに自分とは違うことと、(まぁ歴史小説じゃないからいいんだけど)前田慶次がスーパーヒーロー過ぎるのは少し違和感があったw

細川ガラシャ夫人/三浦綾子……
暖かかった明智家の家族を失い、狂愛の夫、細川忠興に嫁いだ玉子が、絶望の中でキリスト教に帰依していく物語。

明智光秀がカッコ良すぎたのと、光秀が亡くなるまでは歴史小説的な側面もあるけど、それ以降はクソみたいな夫、細川忠興との苦しい夫婦生活と、キリストへの帰依が描かれており、読んでいてしんどかった。

ただ、キリスト教作家であり、「苦しみから、キリストへ帰依する女性」を描いてきた三浦綾子作品だけに、むしろ下巻の方が書きたいテーマだったのかな。
個人的には上巻の方が2ランクぐらい面白かったけど。


元就軍記/桜田晋也……
幼い日の杉の大方(義母)や妻との絆が心に残る。
西の大内、東の尼子と二大勢力に挟まれながらも、生き延び、併呑していく毛利の活躍が楽しめる良作。


エス/鈴木光司……
続「らせん」というか「らせん」の後日談的な作品。
「ループ」ほどではないけど、ホラー要素はかなり薄め。
貞子の孫がヒロインで、かわいい。

唯一の不満点は、最後の20ページで突然、名探偵高山竜二がペラペラ情報を喋っちゃうところで、ミステリとして見ると悪手。

というか、ゲーム「Remember11」を思い出したわww
ミステリ・サスペンスとして素晴らしいんだけど、
突然謎の名探偵グラサン男がべらべら喋っちゃうやつwww
Remember11で通じるかわからないけど、R11が許せる(僕は好き)人なら問題なし!



永遠の0/百田尚樹……
宮部久蔵という一人の神風特攻隊員の眼を通して、太平洋戦争の4年間を描いた力作。
特攻隊員を美化しすぎな気はしないでもないが、兵士たちの、家族への想いに何度も胸を打たれた。
あと、人命軽視の上層部はマジでクズ。


あの日、少女たちは赤ん坊を殺した/ローラ・リップマン……
これは、アリスという邪悪な女の子が、ロニーというちょっと頭の足りない子をマウントする話だと感じた。
「おままごと遊び」の延長上で、少女たちは赤ん坊を誘拐し、「おままごと遊び」の延長上で、少女たちは赤ん坊を殺した。そして7年後、少年院で妊娠したアリスは、子供を取り上げられ、再び赤子誘拐事件を始める。
自分の赤子を取り戻すために。
そしてそれら全ての陰には、アリスをそんなふうに育ててしまった『大人になれなかった、子供のままの』母親ヘレンがいて、更にヘレンをそういうふうに育ててしまった祖母がいる。
ただ、問題解決部分がいきなり駆け足になる点、
7年前の赤子殺しと、7年後の赤子誘拐事件に共通するテーマがない点、
そしてやや唐突に感じるラストと、気になる点はそこそこある。
良作ではあるけど、名作ではなかったかな、という感じ。


火車/宮部みゆき……
個人的に好きなタイプの作品じゃないけど、素晴らしい作品だとは思う。
失踪人届を出せるまで残り3年なのに、第3の犯罪を犯す必要があったのかなぁ。いやまぁ、あったのかな。

2人を殺し、3人目を殺そうとした犯人の、たまに見せる人間味が何とも言えない感じでした。
個人的に、共犯の片棒を知らずにとはいえ担いでいた、片瀬とかいう奴がクズすぎるんだけど、さすがにこれは懲戒免職モノだよなぁ……。


妖説太閤記/山田風太郎……
時勢柄、無謀な慶長・文禄の役を企てた秀吉が、プーチンに重なる。
次々と残虐に人を殺して行く秀吉晩年の所業は圧巻で、輝かしい前半生のみを描いた他作家の「太閤記」とは一線を画している。
信長以上に、魔王と呼ぶに相応しい本作の秀吉だった。


銀河英雄伝説外伝3 千億の星、千億の光/田中芳樹……
本編の直前(1年くらい前?)を描いた外伝。
リューネブルクという魅力的な悪役と、それと対立するシェーンコップ率いる『ローゼンリッター』。
また、戦場では無能ながら意外な切れ者曲者おじいさん、グリンメルヒハウゼンが印象的。

『誰かの優しい恋人の喉を銃剣でえぐり、誰かの愛する夫にビームを打ち込み、赤ん坊を抱き上げて頬ずりするであろう父親の脳天をトマホークで叩き割る。それが戦争である』
ぶれない銀英伝哲学だけど、同意。


銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮/田中芳樹……
「銀英伝」らしい第二次ティアマト会戦の描写+主人公ヤンを探偵役にしたミステリーという、異色の作品。
これはこれで良くまとまっていて、面白かった。


行人/夏目漱石……
発達障害的なコミュニケーション障害と、神経質が昂じて精神病に罹った一郎。
うまくいかない妻と、弟の間を疑った事から、瓢箪から駒状態でますます泥沼に堕ちていく彼に未来はあるのか?

「門」のテーマを継承しつつ、「こころ」へと繋がる作品だが、「こころ」の方がテーマがシンプルなぶん、より心に響きやすいとは思う。

とはいえ面白かった。それにしても、主人公の二郎はしょうもない奴やな……。嫁の直さんもどうかとは思うが、メンヘラと結婚生活するのも大変だったんだろうな。


ローマ字日記/石川啄木……感想はこちらで


外道忍法帖/山田風太郎……
330ページのうちに47人も忍者を出して戦わせたのは無謀だし失敗だと思う。
一人ひとりがモブキャラのような感じで、全然愛着湧かないもん。
一人ひとりが繰り出してくる、わけのわからない忍術は面白いけど、それなら登場キャラは20人ぐらいにして一人ひとりをちゃんと描いて余った分の忍術アイディアは別の作品で使ってほしかったところ。
現在、誰が死んで誰が生き残ってるのかさっぱり把握できない。
次々に変な技で戦っちゃ死んでいくのを延々読んでいるだけで。

しかし、聖女マリアこそがラスボスであり、長崎への原爆投下で終わる結末は、『いつもの山田風太郎節』とはいえ鳥肌モノであり、ただの駄作ではないと思わせてくれた。
『信じていた上司』によって、忍者たちが殺しあい、無駄に命を散らせていくのは、
山田風太郎作品に一貫したテーマで、
これは、太平洋戦争時、無能な軍上層部によって次々と死んでいった日本人の無念さを表しているように思う。

そして、奇想天外で摩訶不思議な忍術合戦は、『戦争時独特の狂騒曲』を描いている。
しかし、祭りの後に残るのは『俺たちは、何のために多くの命を犠牲にして、戦っていたのだろう』という虚しさ・儚さのみ。

この荒涼とした読後感が、山田風太郎を単なる厨二病忍者作品の域を超えていると感じる、理由の一つ。元来、生とは無意味であり、バカな事をやり、誰かに操られ無残に殺されていく。
そうした諦観が、山田風太郎作品の根底には流れている。
そして、そうした諦観の上で、『バカ面白い忍術合戦』が光り輝く。


風林火山/井上靖……
川中島合戦までの武田家を、山本勘助の眼から描く。
スーパーヒーローみたいになってる山本勘助に若干違和感があるが、それもまた良し。
川中島合戦までなので、武田信玄の活躍はこの後も続くわけだけど、そちらは新田次郎「武田信玄」に譲るとして、キャラクター小説としての娯楽性で言えば、本作の方が遥かに面白かった。



武田信玄/新田次郎……
家督を継ぐ前から、信玄の死までを2000ページで描いた大作。キャラクター小説的にはやや地味であり、歴史好き以外の人に薦めるのは難しいが、信玄について知りたい人にはお薦め。
個人的には今川氏真が良かった。


黒田如水/吉川英治……
軍師、官兵衛が本格的に活躍する備中高松城攻め前の、
荒木村重に捕まっている間の話がメイン。

吉川先生にかかると、どんなに悲惨な状況でものほほんとしてしまうのだが、それもまた味といえば味かな……


四畳半神話大系/森見登美彦……
どの未来を選んでも2年間を無駄にしてしまう主人公の『私』を描いた物語だけど、なんだかんだで(冴えないとはいえ)青春してると思う。

内容はともかく、文体が超絶面白くて、何度も笑った。


四畳半タイムマシンブルース/森見登美彦
前作「四畳半神話大系」がほぼギャグに全振りだったのに対し、本作はギャグ色が薄まった一方、
主人公と明石さんとのラブコメ要素が強まっていて、これはこれで良い感じ。
また、「神話大系」最終話と若干矛盾すると思ったけど、最後に矛盾解消。



九月の恋と出会うまで/松尾由美……
ライトタッチで読みやすい、タイムトラベル・ミステリ。

なお、本の裏に書かれている『時空を超えた奇跡のラブストーリー』的な要素はあまり期待しちゃいけないw
あくまでもミステリとして読むべき。


茨の城/サラ・ウォーターズ……

この世界は「監獄」だ。
「監獄」とは、ある一定の【時間】、移動の自由を禁じられる事。

スーザンは、「極貧のロンドン」という「監獄」で生まれ、
モードは、「毒親(親戚)の館」という「監獄」で育った。
「監獄」を飛び出したかったモードは、スーザンを利用してロンドンへと羽ばたこうとした。
スーザンは深く考えず、金銭のためにモードを利用しようとしたが、これも「極貧」という「監獄」を抜け出すためだった。
この『化かし合い』は相打ちに終わり、スーザンは「精神病院」という「監獄」へと送られ、
モードは「詐欺師たちの巣」という「監獄」へと飛び込んでしまった。

世界はどこまで行っても「監獄」で、騙し合った二人は再会し、互いの「肉体関係」という「監獄」へと飛び込んでいく。


前作「半身」がシンプルな悪女物語だったのに対し、本作「茨の城」は様々なギミックや、込み入った筋立てのため長くなっているが、
正直に言えばシンプル・イズ・ベスト。
前作「半身」の方が好きでした。


雪の女王/ジョーン・D・ヴィンジ……
元カレ(スパークス)がアリエンロードに奪われ、彼は『スターバック』として殺人者と化してしまう。
スパークスの元カノ、ムーンが、スパークスを奪い返し
彼を改悛(?)させ、『夏の女王』として新しい統治を始めるまでの冒険モノ。サブキャラの警官コンビや、喋るロボなどが魅力的。


オリジン/ダン・ブラウン……
『シンギュラリティ』(AIが人間の能力を超える転換点)を最大のテーマに、
科学と宗教の対立や、ガウディの宗教建築をモチーフにまぶした作品。
『黒幕』は意外な人物かつ、納得のいくものなので、ミステリとしては評価できるけど、最後の100ページ以外は微妙。

私本太平記/吉川英治……
全13巻分割本で読了。
8巻で鎌倉幕府を倒すまでは団結していたのに、9巻以降、過去同志だった者たちが争い始め、遂には足利兄弟同士の殺し合いにまで発展するのは悲しかったですね。

この時代について詳しくなかったけど、ある程度勉強になりました。足利弟が印象的。


B→暇つぶし以上の有益な何かを得た作品

豊臣秀長/堺屋太一……
秀長視点から見た秀吉の活躍という感じで、あまり秀長が主人公という感じではない。
ところどころ現代の会社に例えるのが引っかかるけど、まぁまぁ良作。
年代としては賤ケ岳の戦いまで。

ただ、信長―秀吉の物語は多くの作家が書いているので、新発見はあまりない。

バースデイ/鈴木光司……
「らせん」、「ループ」の前日談・後日談をまとめた作品で「リング」シリーズのファンなら。
正直、第1~3作の「リング」→「らせん」→「ループ」までが名作すぎて、それ以降は無理に追わなくてもいいと思った(「タイド」まで、全作読んだw)


きみがぼくを見つけた日/オードリー・ニッフェネガー……
タイムトラベルロマンスだけど、『甘さ』は薄い。
タイムトラベルという『非常に不幸で、厄介な症状』を抱えた主人公と、未来の奥さん(子供時代)との出会い。

は、良いんだけど奥さんになってからは、
子供ができない夫婦生活の苦悩や、やっと生まれた一人娘への愛など、まぁこれはこれでいいんだけど「タイムトラベル・ロマンス」というよりも、大変な夫婦生活のイメージが強かった。


きみ去りしのち/重松清……

一人息子を亡くした主人公夫婦が、そこから吹っ切れるまで(吹っ切れてるのか?)を描いた作品。
そんな物語なので、ひたすら陰鬱としているが、その中で先妻との娘、15歳の明日香がかろうじて作品を明るくしている。

夫婦お互いが寝ている間に息子が突然死したのはともかくとして、この作品では夫と妻それぞれが、
子供の異変に気づけなかった自分とお互いを責め、結婚生活すらうまくいかなくなるのだけど、
そういうものなのかなぁ?と思った。

うちも、父親が突然死してるんだけど、
「そんなの気づけるわけないやん!」と割り切ってしまった部分があったので、一緒に寝ている母親を責めるとかそういうのはゼロだったけどなぁ……。

まぁ、亡くなったのが親の場合と子供の場合じゃ違うのかもしれない。


白鳥異伝/荻原規子……
悪くなかったんだけど、前作の「空色勾玉」が素晴らしかったので、それに比べるとだいぶ落ちる。

というか、女性主人公の遠子よりもサブキャラの管流の方が活躍しているのが個人的に不満。


精霊の守り人/上橋菜穂子……
AとBの中間。
丁寧に作られた和製ファンタジー。
為政者の都合の良いように歴史が改変されていくなど、シリアスな部分も書かれつつ、バトルシーンはなかなかの迫力。
特に心を揺さぶられる部分がなかったのでこの評価だけど、ファンタジー好きには安心して薦められる作品。


日の名残り/カズオ・イシグロ……
感想はこちら


召抱/上田秀人……
ようやく物語が終盤に向かって動き出した。
怪しい仏僧との対決は新鮮だったし、かなり黒幕に近いと思っていた松平定信がついに失脚。
10巻へ続く。


伊達政宗/海音寺塩五郎……
前半3分の1は東北で頑張っている政宗君の活躍。
秀吉がやってきて秀吉に従ってからは、しょうもない事をしては殺されかけて助かったり
無実の罪で殺されかけては助かったりで、生存能力は高いけど、特に面白くはないというか……あんまりカッコよくないのねw


オレたち花のバブル組/池井戸潤……
銀行合併の後の、お互いの出身銀行に対する派閥・諍いがよく描けているのと、前作に比べて『悪役のムカつき度』が減ったので、メンタルには良かった
(物足りないと思う人もいるかもしれない)


下町ロケット/池井戸潤……

半沢直樹みたいな異次元的ヒーローのいない半沢直樹というか、
ムカつく大企業を相手に、地道な努力で頑張って見返して行く話。
「半沢直樹」よりも好きかもしれない。
ただ、ムカつく大企業を無視して外資に技術を売っても全然問題ない気がしたのだけが
ちょっと引っかかったかな。
国産ロケットに何か強いこだわりがありそうなんだけど、ムカつく日本人よりまともな外国人の方が良くない?
エピローグが良かったのと、殿村さんが素敵。


虞美人草/夏目漱石……

6人の男女の恋愛模様にして、意外なヒーローが活躍し、悪女が征伐されるエンタメ劇として、特に最後の100ページは一気に読める面白さ。記憶にも残りそうな作品です。

悪いところは、最初の100ページがつまらない上、ひたすら読みにくいところ。

漱石の作品中でもかなり『理解しやすいはず』のヒーロー小説なのに、漱石作品中でも『相当読みにくい部類』の文章というのは、どうなんだろう?

物語最序盤の宗近と甲野のやり取りなど、終盤になればあれほど輝く二人なのに、最序盤ではいかにも平凡。
面白くなるのは糸子と藤尾のバチバチ女戦争が始まるところぐらいから。

あと、なんで最後、藤尾死んだのwww?
突然すぎてビックリしたわww

それと、甲野と糸子が結ばれてほしかったな。改心したから良いのかもしれないけど、小野君も藤尾と同じくらいクズだと思いました。まぁ藤尾ママが一番クズだけど。
それに比べて、宗近兄妹のカッコよさは異常。甲野君も好きですね。


花神/司馬遼太郎……
対幕府戦争で、長州藩の総司令官を務めたコミュ障理系男、大村益次郎の生涯を描いた作品。

エンタメとしては、益次郎のキャラ自体が理解・共感できないため、なかなか厳しいが、明治維新にはこういう人も必要だったんだろうとは思った。

明治維新というのは元々、排外的な攘夷運動がエネルギー源であり、それを率先して唱えたのが水戸・長州藩。
その長州藩の益次郎が、薩摩の極右である海江田信義に殺されるのも皮肉というか。

で、薩摩藩は何をしたかったのかがイマイチわからないんだよな。薩摩視点の作品も読みたいと思った。

簒奪/上田秀人

決戦/上田秀人……
全12巻読んでおいてなんだけど。
上田秀人の「奥右筆秘帳シリーズ」、全12巻のうち3巻の「侵食」までで十分だと思う。
後は消化試合。


夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦……
『黒髪の乙女』が歩くと、そこでは奇妙なカーニバルが発生する。『不思議の国のアリス』ばりの童話的不条理ファンタジーとして楽しむ作品だと思う。
(けど、個人的にこういう作品はあまり得意ではなかったりする)


楽園/鈴木光司……
モンゴルを舞台にした第一部はめちゃ面白かった。
第二部以降は、サバイバル小説になっちゃって残念だった。


タイド/鈴木光司……
「リング」シリーズ内で一番評価が低い。
いくらなんでも設定をいじりすぎていて、理解が大変な上、内容自体あまり面白くない事もある。

第3作「ループ」の設定と微妙に矛盾している気もするし(ミスリードかもしれないが、第6作が描かれていない以上、想像と推測で考えると『矛盾と断定はできない』が、『矛盾しているような気がする。モヤモヤ感が残る』。

貞子のターゲットが最初から竜二個人にあったのだとしたら、「ループ」の設定は崩壊する。
貞子が嘘をついている・竜二が勘違いをしていると捉えれば矛盾はしないが。

また、「ループ」の記憶を持った竜二が、それを食い止めるために『今までとは違う選択肢を行なった』という事なら、その点をもっと強調して書いてくれないと伝わってこない。

ごくごく純粋なホラー小説として書かれた第1作「リング」に、バーチャルリアリティSFとしての設定を加味したのが第3作「ループ」。
ここからホラー色は薄くなり、純粋なSFになっていくのだけど、第5作「タイド」で今度は日本神話を持ってきて、正直詰め込みすぎじゃないかと……。


道草/夏目漱石……
しつこく金の無心に来る毒親に、ほいほいお金を渡してむしり取られ続ける話。
漱石の、毒親に対する恨み骨髄!といった作品だけど、
最初から金を渡さなきゃいいのにとしか思わなかった。「こころ」にも親戚に金をだまし取られる話が出てくるし、もう1作……「門」だったか「三四郎」だったか忘れたけど、そちらにもそんな親戚が出てきた気がするし、
漱石は心底、この義父&義母が嫌いだったんだろうなと思う。

この「道草」を読めば、そりゃ嫌うわ、とは思う。


銀河英雄伝説外伝2 ユリアンのイゼルローン日記/田中芳樹……
この本を単体として評価するならC評価なんだけど
この本は外伝であり、
銀英伝ファンに対するファンブック的な立ち位置だと思うので、そう考えればイゼルローン組の日常が垣間見れて良いんじゃないかな?

くノ一忍法帖/山田風太郎……
忍法帖シリーズのファンだけど、今回は外れ気味。
まず、キャラ数を絞っている割に、愛着が持てるキャラがいない。
あと、活躍するのが忍者よりも、怪力女性というのもどうなんだろう?

妊婦さんが戦いまくる話で、大丈夫なんか? と思った。
あと、歴史上の事実と整合性が取れないから仕方ないけど、
雑魚を倒す余裕があるなら春日局を殺せばよかったのに、と思った。


カジノロワイヤル/イアン・フレミング……
今まで読んだ007シリーズの中で一番面白かった。このシリーズでヒロインに魅力があったの、初めてな気がする。



サンダーボール作戦/イアン・フレミング……
やってる事はいつもの007だけど、悪役の規模が大きく、ヒロインの頑張りもあってシリーズ内では比較的良作だったんじゃないかと思う


C→暇つぶし程度にはなった作品

彼岸過迄/夏目漱石……
これは期待外れ。「行人」や「こころ」の下位互換というか、出来損ないみたいな感じ

墨痕/上田秀人……
松平定信はもう9巻(「召抱」)で十分書いたでしょ……。同じネタ2連続はキツいで。


フルメタルパニック2 疾るワン・ナイト・スタンド/賀東招二……
B級ハリウッドアクション映画感覚で、頭カラッポでいきましょう。
テッサちゃんはかわいいよ。

……全巻同じ感想になりそう



フルメタル・パニック! 4 終わるデイ・バイ・デイ 上/賀東招二……

銃撃戦がない方が面白いんだけどw


フルメタル・パニック! 5終わるデイ・バイ・デイ 下/賀東招二……

前半はまぁまぁ面白かった。
かなめが一人で頑張る部分の方が面白いんだよなぁ。


フルメタル・パニック! 6 踊るベリー・メリー・クリスマス/賀東招二……

前半は面白かった。ロボットが出てきてからつまらなくなったけど
敵役が魅力のない単なるキチガイなのはどうにかならねーのかな。


フルメタル・パニック! 9 つどうメイク・マイ・デイ/賀東招二……

ロボットとか銃撃戦とか興味ないんだよなっていうのと、悪役に魅力がないのがつらい。
前者は作品自体がそういうジャンルなので、そこに文句を言うのは間違ってるけど、後者はやっぱりつらい。

ロスジェネの逆襲/池井戸潤……
前2作と比べ、金融知識に興味がないとよくわからない。


女王陛下の007/イアン・フレミング……


D→自分には合わなかった作品

二百十日/夏目漱石


フルメタル・パニック! 3 揺れるイントゥ・ザ・ブルー/賀東招二

……B級アクション小説、はいいんだけど、
とりあえず敵が、ただの頭のおかしいだけの奴なのがしんどい(毎回そうっぽいけど)

あ、テッサちゃんはかわいいです

結局2巻と全く同じ感想ですね。
ちなみに2巻より劣るわけでもないんだけど、単に飽きてきただけです(全巻積んでるけどw)


フルメタル・パニック! 7 つづくオン・マイ・オウン /賀東招二……

銃撃戦はつまらないっすね


ダイヤモンドは永遠に/イアン・フレミング……

人種差別と性別差別が気になるのはシリーズ共通だけど、それでつまらないとなるとD評価になっちゃいますね。



E→プロ作品として見るにはつらい作品
 

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