本・映画などなど

さよなら、愛しい人 自分用雑感想

前おき

恐らく、チャンドラー作品の中で2番目に世間的に評価の高い作品である。
『ムース・マロイ』(旧訳では「へら鹿マロイ」)は、
チャンドラー作品の中でも、ひょっとすると最も印象的なキャラクターかもしれない。
しかし、8年間、ヴェルマという元カノを想い続けながら最後にはそのヴェルマに殺されてしまうマロイの姿以外、何一つ筋を思い出せない。
そんな作品でもある(チャンドラー作品はそんなのばっかだが)

今回、再読したがここでメモを取っておかないと、確実に2年後には同じ感想しか浮かんでこないだろう。
最初と最後は印象的で、後はスカスカ。
それは事実(だと思う)なのだが、それで済ませて中身を忘れてしまうのもなんなので、備忘録として今回もあらすじを載せておくことにする。

ただし、今回まとめてみると割合とスッキリしている。
一つひとつのシーンが長い事もあるが、「大いなる眠り」のような無駄なエピソードはあまりないし、「リトルシスター」ほど複雑でもない。
ただ、こちら(DOI)はマロイとヴェルマの話が読みたいのに、二人が全く出てこず、関係のないマリオットの話を延々読まされるのがダルいだけである。

オープニング(起)

ある日、マーロウは『ムース・マロイ』と呼ばれる大男と出会った。
マロイは8年間刑務所に入っていて、やっと出所したばかりだったが、街の様子は8年前とはすっかり変わっていた。
マロイの婚約者、ヴェルマが歌っていたバーは、今では黒人専用のバーになってしまっていて、ヴェルマは当然どこにもいなかった。

マロイは『白人お断り』と言われているにも拘らず、暴れて用心棒を投げ飛ばして殺し、強引にマーロウと一杯やることになる(なぜww)。

マーロウは、片思いのマロイを不憫に思い、ヴェルマの捜索にとりかかった。
バーの婆さん(ミセス・フロリアン)は、「ヴェルマは死んだ」と言うが、どうにも信じられない。

警察からは、マーロウの直後に、マロイがバーの婆さんのところに行ったと聞かされた。

あらすじ(承)

マーロウの元に、マリオットという男から電話がかかってきた。
マリオットの商談の護衛として、マーロウに一緒についてきてほしいというのだ。
快諾したマーロウはマリオットに同行するが、車を降りるやいなや、いきなり殴られる。
(ここで、マロイの話はどうしたんだよ……と思ってしまうのは僕だけではあるまい。
マリオットとかマジでどうでもいいし、おまけに長い)

目覚めた時にはマリオットは死に、謎の女性アン・リオーダンがマーロウを介抱してくれた。
車の後部から殴られた事を考えると、マリオットがマーロウを殴り、その後、殺されたようだ。
状況を考えると、アン・リオーダンにマリオットが殺されたようにしか思えない。
(偶然、アンが真夜中に人気のないところを立ち寄るとも思えないからだ。が、どうも本当に偶然だったようだww

先に真相を明かしておくと、これはヴェルマが、マリオットを騙して殺すために仕組んだ罠。
マーロウを殺すため、とマリオットを騙してマーロウを同行させ、マーロウを殺すと見せかけてマリオットを殺した)

マリオットのポケットには麻薬のシガレットケースが入っていた。
そしてそのシガレットケースと一緒に、心霊相談アムサーの名刺が入っていた。
(??? これはマジで謎

翌日、アンがマーロウの元にやってきて、秘書に収まってしまった。
(つくづく女に好かれるマーロウである)

マーロウは再びミス・フロリアンに会いに行く。なんやかやとやり取りがあるが、あまり進展はない。
警察からは「この事件から手を引け」という忠告が届くが、マーロウは意に介さない。

マーロウはグレイル夫人から連絡を受け、会いに行く。
色々やり取りがあったあと、グレイル夫人からキスをされる
年の差婚で老いたグレイル氏はそれを目撃し、哀しみながら部屋を出て行った。グレイル夫人は、グレイル氏の財産を目当てに結婚したのであって、普段は若い愛人たちと遊び歩いているのだ。
帰ってきたマーロウを出迎えたのは、アン・リオーダンのやきもちだった。

あらすじ 転(ここ、マジでつまらないぞ)

心霊相談アムサーの元から、怪しいインディアンがやってきてマーロウを強引に招待する。
アムサーとのやり取りの後、マーロウは襲われる。
麻薬漬けにされ、殴られ、フラフラになりながらなんとかアンの家に帰る事が出来た。
(逃げる途中にマロイが病室にかくまわれているところを見つける)
そして、アンと一緒にいるとアンにも危険が及ぶと感じ、マーロウはアンに送られて自宅に帰るのだった。

バーの婆さん、ミセス・フロリアンが殺された。どうも素手で殺されたようだった(犯人はマロイ?)

カジノ船を経営するギャングに庇護されているらしいマロイ。
彼に接触するため、マーロウはカジノ船に乗り込み、マロイに伝言を伝える。
(この辺、マジでつまらない)

あらすじ (結)

グレイル夫人がマーロウの事務所にやってくる。
マーロウの事務所にマロイもやってきた。
グレイル夫人=ヴェルマを見て、大喜びするマロイだが、自分を警察に売った人間がヴェルマである事を彼は察知する。
同時にヴェルマはマロイを射殺した。

その後、警察はナイトクラブで歌手に戻っていたヴェルマを見つけた。
ヴェルマは警察を射殺した後、自殺した。

ヴェルマはひょっとしたら、夫のグレイルに配慮して自殺したのではなかろうか。
裁判になれば、グレイルが金を出す事になる。グレイルが心身共に疲弊する事になる。
それを考えてヴェルマは自殺したのではないか……
そんなバカな、とマーロウは自分で言いながら思うのだった。

感想

本作で印象深いのは、やはりムース・マロイであり、その片思い相手
悪女(これで3作連続悪女)のヴェルマである。

マロイは黒人専用酒場で、来店を断った黒人を殺した後も平気で
「黒んぼ風情が……」みたいな態度をとっているし、
他にも体臭が臭いインディアンの登場など、今の基準で見るとチャンドラーの差別意識を感じてしまうシーンが多い。

また、心霊相談アムサーだのギャング船への搭乗だの、謎の大立ち回りが面白さに繋がっておらず、
「そんなことはいいから、マロイとヴェルマはマダー????」という
荒涼とした気持ちにさせられる。

ただし、最初と最後のシーンに関してはやはり印象に残るシーンではある。
そのためだけに、真ん中のどうでもいいマリオットの話やら、アムサーの話を読む価値があるかと聞かれると首をかしげてしまうが。

次回……どうしようかな。
再読予定なのは他に「高い窓」、「水底の女」、「ロング・グッドバイ」だけど、
やっぱり「ロング・グッドバイ」で〆た方がいいのかな。
なんかうっすらした記憶では「高い窓」が面白くて、「ロング・グッドバイ」は大して面白くなかった印象もあるんだけど……

リトル・シスター雑あらすじ感想

毎度恒例ですが、チャンドラーファンの方は読まないでください!!

前おき

本作は、レイモンド・チャンドラー作品の中では最大の失敗作だと見られている。
何せ、チャンドラー自身がこの作品の出来に納得していないと公言しているのだ。
本人がそう言っている以上、更に鞭打つのも酷な話である。

擁護というわけではないが、個人的には、
前回取り上げた「大いなる眠り」に比べると幾分かマシ、という印象を受ける。

しかし

相変わらず事件は膨れ上がっており、またチャンドラー自身の(ほぼ)確実なミス(ひょっとしたら僕の誤読)もある。
何より、主要女性登場人物3人のうち2人(メイヴィスとドロレス)の書き分けが出来ていないのは痛すぎる。

一応メキシコ系のドロレスは『アミーゴ』という単語を連呼するのだが、
メイヴィスが『アミーゴ』を連呼するシーンもあったように思われるのである。
本来は、メキシコ系であるドロレスのみが、スペイン語の『アミーゴ』を使うのが妥当で、
メイヴィスが言うのは、ほぼ確実にチャンドラーのミスなのだが。
(友人ドロレスの口癖が移った、真似したという苦しい言い訳は可能だが、紛らわしいにも程がある)

また、チャンドラー作品が分かりづらい理由の一つとして、
文の主語や、描写で「メイヴィスは~」とか「ドロレスは~」と言った具体名ではなく、「彼女は~」という文章がずっと続くこと。
しかもキャラクターが立っていないため、会話内容を注意深く読まないと、誰と話しているのかがわからなくなる。
これは多分、チャンドラー作品のほぼすべてに共通する文章の書き方であり、個性や魅力の強いキャラクター以外の区別がつかないのはこれも原因の一つである。

性格付けもしっかりしていないため、どちらと話しているのか、なんなのか、もはやわけがわからない。
オーファメイはきちんと描き分けられているが、残りの2人の重要女性キャラが同じに見えるんじゃ、とても・困る! 多分大丈夫だが、僕が書いたドロレスは~とかメイヴィスは~というのも、一か所ぐらいは間違っているかもしれない。責任は追えない。

さて、あらすじに行きましょう。(起)

ただし、このあらすじが合っているか、自信はありません。

マーロウ探偵事務所に一人の女性が訪ねてきた。
田舎から出てきた金髪三つ編み眼鏡っ子のオーファメイ</sp</span>an>。
警戒心の強い彼女は、まず電話をかけて事務所に入ってこようとしない。
しかしマーロウが冷たくすると、オーファメイは勇を奮ってやってきた。
兄のオリンが失踪したため、その捜索を20ドルで依頼してきたのである。
オーファメイは、警戒心も露わに、自らの連絡先も知らせずに帰って行った。

(小動物系純朴娘キターーーーーー)

マーロウはオリンの捜索を始めた。
まず、オリンが先頃まで住んでいた住所へとやってくる。
そこで、柄の悪い輩レスターに絡まれる。
この住宅は、麻薬密売が行なわれている場所だった。
オリンが住んでいた場所には、カツラを大事にするヒックスという男が住んでいた(カツラをいじるマーロウの台詞が面白い。ヒックスは明らかにキャラが立っていたと思うのに、あまり活躍できず残念である)
ヒックスは、別の部屋に住んでいたが、オリンの部屋が空いたので移ってきたとのことだった。
そして、レスターはアイスピックで殺されていた。
レスターは、死ぬ直前、誰か(後にDrラガーディと判明する)と電話をしていたようだった。

あらすじ 承???

オーファメイが夕方やってきた。
マーロウは疑問を口にする。
・なぜ、警察に頼まないのか。
・なぜ、オリンが行方不明になって4カ月も経ってから探しに来たのか。(心配はしなかったのか)

マーロウがオーファメイの眼鏡をはずすと、オーファメイが抱きついてきた。
オーファメイは媚びる調子でマーロウにキスをした。

(眼鏡を取ったら急に美少女展開&純朴そうに見えて実は積極的なキス魔キターーーーー)

オーファメイが帰ると、怪しい男から電話がかかってきた。
貸金庫代わりに品物を預かるだけで100ドルが手に入るというのだ。
名前も言わずに彼は電話を切った。

彼のいるホテルで、受付の人間(フラッグ)に尋ねるも埒が明かない。
ただ、ドクター・ハンブルトンという名前で投宿している事はわかった。
部屋に入ると、突然謎の女(金髪。オーファメイ? 後述のメイヴィス?)に襲われる。
ベッドでは、ドクター・ハンブルトン(正体はヒックス)がアイスピックで殺されていた。
(この作品で、僕が好きなのはオーファメイとヒックスだけなので、既にモチベーションが半分以上下がったw)

受付のフラッグにヒックスが死んでいる事を伝えた。

ヒックスの死亡を確認するため、警察がやってきた。
ヒックス(ハンブルトン?)の正体はマーストンという小物の悪党だった。

一体いくつ名前持ってんねん。
ちなみに、後に出てくるスティールグレイヴも別名を持っているし、
オーファメイの姉のメイヴィスも別名を持っているし、
しかも名字で呼ばれたり、名前で呼ばれたりするから、わけがわからなくなるよ!!

(ここまで比較的てきぱきと進んできた物語だが、
警察官やフラッグあたりのやり取りはちょっとダルく、いよいよチャンドラー先生の悪癖=僕の苦手な部分が発揮され始める。
ここまでのストーリー紹介は、割と自信を持って理解できていると思う)

ヒックスは写真を撮って(持って)いたらしい。それが原因で殺されたのだ。

☆チャプター11あたり

(ホテルの受付、フラッグとのやり取りがだるいため、
テキトーに読んでいたら、話の筋を見失ってしまったw)

フラッグは金髪女を、何かの映画で見知っていた。新人女優なのだ。
マーロウは女優のミス・ウェルド(メイヴィス・ウェルド)という女を訪ねた。
(オーファメイが出てこないと、突然読んでて面白くなくなるw)
応対に出たのは、同じ女優志望のミス・ゴンサレス(ドロレス・ゴンサレス)だった。

酔ったドロレスにマーロウはキス(というかべろちゅーされる。今回、展開はえーなおい!)
イチャついていると、メイヴィスに目撃されてしまう。
メイヴィスはホテルでマーロウを襲った女だった……んだと思う(自信なし)

この辺りから、メイヴィスとドロレスとマーロウのやり取りが長くなる(話が見えづらいので、退屈である)

家に帰ると依頼人が来ていた。
「おとといきやがれ」しか言えない、ヤク中のアルフレッドと、保護者のトードである。
「おとといきやがれ」しか言えないキャラとか、「てめぇでファックしやがれ」しか言えないキャラとか、こういうキャラ、チャンドラー好きねぇ。俺は大嫌いだけど
「オリンを探すのをやめろ」と脅迫しに来たが、マーロウは突っぱねた。

(ちなみにこの二人組は、結局何者だったんだっけか???)

電話が鳴って、オーファメイがやってきた。
「オリンから連絡があった」と彼女は言った。しかしそれは嘘だった
マーロウに媚びにやってきたのだ(ほんとか?)
マーロウが、映画女優のオーファメイの姉リーラについて尋ねるとオーファメイは怒って帰って行った。
(なぜオーファメイの姉がリーラという名前で、映画女優だとマーロウはわかったんだろう??? というかリーラが本名で、メイヴィスが芸名??? 紛らわしい)

メイヴィスが男と密会している写真をマーロウは入手する。
(別に面白いシーンじゃないけど、この小説のターニング・ポイント!)

Dr・ラガーディという男が死ぬ前のレスターと電話をしていたのがわかり、マーロウはDr・ラガーディを訪ねる。

警察から連絡が来て、ホテルの受付フラッグが雲隠れしたことを知らされる(単に金を持ち逃げしただけっぽい。こういう枝葉のエピソードいらねぇ)。

メイヴィスとスティールグレイヴ(相手)の密会の場は、スティールグレイヴ本人が経営している酒場の『ダンサーズ』。
スタイン殺害事件当時、刑務所に入っていたらしい。
(スタインって誰だっけ??????? 唐突に出てくるなや!! 唐突じゃなくて読み飛ばしてた可能性の方が高いけど)

マーロウはメイヴィスに電話をかけるが、冷たくあしらわれた。

マーロウはメイヴィスのタレント事務所にやってきて、写真を持っている事を伝え遠回しに脅しをかける。
この写真を巡って、人が何人も死んでいるというのだ。

その後、タレント事務所などでマーロウ(チャンドラーが乗り移った)がメディア業界をこき下ろすが、この部分がとにかく長い。
ストーリー上関係ない部分なので、要らないと言えば要らないのだが、
当時のレイモンド・チャンドラーの愚痴のオンパレードを聞かされている感があって、
一周まわって面白い。
ここは真面目に読まず、酔っぱらったチャンドラー先生の介抱をする気分で読もう

(別に本筋が面白いというわけでもないしな)

_______________数十ページ経過

あらすじ続き(転、なのか?)

スティールグレイヴとメイヴィスのゴシップ写真について、ようやくマーロウはメイヴィスと話し始める。

しかしメイヴィスはスティールグレイヴの事を詳しくは知らないようだった。
(ちなみにスティールグレイヴは、クリーブランドでヤンチャをしていたヤクザでモイヤーという名前)

オーファメイから再び「オリンから連絡があった」という電話が来た。
オリンは、Drラガーディの家にいるという。
どこかのギャングが彼を追っているという。
今度の情報は本当のようだった。

Drラガーディの家に行くマーロウ。「メイヴィスの写真を撮れたのは、メイヴィスがオリンの姉だから」だと推理するマーロウ

(あれ、オリンの姉・オーファメイの姉はリーラじゃなかったんかい! メイヴィスかリーラが、源氏名って事?)
ラガーディの家で、マーロウとラガーディは長い会話の末(マジでなげーよ)、マーロウは罠にかかり捕まった。

しかしマーロウは危害を加えられずに済んだ。ただ、一時的に動きを封じるガスを吸わされただけだ。
意識がもうろうとしている中、マーロウと共に倒れていた
オリンはアイスピックを手に死んでいた。

そこにドロレスが訪ねてきた。

ドロレスは『例の写真(メイヴィスとスティールグレイヴの密会写真を以後こう呼ぶ)』を返せと迫るが、マーロウはメイヴィス本人に返すと突っぱねる。

ドロレスが帰ると、警察から連絡が来てやり取りがある(どうでもいい)。

また、ドロレスが現れる。
メイヴィスが動けないので、代わりに動いているというのだ。

警官の警戒網などを突破した後、ドロレスが突然マーロウに銃を向けたりなんだりしたが、とりあえず無事に切り抜ける(つまらないのでテキトーに読んでしまった)

メイヴィスがやっと現れ、自分がスティールグレイヴを殺したと告白する。
弟のオリンを殺したかたき討ちということだ(これは偽の告白である)

マーロウは例の写真を隠ぺいしたかどで、警察に捕まる。
(ここからも長くてダルい)

あらすじ 結

やっと解放されたマーロウに、オーファメイからまた電話がかかってくる。
リーラはオーファメイの異母姉。

オーファメイが肌身離さず持っていた鞄には大金が入っていた。
マーロウが真相を推理する。

オリンはスキャンダル写真を撮影し、姉のメイヴィスを脅迫した。
しかし、レスターとヒックスが写真を強奪し、メイヴィスを脅迫しようとすると、オリンはアイスピックで2人を殺害した。

オーファメイの持っていた大金はスティールグレイヴの金。
Drラガーディとレスターが知り合いだという事を、警察に伝えたのはオーファメイ。
オリンの計画に加わりたかったオーファメイは、オリンを揺さぶるためにそうしたのだ。

金のためなら何でもする悪女オーファメイの正体が明らかになった<のだ。
オリンの居場所をオーファメイはスティールグレイヴに密告し、その報酬に大金を手に入れた。

オリンとオーファメイは似た者同士の兄妹。
姉のメイヴィスを脅迫し、兄のオリンを金のために売る女こそが、
眼鏡っ子三つ編み田舎女オーファメイの正体
なのだった。

長姉メイヴィスはそんなオーファメイを赦すのだった。

エピローグ

マーロウはドロレスを訪ねる。
ドロレスは夫を捨ててハリウッドにやってきた。
ドロレスは「オーファメイが、スティールグレイヴを殺した」と話す。
そしてオーファメイに、「私が殺した」と姉のメイヴィスに言わせるように仕向けた。

スタインが例の写真の恐喝に加わろうとしたため、スティールグレイヴは彼を殺した。
そしてスティールグレイヴは事件当時、警察に捕まる事でアリバイを手に入れた。
しかし、刑務所からこっそり出てきてスタインを殺そうとした日、
スティールグレイヴはなぜかメイヴィスと昼食を取り、それをオリンに盗撮されたのだった。

なぜ、こんな偶然が起こったのだろう。
それは、もちろんドロレスがオリンやメイヴィス、スティールグレイヴを操ったのだった。
更にスタインを殺したのもドロレスだった。
オリンを殺したのもまたドロレスだった。
ドロレスは、スティールグレイヴに片思いをし、彼を他の女(メイヴィス)に取られたくないと思い、
ほぼすべての事件を操ったのだった。
(いやいや、いくらドロレスに操られたとはいえ、スティールグレイヴくんドジっ子にも程があんだろ)

マーロウはドロレスを警察に通報する。
警察がやってくると、ラガーディ(ドロレスの夫)は舌を噛みきって死んでいた。
ラガーディはドロレスをナイフで刺し、その後自殺したのだ。

以上!!

……これで、合ってる??? 全く自信がないんだがwwww

感想

本書の読みどころは、「かわいいふりしてあの子 わりとやるもんだね」の悪女オーファメイの存在に尽きる。

後は、チャンドラー先生のハリウッド業界への愚痴。

それ以外は話が混線して意味がわからない、いつものチャンドラー節だけれども、
とりあえず『アミーゴ』を使うのはドロレスだけにしてほしい。

本作が最大の失敗作、だそうだが、個人的にはチャンドラーファンではないため、「いつもこんなもんじゃない?」という感想。

オーファメイ悪女かわいいよ、オーファメイ!

オーファメイの姉で、天使のメイヴィスさんをもっと魅力的に描いてほしかったんだけど、メイヴィスさんはドロレスと区別つかなくなったりするようなキャラなんで勿体ない。
そういえば女性キャラで唯一マーロウとキスしてないしな!!

……頑張ってあらすじをまとめたんだけど、自信はありません。
複雑なのと、退屈で集中力が切れるのと、書き方が不親切の三重苦。

次回、「さよなら、愛しい人」に続く?

好きな小説 殿堂入り 随時(年に1回ぐらい)更新

作家順、五十音順。随時追加。
この記事の作品は全て超大好きだけど、敢えてその作家の個人的ベストを太字赤に。

   

   【アーウィン・ショー】

   真夜中の滑降 
   はじまりはセントラル・パークから  

  
  【アーサー・ヘイリー】
    
   最後の診断      
   マネーチェンジャーズ
   自動車     

  【アイザック・アシモフ】

  アイ・ロボット     
  永遠の終わり     
  鋼鉄都市        
  はだかの太陽  

  【アイラ・レヴィン】


   死の接吻   
  

  【アガサ・クリスティ】
 
  終わりなき夜に生れつく 
  オリエント急行の殺人  
  ナイルに死す      
  五匹の子豚       
  葬儀を終えて      
  死の猟犬        
  鏡は横にひび割れて  
   
  【秋山瑞人】

  
イリヤの空UFOの夏 

  【アルベール・カミュ】

   異邦人        
   ペスト  
  
  【生島治郎】

  黄土の奔流     
  追いつめる 
  
  【市川拓司】

  いま会いにゆきます

  【伊藤計劃】

  虐殺器官
  ハーモニー

  【ヴァーナー・ヴィンジ】
   
  最果ての銀河船団        

  【ウィ・ギチョル】

   9歳の人生  

  【ウィリアム・アイリッシュ】

  黒い天使      
  暁の死線      

  【ウィリアム・ケント・クルーガー】

  ありふれた祈り 


  【虚淵玄】
   
  Fate/Zero


 【エラリー・クイーン】

   十日間の不思議   
  九尾の猫       


【オーソン・スコット・カード】


  死者の代弁者    
  エンダーのゲーム  

 【乙一】

  君にしか聞こえない
 
 【小野不由美】
  
  屍鬼         
  魔性の子       
  月の影、影の海    
  黄昏の岸、暁の天   
  華しょの幽夢      
  東の海神、西のそう海 
  
  【カート・ヴォネガット】
  
   スローターハウス5  
  
   【海堂尊】

   チーム・バチスタの栄光
   ナイチンゲールの沈黙


   【カズオ・イシグロ】

   わたしを離さないで


  【韓寒】

  
  上海ビート 

  【北方謙三】

   三国志
 
  【京極夏彦】

  魍魎の匣       
  絡新婦の理     
  陰摩羅鬼の瑕     
  姑獲鳥の夏      

  【クリフォード・シマック】
 
  都市         
  愚者の聖戦      
 
 【グレアム・グリーン】

  ヒューマンファクター    

  【グレッグ・イーガン】
 
   祈りの海 

  【ケン・フォレット】

   針の眼        
      
  【小泉喜美子】
  
  弁護側の証人     

 【コリン・ウィルソン】

 
  精神寄生体      
  殺人者       
 
 【ジェイン・オースティン】


   高慢と偏見     
   マンスフィールドパーク
 
 【ジェームズ・クラベル】

  キング・ラット     
  将軍         
 
 【ジェイムズ・クラムリー】

   酔いどれの誇り   

  【ジェームズ・ケイン】

  郵便配達は二度ベルを鳴らす 
  殺人保険          

 【ジェフリー・アーチャー】

  百万ドルをとり返せ  
  めざせダウニング街10番地 
  ケインとアベル 

  【シオドア・スタージョン】
  

   一角獣・多角獣      
  
  【重松清】
   
   君の友だち     
  
  【司馬遼太郎】

   最後の将軍
   新史太閤記
   関ヶ原
   功名が辻
     

  【シャーリィ・ジャクスン】

  ずっとお城で暮らしてる 

  【ジャック・ヒギンズ】
   
  死にゆく者への祈り 

  【ジョイス・ポーター】
  
   切断         


  【ジョー・ウォルトン】
 
   図書室の魔法 
  
  【ジョージ・オーウェル】
   
   1984年           

  【ジョージ・r.r.マーティン】

  七王国の玉座     
  王狼たちの戦旗    
  剣嵐の大地  

 【ジョーン・ロビンソン】
 
  思い出のマーニー   
  
 【ジョゼフ・ウォンボー】
  
  クワイヤボーイズ  

  【ジョナサン・スウィフト】

  ガリバー旅行記    

 【ジョン・ヴァーリィ】
  
  ブルーシャンペン   


 【ジョン・ハート】


  ラストチャイルド   
  キングの死    

 【スコット・トゥロー】
 

  推定無罪  
  
  【鈴木光司】

  リング        
  らせん           
  
  【スティーブン・キング】

  グリーンマイル     
  デッドゾーン     
  ザ・スタンド     
  ファイアスターター  
  IT          
  クージョ       
  死のロングウォーク 
  11/22/63
  ジョイランド
  
  【スティーブ・ハミルトン】
   
   解錠師      
  
  【住野よる】


  君の膵臓を食べたい
 
  
  【瀬名秀明】
  
  パラサイトイヴ 
  
  【高橋源一郎】
  
  さようならギャングたち 
  
  【貴子潤一郎】
  
  12月のベロニカ   

  【高見広春】

  バトル・ロワイアル  
  
  【太宰治】

  斜陽        
  人間失格    
 
 【田中ロミオ】  
  
  AURA        

 【ダニエル・キイス】

  アルジャーノンに花束を 
  24人のビリーミリガン  

  【ダン・ブラウン】

  天使と悪魔      
  ダヴィンチ・コード 
  インフェルノ 

  【チヌア・アチェベ】
   
  崩れゆく絆 
 
  【ディック・フランシス】

  利腕         
  大穴        
  敵手         

  【テッド・チャン】
 
   あなたの人生の物語 
  
  【ドナルド・ウェストレイク】

   ホットロック    

 【トマス・クック】

  緋色の記憶

   【中井英夫】

   虚無への供物 
   
   【夏目漱石】
 
  それから      
  こころ       
  
  【貫井徳郎】

   慟哭      

  【ネビル・シュート】

   渚にて  
  
  【野坂明如】
  
  エロ事師たち  

  【野村美月】

  “文学少女”と飢え渇く幽霊
  “文学少女”と慟哭の巡礼者

  【ハーマン・ウォーク】
 
  ケイン号の叛乱    
  戦争の嵐

  
  【フィリパ・ピアス】

  トムは真夜中の庭で  

  【フィリップ・K・ディック】
  
  スキャナー・ダークリー 
  ユービック 
  
  【フィリップ・ホセ・ファーマー】

   恋人たち      


  【福井晴敏】

  亡国のイージス  

  【フランソワーズ・サガン】
 
  悲しみよこんにちは  

  
  【フレドリック・ブラウン】
  
  天の光はすべて星
   
  【フレデリック・ポール】
   
   タウゼロ 

  【マイクル・クライトン】

  ジュラシックパーク  
  プレイ――獲物    
  失われた黄金都市   

 【マイク・レズニック】
  
  キリンヤガ      
  
  【マリオ・プーヅォ】
   
   ゴッドファーザー  
   
   【三浦綾子】
    
   ひつじが丘     

 【ミゲル・デ・セルバンテス】
   
   ドンキホーテ    

 【ミッチ・アルボム】
 
  天国の五人      
  もう1日    

  【山口雅也】


  生ける屍の死

  【山田風太郎】

  魔界転生   
    甲賀忍法帖
  
  【吉本ばなな】
  
  TSUGUMI     
  キッチン     

 【リチャード・アダムス】

  ウォーターシップダウンのウサギたち  
  ブランコの少女        
 
【リチャード・マシスン】
 
 ある日どこかで    
 アイ・アム・レジェンド 

 【竜騎士07】

 ひぐらしのなく頃に

 【隆慶一郎】
  
  影武者徳川家康    
 
 【レイ・ブラッドベリ】

  火星年代記      
  刺青の男       
  太陽の黄金の林檎   
  10月はたそがれの国 

 【ロバート・ゴダード】

  千尋の闇       

 【ロバート・F・ヤング】
 
 たんぽぽ娘      

 【ロバート・ラドラム】
  
  マタレーズ暗殺集団  

  【ロベール・メルル】

   マレヴィル      


大いなる眠り 雑あらすじ感想

レイモンド・チャンドラーのファンの方は、読まないでください!

前おき

この度、レイモンド・チャンドラー作品を再読したため、前回は総論を書いた。

さて、今回は彼の長編デビュー作「大いなる眠り」である。

レイモンド・チャンドラーの作品は基本、起承転結の『起』と『結』だけがあって、『承』と『転』が欠けた欠陥シナリオだ、とは以前書いたのだが、このデビュー作はまさにそれを地で行く作品になっている。

あまりに複雑なため、僕の読解力不足の可能性もゼロではないのだが、
僕の読解力を槍玉に上げるか、チャンドラーの構成力を槍玉に挙げるかは、皆さんの判断に任せたい。

人間はとかく自己正当化しがちな生き物なので、僕はこの作品を駄作と断定する。異論は認める。

あらすじ

チャプター3まで【起】

ある日、スターンウッド将軍が探偵フィリップ・マーロウの元に訪ねてくる。
将軍家は石油で財をなしている。
カーメンの博打に対する脅迫状がスターンウッド将軍の元に届き、マーロウが調査を依頼される。
ここで、僕が考えるこの作品のメインキャラを紹介しておく。

長女
・ヴィヴィアン
夫のリーガンが失踪している。
リーガンは酒の密売人。妹と同じくギャンブル狂でエディ・マーズの店でいつもルーレットで大金をスッている。
多分セクシー美人。黒髪。

次女
・カーメン
すぐに男を誘惑する性欲過剰な女。すぐに脱ぐ。
(しかし映像がないので、カーメンの裸は想像……妄想するしかない。悲しい)
思い通りにならないとすぐキレる。
「私ってキュートよね」「あなたってキュートね」が口癖で、かなりバカっぽい。
麻薬常用者で、イっちゃってるセクシー美人。なお金髪。
博打で借金。

簡単に言ってしまえば、ヴィヴィアンの夫の失踪事件と、
カーメンが博打で借金している事。
2人の娘はかなりの問題児で、
年老いたパパが2人を心配している事さえわかればそれでいい。

はず……なんだが……そんな読み方をすると、意味がわからなくなるので注意。
いや、どんな読み方をしても意味がわからなくなるから同じか。

チャプター7まで

ここから話が混線というか脱線していく。

まずマーロウは、カーメンをゆすっていた、強請屋のガイガーを尾行する。
ガイガーの隣の本屋の女(アグネス)やら、何やらから聞き込みをする

(ちなみに、ガイガーは本書で大きな役割を占めているわけでもない。
魅力的なキャラでもない
そういうところが、どうにも退屈してしまうのである)

ようやくガイガーが見つかったが、どこからか車で現れたカーメンがガイガーを銃殺した

チャプター12まで

殺人を犯したカーメンをスターンウッド家に送る。

ガイガー家に戻るとガイガーの死体が消えていた。

バーニー・オールズ(保安官?)から電話がかかってくる。
スターンウッド家の車が砂浜で見つかり、男の死体が発見されたという。
死体はスターンウッド家の運転手オーエンだった。

その後、なんやかや暴力的な輩とやり取りがある(適当に読んでしまった)

ますます混迷する事件と、死体の山

ヴィヴィアンが翌日訪ねてくる。
カーメンの全裸写真が送られてきて、またもや強請られたらしい。
ヴィヴィアンに誘惑されるが、マーロウはスルーする。

(スルーするなよ、もったいないw
でも多分、大金の誘惑にも、美女の誘惑にも手を出さず、我が道をゆくのがマーロウが好かれるところなんだと思う。
僕にはよくわからないけど)

今度はカーメンが訪ねてくる。
ジョー・ブロディという男がカーメンのヌード写真で強請りをしているらしい

(正直この辺もどうでもいいんだよなぁ。
「大いなる眠り」って、探偵マーロウ・老将軍・長女ヴィヴィアン・失踪した夫のリーガン・次女カーメン
の5人以外はメインプロットでも何でもないし、どうでもいいだろ……)


サブプロットと言えば聞こえは良いが……。
エディ・マーズというヤクザ(賭博場の主。部下のガイガーを使って強請らせていたのも彼)と対決、
そして次には別件の強請屋のブロディと対決する。
ガイガーの本屋で働いていたアグネスも敵として登場。
そんなこんなで気づいたらブロディは死んだ

さて、ブロディを殺したのは、『てめぇでファックしやがれ』しか言えない低能のゲイ、キャロル(こいつの存在意義あるんか?)
ガイガーの死体を隠したのも彼だった。
ガイガーの恋人だった彼は、ブロディがガイガーを殺したと思い込み、かたき討ちとばかりに、キャロルはブロディを殺したのだった。

もうこの辺になると「てめぇでファックしやがれ」としか言いようがない。
どうでもいい理由で人が死にすぎだから。
一体何人死ぬんだよww

その後もマーロウは、よくわからない奴らと関わったり、なんだりする。
賭博場を開いているエディ・マーズと、マーズに借金をしながらギャンブル狂いのヴィヴィアンとの関わりを知る。
ヴィヴィアンが、父の将軍を案じている事を聞く。
ヴィヴィアンがマーロウをまた誘惑するが、マーロウはキスだけを許し、それ以上は拒絶する。

マーロウが帰宅すると、カーメンが勝手にベッドに入って全裸で待っていた。
しかしマーロウはまたも拒絶し、追い出した。

マーロウをずっと尾行していた男を、遂にマーロウは捕まえる。
ハリー・ジョーンズという、ブロディの友人だった。
その後、カニーノとかいうギャングが唐突に現れ、ハリ―・ジョーンズを殺した(お前誰だよ)
(完全に話についていけなくなっているw)

マーロウはエディー・マーズの妻モナの居場所を突き止めるが、逆に捕まってしまう。
(??? マーロウが依頼されていたのはラスティ・リーガンを探す事ではなかったはずだし、
ヴィヴィアンもカーメンも関係ない気がするんだが、どうしてこんな展開になってるんだ??)

危機一髪のところを無事脱出し、マーロウはカニーノを殺す

結末

将軍に呼ばれ、将軍から改めてラスティ・リーガン(ヴィヴィアンの元夫)捜索の依頼を受ける。

カーメンが現れる。
カーメンが射撃の練習をしたいと言い、油井を二人で散策する。
マーロウがカーメンに銃を渡すと、カーメンは的ではなく、マーロウを狙う。
しかしマーロウは事前に弾丸を抜いていたので無事だった。
カーメンは銃を持つと発作で人を撃ちたくなるのだった(なんだそりゃ!)

ヴィヴィアンが現れ、真相をマーロウが推理する。
失踪中のヴィヴィアンの夫リーガンを、カーメンは誘惑した
しかし、リーガンがスルーしたので、カーメンは彼を銃殺したのだった。

ヴィヴィアンに、カーメンを精神病院に入れるように約束させ、マーロウは去った。

「大いなる眠り」(死)についた人々

被害者1:ラスティ・リーガン←犯人:カーメン
動機:誘惑したのにノッてこなかったから

被害者2:ガイガー←犯人:カーメン
動機:自分を強請っていたから???

被害者3:オーエン←犯人:……誰!?
動機:??????

被害者4:ブロディ←犯人:キャロル
動機:勘違い。「てめぇでファックしやがれ」

被害者5:ハリー・ジョーンズ←犯人:カニーノ
動機:「俺様をナメるんじゃねぇ!!」(?)

被害者6:カニーノ←犯人:フィリップ・マーロウ
動機:生き延びるため。正当(?)防衛

殺人未遂:フィリップ・マーロウ←犯人:カーメン
動機:誘惑したのにノッてこなかったから

感想

繰り返すまでもないが、本作はスターンウッド家のヴィヴィアンとカーメンの姉妹、そしてヴィヴィアンの失踪した夫リーガンが主軸になっていると思う。
そのカーメンを、エディ・マーズだのガイガーだのブロディだのが強請っていた、というのはまぁあってもいいけれど、枝葉というか、なくてもいい部分。
まして、「てめぇでファックしやがれ」しか言わない不快なキャロルや、
唐突に現れたカニーノなどは、ただただ話をややこしくしているだけで
本筋に関わっているとは到底言えない。

必要な部分を抜き出せば、事件はシンプルで、多分100ページぐらいで終わるのに、意味の解らないヤクザの抗争でページを水増しして強引に長編にしているようにしか思えない。

本作はチャンドラーのデビュー長編であり、世間での評価は高くもなく低くもないといったところのようだが、
個人的には駄作中の駄作。
(というか、チャンドラー作品は駄作だらけだと思う。
単に僕がチャンドラーと合わないだけとも言えるけど)

余談だが、本作のカーメンも含め、美女が悪役のケースが多いチャンドラー作品。
しかし、リアルでのチャンドラーは奥さんを亡くしてしまったことが原因で、すっかり塞ぎ込んでしまい、その後も立ち直るのに多大な年月を要した、愛妻家だった。

フィリップ・マーロウなら、最愛の人が死んでも立ち直ってやっていけそうだが、チャンドラーには無理だったのだ。

次回、「リトル・シスター」に続く???

純文学オールタイムベスト100 2023年5月5日記入

既読作品

S 何を措いてでも読むべき作品
A とても面白かった作品
B まずまず面白かった作品
C あまり面白くなかった作品
D 良さがわからなかった作品
太字ではないもの  未読(あるいは小学生の頃読んで、内容も覚えていないもの)

気分でつけているので、リストごとにSになったりAになったりしている作品もあるかもしれませんが、2ランク以上のミスはないはずですw

賞はとりあえず気づいたもののみ記載。適当。

本来は禁じ手ですが、同著者別名義は自分に解りやすいように統一。表記揺れまではいじっていません。

「考える人」ベスト100


1 『百年の孤独』 ガルシア=マルケス
2 『失われた時を求めて』 プルースト
3 『カラマーゾフの兄弟』 ドストエフスキー
4 『ドン・キホーテ』 セルバンテス
5 『城』 カフカ
6 『罪と罰』 ドストエフスキー
7 『白鯨』 メルヴィル
8 『アンナ・カレーニナ』 トルストイ
9 『審判』 カフカ
10 『悪霊』 ドストエフスキー
11 『嵐が丘』 ブロンテ
12 『戦争と平和』 トルストイ 第1編26章までで一旦挫折
13 『ロリータ』 ナボコフ
14 『ユリシーズ』 ジョイス
15 『赤と黒』 スタンダール
16 『魔の山』 トーマス・マン
17 『異邦人』 カミュ 再読
18 『白痴』 ドストエフスキー  上巻のみ読んだ
19 『レ・ミゼラブル』 ユゴー
20 『ハックルベリー・フィンの冒険』
21 『冷血』 カポーティ
22 『嘔吐』 サルトル
23 『ボヴァリー夫人』 フローベール
24 『夜の果てへの旅』 セリーヌ
25 『ガープの世界』 アーヴィング
26 『グレート・ギャッツビー』 フィッツジェラルド
27 『巨匠とマルガリータ』 ブルガーコフ
28 『パルムの僧院』 スタンダール
29 『千夜一夜物語』
30 『高慢と偏見』 オースティン
31 『トリストラム・シャンディ』 スターン
32 『ライ麦畑でつかまえて』 サリンジャー
33 『ガリヴァー旅行記』 スウィフト
34 『デイヴィッド・コパフィールド』 ディケンズ
35 『ブリキの太鼓』 グラス
36 『ジャン・クリストフ』 ロラン
37 『響きと怒り』 フォークナー
38 『紅楼夢』 曹雪芹
39 『チボー家の人々』 デュ・ガール
40 『アレクサンドリア四重奏』 ダレル
41 『ホテル・ニューハンプシャー』 アーヴィング
42 『存在の耐えられない軽さ』 クンデラ
43 『モンテ・クリスト伯』 デュマ
44 『変身』 カフカ 読了
45 『冬の夜ひとりの旅人が』 カルヴィーノ
46 『ジェーン・エア』 ブロンテ
47 『八月の光』 フォークナー
48 『マルテの手記』 リルケ
49 『木のぼり男爵』 カルヴィーノ
50 『日はまた昇る』 ヘミングウェイ
51 『水滸伝』
52 『人間喜劇』 バルザック
53 『路上』 ケルアック
54 『危険な関係』 ラクロ
55 『木曜の男』 チェスタトン
56 『ゴリオ爺さん』 バルザック
57 『源氏物語』 紫式部 (漫画「あさきゆめみし」なら読んだ)
58 『幻滅』 バルザック
59 『日々の泡(うたかたの日々)』 ヴィアン
60 『スローターハウス5』 ヴォネガット・Jr.
61 『アブサロム、アブサロム!』 フォークナー
62 『ハワーズ・エンド』 フォースター
63 『魔術師』 ファウルズ
64 『ムーン・パレス』 オースター
65 『アウステルリッツ』 ゼーバルト
66 『日の名残り』 カズオ・イシグロ
67 『悪童日記』 クリストフ
68 『ガルガンチェアとパンタグリュエル』 ラブレー
69 『若草物語』 オールコット
70 『回想のブライズヘッド』 ウォー
71 『ある家族の会話』 ギンズブルグ
72 『トム・ジョウンズ』 フィールディング
73 『大いなる遺産』 ディケンズ
74 『心は孤独な狩人』 マッカラーズ
75 『緋文字』 ホーソーン
76 『大地』 バック
77 『狭き門』 ジッド
78 『不思議な国のアリス』 キャロル
79 『オデュッセイア』 ホメロス
80 『感情教育』 フローベール
81 『侍女の物語』 アトウッド
82 『二都物語』 ディケンズ
83 『予告された殺人の記録』 ガルシア=マルケス
84 『ペドロ・パラモ』 ルルフォ
85 『西遊記』
86 『薔薇の名前』 エーコ
87 『三国志』 羅貫中
88 『虚栄の市』 サッカレー
89 『親和力』 ゲーテ
90 『若い芸術家の肖像』 ジョイス
91 『死の家の記録』 ドストエフスキー
92 『イリアス』 ホメロス
93 『風と共に去りぬ』 ミッチェル
94 『ナジャ』 ブルトン
95 『V.』 ピンチョン
96 『モロイ』 ベケット
97 『灯台へ』 ウルフ
98 『冗談』 クンデラ
99 『オブローモフ』 ゴンチャロフ
100 『悪徳の栄え』 サド


アメリカ「20世紀の英語小説ベスト100」(ラドクリフ大学)

1「グレートギャッツビー」
2「ライ麦畑でつかまえて」

3「怒りの葡萄」
4「アラバマ物語」
5「カラーパープル」
6「ユリシーズ」
7「ビラウド」
8「蠅の王」

9「1984年」
10「響きと怒り」
11「ロリータ」
12「二十日鼠と人間」
13「シャーロットのおくりもの」
14「若い芸術家の肖像」
15「キャッチ22」
16「すばらしい新世界」

17「動物農場」
18「日はまた昇る」

19「死の床に横たわりて」
20「武器よさらば」
21「闇の奥」
22「クマのプーさん」
23「彼らの目は神を見ていた」
24「見えない人間」
25「ソロモンの歌」
26「風と共に去りぬ」

27「アメリカの息子」
28「カッコーの巣の上で」
29「スローターハウス5」

30「誰がために鐘は鳴る」
31「路上」
32「老人と海」

33「野生の呼び声」
34「灯台へ」
35「ある婦人の肖像」
36「山にのぼりて告げよ」
37「ガープの世界」
38「すべての王の臣」

39「眺めのいい部屋」
40「指輪物語」

41「シンドラーズ・リスト」
42「エイジ・オブ・イノセンス」
43「水源」
44「フィネガンズ・ウェイク」

45「ジャングル」
46「ダロウェイ夫人」 読んだ気がするんだけど、読んでないかもしれない
47「オズの魔法使い」

48「チャタレイ夫人の恋人」
49「時計仕掛けのオレンジ」

50「目覚め」
51「私のアントニーア」
52「ハワーズ・エンド」
53「冷血」
54「フラニーとゾーイ―」
55「悪魔の詩」
56「ジャズ」
57「ソフィーの選択」
58「アブサロム、アブサロム」

59「インドへの道」
60「イーサン・フローム」
61「善人はなかなかいない」
62「夜はやさし」
63「オーランド―」
64「息子と恋人」
65「虚栄の篝火」
66「猫のゆりかご」
67「友だち」
68「八月の光」
69「鳩の翼」
70「崩れゆく絆」

71「レベッカ」

72「銀河ヒッチハイクガイド」

73「裸のランチ」
74「回想のブライズヘッド」
75「恋する女たち」
76「天使よ故郷を見よ」
77「われらの時代に」
78「アリス・B・トクラスの自伝」
79「マルタの鷹」
80「裸者と死者」
81「サルガッソーの広い海」
82「ホワイト・ノイズ」
83「おお開拓者よ」
84「南回帰線」
85「宇宙戦争」

86「ロード・ジム」
87「ボストンの人々」
88「アメリカの悲劇」
89「死を迎える大司教」
90「たのしい川べ」
91「楽園のこちら側」
92「肩をすくめるアトラス」

93「フランス軍中尉の女」
94「バビット」
95「少年キム」
96「美しく呪われた人」
97「走れウサギ」
98「天使も踏むを恐れるところ」
99「本町通り」
100「真夜中の子供たち」


ノルウェイ・ブッククラブ 順位なし

「ドン・キホーテ」
「崩れゆく絆」

「人形の家」
「アエネーイス」
「ダロウェイ夫人」
「灯台へ」

「メディア」
「ミドルマーチ」
「見えない人間」
「変身物語」
「1984年」
「高慢と偏見」

「その男ゾルバ」
「異邦人」 再読

「シャクンタラー姫」
「百年の孤独」
「コレラ時代の愛」
「山の音」
「ギルガメシュ叙事詩」
「ブリキの太鼓」
「ファウスト」
「死せる魂」
「ノストローモ」
「白の闇」
「北へ還りゆく時」
「ハムレット」

「リア王」
「オセロ」
「ユリシーズ」
「ガリバー旅行記」

「ゼーノの苦悶」
「トリストラムシャンディ」

「赤と黒」
「夜の果てへの旅」

「神曲」
「カンタベリー物語」
「大いなる遺産」
「運命論者ジャックとその主人」
「ベルリン・アレクサンダー広場」
「ハックルベリー・フィンの冒険」
「罪と罰」

「白痴」
「悪霊」

「カラマーゾフの兄弟」

「戦争と平和」
「アンナカレーニナ」
「イワン・イリイチの死」
「ロリータ」

「餓え」
「ゴリオ爺さん」
「アブサロム、アブサロム」

「響きと怒り」
「失われた時を求めて」

「ボヴァリー夫人」

「感情教育」
「嵐が丘」

「不安の書」
「老人と海」

「草の葉」
「デカメロン」
「イリアス」

「オデュッセイア」
「イーダの長い夜」
「源氏物語」
「ブッテンブローク家の人々」
「魔の山」
「白鯨」

「特性のない男」

「ビラウド」
「エセ―」
「ハドリアヌス帝の回想」
「独立の民」
「真夜中の子供たち」
「ガルガンチュアとパンタグリュエル」
「長くつ下のピッピ」
「精神的マスナヴィー」
「ペドロ・パラモ」
「大いなる奥地」
「狂人日記」(魯迅)
「息子と恋人」
「カンティ」
「黄金のノート」
「ヨブ記」




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