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りら荘事件(感想) 途中までバレなし

作者は鮎川哲也。評価は B+。

リア充、非リア充、入り乱れての7人の男女の恋模様。夏合宿連続殺人事件!

殺人事件は真っ平だけど、年頃の男女が集まっての合宿は羨ましい。
ゼミ合宿、サークル合宿。楽しかった。そんな事を思い出す。
社会人になっても、こんなふうに青春を謳歌したいなぁと、羨ましくなってしまいました。

途中までネタバレなしで、途中からネタバレ有です。
ネタバレ有部分に移行する際には、見出しで告知します!

ストーリーの概要(バレなし)

りら荘という山荘に集まった、仲良し男女7人組(男4、女3)。
実は全然仲良しじゃない気もするのだが、まぁとにかく、そこで連続殺人事件が巻き起こる。
三角関係、片思い、リア充と非リア充。
そんな甘酸っぱくも眩しい青春模様は実に好みであり、
まさかこの作品でそのような気持ちが味わえるとは夢にも思っていなかったので、嬉しい驚きであった。
反面、そんな青春模様をもっとじっくり書いてほしかった。すぐに殺人事件が始まってしまうし、殺人事件が始まった後は、それほど大した青春模様もなく、犯人当てミステリに移行してしまうのが、個人的にはかなり残念。

いや、まぁ鮎川哲也作品は『犯人当てミステリ』こそが本体なのだろうから、『もっと青春書いてくれ!』と文句を言うのも的外れな気もするのだが、
折角良い感じのキャラクターが揃っているのに、そのキャラクターのポテンシャルを活かしきれたとは言い難い。
特に女性陣は粒が揃っている。

キャラクターの紹介(バレなし)

まず、トップバッターは尼リリス嬢。尼リリス(アマリリス)である。ひどい名前だwwww
もうこの人が出てきた瞬間に、「この本、面白そう!」って思った。ちなみに本名は南カメというそうだが、
それでは格好悪いので尼リリスと名乗っているらしい。南カメも酷いが、尼リリスも酷いww このセンス、好き。

尼リリス嬢は、こんな名前だが肥っている。
168cmで65kg。
BMIは23(ベスト体重より+2・9kg太っている)なので、全然肥満じゃないのに、鮎川さんの筆では殊更太っていることが強調されている。酷い! 標準体重内ですぞ!!

関係ないけど、現在の僕のBMIも23である。ふ、太ってないやい! 標準体重ですから!!
(本音を言うと、5kgくらい痩せたいけど、肥満ではないはずだよ。少しだけお腹に肉ついてるけど!)
ちなみに軽度肥満はBMI25以上である。セーフ! ギリ、セーフ!! 

セーフなんだけど、鮎川先生的にはアウトなのか、とにかくデブキャラという事が強調されている。
さて、そんなデブキャラである尼リリス嬢だけど、なんとイケメンの婚約者がいるのである。
そして、普段はワガママ・タカビー・おデブなリリス嬢だけど、恋人に対しては本当に泣きたくなるほど健気なリリス嬢なのであった。

2番! 『ルックスは普通』なのに、ブサが揃うこのグループではチヤホヤされる、まさに『オタサーの姫』!
その名も松平紗絽女嬢である! サロメてww 
この女、とにかく性格が悪そうな上、お高く止まっているのだが、尼リリス嬢の存在感が強いせいもあって、
ポテンシャルを存分に発揮しきれていないのが残念である。

当たり前の話だが、『その人自体は普通』でも、周囲がもっと酷ければ相対的にモテるものである。
ひょっとして、人生におけるモテ期というのは、
たまたま「周囲の人に比べれば、自分がマシに見える集団」に所属している時期のことなのではないか? と思ってしまったのだが、これは作品本編とは関係がない。

3番! 不細工に生まれたのが運の尽き! 「れ、恋愛なんてバカのすることよ! 私は興味ないんだからねっ!」と心の中で思いながら、すぐいろんな人に片思いしてしまう、日高鉄子ちゃん! 
鉄子って、鉄道オタクの女子みたいやな……
健気だけど、ブスなんですね……。

そんな個性あふれる女性陣なのだが、一方男性陣は正直に言って、魅力に乏しいと感じてしまったのは、
僕が男性読者だからだろうか。
『しょうもない』女性陣には魅力を感じるのに、『同じくらいしょうもない』男性陣には、あまり魅力を感じられないのであった。
その中で行武栄一君はいい味を出していたので、もっと活躍してほしかった……。

ここからネタバレ(なのに、どうでもいい自分語り)

1957年の作品だ、という事もあるのだけど、
これって全部、橘秋夫とかいう『お節介野郎』が悪いと思うんですけど……。

僕はどうも、世間の皆様とズレているせいか、
『他人の不倫』やら『浮気』でよくあれだけ騒げるなぁ、と冷めた目で見てしまう事が非常に多い。
一応それなりの年月生きてきて、パートナーに浮気をされた経験もあるし、三角関係の当事者だった(二股かけられてた)事もあるけれど。
「ふとした出来心で、一夜イケメンと寝てしまった!」系の不倫については、
個人的には(妊娠したり、性病を移されたりしなければ)騒ぐだけバカバカしいと思っている。
一方で、(人間なので、好きでもない相手と付き合う必要は全くないのだが)、
二股とか関係なしに「突然別れを切り出された」後遺症で人間不信になった事もある。

一番大好きなのが醤油ラーメン(恋人)だとしても、たまには塩ラーメン(浮気相手?)を食べたくなる事もあるだろう。ちゃんと醤油ラーメンを食べに戻ってきてくれるなら、たまに塩ラーメンを食べたくなるのは人情ですらある、と僕なんかは思ってしまうわけで。
逆に言えば、醤油ラーメン(恋人)を食べてくれなくなったら、僕としてはとても困るわけである。
その理由が塩ラーメン(浮気相手)にあろうが、全く関係ない事情だろうが、来てくれないなら同じなのだ。
そういうズレた人間なので、世間の皆様とはどうも噛み合わないわけなのだが……。

という長い前置きを置いたのは、今回の「りら荘殺人事件」の理由も、この手の話が動機になっているからである。
尼リリス嬢は、婚約者の牧数人と付き合う『前に』違う男と付き合っていたらしい。
ぶっちゃけて言えば処女ではなかったということだ。

それの何がいけないのか、僕にはサッパリわからないのだが、とにかくいけなかったらしい。
二股をかけていたのか、牧数人と付き合う前に初体験を済ませちゃったのかはイマイチわからないのだが、
どちらにしたって大して問題じゃないと僕などは思う。
まぁ前者に関しては目くじらを立てる方もいるとは思うが、後者なら本当に何の問題もないだろう。

それを、橘秋夫とかいう輩が、牧数人に『尼リリスはヤリマンでっせ!』みたいな事をご注進に及びかけたため、
尼リリスは秋夫を殺してしまったのである。
そしてそのまま、犯行の発覚を恐れて6人ぐらい(!?)殺してしまったのだった!

いくらなんでも殺しすぎなわけだが、それにしたって全部、秋夫が悪い。と思った。

「りら荘事件」とは何の関係もないのだが、僕は美少女ゲーム・美少女アニメオタクでもありまして。
一部のオタクが『処女』に気持ちが悪いぐらい執着するため、この手の作品から非処女キャラがほぼ撲滅され、
結果「過去に男に騙されて酷い目にあったけど、健気に頑張っているお姉さんとの恋愛物語」などなどといった、
「非処女」が出てきそうなドラマが軒並み作られなくなっている昨今、こちらでも非常に不快な気持ちを抱いているのでここで発散してしまいました!

かわいいキャラクター、魅力的なキャラクターが見たいし、胸を打つ感動的なストーリーが読みたいんだよ!
処女とか非処女とか、そんなもので人間(キャラクター)を図るんじゃねぇよ! と言いたかった! 
もちろん、一途でピュアな恋心に心を動かされることはあるし、そういうものの良さは解っています。
子供のころからずっと大好きだった、初恋の人と結ばれる幼馴染恋愛話とかも大好きだし。
でも、「それしか認めない」、「それ以外の女キャラは全員クズ」みたいな事を言う人たちは、『違うよね』って思う。

しょうもない男性陣

橘秋夫は僕的には論外なのだが、尼リリスの恋人である牧数人も本当にどうしょうもない男に感じる。
特に『色の黒い女は嫌い』発言はビビった。
その発言を真に受けた、尼リリス嬢は『美白サロンに通う』どころか、『砒素』を飲んで美白効果を得ているのである!
好きな男に好かれるために、そこまでするリリス嬢の一途さ、健気さは凄いが、
『今まで肌が黒かった女』が自分の為に砒素を飲んで美白になった事に対し、思う事はないのだろうか!?
お前がそんなだから、『処女じゃない』というだけでリリス嬢をあそこまで追い詰めてしまったんちゃうんかと!

安孫子宏君は、解りやすい意味でしょうもない男性キャラである。
何をやっても冴えなそうな男性で、身につまされるところもある。にしたって、ショボい。
ただ、事件に関しては全く無関係の人物なので、彼の受けた災難に関しては同情してしまう。

そんな男性陣の中で、行武栄一君はなかなか魅力的な男性キャラだ。
色盲というハンディを抱え、それを押し隠し、傷ついた心をプライドで覆い隠し、
口の悪いひねくれ者ながら、決してそれだけではない何かを感じさせる。
この行武君のエピソードはもっともっと読んでみたかったのだが、残念なことにあっけなく殺されてしまうのであった……。

総評

本編は、作者鮎川氏の、『焦らし』プレイの技巧なども実にうまく、質の高いミステリとしてお薦めの作品であります。
しかしそれ以上に、「サークル夏合宿青春モノ」として面白そうにも関わらず、そのポテンシャルを最大限に活かせていない点は残念に感じてしまいました。

また、そういった『りら荘事件』の感想として相応しいとはあまり言えない、『青年の主張』的な意味不明の自分語りばかりが思い浮かんでしまったため、記事にして良いものやら大変悩みました。

(別に、僕が不倫についてどう思っているとか、どうでも良すぎるよね)。
(しかし一方で、直前に読んだ泡坂妻夫「乱れからくり」も寝取り寝取られヤリヤラレの話だったし、こういう話、結構よく出てくるw)

僕自身がズレている人間な上、それを承知で暴論・乱文の限りを尽くした感想のため、不愉快になった方がいたら
申し訳ありません。


ロバート・ゴダード「千尋の闇」読了(バレあり)

評価はA+。これがデビュー作とは、ロバート・ゴダード恐るべし……。

ミステリのオールタイムベストに入っている作品だが、個人的には大河ロマン小説として読んだ。

☆上巻――物語の概観と、信頼できない騙り手


物語は『過去編』と『現代編』に分けられる。
現代編の主人公であるマーチンが、過去編の主人公ストラフォードの手記を読み込んでいくという
スタイルで、2人の視点から物語が構成されていく。


時のアスキス内閣で、ロイド・ジョージ、チャーチルらと並び将来を嘱望されていた政治家ストラフォードは、身に覚えのない罪により閣僚の地位を追われ、美しく気高い恋人エリザベスともひき裂かれてしまう。
サフラジェット(イギリスの婦人参政権運動の運動員で、かなりの過激派だったらしい)のエリザベスと、政治家のストラフォードが、お互いの立場を乗り越えて愛し合っていく描写が心温まるだけに、
その後、誤解からエリザベスに軽蔑されてしまうストラフォードの苦痛は、誇張ではなく、読んでいて身を切られるように辛かった。
その、身に覚えのない罪とは、『重婚』の罪。
なんと、ストラフォードは過去に別の女性と結婚していたというのだ。
ストラフォードの手記には何一つ、その事は書かれていない。ストラフォードは、その事実を隠したまま書いていたのだろうか? というところで上巻が終わる。
歴史に造詣の深い著者らしく、1910年代のイギリス社会の描写も面白く、当時の風俗、社会情勢などの世界観も堅固で、ドラマを盛り上げている。


並行して、現代編の主人公マーチンもまた、妻との離婚原因を読者に隠している。
それは教師時代、教え子(17歳)に誘惑され(マーチン談)手を出してしまい、レイプされた!と騒ぎになったとの事だった。
(ちなみに日本では18歳未満との淫行は厳しく罰せられるが、イギリスでは17歳ならば責任能力は認められる、との事。ただ、不倫である事に変わりはないし、さすがに教師と教え子という関係はマズかった模様。その上、婦女暴行疑惑までかけられた)

語り手(ストラフォード、マーチン。あるいは他の人物)は、本当に信頼できるのか?
という古くからある、『語り手ならぬ騙り手』の様相を見せる上巻だが、冷静に考えるまでもなく
「嘘はついていないが、わざわざ言いたくない事」というのは恐らく誰にでもあるだろう。
『小説だから』語り手が全てを語ってくれる、というのは単に読者の『期待』にすぎない。
ブログやSNSなど、自分の文章を他人に見せる機会の多い現代人なら、身に覚えのある方もいるのではないだろうか。

マーチンの婦女暴行疑惑も、何とも言えないところだ。

やってもいない『痴漢冤罪』で男性が酷い目に遭う事もある。
合意の上でのHだったはずなのに、後からレイプだ!と騒ぎ立てられれば、男性側は無視もできまい。
一方で、レイプされたにも関わらず『男を誘うような服装だった』などと言いがかりをつけられ、
泣き寝入りをする羽目になる女性もいる。
権力でもみ消されるレイプもきっと数多くある事だろう。


真実はなんなのか。これらの事件は、当人同士にしかほぼ解らない事なのだ。
そしてそれらの『真実らしきもの』を、第三者であるマスコミが流したり、
『加害者とされている人』や『被害者とされている人』が、自分の知人や周囲にまき散らしたりして、
周囲がそれを信じたり、信じなかったりする。
仮にそれが真っ赤な嘘だったとしても、既成事実として定着してしまう事もあり、多くの被害をもたらすことにもなる。

現実世界でのこの手の事件に比べれば、小説世界での事件はある程度、透明性を持ってはいる。
恐らくこの小説に描かれたマーチンの人格を考えれば、
「女学生に誘惑されて、ついフラフラと手を出してしまった」というのが真相で、
「不倫をしたのは事実」だが、「レイプではなく、女学生にハメられた」と見るのが妥当だとは思う。
しかしこれもまた、物語が『三人称ではなく』、マーチンの『一人称』で進んでいく以上、
本当のところはわからない
のである。

物語を描く上で『一人称』と『三人称』があるが、この作品は『一人称』を非常に巧く使っている。


☆下巻

さて、『語り手は本当に信頼できるのか?』という衝撃の事実が明かされた上巻だが、この謎はあまり引っ張られることはない。
少なくとも過去編の主人公ストラフォードは、真に立派な男だったようで、重婚が事実無根の冤罪であることはすぐに明らかになる。

ストラフォードの旧友、クーシュマン。
気さくな山師のような男だったが、なんと勝手にストラフォードの名前を騙り、南アフリカで結婚してしまったのである。
それも、『結婚しないとHさせてくれない』けど『Hしたいんだ!』という、なんとも言えない理由であり、結婚してHしたらすぐ女を捨ててしまった。
その上、『ストラフォードが南アフリカで結婚していた』事実を、金と引き換えに流したのだ。
そのため、ストラフォードは職も失い、エリザベスにも捨てられることになるが、その後ちゃっかり
エリザベスの夫の座を射止めているあたり、クーシュマンの『クズっぷり』はすさまじい。
それでいて、本人に悪気がなさそうなのが何ともいえないところだ。

やっている事はとんでもないクズなのだが、陰湿にストラフォードを陥れているというよりは、
「ちょっとHがしたかったんで!」「金に困ってて……」「エリザベス美人すぎぃ! もらったぁ!!」という感じで、どうにもこうにも反応に困ってしまう。

ストラフォードはその後も、エリザベスの誤解を解こうとするが聞き入れてもらえず、
それどころかクーシュマン(とエリザベス)の子供、ヘンリーなどに嫌がらせを受けるなど散々な上、
ついには謎の人物に殺されてしまう。


さて、現代編のマーチンの出番である。
マーチンはさっそく、三角関係唯一の生き残りであるエリザベスと接触し、首尾よく親交を深めるようになる。
実はマーチンの元妻はエリザベスの孫娘にあたる(つまり、マーチンは一時期クーシュマンの一族に入っていた)のだが、元妻のヘレンはどうでもいい役でしかないので説明は省く。

そこからは、大河ロマンスというよりはミステリ調というか、活劇調だ。
ストラフォードの手記を巡って殺人事件が発生したり、あれこれとアクションが続く。
ここの部分も十分面白いのだが、やはり僕としては『過去編』の、ストラフォード、エリザベス、クーシュマンの3人に比べるとインパクトが弱い。
実際、現代編でも特に印象に残るのは、マーチンを誑かす謎の美女(悪女)イヴではなく、
老婆となった御年88歳のエリザベスである。
なお、クーシュマンの血を引く登場人物は都合4人出てくるが、揃いも揃ってクーシュマン級~クーシュマン以上のクズキャラなのが泣けるところだ。


ヘタレなマーチン君は、女学生に誑かされて酷い目に遭った(マーチン談)にも関わらず、またイヴという悪女に誑かされてしまう。懲りない男である。

その後なんのかんのとあって、大団円。
マーチン君の人生は『モンテクリスト伯』ばりに、刑務所に放り込まれもするが、最終的には大金持ちになる。
そしてラスト。『改心した』と言い張るイヴから、またしてもマーチン君が誘惑を受けるところで終わる。

マーチン君が『成長した』なら当然、イヴの誘惑を突っぱねるべきだと思う。
一方で、『本当にイヴが改心した』という可能性を信じて、突っ走っていくというのも、それはそれでアリかもしれない。
本当に本当に懲りない男、になってしまうが、一方で『お人好しでつい人を信じてしまう』マーチン君の良さも解るし、万が一イヴが本当に改心した可能性もあるにはあるからだ。
まぁ、個人的にはやめといた方が良いとは思うがw


そんなわけで、あまりにもストラフォードに感情移入し、エリザベスに魅了されてしまったため、
読んでいて辛いシーンも多かったが、それは本書の物語・登場人物が魅力的だったことの裏返しでもある。


恋人時代、トマス・ハーディの詩を共通の話題としていたエリザベスとストラフォード。
ストラフォードの死の間際、40年ぶりの再会で穏やかに語り合う2人のシーンが切なく、忘れられない。


リメイク版 アニメ 銀河英雄伝説感想(バレなし:手抜き記事)

Twitterに書いた文章をほとんど整形せずコピペした、手抜き記事です。
ブログとしては、もっときちんとした形で感想を書きたいのですが、エネルギー不足ですみません。
一方で、そのまま書きなぐって「消えていく」には自分の中で少し惜しい気持ちもあり、
ここにそのまま残しておきます。



リメイク版アニメ「銀河英雄伝説」見終わりました。80点。

感想が難しいですね。
まず、非常によくできていると思います。内容に関しては不満はありません。

ただ、打ち切りエンドというかなんというか、全10巻のうち1巻だけぐらいの内容ですよね……。
話が面白くなるのは、ここからなんですけど……壮大な序章だったなぁ……と。

これが、アニメで続きをやってくれるなら良いんですけど、『続きは映画版で!』って言うんでしょ? 
穿った言い方をするなら、アニメは映画の宣伝・客寄せですよね? しかも映画自体も、完結までやれるのか相当怪しい。そうい一方で、あんな長大な原作を12話でやるなんて血反吐を吐いても無理な話なので、無理に駆け足でやるよりはいいのかな?
できれば続きもTVアニメで作ってほしかったですね。何年かかってもいいから。

あと、打ち切るところも、あまりにもあまりというか、中途半端すぎる気がします。『商業主義』臭が鼻について、萎えてしまいました。

そう言った不満は多々ありますが、映像化された部分に関して言えば、良かったと思います。
面白かった。
映像化された部分の点数85点-未完にも程がある5点=80点で!


ちなみに僕が好きなのはヤン、ラインハルト、ミッターマイヤー、ロイエンタールあたりです。
よろしく。
ヤンが一番好きなんだけど、好きなキャラの人数は帝国側の方が多いなぁ。

好きな作家紹介 第3回 フィリップ・K・ディックについて


アガサ・クリスティとディック・フランシスを紹介したこの連載(?)ですが、既に1年以上ご無沙汰です。

最近、ディック・フランシスについて紹介した記事に拍手をいただき、嬉しくなったので、モチベーションがむくむくと上がり、第3回を書くことになりました。

フィリップ・K・ディックのご紹介(初読者向け)

幾つもの作品を読んでも、特徴を掴みにくい作家がいる。
一方で、特徴が明瞭な作家もいる。
フィリップ・K・ディックは間違いなく、後者です。

全作読んだわけではないですが、彼の物語世界は手を変え品を変えているものの、1つのパターンしか存在しません。



これまで数多くの『ディック論』が書かれてきたでしょうし、
僕がこれから書こうとするディック紹介も、
数多あるであろうディック論とそう大差ない内容になるであろうことは、容易に想像ができます。

それでも、情報を自分なりに整理しておきたいという欲もありますし、せっかく書くのだから、
何らかの参考になればと願っております。

ディック的世界に触れた日

今、ここに生きている自分とは、一体何者でしょうか?
今、目に映る世界とは、本当に存在する世界なのでしょうか?

ひょっとしたら、この世界は5分前に誕生したのかもしれません。
今ここにいる自分は、本当は5分前に誕生したのかも?

そんなバカな、僕は〇〇年に東京で生まれ、××小学校に通った記憶がある。
5分前に誕生したわけがない!と思った方もいるでしょう。
でもその『記憶』が『作られたものだとしたら』?

大体、5分前に誕生したばかりなら、なぜ髪の毛が後退しているんだ! なぜほうれい線が濃くなってきているんだ!
などなどと思った、そこのあなた。

それは、加齢に伴う現象が『知識』としてあなたの頭の中にあるから。
でも、その『知識』もまた、『5分前に出来上がったものだったら』?

僕が本格的なディック『的』世界に初めて魅せられたのはRPG『ファイナルファンタジー7』です。

未来の地球を舞台にした壮大なSFストーリーであるFF7は、主人公クラウドの、いわゆる自分探しの物語。

『エリート(ソルジャー)としての記憶』を持ち、自分をエリートだと信じてやまないクラウドの正体は、
『ソルジャーになれなかった、落ちこぼれ』。
退廃的な未来都市ミッドガルも、まるで『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を彷彿とさせる『FF7』。

環境問題やテロリズム、RPGに付き物の『モンスター』の存在にまで踏み込むなど、大人向けの
……少なくとも小学生向けとは到底言えない、深いテーマ性を盛り込んだ『FF7』は、ディック的世界を当時の僕に教えてくれました。

そこから更に踏み込めば、『新世紀エヴァンゲリオン』に繋がるのかもしれませんが、
「いいからディックについて話せよw」と言われかねないので、前振りはこの辺で。

ディックの問題意識とは

自分とは何か。世界とは何か。
自分を疑え。世界を疑え。

そんなテーマに胸をドキドキさせた子供の頃の僕。
ディックの描いているテーマというのも、実はほぼこれだったりします。

しかし、安全圏から『ファンタジー的スリル』を感じる子供の愉しみとは異なり、
ディックの抱く『世界の不確かさ』は、ずっと、ずっと、深刻で、『およそ書かずにはいられない』ものでした。

麻薬なのか、精神病なのか。おそらくはその、複合。
幻覚・幻聴に悩まされていた(であろう)ディックにとっては、
本当に『自分』も『世界』も、信頼できないものだったのです。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』


では、『人間そっくりのアンドロイド』の存在が、
『人間とは何か』、『自分は本当に人間なのか』という疑念を主人公に抱かせます。

高い城の男

高い城の男著者: フィリップ・K・ディック/浅倉 久志

出版社:早川書房

発行年:1984

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『高い城の男』では、ナチスドイツが第二次大戦に勝利した世界を舞台に、
『連合国側が大戦に勝利した』という本が登場し、
『現実』と『フィクション』が、混ざりあっていきます。
世界の本当の姿が、わからなくなっていくのです。

このように、ディックの世界におけるテーマは終始一貫しています。
何冊か読めば、大体ディックについて知(ったような気にな)ることができます。
ディック世界に魅せられた方は、どんどん読んでいけば良いのですが、
「とりあえず2~3冊読んでみる」くらいでも、特徴は掴める作家ではないでしょうか。

では、どの作品を読めばいいか、というと非常に難しい。
何が難しいかって、どうも世間の人気と僕の評価がズレているように感じるからです。

お薦めのディック作品

ディック作品で恐らく最も知名度が高いのは『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』でしょう。
そして、次点は権威あるヒューゴー賞を受賞した『高い城の男』でしょうか。

でも……うーん。
この2作、面白かったかなぁ……。いや、僕は正直に言うとあんまり……。
とはいえ、まずは世間の評価にならって『アンドロ羊』を読んでみるのはいかがでしょうか?

で、ハマれば良し。ダメだったら?


僕は『ユービック』を推します。
夢の中で夢の中で夢を見るような、架空世界から抜け出した、と思ったらそこも架空世界のような、
そんなめくるめく酩酊感はいかにもディック味。

それでいて、文体も展開も軽快でエンターテイメント度が高く、非常にとっつきやすい作品となっています。

スキャナー・ダークリー

スキャナー・ダークリー著者: Dick Philip K/浅倉 久志

出版社:早川書房

発行年:2005

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重量級の代表作は、この『スキャナー・ダークリー』でしょうか。
麻薬中毒に陥った作家が、麻薬を真正面から描いた、ずっしりとした読後感が印象的なこの作品。
『ハイ』なシーンも多いのですが、そこはかとなく物悲しい。
ディック作品という括りではなく、薬物中毒を描いた作品の中でも白眉だと思います。

初読者の方はここまで。


ディックにどっぷりとハマってしまった方にお勧めしたいのが、この『ヴァリス』です。

ディック作品における主人公は、ほぼ例外なく『自分』や『世界』を疑う人物でした。
それは=作者であるディック自身が、薬や精神病の影響で、『自分』や『世界』を信じられなかったから。

そんな作者をそのまま主人公にして、紡がれているという意味で、ディックの作品はどの作品も
自伝的要素が非常に強いと言えます。
その極点が、麻薬中毒者を真正面から描いた『スキャナー・ダークリー』。

そして、『統合失調症の作家』を主人公に描かれたこの『ヴァリス』です。
ディックの見ていた白昼夢。ディックの目を通した世界の見え方。彼が抱いていた想い。
この作品には、過去のディック作品への言及がそこかしこにあります。
そのため、できれば最後に読んだ方が良い。全作読んだ後、とはもちろん言いませんが、
何作か読んだ後が望ましいです。

作者が用意してくれた物語や、その登場人物に没入し、一喜一憂しながら楽しむのが読書の楽しみ。
そのうえで、物語を用意してくれた作者自身の人となりを知り、
作者と『友達』になるのも読書の楽しみだと思います。

ディックは僕が生まれる前に既に亡くなっているけれど、作品を通して彼を知ることができる。
もちろん、この記事に書かれているのは僕の目を通したディックの姿であり、現実のディックとは違うものかもしれないけれど。

もっとも、フィリップ・K・ディックなどという人は、本当はいなかったのかもしれませんね。
今ある事物は全て5分前に作られたのかもしれません。
書店に並ぶ本も、図書館にある本も全て5分前に用意され、このブログも5分前に用意され……
そして、この記事もまた、5分前にはなかったのかもしれません。

完全に備忘録 ディック作品 評価(S~E)

ユービック A+
スキャナー・ダークリー A+
ヴァリス A
虚空の眼 B
アンドロイドは電気羊の夢を見るか C
高い城の男 C
パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 C
流れよわが涙、と警官は言った C
火星のタイムスリップ C
偶然世界 D

(同じようなテーマの作品ばかりなのに、『楽しめる』作品と『楽しめなかった』作品の差が非常に激しいです。
しかも、自分の評価と世間の評価があまり一致しません。自分でもとても不思議です。
↑の評価を見て、立腹なさる方がいたらごめんなさい)

残響さん向け? 100作 のうち62作!

エロゲ対談などで普段仲良くしていただいている、残響さん向けの推薦図書100作です。
強制とかでは全くないです。

基本内輪ネタですが、もちろん、残響さん以外の方も読むことを前提に記事を書いていますので、
何かの参考になれば幸いです。


基準は

・残響さんと話していて、彼が好みそうだと思われる作品

・残響さんが好きな村上春樹繋がりで、村上春樹と関わりがありそうな作品

・残響さんが好きな森博嗣繋がりで「森博嗣の100冊」に挙がっている作品・作家で残響さんが嫌いではなさそうなもの

・残響さんが既読である事を、僕が確信をもって知っている作品は省いた。
(たとえば「マリア様がみてる」とか)


1 トリストラム・シャンディ/ロレンゾ・スターン
2 吾輩は猫である/夏目漱石
3 アメリカの鱒釣り/ブローディガン
4 銀河ヒッチハイクガイド/ダグラス・アダムス
5 黒死館殺人事件/小栗虫太郎



上記5冊は『ヘンテコ』な作品群である。
個人的には非常に読みづらく感じるため一般には薦めない。
奇妙奇天烈な作品であり、作者の『駄弁り』に付き合わされている感覚すら受ける。
『1』に感銘を受けた夏目漱石が『2』を書いた、という繋がりもある。
『5』はミステリのオールタイムベスト級作品である。
僕はこの5冊はどれも、「合わなかった」。
漱石は『猫』タイプの作品と、『こころ』タイプの作品があるが、僕は圧倒的に後者のファンである。


6 さようなら、ギャングたち/高橋源一郎
7 スローターハウス5/カート・ヴォネガット

この2作も『ヘンテコ』ではあるが、読みやすいと思うため、他の方にもお薦め。
『7』は村上春樹が影響を受けているらしい。
同著者の「タイタンの妖女」は爆笑問題の太田さんが大好きだ、という逸話があるが、
個人的には「スローターハウス5」の方が短く、それでいて洗練されているように思う。
どちらもテーマ的には同じ(のはず)。

8 ドグラマグラ/夢野久作


これも読みづらい。
エロゲーマー的には『水夏』第3章のオマージュ元ということでもあり、見逃せない、と言いたいが
薦めにくい。ただ、残響さんはこういうリズムの文章は好きそうだ。


9 ドン・キホーテ/セルバンテス
10 老人と海/アーネスト・ヘミングウェイ
11 魔の山/トーマス・マン
12 薔薇の名前/ウンベルト・エーコ
13 失われた時を求めて/マルセル・プルースト
14 エロ事師たち/野坂昭如
15 シブミ/トレヴェニアン



しんみりと人生の無常を感じるような作品である。
とは言え、過度に暗いというわけではない。
『9』などは大爆笑しながら読めてしまい、最後には感動する名作なので他の方にもお勧めだが、長い。
『14』は一般的にも非常にお薦めだが、残響さんには下ネタが̪̪̪引っかかる可能性はあるか。そこさえ乗り越えられるなら気に入ると思う。
『13』はクッソ長いので、読んだだけで自慢したくなってしまうが、内容自体はそこまで読みづらいものではない(しかし、長すぎる)。のんびり数か月かけて読むのも良いのではなかろうか。


16 地球の長い午後/ブライアン・オールディス
17 パノラマ島奇譚/江戸川乱歩



風景描写の美しい2編である。風景描写が好きだと仰っていた記憶があるので挙げてみた。
「16」は『ナウシカ』に影響を与えたとも言われている。


18 かもめのジョナサン/リチャード・バック
19 精神寄生体/コリン・ウィルソン


精神修養的な話が大好きっぽい残響さんなら気に入るであろう作品。
「19」は、精神修養から始まってMMR的なトンデモ話を説得力を持って描いており、最後には壮大なバカ話で〆る、皆に薦めたい作品だが、恐らく絶版のため図書館でしか読めないはず。
コリン・ウィルソンは残響さんの好きなラブクラフトともつながりがあるので、そちら方面からもお薦め。


20 地獄のハイウェイ/ロジャー・ゼラズニイ

世界崩壊後。終末世界を駆け回る
、というシチュエーションが大好きっぽいので挙げた。
普通に面白い。
世界崩壊後の世界を描いた作品には、たとえば大傑作「ザ・スタンド」などがあるが、残響さん向きかと聞かれると微妙である。


21 生ける屍の死/山口雅也
22 バベル17/サミュエル・ディレイニー

「21」はパンク+ゾンビ探偵(グロはない)の傑作で万人にお薦めしたい一品。
「22」は一転、明らかに一般向けではなく、残響さん狙い撃ちの一品で、
色彩豊かな音色と、謎言語で酩酊感を味わえる(が僕はダメだった)。
「22」が気に入ったなら「ベータ2のバラッド」や「ノヴァ」あたりに手を伸ばしてみるのもお薦め。


23 ホットロック/ドナルド・ウェストレイク
24 切断/ジョイス・ポーター

抱腹絶倒系ミステリで秀逸な2品。
どちらも超お薦めであるが、「24」は下ネタが引っかかり残響さんにはまさかの劇薬になる可能性もある。そういう懸念はあるが、多分大丈夫だろうということで挙げた。


25 われはロボット/アイザック・アシモフ

いつも薦めているのだが読んでもらえず、そろそろしつこく思われていそうな一品だが、
『ロボット』ものを語る上では絶対に外せない里程標的作品だし、何より面白い
それこそ「Planetarian」だとか、あるいは「美少女万華鏡 神が造りたもうた少女たち」などの
ロボットを扱ったギャルゲ・エロゲをプレイする上でもできれば触れてほしい作品。
これが気に入ったなら、『鋼鉄都市』、『はだかの太陽』へと進んでほしい。
アシモフには『永遠の終り』という超スケールの名作SFもあるので、ロボットではなく、
「タイムマシン」系のワードにビビっとくる方にはそちらをお薦め。


26 高慢と偏見/ジェイン・オースティン
27 高慢と偏見とゾンビ/セス・グレアム・スミス


「26」は旧き良きイギリス貴族社会を舞台にした純愛恋愛小説であり、落ち着いた雰囲気ながら
『読ませる』作品である。
「27」はそれを茶化して悪ふざけしてしまったような一品であり、『こんなのありかよww』と思わせつつ、こういう悪ふざけは残響さんは嫌いではない、と思う、多分。
ただし「26」に感動し、「26」を汚してほしくないという方には「27」は薦められない。


28 魔界転生/山田風太郎
29 マタレーズ暗殺集団/ロバート・ラドラム


「ハッタリ」の効いたバトルアクション小説では出色の二作。
真正面から『中2作品』を描くなら、これぐらいはやってほしいと思わせる、偉大なる中2作品である。
個人的に、エロゲの中2作品に全然ノレない(『鬼哭街』とか『Phantom』を中2と言って良いなら、その辺りは素晴らしかったが)のは、この「魔界転生」や「マタレーズ暗殺集団」あたりを基準に考えているせい。


30 死にゆく者への祈り/ジャック・ヒギンズ
31 針の目/ケン・フォレット


こちらも中2的な、「影のある暗殺者モノ」。
クールで凄腕の暗殺者でありながら、人間味も持ち合わせ、「情」との葛藤を描いた哀切なる2作。
残響さんがこういうのを好きかは不明だが、寡黙で格好良い男キャラは好きそうで、なおかつ
読んでいてしんどすぎないと思われるためチョイスした。


32 利腕/ディック・フランシス

こちらは暗殺者ではないが、「寡黙で格好良く、人情味のあるヒーロー」が主人公の勧善懲悪型小説である。
やや「男のやせ我慢」が鼻につくところはあるが、逆にそういうダンディズムも魅力だ。
離婚した前妻の父(かつての義父)と主人公の心温まる友情なども読ませる。
この作品が気に入ったら「大穴」、「敵手」に進もう。
(本当は「大穴」を先にした方がいいのだが、最高傑作は「利腕」だと思う)


33 刺青の男/レイ・ブラッドベリ

残響さんはブラッドベリを2作読んでおり、気に入っていらっしゃるので、間違いなく外れる事はない鉄板の1作。
ブラッドベリ未読の方は、「火星年代記」あたりを薦める。

34 都市/クリフォード・シマック
35 一角獣・多角獣/シオドア・スタージョン
36 たんぽぽ娘/ロバート・F・ヤング

大体、ブラッドベリが好きな人はこの辺りも好きやろ? 
という感じで割と鉄板系のロマンチック郷愁SF3作。
「35」のスタージョンの、特に短編作品は、やや郷愁・甘みは薄く、奇形度が上がっているが、
『ブラッドベリ系』(と言うのもどうかと思うが)に分類しても大きく間違ってはいないはず。

「34」は『火星年代記』好きには漏れなくお薦めできる、滅びゆく星と種族をしみじみと描いた一作。
シマックなら短編集『愚者の聖戦』も良い。こちらはドラえもん的ワクワク感のある、見逃せない作品集。
「36」はロマンチック度ならこの中ではダントツ。「CLANNAD」のことみシナリオで引用された事で、鍵っ子にもお薦め。


37 ある日どこかで/リチャード・マシスン
38 トムは真夜中の庭で/フィリパ・ピアス
39 思い出のマーニー/ジョーン・ロビンソン
40 君にしかきこえない/乙一

ロマンチックSFの繋がりで。
残響さん向け、というよりは僕が大好きな『タイムロマンスファンタジー』群だが、
残響さんも多分嫌いではない、はず。
切なくも美しい時空を超えた交流にビビっと来る人向け。


41 真理先生/武者小路実篤
42 富士日記/武田百合子

のほほん、とした、平穏な日常の中に「人生」の深みを感じる2作。
武者小路実篤は、『創作技法上』、アカデミックな場でのウケが悪いが
この独特の「のほほん」感は素晴らしいと思う。


43 ガープの世界/ジョン・アーヴィング

上で紹介したヴォネガット系統の味わいがある作家。
ヘンテコ度はやや薄いが、「スローターハウス5」が気に入ればこちらも薦めたい。
村上春樹繋がりでもある。
人生は楽しい事も辛い事もあるが、うまくユーモアで受け流していこうじゃないか、という感じの、
楽しくも切なく、でも楽しくて不思議な作品群である。


44 鏡は横にひび割れて/アガサ・クリスティ
45 五匹の子豚/アガサ・クリスティ
46 終りなき夜に生れつく/アガサ・クリスティ

「森博嗣の100冊」で、クリスティは3作を占めている。「ABC」「アクロイド」「予告殺人」である。
しかし、クリスティファンの僕としては、どれも上質とは言いかねる(単に僕の趣味からズレるともいう)。

特に「46」は『アクロイド』の完全上位互換なので、歴史的意義を考えて『お勉強』をしたい人以外には、こちらを薦めたい。
『アクロイド』に娯楽性とロマンチック恋愛を付け足した、『叙情的アクロイド』だ。
クリスティから3作、というとどれを選ぶか非常に迷うが、「ABC」はポワロ、「予告殺人」はマープル作品なので、ポワロから「五匹の子豚」、マープルから「鏡は横にひび割れて」をチョイスした。

とにかくクリスティは名作が多すぎるので、この辺りが面白ければ
「オリエント急行の殺人」、「ナイルに死す」、「葬儀を終えて」、「ポケットにライ麦を」などなど、どんどん深みに入っていってほしい。

ちなみに「ABC」を選ぶくらいなら、
森さんも選んでいるデアンドリアの「ホッグ連続殺人」をお薦めしたい。
「被害者の繋がりが見えづらい連続殺人」という意味でお薦め

(「九尾の猫」もそうだし、森さんはそういう作品が好きなんだと思う)。


以下、「森博嗣の100冊」を基準に何冊か選んでみる。


47 九尾の猫/エラリー・クイーン
48 Yの悲劇/エラリー・クイーン


森さんはクイーンから4作も挙げている。
そこで僕が4作を挙げるならこの2作+「災厄の街」、「十日間の不思議」となる。
「47」を楽しまれた方は、この2作も読んでほしい。
ただ、サイコサスペンスなので、残響さんの健康にダメージがあるかどうかは何とも言えないところだ。恨むなら森さんを恨んでくれ(苦笑)。
「48」に関しては、森さんは「Xの悲劇」を挙げている。森さんの初ミステリだった(又聞き)ということで納得だが、明らかに「48」の方が上だと思う。


49 推定無罪/スコット・トゥロー

森さんの100冊から。文句なしに面白い、法廷モノの傑作である。

50 暁の死線/ウィリアム・アイリッシュ

アイリッシュは『幻の女』だけが突出して有名だ。
叙情的で、都会生活の中でのロマンチックかつ奇妙な邂逅を描く作家である。
『幻の女』も実に良い作品だが、それに引けを取らない『50』をここではお薦めしたい。
『黒い天使』などもお薦めだ。

51 死の接吻/アイラ・レヴィン

森さんは「ローズマリーの赤ちゃん」を選んでいるが、個人的にはこちらを推したい。
もっとも、「ローズマリー」がゴシックホラーで、こちらはテクニカルな倒叙サスペンスなので
ジャンルがそもそも違うため、一概に比較はできないが……。


52 ラストチャイルド/ジョン・ハート


森さんはハメット、チャンドラ―、ロス・マクドナルドというハードボイルドの系譜から1作ずつを選んでいるが、個人的にはこの系統はあまり好みではない。
ジョン・ハートはいわゆる『現代のロス・マク』であり、今読むならこちらを推したい
この作品が気に入った方は、「キングの死」あたりもお薦めだ。
『さむけ』により近い(上に、より面白い)のはリチャード・ニーリィの「心ひき裂かれて」だが、
残響さんが気に入るかは不明である。


53 虚無への供物/中井英夫

「黒死館殺人事件」、「ドグラマグラ」と並んで日本3大奇書と呼ばれているらしいが、
ダントツに読みやすく、ダントツに娯楽性の高い作品だ。
『うみねこのなく頃に』で書かれているような内容は、既に中井英夫が大昔に書いている(しかもずっと面白い)


54 24人のビリーミリガン/ダニエル・キイス


森さんは「心の鏡」を挙げているが、残念ながら僕は未読だ。未読作品を薦める事はできない。
ダニエル・キイスは好きな作家で、『アルジャーノンに花束を』と「54」は屈指の名作である。
『アルジャーノン』は残響さんがダメージを食らいそうな作品なので避けたが、こちらもダメージを食らうかもしれない(食らう確率はやや低いと思うが)
そういう意味で、薦めて良いものかは解らないが、素晴らしい作品なので他の方には強くお勧めしたい。


55 魍魎の匣/京極夏彦


森さんは「絡新婦の理」を挙げている。
京極堂シリーズは(「塗仏の宴」と「邪魅の雫」は個人的にダメだったが)名作揃いで、「絡新婦」も本当に素晴らしいが、個人的には「55」がベスト。
「姑獲鳥の夏」、「絡新婦の理」、「陰摩羅鬼の瑕」など、気に入ったらどんどん読み進めて行ってほしいシリーズだ。

56 パラサイトイブ/瀬名英明
57 ブラッドミュージック/グレッグ・ベア


森さんが挙げた「56」はやはり名作だと思う。
「57」は海外版『パラサイトイブ』
(『57』の方が先なので、むしろパラサイトイブ=瀬名版『ブラッドミュージック』)
とも呼ぶべき名作で、どうせならセットでお薦めしたい。


58 天の光はすべて星/フレドリック・ブラウン


子供の頃の夢を、大人になっても抱き続ける初老の男が、夢を掴みかける物語。
切なくも愛しい。エロゲ「ひまわり」あたりが好きな方にもお薦め。
いつまでも少年のまま、宇宙への夢を抱く生きざまに浪漫を感じる。


59 秒速5センチメートル/新海誠


アニメ映画版でもいいし、小説版も非常に良い出来なので、双方薦める。
片思いの記憶をずっと胸に温めていた男の恋愛作品で、『合う・合わない』はハッキリ分かれる作品だが、残響さんには『合う』と半ば確信している。


半オマケ(小説以外)

60 蒼の彼方のフォーリズム

『架空スポーツ』、『勝負の楽しさを根幹に据えている』あたり、明らか~に残響さん向きの作品である。
実際、クオリティも素晴らしく、万人にお薦めできそうな名作エロゲだ。


61 紫影のソナーニル

残響さんは『スチパンシリーズ』は好きだったはず。『ソナーニル』は未プレイでしょうか?
個人的スチパンシリーズNo1はこの、『紫影のソナーニル』です。


62 CLANNAD

鍵っ子なら、鍵ゲー最高傑作(だと勝手に僕が思っている)の「CLANNAD」はやろうぜ!!


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