2006W杯

改めて2006 オランダVSポルトガルの試合を見てみた

あの、伝説の乱闘試合から5年。
もう一度、あの忌まわしき試合を見直してみた。
イエローカード15枚、レッドカード4枚のあの試合である。


当時の記憶としては、オランダがものすごく汚かったこと。
そして、めちゃくちゃ叩かれていた審判は、まともだったということだ。
試合を見直してみて、この記憶が間違っていないことを改めて確認することができた。
ただ、やや印象が修正された部分もある。 
それは、ポルトガルもまた負けず劣らず汚かったことだ。

普通はこんなことはしないのだが、この試合に限ってラフなファウルや、相手を挑発するような汚い行為を、
テレビで確認できる限りでチェックしてみた。
もちろん、暴言の類はわからないので、全く意味のないチェックだが、自己満足というやつだ。


その結果だが、オランダのDQNポイントは9ポイント。 
ポルトガルのDQNポイントは10ポイントになった。


また、そのDQN行為に対して出されたカードの枚数はポルトガルにイエロー5枚、オランダに6枚であった。
カードの枚数がおかしいって?
いやいや、審判へ文句を言ったリカルドへのイエロー(まぁDQNかもしれないが、相手へのDQN行為ではない)
、ハンド(ファウルはファウルだが、対決を煽り立てるようなファウルではない)で出たコスティーニャへのイエローなどは、DQNポイントとは無縁のイエローである。


DQN行為の回数では、むしろ若干ポルトガルが上回っていたようだ。
ではなぜ、オランダの方を、より汚いと思い込んでいたのか。


それは、こういうことだ。
試合の要所要所で、意図的に、姑息にDQNプレイを炸裂させていたオランダと、
頭に血が上って、感情的にラフなタックルをかますポルトガルという図式故である。


まず、 開始2分。そして7分。乱戦の火蓋を切って落とした二つのファウルは、オランダから生まれている。
ファンボンメルの、そしてブーラルーズのファウルはどちらも、ポルトガルのクリスチアーノ・ロナウドを狙ったものだ。
ことにブーラルーズのファウルはあまりにも悪質で(DQNポイント+2とさせていただいた)、このファウルが元でクリスチアーノ・ロナウドは負傷交代を強いられることになる。
開始7分で、早くもオランダがDQNポイントを3ポイント稼いだことになる。


主審に非はないと書いたが、非があるとすればブーラルーズへのカードをレッドではなく、イエローにしたことだろう。
ワールドカップの決勝トーナメント、前半7分で一発レッドを出しづらいことは想像に難くないが、勇気をもってレッドを出すべきだった、かもしれない。

 
これに憤りを覚えたのか、ここから怒涛のポルトガルラフタックル祭りが始まる。
デコ、マニシェ、コスティーニャ2発、バレンテのラフタックルである。
ちなみにデコのファウルはそこまで重くはなかったので0.5ポイント。
一方コスティーニャの2発目(オーイェルへのプレー)と、バレンテのロッベンへの飛び蹴りは、
一発退場が出てもおかしくないプレイだったので、1.5ポイントとさせていただいた。


オランダはこの時間は、真面目にプレイをしており、前半終了間際のファンブロンクホルストのデコへのファウルまでは、大人しかった。 


この時点でポルトガルは5.5DQNポイント、オランダは4DQNポイントである。


ちなみにこの間、先ほどのブーラルーズのスパイクで負傷したクリロナの交代。
こんな観点でのプレイバックでなければ最も重要なマニシェのゴールがあった。


ちなみにマニシェはゴール以外でも精力的にゴールを狙っており、ポルトガルのMVPは間違いなくこの男である。 
対するオランダは、後半も含めてカイトが素晴らしかった。というか、オランダで得点の香りを漂わせていたのは彼だけである。


後半に入ると、オランダもいよいよ本気を出してくる。
オランダの挑発、それに対するポルトガルの報復という図は終始見られたが、ここでもそんなシーンがあった。
ファンボンメルがフィーゴの胸を指でつつく。それに対してフィーゴが手を出すと、大げさに倒れ込むファンボンメルという図だ。
審判はフィーゴだけにイエローを出している。DQNポイントはそれぞれ1ポイントずつ進呈したが、正直このシーンはポルトガルがかわいそうではあった(バレンテのハイキックがおとがめなしのシーンもあるので、あくまでもこのシーンのみでの話)。


この直後、今度はブーラルーズの肘がフィーゴに当たり、ブーラルーズは退場する。
これは、角度によって肘が当たっているように見えるものの、僕は初見ではフィーゴの演技かと思った。
レッドを出すには少々厳しい判定で、オランダサイドは激昂。
だが、ブーラルーズはクリロナへのラフタックルをはじめ、フィーゴVSファンボンメルのやり合いの中でも真っ先に駆けつけてフィーゴを押しのけており、あまり同情の余地はない。 
ちなみに、ブーラルーズの肘打ちに対しては、故意とも判断がつかないため0.5DQNポイントに留めた。


オランダのDQNぶりを決定づけたのが、70分のシーンだ。
ポルトガルが攻めている中、主審の判断で試合が止められる。
リカルド・カルバーリョが負傷し、担架を呼んだのだ。これはいい。
そして、ドロップボール。
本来ポルトガルが攻撃していたシーンなのだから、普通はポルトガルにボールを返すはず。
ところがオランダのコクーは、自分たちのものにしてしまう。 
あまりのマナー違反に唖然とするポルトガルイレブン。
更にはハイティンガが高速ドリブルをかますと、デコが怒りのタイガータックル。
これまた一発退場でもいいようなタックルだったが、オランダのDQN行為も目に余るものがあり、
両者1DQNポイント進呈ということにした。
だが心情的に、 同じ1DQNポイントでもこれではデコが怒るのは当然である。
先のフィーゴVSファンボンメルにしても、同じ1DQNポイントであっても、先に挑発をしているファンボンメルの印象は悪い。


そんな積み重ねが、オランダの印象を必要以上に悪くした節がある。


この後もまぁ、様々あって、結局試合が終わる頃には、ポルトガルが10DQNポイント、オランダが9DQNポイントとなるわけなのだが。


……やっぱりこれ、バレンティン・イワノフ審判は悪くないよ。
イエローの枚数だけ見て、審判の批判をした人は当時たくさんいたけれど
一体どの判定を変えれば良かったのか、 具体的に指摘できる人はほとんどいないのではないだろうか?


ブーラルーズにレッドを出していれば、とか。
バレンテの飛び蹴りはイエローじゃない?とか。
その程度の文句ならつけられるけれども。
こんなのは、どんな試合でも起こりうる判断だし、 明確にミスと言えるジャッジは1つもなかった。
 

ラフタックルで相手選手を潰したオランダと、 それに過剰に反応して報復タックルを繰り返したポルトガル。
挑発や、相手にボールを返さないといったDQN行為で試合を更なる死闘へと駆り立てたオランダと
それに律儀に応えてしまったポルトガル。

オランダとポルトガル、どちらが悪いか、なんて知らない。
でも、主審はこの両チームの被害者に過ぎないよ。

ベスト11

Yahooのやつで作ってみましたよ。


ミゲウとかも入れたかったなぁ。

イタリア代表まとめ

予選リーグ→2勝1分 トーナメント 2勝2分
得点12 失点2

攻撃 A- 守備 S スペクタクル B- 総合 A+


本当に逆境に強い国である。優勝候補に挙げられている時はコロっと負けてしまうのに、主力が負傷で抜けノーマークだったり(00年欧州選手権準優勝)、今回のようにスキャンダル絡みで逆境に立たされると異様に強い。
トーナメントではオーストラリア、ウクライナと組み分けに恵まれたが、予選リーグではアメリカ、ガーナ、チェコの死のグループを勝ち抜いているわけで、幸運だったとは言えないだろう。
ユベントス勢を中心にした最終ラインは世界最強で、同じく守備面では世界最強クラスのイングランドと比べて、ピルロのパスセンスの面で勝っていた。ウクライナ戦で見せた実力は、疑う余地も無く……しかし、本当にイタリアが良かったのはウクライナ戦とドイツ戦だけとも言える。


個人的に、セリエAスキャンダル絡みで白い目で見ていたし、それは今でも変わらない。何せ、イタリア代表のメンバーの半数以上が八百長クラブの所属なのだから。ミランは後で発覚したから仕方ないにしても、大会前から発覚していた3チームの選手を臆面も無く呼んでいる時点で、
どうかなと思う。
しかし、それとは別に彼らは八百長抜きでも戦えるところを……それどころか世界一になれるところを見せてくれた。背景はともかく、今大会で見せた彼らのパフォーマンスは超一流だった。

フランス代表まとめ

予選リーグ1勝2分→トーナメント3勝1分
得点9 失点3

攻撃 A- 守備 A+ スペクタクル B+ 総合 A


予選リーグでは、強豪国の中で最も惨めなパフォーマンスを見せていたフランス。
トーナメントに入るや否や不死鳥のように復活し、スペイン、ブラジル、ポルトガルを次々と打ち倒してきた。6年前の欧州選手権優勝時のような輝きを放つそのチームの中心は、当時の優勝メンバー、ビエイラ。彼を軸に、マケレレ、ジダンとベテラン勢が年齢を感じさせない大活躍を演じ、フランスはとうとう決勝の舞台にまでたどり着いた。
新顔の中で目覚しい働きを見せたのは右サイドのアタッカー、リベリー。
惜しくも決勝はPKの末敗れてしまったが、準優勝は望外の成績といえるだろう。
ジダン、テュラム、マケレレ、バルテズなど、主力の半分が大会後に代表から引退する。
2年後の欧州選手権で無様な姿を見せないためにも、若手へのスムーズな切り替えが出来るかどうか。
 

フランスVSイタリア

負傷(イ)CBネスタ

出場停止(フ)CFサハ

試合内容 C

得点(フ)ジダン(PK)(マルダ)
  (イ)マテラッツィ(ピルロ=CK)


   フランス              イタリア

          1-1
   延長     0-0
   PK
①  ヴィルトール ○         ピルロ     ○
②  トレゼゲ   ×         マテラッツィ  ○
③  アビダル   ○         デ・ロッシ   ○
④  サニョール  ○         デルピエロ   ○
⑤                   グロッソ    ○
        
         4-5


GK バルテズ(60)              ブッフォン(60)
DF テュラム(55)              カンナバーロ(50)
   ギャラス(50)              マテラッツィ(55)
   サニョール(50)             ザンブロッタ(20)
   アビダル(50)              グロッソ(55)
MF マケレレ(55)              ガットゥーゾ(40)
   ビエイラ(50)           ピルロ(75)
   リベリー(65)           ペッロッタ(50)
   マルダ(65)               カモラネージ(40)
   ジダン(25)()               トッティ(45)
FW アンリ(75)            トニ(55)

監督 ドメネク C-             リッピ C

ビエイラ→アリュー・ディアッラ C     トッティ→イアキンタ C
アンリ→ヴィルトール C+          ペッロッタ→デ・ロッシ C+
リベリー→トレゼゲ E           カモラネージ→デルピエロ C+           

主審 エリソンド(アルゼンチン) C

MVP CHアンドレア・ピルロ(75)


いろいろと書きたいことはあるけれど、まずはイタリア優勝おめでとう。
優勝は、確かにイタリアの実力で勝ち取ったものでした。


試合の方はと言いますと、フランスが一方的に押し捲ったのですが、後1点がとれずPKに逃げ込まれたという展開。特にここまで今ひとつだったアンリとマルダがそれぞれ絶好調で、キレの良いアタックを披露していたのですが。
一方のイタリアはCKからしかチャンスを作れませんでした。まさに耐えて耐えて凌いでといった印象。ただし、CKではピルロの正確無比なキックから何度かチャンスを作っていました。
PK戦になった時は、(イタリアがPK苦手なこともあって)これはフランス優勝したなと思ったんですが……。


<Pick up Player>



OHジネディーヌ・ジダン(25)(フランス)……攻撃の基点として機能するも、体力的な問題で徐々に存在感を失った。前半開始早々のPKを落ち着いて決めたのは見事。
退場に関しては、エクスキューズはあるものの言い逃れは出来ないだろう。決勝なんだから、我慢してほしかった……。

CB マルコ・マテラッツィ(55)(イタリア)……セットプレイではヘディングの強さを活かして再三シュートを放ち、フランスにとっては唯一の脅威となっていた。
だが、ジダンの首に手をかけるという挑発をかまし、口論の挙句退場に追いやったのは感心できない。
日頃からあまりにも素行が悪いので、単にジダンに頭突きを食らわされた被害者にはどうしても思えないんだよな。


CH アンドレア・ピルロ(75)(イタリア)……大会を通して奮わなかったトッティに代わり、イタリア攻撃を全面的にオーガナイズした、イタリア攻撃の大黒柱。この試合では流れの中からは決定機を作れなかったものの、セットプレイから危ういボールを何度も入れていた。

SH フロラン・マルダ(65)(フランス)……大会を通して奮わなかったが、この試合で突如輝いた左サイドアタッカー。エリア内に再三突進し、先制のPKも獲得した。
あのPK自体は、エリソンドの誤審にも見える。しかし、その後2度ほどPKをもらってもいいシーンで笛を吹いてもらえていないので、差し引きゼロかなと思わなくもない。なお、デ・ロッシに肘打ち返しをしたのは減点。

CF ティエリ・アンリ(75)(フランス)……これまた大会を通して奮わなかったが、今日の彼は前線で圧倒的な存在感を発揮していた。強さ・速さ・巧さを兼ね備えたトータルストライカーだが、ゴールだけが足りなかった。

CB ファビオ・カンナバーロ(50)(イタリア)……大会を通してイタリアの守備を支え続けてきた大黒柱だが、今日に関してはファウルぎりぎりのプレイが目立った。あからさまなファウルを連発したザンブロッタよりはもちろんマシだが。



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