2009年読書ランキング

2009年読書ランキング結果

10位 ブギーポップは笑わない/上遠野浩平

ザッピングの妙が光るライトノベルの傑作。
ライト(短時間で、読みやすく)でなおかつ、ハイレベルな作品。


9位 ケイン号の叛乱/ハーマン・ウォーク

極めて強烈な悪役、クィーグ艦長を擁するケイン号が9位。
畳み掛けるような法廷ドラマは圧巻の出来。
あなたの周りにも、クィーグ艦長がいませんか?

8位 太陽の黄金の林檎/レイ・ブラッドベリ

大量5作ものノミネートを出したブラッドベリ。さすがに全てを選ぶわけにもいかないので、2作に絞ることにした。
「太陽の~」は、短編集の中で、最も安定していた(外れ作品が少なかった)短編集。


7位 ガープの世界/ジョン・アーヴィング

構成の妙、テクニックを強く感じる純文学作品。
作者の自伝的小説で、物語的に凄みはない。
しかし、その凄みのない素材も、料理次第では名作へと変わる。そんな作品。


6位 マリア様が見てる/今野緒雪 *備考 1~32巻まで読了。

こちらも、小品安定型の良作。世界観が非常にきめ細やかに作られており、学園ドラマのお手本とも言える。
後半(20巻以降)の評価を考えると、もう少し順位は下でもおかしくはないが、前半~中盤までの出来を考えて6位にランクイン。


5位 はだかの太陽/アイザック・アシモフ

アシモフの傑作SFミステリが5位にランクイン。
爽快な読後感は、今回挙げた10作品の中でも出色。
ロボットについて深く考える一品。

4位 火星年代記/レイ・ブラッドベリ

甘く切ない郷愁。
ブラッドベリのエッセンスが存分に注ぎ込まれたSF。
 
3位 12月のベロニカ/貴子潤一郎

今年読んだ中で最も感動し、泣けた作品。
よくよく考えれば粗があるものの、絶妙な構成力と筆致、
そこに描かれた人間ドラマが最大級の驚きと感動を呼び起こす。
ツボにはまる人にとっては、忘れられない一作になるだろう。


2位 ガリバー旅行記/ジョナサン・スウィフト

人間へのどす黒いオーラを漂わす、今作が2位。
良くも悪くも、生き方にすら影響を与えかねない「狂気」の作品。


1位 屍鬼/小野不由美

人間側、屍鬼側。両陣営の感動的なドラマを描いたこの作品をベストとした。
序盤の200ページは退屈かもしれないが、そこを乗り切れば、残りの2300ページはあっという間だ。

2009年 読書短文感想 PART3 9月6日~12月17日(最終更新)

前記事が10000文字を超えたので、PART3です。

S・A→心から読んでよかったと思える本

スカーラッチ家の遺産/ロバート・ラドラム……悪役の不気味な魅力、壮大な歴史的陰謀、イタリアマフィアなどのキーワードにピンと来たらラドラムをどうぞ。

ザ・スタンド/スティーブン・キング……人類が滅亡した世界で繰り広げられる、二大陣営の一大叙事詩。滅亡するまでが楽しすぎて、陣営激突にパワーダウンを感じたのがやや残念だが、全体的にハイレベル。

将軍/ジェームズ・クラベル……漂着したイギリス人の目を通して、一種、異様とも言える日本文化を、鮮烈に描いた異色作。

私生児/ジョン・ジェイクス……独立への第一歩を踏み出したアメリカの姿を、一人の青年の目を通して描いた作品。歴史小説としてはもちろん、恋愛&青春小説としても優れた作品。

自負と偏見/ジェイン・オースティン……第一印象は最悪だった二人が、結ばれるまでを描いた恋愛小説。キャラクターがそれぞれよく立っている点と、ほのぼのと読める点が好印象。

マネーチェンジャーズ/アーサー・ヘイリー……とりわけキャラクターの描写が素晴らしい、銀行を舞台にした金融サスペンス。私には興味のない分野の話にも関わらず、楽しめた。


ケイン号の叛乱/ハーマン・ウォーク……戦艦ケイン号を舞台にした、人間ドラマの巨編。物語が終わりに近づくにつれて、「ケイン号と別れたくない」という気持ちにさせられた。ラスト3分の1は掛け値なしの名作。

戦争の嵐/ハーマン・ウォーク……第二次世界大戦直前の、独ソ不可侵条約~真珠湾攻撃までを描いた、大河歴史小説。

B→読んだ時間・お金以上に価値があったもの

マラソンマン/ウィリアム・ゴールドマン……ハラハラドキドキ、先が気になるスリラーは文章力の賜物。マラソンのシーン、歯医者の拷問シーンは圧巻。

欲望の殺人/ローレンス・サンダーズ……このシリーズは人物描写がしっかりしているので、安心して読めますね。主人公のディレイニーはあまり好きになれないけど。

嵐が丘/エミリー・ブロンテ……恋愛経験のない著者の書いた、恋愛小説の金字塔。個人的には「劣悪な教育が人の心を歪める」という教育小説のような印象を受けた。男性陣が揃いも揃って鬼畜なのはどうにかなりませんかね? 

ドグラマグラ/夢野久作……怪しげな幻想怪奇小説。最後まで読めば面白いが、退屈なシーンが長いのも確か。後、不必要にエロい表紙は正直どうかと思う。

星は人類のもの連盟/ジョン・ブラナー……『自分の住んでみたい』未来が描かれるSFって、なんだか珍しい気がする。ほのぼの読みやすい良質なSF。

復讐者/ジョン・ジェイクス……対メキシコ戦争とカリフォルニア・ゴールドラッシュに揺れるアメリカを舞台に、一人の女性の破滅を描いた小説。

審判/カフカ……何となくわかるようなわからないような。物語としては微妙にも程があるが、夢幻の中を彷徨う酩酊感のような読書体験ができた。

ロリータ/ナボコフ……「愛撫」と「セクハラ」のように、同じ行動が、相手にも同じように伝わっているかはわからない。切なくて滑稽で悲哀で、それでいて深刻なすれ違いを描いた作品。
それにしても、「ロリータ」がただのクソガキに見える……。

新世界/ジョン・ジェイクス……ケント家物語最終章。正しい親父が、間違っている息子に対して、『正しさ』を押し付けている……それってどうなんでしょうね??

痴人の愛/谷崎潤一郎……冷静に見れば、最低最悪の性悪だったとしても、絶世の美女は男を狂わせる。それも、中途半端に真面目な男に限って、騙されるんだな。身につまされました。

アンドロメダ病原体/マイクル・クライトン……徹底した科学小説だが、完全文系の私でも楽しめたのは、作者の文章力故か。理系の人なら更に評価は上がりそう。

宇宙の戦士/ロバート・A・ハインライン……ファシズム的ということで、論争を呼んだ作品らしいが、右翼が嫌いでファシズム嫌いな私には、ちっともファシズム的とは感じなかった。クモ型宇宙人と戦う軍隊小説。

虎よ、虎よ/アルフレッド・ベスター……一本道の筋をグイグイ読ませる中盤までは掛け値なしの面白さ。後半、視点・空間がポンポン変わり、脱落の憂き目を見た。

C→暇つぶしにはなったもの

マジック/ウィリアム・ゴールドマン……読み終わった後の印象は悪くないが、
退屈な時間も長かった。主人公狂いすぎ。

或る女/有島武朗……「アンナカレーニナ」「ボヴァリー夫人」、そして「或る女」。「タイトルのつけ方」「主人公の性格・立場」そして「結末」。どうしてこれほどまでに、互いに似通っているのだろう???
3作の中では一番好き。

人形つかい/ロバート・A・ハインライン……ナメクジ型宇宙生物との闘いを描いた娯楽小説。スイスイ読める。ただ、「ナメクジに支配されるのはソ連に支配されるようだ」等の、不必要かつ執拗なソ連叩きが鼻につく。

桜の園/チェーホフ……過去にしがみつく人々と、未来を見据える人々を描いた戯曲。

神聖喜劇/大西巨人……面白い、けれどとてつもなくしんどい。教養パートは適当に流し読みしたほうがいいような気がしました。

呪われた町/スティーブン・キング……比べてはいけないけれど、後発の名作小説『屍鬼』と比べるとどうしても……。

反逆者/ジョン・ジェイクス……アメリカ独立戦争を描いた作品。

盗聴/ローレンス・サンダーズ……特に素晴らしいとは思わなかったが、退屈せずダレずに読めた。

グレート・ギャッツビー/フィッツジェラルド……退屈ではあるけれど、読後に不思議な余韻の残る青春小説。主人公は30歳だけど、青春してますな。

壁/安部公房……CとBの間。一度に読んだら頭が混乱し、擬似錯乱状態にまで陥った。グロさの中に不可思議なユーモアを感じる。好きではないが、ある意味凄い。

悪党パーカー・殺人遊園地/リチャード・スターク……「ダイハード」や「エアフォースワン」のようなアクション映画を、そのまま小説にしたような作品。ひたすらバトル。その割に飽きさせないのは凄い。

悪党パーカー・人狩り/リチャード・スターク……記念すべきパーカーシリーズの一作目。復讐とプライドと金銭欲に衝き動かされる主人公。奥さんのリンがちょっとかわいそうではあった。


悪党パーカー・死者の遺産/リチャード・スターク……パーカーの昔仲間が殺され、事件に巻き込まれるパーカー。自業自得かもしれないが、ジョー老人が不憫だった。

悪党パーカー・汚れた七人/リチャード・スターク……意外性のあるプロットに驚いた。今まで読んだ当シリーズ4作の中では一番好きかも。

悪党パーカー・殺戮の月/リチャード・スターク……基本的に単純なストーリーなので、このボリュームでやられるとさすがに飽きる。

銀河市民/ロバート・A・ハインライン……冒険物語を通して、少年の「自立」(隷属をよしとする→自分のすることは自分で決める)を描いた作品。完成度は高い。

デューン:砂の惑星/フランク・ハーバート……世界観重視のSF作品。その世界に慣れるまで、若干の辛抱を要する。

デューン:砂漠の救世主/フランク・ハーバート……砂の惑星に比べると、落ち着いてはいるが面白い。

ネロウルフ対FBI/レックス・スタウト……ネロウルフ・FBI・警察、三勢力のやりとりが面白い。ミステリとしてはイマイチだけど。

D→正直、自分には合わず、読んだ意味がなかったもの

パルムの僧院/スタンダール……時代・文化の違いは強烈だなと感じました。
ヒロインのクレリアを、「偏屈なマイルールにこだわるバカ女」としか感じられなかった時点で、どうしょうもない。

第九指令/アダム・ホール……退屈。

暗号指令タンゴ/アダム・ホール……このシリーズの中では良かったほうだけれど。

聖女が死んだ/キャサリン・エアード……どうにもピンと来ない。アガサ・クリスティの後継者と紹介されていたけれど、「イギリス・女性作家・ミステリ作家」の3つ以外に共通点があるとは思えないが……。

死体は沈黙しない/キャサリン・エアード……自分には合わない、を連呼しながら、邦訳されたエアード作品を全て読んでしまった(汗)。やっぱり合わない。

フレッチ:死体のいる迷路/グレゴリー・マクドナルド……軽妙なやりとりは面白いといえば面白いが、それだけと感じた。このシリーズ、二度も賞を取っているんだから、きっとそれだけではないんだろうけど……。

最後の国境線/アリステア・マクリーン……どうもこの人のも肌に合わない感じ。なんか、背景説明ばかり多くて、退屈なんだよなぁ。

デューン:砂丘の子供たち/フランク・ハーバート……あまりにも抽象的すぎ。
誰と誰が争っているのか、なんで争っているのかも含めて、正直意味がわからん。あと、ポウル36歳くらいのはずなのに、70代にしか見えない。老けすぎ。

分類不能

ヨブ記……聖書に点数をつけるなんてあまりにも恐れ多いので分類不能で。物語としては支離滅裂な気がしますが、言葉のセンスが美しいので詩として楽しみました。

2009年読書ランキング ノミネート+サッカーベスト11

2009年は読書に励んだ一年でした。
なので、今年は読書でランキングをつけたいと思います。

その中から、A評価以上(A-はノミネート外)の作品を、改めてここに整理しておきました。
順不同です。


タイトル/著者    


(SF)

火星年代記/レイ・ブラッドベリ

華氏四五一度/レイ・ブラッドベリ  

十月はたそがれの国/レイ・ブラッドベリ

刺青の男/レイ・ブラッドベリ  

太陽の黄金の林檎/レイ・ブラッドベリ 

鋼鉄都市/アイザック・アシモフ

はだかの太陽/アイザック・アシモフ  


(スリラー)

利腕/ディック・フランシス 

マタレーズ暗殺集団/ロバート・ラドラム


(ファンタジー・ホラー) 

ザ・スタンド/スティーブン・キング

屍鬼/小野不由美

ブギーポップは笑わない/上遠野浩平

戦う司書と恋する爆弾/山形石雄

ある日、爆弾が落ちてきて/古橋秀之

12月のベロニカ/貴子潤一郎

イリヤの空、UFOの夏/秋山瑞人 *備考 1~3巻まで読了。

(歴史)

将軍/ジェームズ・クラベル 

私生児/ジョン・ジェイクス 

戦争の嵐/ハーマン・ウォーク

(ヒューマンドラマ・恋愛)

ケイン号の叛乱/ハーマン・ウォーク 

ガープの世界/ジョン・アーヴィング

破戒/島崎藤村

吉永さん家のガーゴイル/田口仙年堂 *備考 1~8巻まで読了。

マリア様が見てる/今野緒雪 *備考 1~32巻まで読了。

(諷刺)

ガリバー旅行記/ジョナサン・スウィフト

異邦人/アルベール・カミュ  

  
ジャンル分けは適当です。いくつものジャンルにまたがってる作品だって、いくらでもありますしね。


『サッカー』

Uefaのベスト11に投票してきました。何のひねりもないベスト11です。

GK イケル・カシージャス

DF ダニエル・アウベス、リオ・ファーディナンド、ジェラール・ピケ、アシュリー・コール

MF ザビ・エルナンデス、スティーブン・ジェラード、アンドレス・イニエスタ

FW クリスチアーノ・ロナウド、リオネル・メッシ、サミュエル・エトー

監督 ジョゼップ・グァルディオラ


バルセロナ色が強いけど、許してくださいませ。


『ゲーム』

ちなみに、今年やったゲーム↓

☆ちゃんとやったゲーム

・うみねこのなく頃にEP4・5

・ダカーポ2 To You(まだ、まひるが残ってるけど)

・夜明け前より瑠璃色なMC

・戦国ランス


☆全員はクリアしていないけど、1キャラ以上やったゲーム

・つよきす2学期

・プリンセスラバー

・あかね色に染まる坂

と、こんな体たらくでは、トップ5も何もあったものじゃないのでした。

2009年に読んだ本リスト+読書ランキングノミネート作品

2009年に読んだ本です(あと5日間で読んだ本は、随時追加します)。

この中から、ベスト10(20くらいにしようかな?)を年始に決めます。
ノミネート作品(A評価以上)は赤字で表示します。


利腕/ディック・フランシス

骨折/ディック・フランシス

さむけ/ロス・マクドナルド

鋼鉄都市/アイザック・アシモフ

はだかの太陽/アイザック・アシモフ

マリア様がみてる/今野緒雪(32巻まで読了:A評価以上は「いばらの森」「ウァレンティーヌスの贈りもの後編」「レイニーブルー」「レディ、Go」「涼風さつさつ」「インライブラリー」「あなたを探して」「きらきらまわる」の8冊)

ブギーポップは笑わない/上遠野浩平


戦う司書と恋する爆弾/山形石雄

吉永さん家のガーゴイル/田口仙年堂(8巻まで読了:A評価以上は、3・4・8巻)

12月のベロニカ/貴子潤一郎

イリヤの空UFOの夏/秋山瑞人(3巻まで読了:A評価以上は1.3巻)

屍鬼/小野不由美

ある日、爆弾が落ちてきて/古橋秀之

太陽の黄金の林檎/レイ・ブラッドベリ

刺青の男/レイ・ブラッドベリ

異邦人/アルベール・カミュ


斜陽/太宰治

八つ墓村/横溝正史

重賞/ディック・フランシス

カードの館/スタンリー・エリン

キノの旅/時雨沢恵一(9巻まで読了)

センチュリアン/ジョセフ・ウォンボー

ホットロック/ドナルド・E・ウェストレイク

ロードス島戦記/水野良

メランコリィの妙薬/レイ・ブラッドベリ

死に様を見ろ/エド・マクベイン

楢山節考/深沢七郎

暴走/ディック・フランシス

血統/ディック・フランシス

査問/ディック・フランシス

撲殺天使ドクロちゃん/おかゆまさき(9巻まで読了)

人間がいっぱい/ハリイ・ハリスン

オイルクラッシュ/ポール・アードマン

やみなべの陰謀/田中啓文

ブルーナイト/ジョセフ・ウォンボー

犬神家の一族/横溝正史

武器の道/エリック・アンブラー

ディミトリオスの棺/エリック・アンブラー

階層宇宙シリーズ/フィリップ・ホセ・ファーマー

縞模様の霊柩車/ロス・マクドナルド

わがはいはカモである/ドナルド・E・ウェストレイク

笑う警官/マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー

リバーワールドシリーズ/フィリップ・ホセ・ファーマー(2巻まで読了)

麻薬密売人/エド・マクベイン

仮面の告白/三島由紀夫

推定少女/桜庭一樹

大沢さんに好かれたい/桑島由一

反射/ディック・フランシス

警官嫌い/エド・マクベイン

サツ/エド・マクベイン

ショットガン/エド・マクベイン

斧/エド・マクベイン

湖中の女/レイモンド・チャンドラー

高い窓/レイモンド・チャンドラー

血の収穫/ダシール・ハメット

そして死の鐘がなる/キャサリン・エアード

ミスターマジェスティーク/エルモア・レナード

身元不明者89号/エルモア・レナード

宇宙兵ブルース/ハリイ・ハリスン

ヌーン街で拾ったもの/レイモンド・チャンドラー

スレイヤーズ/神坂一

灼眼のシャナ/高橋弥七郎(12巻まで読了)

第八の地獄/スタンリー・エリン

十億ドルの賭け/ポール・アードマン

動く標的/ロス・マクドナルド

SHI-NO/上月雨音(2巻まで読了)

限りなく透明に近いブルー/村上龍

アンナカレーニナ/トルストイ

雪国/川端康成

指輪物語/トールキン

火星年代記/レイ・ブラッドベリ

十月はたそがれの国/レイ・ブラッドベリ

華氏451度/レイ・ブラッドベリ

破戒/島崎藤村


真理先生/武者小路実篤

ドンキホーテ/セルバンテス

ガリバー旅行記/スウィフト

ガープの世界/ジョン・アーヴィング

マタレーズ暗殺集団/ロバート・ラドラム


郵便配達は二度ベルを鳴らす/ジェームズ・ケイン

されど罪人は竜と踊る/浅井ラボ(2巻まで読了)

浮雲/二葉亭四迷

何かが道をやってくる/レイ・ブラッドベリ

人間失格/太宰治

ゼロの使い魔/ヤマグチノボル(2009年に読んだのは16巻のみ)

春琴抄/谷崎潤一郎

キングの身代金/エド・マクベイン

月曜日ラビは旅立った/ハリイ・ケメルマン

木曜日ラビは外出した/ハリイ・ケメルマン

ライ麦畑でつかまえて/サリンジャー


暗夜行路/志賀直哉

唾棄すべき男/マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー

都市/クリフォード・シマック

熊を放つ/ジョン・アーヴィング

我輩は猫である/夏目漱石

失われた黄金都市/マイクル・クライトン

万延元年のフットボール/大江健三郎

さようなら、ギャングたち/高橋源一郎

魔性の殺人/ローレンス・サンダーズ

戦うボーイミーツガール/賀東昭二

涼宮ハルヒの憂鬱/谷川流

世界の中心で愛をさけんだけもの/ハーラン・エリスン

即興詩人/アンデルセン(森鴎外訳)

追込/ディック・フランシス

日曜日ラビは家にいた/ハリイ・ケメルマン

火曜日ラビは激怒した/ハリイ・ケメルマン

警官殺し/マルティン・ベック&ペール・ヴァールー

メトセラの子ら/ロバート・A・ハインライン

ブラウン神父の童心/G.K.チェスタトン

カラマーゾフの兄弟/ドストエフスキー

フレッチ殺人方程式/グレゴリー・マクドナルド

ボヴァリー夫人/フローベール

五万二千ドルの罠/エルモア・レナード

ハックルベリーフィンの冒険/マーク・トウェイン

女王陛下のユリシーズ号/アリステア・マクリーン

きみの血を/セオドア・スタージョン

春昼・春昼後刻/泉鏡花

象牙色の嘲笑/ロス・マクドナルド

魔の山/トーマス・マン

鷲は舞い降りた/ジャック・ヒギンズ

あらくれ/徳田秋声

不死鳥を倒せ/アダム・ホール

スカーラッチ家の遺産/ロバート・ラドラム

ザ・スタンド/スティーブン・キング

将軍/ジェームズ・クラベル


私生児/ジョン・ジェイクス

自負と偏見/ジェイン・オースティン

マネーチェンジャーズ/アーサー・ヘイリー

ケイン号の叛乱/ハーマン・ウォーク

マラソンマン/ウィリアム・ゴールドマン

欲望の殺人/ローレンス・サンダーズ

嵐が丘/エミリー・ブロンテ

ドグラマグラ/夢野久作

星は人類のもの連盟/ジョン・ブラナー

復讐者/ジョン・ジェイクス

審判/カフカ

ロリータ/ウラジミール・ナボコフ

新世界/ジョン・ジェイクス

痴人の愛/谷崎潤一郎

アンドロメダ病原体/マイクル・クライトン

宇宙の戦士/ロバート・A・ハインライン

虎よ、虎よ/アルフレッド・ベスター

マジック/ウィリアム・ゴールドマン

或る女/有島武朗

人形つかい/ロバート・A・ハインライン

神聖喜劇/大西巨人

呪われた町/スティーブン・キング

反逆者/ジョン・ジェイクス

盗聴/ローレンス・サンダーズ

グレート・ギャッツビー/フィッツジェラルド

壁/安部公房

悪党パーカー殺人遊園地/リチャード・スターク

悪党パーカー人狩り/リチャード・スターク

悪党パーカー死者の遺産/リチャード・スターク

悪党パーカー汚れた七人/リチャード・スターク

悪党パーカー殺戮の月/リチャード・スターク

銀河市民/ロバート・A・ハインライン

ネロウルフ対FBI/レックス・スタウト

パルムの僧院/スタンダール

第九指令/アダム・ホール

暗号指令タンゴ/アダム・ホール

聖女が死んだ/キャサリン・エアード

死体は沈黙しない/キャサリン・エアード

フレッチ死体のいる迷路/グレゴリー・マクドナルド

最後の国境線/アリステア・マクリーン

デューンシリーズ/フランク・ハーバート(神皇帝1巻まで読了)

ヨブ記

戦争の嵐/ハーマン・ウォーク

2009年読書感想 6月13日~9月6日(最終更新)

S・A→心から読んでよかったと思える本


火星年代記/レイ・ブラッドベリ……火星と地球の30年を扱った叙情的な大河ドラマ。火星を席巻し、我が物にしていく姿に古くは新大陸発見、現代のグローバリゼーションに通じる業の深さを感じた。

十月はたそがれの国/レイ・ブラッドベリ……ホラー色の強い初期短編集。19編中8編がお気に入りなので、やはりレベルは高い。

華氏451度/レイ・ブラッドベリ……近未来。本が焼かれ、テレビに汚染された世界を描いたSF。

破戒/島崎藤村……被差別部落出身の主人公を描いた小説。この手の差別は今なおあるらしく、考えさせられる。何も被差別部落に限らず、社会的弱者の立場になって読めば共感できるだろう。


真理先生/武者小路実篤……牧歌的な雰囲気が漂う人生ドラマ。善い人は、その善行故に幸せになる。安心して読める、「良いお話」。

ドンキホーテ/セルバンテス……メタフィクションを駆使したギャグ物語にして、人生の悲哀を描いた作品。読後、目を閉じるとドンキホーテ&サンチョの愉快な冒険が浮かぶ。

ガリバー旅行記/スウィフト……人間社会、それに伴う悪徳を突き詰めて考え、描写した諷刺小説の最高峰。300年経っても色あせない、珠玉の名作。

ガープの世界/ジョン・アーヴィング……ガープと、その周囲の人々の一生を描いた、伝記的小説。作品に流れる空間を、その五感全てを使って味読した。

マタレーズ暗殺集団/ロバート・ラドラム……このジャンルに興味のない私ですらも虜にしてしまう、超一流のスリラー小説。国境を越えて深め合う主人公たちの絆も見所。一度読み始めたら、本を置くことは難しい。

郵便配達は二度ベルを鳴らす/ジェームズ・ケイン……殺人犯人を主人公にした物語。愛し合う二人の共犯者の心の流れが面白い。



B→読んだ時間・お金以上に価値があったもの

されど罪人は竜と踊る/浅井ラボ(暫定2巻)……理系知識を活かしたバトルと、軽妙洒脱なやりとりが楽しいライトノベル。漢字の多用が極めて読みにくいのはマイナスだが、それを差し引いても面白い。


浮雲/二葉亭四迷……古いお話なのでちょっと読みにくいし、途中やや中だるみもするけれど、読後感も良く、素敵なお話です。意外に笑えますし。限りなくAに近いBです。

何かが道をやってくる/レイ・ブラッドベリ……幻想小説。パパが格好いい。しかし、ブラッドベリにしてはイマイチに感じた。

人間失格/太宰治……作品自体はBだけれど、ラストのインパクトはAランクに匹敵。鬱話が読みたいならどうぞ。しかし、日本のベストセラー1位と2位が「こころ」と「人間失格」って、皆さん鬱話が好きですね。

蒲団/田山花袋……身勝手で格好悪い中年オヤジの、いじましくも情けない失恋模様。意外にも読みやすく、思ったよりも面白かった。主人公の「処女厨」ぶりを見るに、処女厨は昔から存在したのだと実感。

俘虜記/大岡昇平……「野火」のグロさで読む前からビビッていたが、同じ戦争小説でもこちらはあまりグロくない。何気ない選択が、兵士の命を左右する。

ひかりごけ/武田泰淳……小説として読むなら「アリ」。ただし、実際の事件を『噂』に取材して描いた結果、一人の男を不幸にしたその罪は重い。舞台を架空の設定にして、誰にも迷惑がかからないように書いても良かったのでは?

ゼロの使い魔16巻/ヤマグチノボル……シリーズ全体の評価はA-で、この巻だけだとB。基本、萌え小説なのだけれど、たまに思わぬところで感動させられたりするので気に入ってたりする。

春琴抄/谷崎潤一郎……句読点をほぼ全廃した実験的文体も、読みにくさはさほど感じない。主従の愛、そして盲目の愛(文字通りの意味で)。異常な部分はあれど、これも一つの愛。

キングの身代金/エド・マクベイン……自分の家族ではない者のために、身代金を払えるかというお話。キングは人格に難点があるけど、払わないと悪人扱いというのも酷な話だよなぁ。

月曜日ラビは旅立った/ハリイ・ケメルマン……アラブ諸国に侵略しては、報復のテロが起き…。個人的に持っていた、「地獄」のようなイスラエルのイメージとは違って、「平和な」イスラエルが味わえます。

木曜日ラビは外出した/ハリイ・ケメルマン……頭が冴えているときに読んだせいか、伏線が一つ一つ見事に張り巡らされていて、無駄なシーンがほとんどないことに気づいた。……このシリーズ、こんなにみんな巧かったっけ?

ライ麦畑でつかまえて/サリンジャー……主人公のホールデンに魅力を感じる青春小説。逆に言えば、ホールデンを気に入るか気に入らないかが全てかも。文章は、疲れている時でも自然にすっと入ってくる。


暗夜行路/志賀直哉……小心でいじましい。ダメ人間だけど共感できる。純文学にありがちな主人公の人生を描いた作品。呪われた出生から始まり、幾度も家族の危機に見舞われるも、「案ずるより産むが安し」か。

唾棄すべき男/マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー……警察の腐敗をテーマにした、警察小説。犯人を応援しながら読んでしまったのは我ながらどうかと思うが、それくらい感情移入できた。

都市/クリフォード・シマック……壮大なスケールで描かれる地球の歴史。人間の衰退、犬の時代、そして新興勢力である蟻の世界。人間の気まぐれな実験が、歴史を作る。個人的にはロボットのジェンキンズがお気に入り。

熊を放つ/ジョン・アーヴィング……面白いかつまらないかと聞かれたら、「つまらない」のだけど、読後に妙な余韻が残ったので甘めのB評価。お勧めは、しない。

我輩は猫である/夏目漱石……100年前のユーモア小説。呑気で個性溢れる登場人物のやりとりを楽しむ話。意外に寒いギャグも多いけど。

失われた黄金都市/マイクル・クライトン……良質な冒険モノ。綿密な取材によって書かれた、動物の薀蓄が面白い。人間の女性ロスの無能ぶり・ムカつきぶりとは対照的に、雌ゴリラのエイミーが愛らしい。

万延元年のフットボール/大江健三郎……卑劣で迷惑を撒き散らす最低人間を、実に見事に描いたものだと感心。しかし、谷間の人々の方言が妙にウザく感じたのは私だけかな? 方言を叩いても仕方ないが。

さようなら、ギャングたち/高橋源一郎……小説というよりも散文に近い。ユーモラスで笑いながら読め、文字数がスカスカのため、2時間で読めてしまった。
アイディアの勝利。

魔性の殺人/ローレンス・サンダーズ……1つの事件を刑事側と犯人側の双方から眺めるタイプの、警察小説。犯人の気持ち悪さが印象に残った。

C→暇つぶしにはなったもの

D坂の殺人事件/江戸川乱歩……明智小五郎初登場。まぁまぁ。

外套/ニコライ・ゴーゴリ……ワーキングプアの役人が、モラハラにもめげず、ボーナスで外套を買うが、その外套は強盗に取られてしまい、絶望のあまり役人が自殺する欝話。化けて出る気持ちもよくわかる。

フルメタルパニック(戦うボーイミーツガール)/賀東昭二……ハリウッドアクション的なライトノベル。ヒロインのかなめが微妙にウザかったりするけど、許容範囲かな。アクションシーンは巧い。

涼宮ハルヒの憂鬱/谷川流……前半150ページくらいは、かなり面白かったのだけど。「異変」が起こってからつまらなくなるとは、こはいかに。似たテーマなら、田中ロミオ著「AURA」の方が好み。

世界の中心で愛をさけんだけもの/ハーラン・エリスン……短編「聞こえていますか」は面白かったけれど、それ以外の短編はあまりピンとこなかった。扱っている世界観が特殊にもかかわらず、説明不足な気がする。

即興詩人/アンデルセン(森鴎外訳)……一人の男の恋の遍歴みたいなお話。文語体のため読みにくく、読了までに時間がかかった。物語としてはそこそこ面白いが、敢えて文語体に挑む必要はないかも。

追込/ディック・フランシス……シリーズの中では外れ気味。とはいえ、見るべき点もあるのだが。悪役の存在感が希薄だったためだろうか。

日曜日ラビは家にいた/ハリイ・ケメルマン……ジャンル的にはミステリだけど、相変わらず事件は二の次三の次で、ユダヤの街の権力争いが描かれるシリーズ。良くも悪くもまったり。

火曜日ラビは激怒した/ハリイ・ケメルマン……学生とラビとのやりとりは楽しかったが、なぜ学生から尊敬を勝ち得たのかはイマイチ謎。というか、元々問題の少ない学生に思えるのだが。事件は小粒。

カイロ団長/宮沢賢治……特筆すべきほどのこともなく。お酒の呑みすぎには気をつけましょう。

二十世紀の旗手/太宰治……とりあえず勢いは買う。

駆け込み訴え/太宰治……ユダの人物造形が素晴らしい。発想の勝利だと思う。

警官殺し/マルティン・ベック&ペール・ヴァールー……2つの事件がリンクしているようで、あまりリンクしていないのがイマイチ。

メトセラの子ら/ロバート・A・ハインライン……「退屈」→「急展開:面白い」→「また退屈」という感じ。退屈部が全体の約7割を占める。ラストも、なんだかなぁという感じ。

ブラウン神父の童心/G.K.チェスタトン……「折れた剣」と「サラディン公」の話は面白かった。推理小説なんだけど、文章が硬いのでスラスラとは読めない。

カラマーゾフの兄弟/ドストエフスキー……つまらなくはないんだけど、ちょっと宗教色が強すぎるのと、3兄弟に比べて犯人に魅力が薄いのがちょっと。

フレッチ殺人方程式/グレゴリー・マクドナルド……過剰なまでの会話を繋げて、物語を語るという試みは面白い。前半はやや退屈で(50点)、後半は盛り上がるが(70点)、ラストはイマイチ(減点5)。

ボヴァリー夫人/フローベール……善良な医者が、スイーツ(笑)な美人妻と人間のクズである借金貸しに滅亡に追いやられるお話。ロクな人間が出てこない。

五万二千ドルの罠/エルモア・レナード……卑怯な恐喝屋に立ち向かう、タフな男……って感じの、いかにもアメリカ的な小説。

ハックルベリーフィンの冒険/マーク・トウェイン……友人キャラ、トム・ソーヤをウザく感じるか感じないかで評価は変わってくるかも。個人的にはウザかった。

女王陛下のユリシーズ号/アリステア・マクリーン……極限状況という非現実的時間を、重厚な筆致でリアルに描いた作品。退屈だったけれど、二度読めば面白く感じるかもしれないとは思った。ラストは良い。

D→正直、自分には合わず、読んだ意味がなかったもの

きみの血を/セオドア・スタージョン……ホラー小説を期待して読んだけれども、全然怖くないのでガッカリ。寂しさから血を求める青年を、研究者視点から眺めるようなお話。幕引きは巧い。

春昼・春昼後刻/泉鏡花……読解力の無さが原因だろうと思うけれど、何が起きているのか全然わからなかった。一応最後まで文字を追いかけたが、これで読んだと言えるのだろうか。

高野聖/泉鏡花……どうも、今の私には鏡花は楽しめないらしい…。やはり、全く頭に入らなかった。

阿Q正伝/魯迅……私の勉強不足。「辛亥革命」かぁ、名前くらいは知ってるぞ程度の知識では、全然わからなかった。世界史得意だったのになぁ。

象牙色の嘲笑/ロス・マクドナルド……「さむけ」は面白かったけど、それ以外は今のところイマイチ……。

魔の山/トーマス・マン……読者の知性、もしくは忍耐力が試される。しかし忍耐力を試された読者は、仮に読み終えたとしても、達成感以外の何も得ることはできないだろうと思われる。

鷲は舞い降りた/ジャック・ヒギンズ……ドイツ落下傘部隊の活躍を描いた冒険小説。超人気作なのに、あんまり面白くなかった。デブリンのロマンスは良かったけど……私には、硬派すぎたのかも。

あらくれ/徳田秋声……気が強くて働き者な女性の暮らしぶりが描かれるお話。
つまらないとは言わないが、山もオチもなく、読後感は「それで?」の一語だった。

不死鳥を倒せ/アダム・ホール……暗号モノ。英語・ドイツ語など、欧州圏の言語に精通していれば、きっと面白かったと思う。しかし、アルファベットやラテン語の暗号では、私には荷が重い。
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