叩いたりしてますが、あまり怒らないでくださいませ。
A~S(85~100点) お気に入り作品(順不同)
利腕/ディック・フランシス……主人公の格好良さは筆舌に尽くしがたい。「競馬シリーズ」というタイトルだが、競馬に興味がない私でもこの評価なので、尻込みはもったいない!
骨折/ディック・フランシス……さわやかな成長物語。小憎らしい悪役も必見。
さむけ/ロス・マクドナルド……犯人の意外性、動機に文字通りさむけが。
鋼鉄都市/アイザック・アシモフ……SFであり、ミステリであり、社会派作品でもある。ロボットが好きな人は、アシモフのロボットものは必読だと思う。
はだかの太陽/アイザック・アシモフ……「鋼鉄都市」の続編。「鋼鉄」よりも評価は上。
マリア様がみてる(暫定32巻までの感想)/今野緒雪……いつまでも浸っていたい、居心地の良い空間。百合モノに興味がある人は是非。
ブギーポップは笑わない/上遠野浩平……ザッピングがお見事。
戦う司書と恋する爆弾/山形石雄……意外性の作品。(個人的に苦手な)バトルものなのに読ませる。
吉永さん家のガーゴイル(暫定8巻)/田口仙年堂……人情話+コメディ。笑って、ほろりとさせられる。
12月のベロニカ/貴子潤一郎……叙述トリックの見事さと、切ない恋物語に圧倒された。Ever17とかが好きな人に。
イリヤの空UFOの夏(暫定3巻)/秋山瑞人……文を読むだけで情景が浮かぶ描写力はお見事。
屍鬼/小野不由美……きれいなところも汚いところも。人間の心を描ききった大作。
ある日、爆弾が落ちてきて/古橋秀之……時間を扱った良質の短編集。
太陽の黄金の林檎/レイ・ブラッドベリ……収録22作中12作が大当たりだった短編集。よくもこれだけ幅のある作品が書けるなと感心する。
刺青の男/レイ・ブラッドベリ……収録18作中6作が大当たり。中でも、子供の夢をかなえるパパの物語「ロケット」には感動した。
異邦人/アルベール・カミュ……「迎合」か「客観的な事象を述べただけ」か。
「太陽のせいで人を殺した」には2つの読み方がある。名作。
機械/横光利一……俗人にして、軽蔑すべき人物「軽部」(ウザすぎ)、稚気溢れる好人物「主人」含め、キャラクターに魅力が溢れる。読点のほとんどない文が、すらすらと読めるのも作者の文章力故か。
ルバイヤート/オマル・ハイヤーム……お酒が大好きな刹那主義者にして、偉大なるイスラム暦の発明者ハイヤームが描く、元気になれる四行詩集。酒飲み必読、そうでない人も是非。
斜陽/太宰治……。作品評価は「嫌い。でも、よくわかる…。そして、心に残る」。
太宰的な要素をほどほどに併せ持つも、彼に比べて臆病で、現実と折り合いをつけたいと願う小市民にとって、壮絶に欝になれる作品。
B(75~85点) 読んで良かったと思える作品
八つ墓村/横溝正史……実際に起こったという、津山三十人殺しをこの作品で知った。
重賞/ディック・フランシス……「骨折」に後一歩届かなかったが、十二分に面白い。
カードの館/スタンリー・エリン……最高のツンデレヒロインここに登場。
キノの旅(暫定9巻)/時雨沢恵一……皮肉が効いた風刺小説。短編連作というスタイルも参考になった。
にごりえ/樋口一葉……作者自身、不遇だっただけに泣ける。
センチュリアン/ジョセフ・ウォンボー……警官の悲哀を存分に味わえる。警察小説でどれか一つと言われたらこれだろうか。
ホットロック/ドナルド・E・ウェストレイク……とにかく笑える。
ロードス島戦記/水野良……ファンタジー小説を描く上で、やはり参考になる。RPG好きはこれと、「指輪物語」くらいは読んでおきたい。
メランコリィの妙薬/レイ・ブラッドベリ……訳者が違うせいか、全体的に今ひとつ。「すばらしき白服」、「贈りもの」、「金色の目」あたりがお気に入り。
死に様を見ろ/エド・マクベイン……アイソラ(ニューヨーク)のヤンキーが実によく描けていた。エルナンデスや、水兵など脇役の魅力も目立った。
楢山節考/深沢七郎……あまりにもリアルな姥捨て伝説。気に入るか気に入らないかを超越して、読まなければならない作品だと感じた。
あいびき/ツルゲーネフ……一切の無駄がなく、短編として文句なしのできばえ。二葉亭四迷の訳は、訳自体はいいんだけど、ちょっと癖があってユーモラスに映ってしまう。
白痴/坂口安吾……やや硬い印象も受ける文だが、空襲時の迫力と白痴女の奇妙なかわいらしさはさすが。戦争モノとしても面白い。
小僧の神様/志賀直哉……読むとおすしが食べたくなる小説。心理がよく書けていて巧い。Cにしようか迷ったが、短いことも考慮してBに。
C 暇つぶしにはなったと思う作品(60~75点)
暴走/ディック・フランシス……フランシスの中では外れだが、ノルウェーの描写は気に入った。
血統/ディック・フランシス……フランシスの中では外れだが、世間的評判は良い。
査問/ディック・フランシス……陰謀渦巻くお話。
推定少女/桜庭一樹……オチがあまりにも陳腐で中二臭も強いが、嫌いにはなれない。
撲殺天使ドクロちゃん(暫定9巻)/おかゆまさき……エロくて萌える。それだけとも言うが、気楽に読める。アニメのOP曲が電波。
大沢さんに好かれたい/桑島由一……桑島作品の中では一番好きだったりする。
人間がいっぱい/ハリイ・ハリスン……あまりに絶望的な未来。
オイルクラッシュ/ポール・アードマン……ラスト50ページは怒涛の勢いで読ませる。それまでが退屈。世界経済に明るい人には楽しめるかもしれない。
やみなべの陰謀/田中啓文……頭をひねって楽しめるが、それに見合った解答かどうかは微妙なところ。
ブルーナイト/ジョセフ・ウォンボー……主人公がおっさんなためか、センチュリアンに比べると「若さ」が足りない。
犬神家の一族/横溝正史……乱歩より癖が弱くマイルドで、乱歩ほどの驚きはないというイメージ。
武器の道/エリック・アンブラー……世界各国を旅する、異国情緒豊かな冒険小説。
ディミトリオスの棺/エリック・アンブラー……謎のギリシャ人ディミトリオスを追って。
階層宇宙シリーズ/フィリップ・ホセ・ファーマー……壮大な世界観を持ったSF冒険小説。
縞模様の霊柩車/ロス・マクドナルド……ロスマクで一番初めに読んだ。
わがはいはカモである/ドナルド・E・ウェストレイク……これまた笑えるが「ホットロック」よりは落ちる。
笑う警官/マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー……スウェーデンの風景と、警官たちの個性が楽しい。
盗まれた手紙/エドガー・アラン・ポー……手紙の隠し場所がほぼ予想通りだったのは肩透かしだったが、デュパンを中心に会話の掛け合いは面白い。
リバーワールドシリーズ(暫定2巻)/フィリップ・ホセ・ファーマー……世界観は魅力的なのだが、冒険は平坦。良い意味で、作者が楽しく好き放題に書いているのは伝わってくる。
麻薬密売人/エド・マクベイン……この本が、D~Eランクに位置する87分署シリーズよりも面白いわけではない。シリーズの雰囲気に慣れ、愛着がわいてきたことによるランクアップだ。
十九歳の地図/中上健次(表題作のみ)……主人公を見て、まるで2ちゃんねるの荒らしのようだ、と感じた。鬱屈した青春といえば聞こえはいいが、他人に迷惑をかけず、痛いポエムでも書いて自己消化してほしいものだ。
歯車/芥川龍之介……高校以来アンチ芥川だったのだけど、その中では面白いほうだと思う。私小説なサイコホラーだけど、怖さは薄め。
花はつよし/岡本かの子……花・絵画の描写が美しく、物語を引き立てている。
強い感慨はないが、目に飛び込んでくるような描写は一見の価値あり。
黒髪/近松秋江……商売女に惚れた束縛の強い男が、一途に彼女を束縛しようとする話。最後もう少し盛り上げてほしいと思うが、エンタメではないのだから我慢するべきか。
武蔵野/国木田独歩(表題作のみ)……明治時代、まだ開かれていなかった渋谷近辺の林を、作者と一緒にお散歩できる、風情のある小説。小説自体の面白さよりも、「昔はこうだったのかぁ」と感慨に浸る作品。
仮面の告白/三島由紀夫……物語中盤、恋人(?)の女性が出てきてからは割に面白かった。それまではえらく退屈。だけれど、やっぱりないと困る前提部分なんだろうなぁ。
D~E 自分には合わず、正直読んだ意味のなかった作品(0~60点)
反射/ディック・フランシス……なぜかこれを一番最初に読んだ。
警官嫌い/エド・マクベイン……仲間の警官が次々にやられていく衝撃作。
サツ/エド・マクベイン……意外に人気があるらしい。
ショットガン/エド・マクベイン……凄惨のひとこと。
斧/エド・マクベイン……87分署の中で一番初めに読んだ。
湖中の女/レイモンド・チャンドラー……チャンドラー作品の中では気に入っているほう。
高い窓/レイモンド・チャンドラー……うーん。なぜ世間ではチャンドラーがここまで評価されているのか……。
血の収穫/ダシール・ハメット……チャンドラーよりはピリっと引き締まってるぶん、好き。
そして死の鐘がなる/キャサリン・エアード……ズッコケ4人組が事件解決。ユーモラスではあるが、緊迫感が足りなかった。
ミスターマジェスティーク/エルモア・レナード……スイカを守るためギャングと闘う地主。
身元不明者89号/エルモア・レナード……令状配達人が主人公。印象薄い。
宇宙兵ブルース/ハリイ・ハリスン……作品的にはどうでもいいが、「びびんちょ」は良かった。
ヌーン街で拾ったもの/レイモンド・チャンドラー……チャンドラーの良さがさっぱりわからない。中でも、この短編集のつまらなさときたら……。
スレイヤーズ/神坂一……ノリの良さは認めるが。いかにも「ライトノベル」といった感じの小説。
灼眼のシャナ(12巻で放棄)/高橋弥七郎……難しい漢字使って格好つけようとして滑っているようにしか見えないのだが。
第八の地獄/スタンリー・エリン……発見した。アンソニー・バウチャー氏が絶賛した作品は個人的駄作。バウチャー氏が批判した作品は当たりだ。
十億ドルの賭け/ポール・アードマン……「オイルクラッシュ」から、「ラストの怒涛の勢い」をマイナスしたようなお話。世界経済に関心がないとキツい。
動く標的/ロス・マクドナルド……ロスマクは、チャンドラー・ハメットの後継者らしいが、彼らよりも人間をきちんと描いている印象があるため、読みやすい。
SHI-NO/上月雨音(2巻で放棄)……ミステリとしてダメダメな上、シノちゃんにも萌えられないようでは。
限りなく透明に近いブルー/村上龍……相変わらずの下品なグロ描写。どうして彼はここまでグロが好きなのか。腐ったパイナップルの匂いが腋からするとか書くなよな……。
アンナカレーニナ/トルストイ……ロシアの近代化の話ではなくて、不倫の話が読みたかったのだが。ヒロインの人物造詣はリアルでもあり、それだけにウザくもある。
雪国/川端康成……戦前の萌え小説。「風景」と(男性好みの)「女性」の美しさを描く姿勢には好感がもてる。牧歌的であり、退屈でもある。
子をつれて/葛西善蔵……ビンボーな男が、家を追い出されてさまよう話。短いので、時間を無駄にしたとまでは言わないが、あんまり面白くなかった。
月に吠える/萩原朔太郎……詩に関しては、門外漢なもので。
時代閉塞の現状/石川啄木……すまん。私の頭では理解できんかった。
人生に相渋るとは何の謂れぞ/北村透谷……上に同じくすまん。意気込みみたいなものは伝わってきたんだが……前知識がないと評論はダメですね。「堕落論」くらいなら、わかった気にはなれるんですけどね。
指輪物語/トールキン……ファンタジーの古典として抑えておきたい作品だが、長さ・娯楽度共に今読むのは厳しいかもしれない。なんて、単なる好き嫌いかな。もう少し短ければ……。
A~S(85~100点) お気に入り作品(順不同)
利腕/ディック・フランシス……主人公の格好良さは筆舌に尽くしがたい。「競馬シリーズ」というタイトルだが、競馬に興味がない私でもこの評価なので、尻込みはもったいない!
骨折/ディック・フランシス……さわやかな成長物語。小憎らしい悪役も必見。
さむけ/ロス・マクドナルド……犯人の意外性、動機に文字通りさむけが。
鋼鉄都市/アイザック・アシモフ……SFであり、ミステリであり、社会派作品でもある。ロボットが好きな人は、アシモフのロボットものは必読だと思う。
はだかの太陽/アイザック・アシモフ……「鋼鉄都市」の続編。「鋼鉄」よりも評価は上。
マリア様がみてる(暫定32巻までの感想)/今野緒雪……いつまでも浸っていたい、居心地の良い空間。百合モノに興味がある人は是非。
ブギーポップは笑わない/上遠野浩平……ザッピングがお見事。
戦う司書と恋する爆弾/山形石雄……意外性の作品。(個人的に苦手な)バトルものなのに読ませる。
吉永さん家のガーゴイル(暫定8巻)/田口仙年堂……人情話+コメディ。笑って、ほろりとさせられる。
12月のベロニカ/貴子潤一郎……叙述トリックの見事さと、切ない恋物語に圧倒された。Ever17とかが好きな人に。
イリヤの空UFOの夏(暫定3巻)/秋山瑞人……文を読むだけで情景が浮かぶ描写力はお見事。
屍鬼/小野不由美……きれいなところも汚いところも。人間の心を描ききった大作。
ある日、爆弾が落ちてきて/古橋秀之……時間を扱った良質の短編集。
太陽の黄金の林檎/レイ・ブラッドベリ……収録22作中12作が大当たりだった短編集。よくもこれだけ幅のある作品が書けるなと感心する。
刺青の男/レイ・ブラッドベリ……収録18作中6作が大当たり。中でも、子供の夢をかなえるパパの物語「ロケット」には感動した。
異邦人/アルベール・カミュ……「迎合」か「客観的な事象を述べただけ」か。
「太陽のせいで人を殺した」には2つの読み方がある。名作。
機械/横光利一……俗人にして、軽蔑すべき人物「軽部」(ウザすぎ)、稚気溢れる好人物「主人」含め、キャラクターに魅力が溢れる。読点のほとんどない文が、すらすらと読めるのも作者の文章力故か。
ルバイヤート/オマル・ハイヤーム……お酒が大好きな刹那主義者にして、偉大なるイスラム暦の発明者ハイヤームが描く、元気になれる四行詩集。酒飲み必読、そうでない人も是非。
斜陽/太宰治……。作品評価は「嫌い。でも、よくわかる…。そして、心に残る」。
太宰的な要素をほどほどに併せ持つも、彼に比べて臆病で、現実と折り合いをつけたいと願う小市民にとって、壮絶に欝になれる作品。
B(75~85点) 読んで良かったと思える作品
八つ墓村/横溝正史……実際に起こったという、津山三十人殺しをこの作品で知った。
重賞/ディック・フランシス……「骨折」に後一歩届かなかったが、十二分に面白い。
カードの館/スタンリー・エリン……最高のツンデレヒロインここに登場。
キノの旅(暫定9巻)/時雨沢恵一……皮肉が効いた風刺小説。短編連作というスタイルも参考になった。
にごりえ/樋口一葉……作者自身、不遇だっただけに泣ける。
センチュリアン/ジョセフ・ウォンボー……警官の悲哀を存分に味わえる。警察小説でどれか一つと言われたらこれだろうか。
ホットロック/ドナルド・E・ウェストレイク……とにかく笑える。
ロードス島戦記/水野良……ファンタジー小説を描く上で、やはり参考になる。RPG好きはこれと、「指輪物語」くらいは読んでおきたい。
メランコリィの妙薬/レイ・ブラッドベリ……訳者が違うせいか、全体的に今ひとつ。「すばらしき白服」、「贈りもの」、「金色の目」あたりがお気に入り。
死に様を見ろ/エド・マクベイン……アイソラ(ニューヨーク)のヤンキーが実によく描けていた。エルナンデスや、水兵など脇役の魅力も目立った。
楢山節考/深沢七郎……あまりにもリアルな姥捨て伝説。気に入るか気に入らないかを超越して、読まなければならない作品だと感じた。
あいびき/ツルゲーネフ……一切の無駄がなく、短編として文句なしのできばえ。二葉亭四迷の訳は、訳自体はいいんだけど、ちょっと癖があってユーモラスに映ってしまう。
白痴/坂口安吾……やや硬い印象も受ける文だが、空襲時の迫力と白痴女の奇妙なかわいらしさはさすが。戦争モノとしても面白い。
小僧の神様/志賀直哉……読むとおすしが食べたくなる小説。心理がよく書けていて巧い。Cにしようか迷ったが、短いことも考慮してBに。
C 暇つぶしにはなったと思う作品(60~75点)
暴走/ディック・フランシス……フランシスの中では外れだが、ノルウェーの描写は気に入った。
血統/ディック・フランシス……フランシスの中では外れだが、世間的評判は良い。
査問/ディック・フランシス……陰謀渦巻くお話。
推定少女/桜庭一樹……オチがあまりにも陳腐で中二臭も強いが、嫌いにはなれない。
撲殺天使ドクロちゃん(暫定9巻)/おかゆまさき……エロくて萌える。それだけとも言うが、気楽に読める。アニメのOP曲が電波。
大沢さんに好かれたい/桑島由一……桑島作品の中では一番好きだったりする。
人間がいっぱい/ハリイ・ハリスン……あまりに絶望的な未来。
オイルクラッシュ/ポール・アードマン……ラスト50ページは怒涛の勢いで読ませる。それまでが退屈。世界経済に明るい人には楽しめるかもしれない。
やみなべの陰謀/田中啓文……頭をひねって楽しめるが、それに見合った解答かどうかは微妙なところ。
ブルーナイト/ジョセフ・ウォンボー……主人公がおっさんなためか、センチュリアンに比べると「若さ」が足りない。
犬神家の一族/横溝正史……乱歩より癖が弱くマイルドで、乱歩ほどの驚きはないというイメージ。
武器の道/エリック・アンブラー……世界各国を旅する、異国情緒豊かな冒険小説。
ディミトリオスの棺/エリック・アンブラー……謎のギリシャ人ディミトリオスを追って。
階層宇宙シリーズ/フィリップ・ホセ・ファーマー……壮大な世界観を持ったSF冒険小説。
縞模様の霊柩車/ロス・マクドナルド……ロスマクで一番初めに読んだ。
わがはいはカモである/ドナルド・E・ウェストレイク……これまた笑えるが「ホットロック」よりは落ちる。
笑う警官/マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー……スウェーデンの風景と、警官たちの個性が楽しい。
盗まれた手紙/エドガー・アラン・ポー……手紙の隠し場所がほぼ予想通りだったのは肩透かしだったが、デュパンを中心に会話の掛け合いは面白い。
リバーワールドシリーズ(暫定2巻)/フィリップ・ホセ・ファーマー……世界観は魅力的なのだが、冒険は平坦。良い意味で、作者が楽しく好き放題に書いているのは伝わってくる。
麻薬密売人/エド・マクベイン……この本が、D~Eランクに位置する87分署シリーズよりも面白いわけではない。シリーズの雰囲気に慣れ、愛着がわいてきたことによるランクアップだ。
十九歳の地図/中上健次(表題作のみ)……主人公を見て、まるで2ちゃんねるの荒らしのようだ、と感じた。鬱屈した青春といえば聞こえはいいが、他人に迷惑をかけず、痛いポエムでも書いて自己消化してほしいものだ。
歯車/芥川龍之介……高校以来アンチ芥川だったのだけど、その中では面白いほうだと思う。私小説なサイコホラーだけど、怖さは薄め。
花はつよし/岡本かの子……花・絵画の描写が美しく、物語を引き立てている。
強い感慨はないが、目に飛び込んでくるような描写は一見の価値あり。
黒髪/近松秋江……商売女に惚れた束縛の強い男が、一途に彼女を束縛しようとする話。最後もう少し盛り上げてほしいと思うが、エンタメではないのだから我慢するべきか。
武蔵野/国木田独歩(表題作のみ)……明治時代、まだ開かれていなかった渋谷近辺の林を、作者と一緒にお散歩できる、風情のある小説。小説自体の面白さよりも、「昔はこうだったのかぁ」と感慨に浸る作品。
仮面の告白/三島由紀夫……物語中盤、恋人(?)の女性が出てきてからは割に面白かった。それまではえらく退屈。だけれど、やっぱりないと困る前提部分なんだろうなぁ。
D~E 自分には合わず、正直読んだ意味のなかった作品(0~60点)
反射/ディック・フランシス……なぜかこれを一番最初に読んだ。
警官嫌い/エド・マクベイン……仲間の警官が次々にやられていく衝撃作。
サツ/エド・マクベイン……意外に人気があるらしい。
ショットガン/エド・マクベイン……凄惨のひとこと。
斧/エド・マクベイン……87分署の中で一番初めに読んだ。
湖中の女/レイモンド・チャンドラー……チャンドラー作品の中では気に入っているほう。
高い窓/レイモンド・チャンドラー……うーん。なぜ世間ではチャンドラーがここまで評価されているのか……。
血の収穫/ダシール・ハメット……チャンドラーよりはピリっと引き締まってるぶん、好き。
そして死の鐘がなる/キャサリン・エアード……ズッコケ4人組が事件解決。ユーモラスではあるが、緊迫感が足りなかった。
ミスターマジェスティーク/エルモア・レナード……スイカを守るためギャングと闘う地主。
身元不明者89号/エルモア・レナード……令状配達人が主人公。印象薄い。
宇宙兵ブルース/ハリイ・ハリスン……作品的にはどうでもいいが、「びびんちょ」は良かった。
ヌーン街で拾ったもの/レイモンド・チャンドラー……チャンドラーの良さがさっぱりわからない。中でも、この短編集のつまらなさときたら……。
スレイヤーズ/神坂一……ノリの良さは認めるが。いかにも「ライトノベル」といった感じの小説。
灼眼のシャナ(12巻で放棄)/高橋弥七郎……難しい漢字使って格好つけようとして滑っているようにしか見えないのだが。
第八の地獄/スタンリー・エリン……発見した。アンソニー・バウチャー氏が絶賛した作品は個人的駄作。バウチャー氏が批判した作品は当たりだ。
十億ドルの賭け/ポール・アードマン……「オイルクラッシュ」から、「ラストの怒涛の勢い」をマイナスしたようなお話。世界経済に関心がないとキツい。
動く標的/ロス・マクドナルド……ロスマクは、チャンドラー・ハメットの後継者らしいが、彼らよりも人間をきちんと描いている印象があるため、読みやすい。
SHI-NO/上月雨音(2巻で放棄)……ミステリとしてダメダメな上、シノちゃんにも萌えられないようでは。
限りなく透明に近いブルー/村上龍……相変わらずの下品なグロ描写。どうして彼はここまでグロが好きなのか。腐ったパイナップルの匂いが腋からするとか書くなよな……。
アンナカレーニナ/トルストイ……ロシアの近代化の話ではなくて、不倫の話が読みたかったのだが。ヒロインの人物造詣はリアルでもあり、それだけにウザくもある。
雪国/川端康成……戦前の萌え小説。「風景」と(男性好みの)「女性」の美しさを描く姿勢には好感がもてる。牧歌的であり、退屈でもある。
子をつれて/葛西善蔵……ビンボーな男が、家を追い出されてさまよう話。短いので、時間を無駄にしたとまでは言わないが、あんまり面白くなかった。
月に吠える/萩原朔太郎……詩に関しては、門外漢なもので。
時代閉塞の現状/石川啄木……すまん。私の頭では理解できんかった。
人生に相渋るとは何の謂れぞ/北村透谷……上に同じくすまん。意気込みみたいなものは伝わってきたんだが……前知識がないと評論はダメですね。「堕落論」くらいなら、わかった気にはなれるんですけどね。
指輪物語/トールキン……ファンタジーの古典として抑えておきたい作品だが、長さ・娯楽度共に今読むのは厳しいかもしれない。なんて、単なる好き嫌いかな。もう少し短ければ……。