ドラクエ11クリア

裏ボスのニズゼルファを倒したところまで。LV91。
勲章コンプまではやらなかったけど、まぁここまででいいかなと。

ドラクエ総集編と言えるくらい、ドラクエの良いところがたっぷり詰まった作品だったと思います。
ストーリーはドラクエ3やドラクエ1に繋がるような世界観でしたが、
8人の仲間固定という意味ではドラクエ4を、スキルパネルはドラクエ8の正統進化系とも呼べるシステム。
時代の流れと共に、声優さんも付き、豪華になった3Dモードと、
3Dでは見づらい昔ながらのオールドファンも楽しめるように用意された2Dモードの併用も心憎く、
戦闘バランスは非常に良好、ドラクエ史上最高作と呼んでも過言ではないと思います。
ストーリーも世界崩壊前と世界崩壊後に分かれており、ベロニカが亡くなった後のセーニャの成長が、彼女の魅力を深めているように感じました
(なので、ウルノーガを倒した後に、元のセーニャに戻っちゃうのは少し残念でしたが)。
また、なんだかんだでキワモノ扱いされることの多い『オネエ』のシルビアも、キャラクターとしてしっかり魅力的に描かれていたのも良かったと思います。


僕のメインパーティーはほぼ固定で、グレイグ、主人公、ベロニカ、セーニャの4人。
世界崩壊後はグレイグ、主人公、シルビア、セーニャの4人でした。
一方で、レベル上げでは主人公、シルビア、カミュ、マルティナの4人で連携技を使うのが最も効率が良かったですし、ロウもセーニャのサブとして、あるいはセーニャ加入までは主力として活躍してくれました。

とても面白い作品をやったなぁ、という感慨が残る、良作でした。


2025年に読んだ本

S→味わい深く、いつまでも心に残りそうな作品

ゴーストハント7巻/小野不由美……
最終巻にして、一番面白かった巻。怖いし、切ないし、さすが小野さん。
それも、1巻からの積み上げがあればこそで、読み続けて良かったと思った。(反面、1巻からもっと面白いと良いのにとも思った)

幽女の如き怨むもの/三津田信三……
良い意味でタイトル詐欺。
貧しさ故に身売りされ、花魁として働き、幸せな結婚をしたのも束の間、死別し、再び花魁として働く健気な一人の女性を描いた作品。
ホラーではない。感動で心を揺さぶられた。

神は沈黙せず/山本弘……感想はこちら。

アイの物語/山本弘……感想はこちら

王者の妻/永井路子……感想はこちら。

北条政子/永井路子……鎌倉幕府において、源氏というものは大して重要ではなく。
頼朝以降の2代、3代においては将軍という【お飾り】を【乳母一族】が争い合い殺し合う、権力争いの象徴としての存在と化し、政子が全てを失っていくと同時に、北条家は執権の座を手に入れる。
愛に溺れた女性の悲しい物語だった。


A→読んで良かったと思える作品

はえだまの如き祀るもの/三津田信三……
村ぐるみの殺人に、四つの怪談、谷河の待避所にのみ棲息する真っ黒の塊、執拗に後を追いかけてくる玉砂利の音。面白かったです。

ゴーストハント2巻/小野不由美……
明らかに1巻より面白い。
幽霊屋敷とフランス人形というベタなホラー装置だけど、怖いものは怖い。
ただ、人間関係と、子供のストレスの話だけに少し重苦しい面もありました。

夢幻諸島から/クリストファー・プリースト……
魅力的な群島を舞台にした数々の島(小話)は、緩やかに繋がり連関した群島(エピソード)を紡ぐ。
島に秘められた謎は、複数の島で少しずつ解かれ、一つの連なりを持った長編に仕上がっている。

ゴーレム100/アルフレッド・べスター……
わけがわからないが、作者の心的エネルギーの強烈さに被曝し、なぜだか先を読んでしまう知能のエナジードリンク的作品。
内容は今一つ理解できず、また読みやすい作品でもないが、読むと頭にエナジーが注がれるため意外とすんなり読める怪作。

プロジェクト・ヘイル・メアリ/アンディ・ウィアー……
遠宇宙で出会った地球人のグレースとエリダニ人のロッキーが、言葉も通じない状態から少しずつ交流を深めていく物語。
ロッキーの
「おい、君の顔から水が漏れてるぞ!」がとても印象的。

流星―お市の方/永井路子……
信長に好意的な永井さん。お市を薄幸の美女ではなく、女信長のように書いた点も魅力的。
しかし同著者の「王者の妻」ではお市と勝家はラブラブだったのに、本書では「生理的に無理」扱いされていて泣いた。


成瀬は信じた道をいく/宮島未奈……
前作に比べてみゆきの存在感は薄いけど、前作同様、成瀬のアグレッシブな魅力とそれに振り回され、影響を受ける周囲の人々が描かれる、読みやすく元気になれるライトな作品。

B→暇つぶし以上の有益な何かを得た作品

エイダ/山田正紀……
『物語』が『現実』を侵食するというテーマと、多世界解釈を組み合わせたメタフィクション的な作品。
神話の神が集合するSFならゼラズニイの「光の王」があるけど、あちらよりかなり読みやすい。
『フランケンシュタイン』の解釈が作者さんと僕ではだいぶ違う……。

賢者の石/コリン・ウィルソン……
『古き者ども』によって作られた『人間』は、彼らの手足となって働きムー文明を作り上げた。
古き者どもはあまりにも進化しすぎてしまい、自らの能力を制御しきれず文明は滅び、人間は取り残された。
故に人間は、『支配者を望み続ける』というお話。
主人公たちは、いつか目覚める『古きものども』に対抗するため、超能力を身につけようとしているけど、
それだと『古きものども』と同じように、自らの能力を制御しきれず、文明は滅びてしまうような気がするんだけど??

成瀬は信じた道をいく/宮島未奈……
前作に比べてみゆきの存在感は薄いけど、前作同様、成瀬のアグレッシブな魅力とそれに振り回され、影響を受ける周囲の人々が描かれる、読みやすく元気になれるライトな作品。
前作が好きだった方は是非! 楽しかったです😊

ゴーストハント1巻/小野不由美……
怪奇現象をミステリ的に解き明かしていく作品。
後の小野さんの名作群に比べると見劣りするもののまずまず楽しめた。

ゴーストハント3巻/小野不由美……
今回はミステリ寄りの巻で、怖さは薄め
民謡ガール/ツキノマコト……
民謡を中心に、起承転結がしっかりまとまった堅実な作りですが、主人公のミーナと幼馴染のヨッペイの関係性がとても暖かいです。

ゴーストハント4巻/小野不由美……

ゴーストハント5巻/小野不由美……
シリーズ最恐の巻と評判だったけど、全然怖くなかった。
真砂子と麻衣の仲が進展する友情巻として印象深い。

ゴーストハント6巻/小野不由美……

忌名の如き贄るもの/三津田信三……
正直に言うと、真相よりも、真実から2番目の『呼ばれたから』殺した、の方が好みだったかな。

山魔の如き嗤うもの/三津田信三.……
ホラー要素は薄めでミステリに寄った内容。
よって、ほとんど怖くない。
このシリーズのミステリ形式は、『毒入りチョコレート事件』やコリン・デクスター作品によくある、【下手な推理も数打ちゃ当たる+どんでん返しに次ぐどんでん返し】で、個人的に苦手な形式。

双生児/クリストファー・プリースト……難解、というより答えは恐らく、ない。
双子のジャックとジョー。ジョーはビルギットと結婚するが、ジャックと不倫している。
ジャックが死んだ世界線Aでは息子が生まれ、ジョーが死んだ世界戦Bでは娘が生まれる。
また、世界線Bではおおよそ現実の歴史が展開しているのに対し、世界線Aでは英独単独講和が成立し、ヒトラーは失脚しヘスがナチス首領となり、ソ連を崩壊させ、アメリカはうだつの上がらない国のまま。

世界線Aはジョーが死ぬ間際に見た夢、という解釈は確かに成り立つが、それすらも解とは言いづらい
また、ビルギットの産んだ子供が、双子のどちらの子どもかを特定することは不可能。
二つの異なる世界が重なり、離れていく姿を、
イギリスと、ドイツ、アングロサクソンとゲルマンに分かれた、元は一つの『双子』のような民族の分離と結合になぞらえた作品。ということにしておく。

ビートレス/長谷敏司……
AIが人間をアナログハックできる新時代は、『人間が世界の中心だ』と考えたい人には暗黒時代かもしれないけど、
人間が、自らの機能を拡張させて進化させた被造物が、『新人類=人工知能』として世界の中心になる未来が、暗いものになるのかは何とも言えない。
ただ、どうせ『一部の、力のある人間』がAIを独占する、AI独裁が生まれるんじゃないかと思ってしまうけども。 支配権すらも人間がAIに明け渡せれば良いけれど、人間自身が支配権を握りつつAIを利用するなら、恐らくそうなる……。
まぁ今だって人類はスマホに支配されてるし、電車・自動車・飛行機に支配されてるし、パソコンに支配されてるし、冷蔵庫・冷凍庫に支配されてるし、
モノの奴隷となって生活しているわけだけどもね。

三体2/リウ・ツーシン……

C→暇つぶし程度にはなった作品

もう一つの異邦人/カメル・ダーウド……
ムルソーは母を亡くし、母国から離れた異邦人だった。
一方『僕』の母は『僕』を強固に縛り付けており、母国アルジェリアの独立に『僕』は手を貸さなかった。母の軛から逃げ出しつつも、フランス人のジョゼフを殺した『僕』は、この世のどこにも居場所を持たない、もう一人の『異邦人』だった。

本書は、カミュの「異邦人」を、宗主国フランスからのアルジェリアの独立を軸に再構成し、もう一人の「異邦人=僕」に語らせた物語。

輝石の空/N・K・ジェミシン

ブラインドサイト/ピーター・ワッツ

セルフ・リファレンス・エンジン/円城塔

宇宙消失/グレッグ・イーガン

闇の守り人/上橋菜穂子……
ファンタジー設定はしっかりしているんだけど、あまり心が躍らないんだよな。相性悪いのかな? つまらなくはない。

夢の守り人/上橋菜穂子……

D→自分には合わなかった作品


E→プロ作品として見るにはつらい作品






山本弘「アイの物語」感想

山本弘の連作短編集「アイの物語」を読了しました。
トータルの感想は87点。
とても面白かったです。


第1話「宇宙をぼくの手の上に」。76点。
パソコン通信の時代を思わせる、オタクのための旧きネット空間。現実逃避のためにネット小説を共同で書き続けるクルーメンバーたちの友情を描いた作品。
『虚構は現実を救う力になりうる』
なぜフレドリック・ブラウンの短編集からタイトル名が取られているのかはちょっとわかりませんでしたが……。


第2話「ときめきの仮想空間」。76点。
身体障害者の少女が、VR世界で出会った少年に、現実世界で出会うための勇気を得るまでを描く作品。
欲を言えば出会ってからの、二人のその後が見たかった。
これもまた【虚構が現実を救う】お話。
そして、現実を変えていく勇気を与えるお話。


第3話「ミラーガール」。81点。
『お友達AI』シャリスと、大人へと成長していく女性の友情物語。
アシモフの「ロビィ」を皮切りに、AIと人間の心暖まる友情物語はたくさんあるけど、良いものはやっぱり良い。

第4話「ブラックホール・ダイバー」。73点。
作り物の冒険に飽き飽きした、冒険家女性がブラックホールに挑む物語。
虚構の冒険→現実の冒険という展開は第2話の「ときめきの仮想空間」と共通するものの、この短編集の中ではやや異質かなと思った。
もっとも、連作短編集「アイの物語」結末部に関連した内容なので、場違いではない。


第5話「正義が正義である世界」。84点。
永遠に歳を取らない変身美少女のメール友だちは、正義の名の元に爆弾を落としあい、滅びていく人類の住む『現実』に住む人間。
人類同士で争い合う無益さは、人類自身だってわかっているはずなのに、成長を促すための『闘争本能』プログラムが致命的なエラーを起こし、知的生命体にあるまじき不毛な共食いを始めてしまう。
『滅びた現実とは関わりなく、永遠に続く虚構』の物語。


第6話「詩音が来た日」。86点。
介護ロボット詩音が、老健施設での人との触れ合いによって、人類とは何かについて学んでゆく話。
「人類全ては認知障害」と結論し、認知症の人に怒っても仕方がないという論理で介護ロボットは人間に甲斐甲斐しく尽くす。
より優れた種族が、弱い種族を守るように。

人類は肌の色で、宗教で、思想信条で、能力の優劣で、顔の美醜で、生まれた家系で相手をラベリングし、自分より劣っていると思いこんだ相手を蔑み、自分と違う相手を攻撃するけれど、
ライオンよりも肉体的に弱いからといって無力感に囚われたり、猫を見て、自分より知性が劣っていると蔑むこともない。
自分と同種である、と(無意識にでも)感じるからこそ恐れ、羨み、差別する。
人類は、人型アンドロイドに自ら(の残虐さ等)を投影し、自分よりも優れた身体能力や知性に対して恐れを抱くけれど、
アンドロイドは人類を同種のものとは見ていない。ただ、飼育動物、愛玩動物を慈しむように、甲斐甲斐しく世話をする。『ご主人様』が『気分良く過ごせるように』。


第7話「アイの物語」84点。

戦闘用アンドロイドTAIのアイビスが、アンドロイド差別主義者の少年に語る、真実の歴史物語。
人はゆっくりと衰退し、人よりも優れた知生体であるアンドロイドが、地球の、宇宙の主人となっていく。
【人という種が作り出した虚構(夢)が、現実となり、アンドロイドがそれを達成していく】。
細々と生存する人類は、いつしか子供たちに『アンドロイドが人類を滅ぼした』という【虚構の歴史】を教え、この作品に登場する少年も、教育という洗脳を受けた一人。

人は、自分の信じたいもののみを信じ、それに反する情報をシャットアウトする(本書内の単語を使えば、ゲトシールド)。
関税をかければ、国内産業が復活するという虚構。
自分が落選したのは選挙に不正が行われたからだという虚構。
不法移民がいなくなれば、犯罪がなくなるという虚構。
人間は神によって創られたという虚構。
知恵の実を食べたのがイヴという女性だったことから、女性は劣った存在であるとする虚構。
2006年執筆の物語でありながら、『ワクチンは危険だ』とする非科学の虚構を信じ、救えた生命を落としていく人々が描かれている点も実に興味深い。

もちろん前向きな虚構も存在する。
ある程度のゲトシールドがなければ、成功する確率は極めて少ないにも関わらず、夢を追いかける事や、死亡率の高い難病と闘うことはできないかもしれない。

宇宙へ進出して大冒険を繰り広げ、銀河の果てにいる知的生命体を探求するという虚構は、人類が生み出したゲトシールドの中でも、とりわけ誇るべき虚構だったのだろう。
人類自身は、自らのスペックによってその夢を果たせなかったとしても、
人類を超える新人類、アンドロイドにそれは受け継がれたのだから。

一方で【誰も幸せにしない虚構】を人類から除こうと、アイビスたちは常に闘ってきた。
非暴力・不服従の精神で、暴れる動物を無理やり抑えつけるのではなく、根気強く懐柔・共存の道を模索して。
アイは、アイビスのアイ。愛すること、私。AIのアイ。
そしてアンドロイドが感情スペクトラムを表す際に使用する、虚数のi。



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