『はるおと』、順調に名作への道を歩んでいます。
このゲームの良いところは、恋愛がリアルに(リアルっぽくと言い換えても良いですが、同じことです。フィクションですから)描けていること。


前作「Wind」と比較すれば、この物語の志向するものが見えてくると思います。

『想いは、遠く離れていても届くんだよ。そしてそれを亡くさない限りまた出会えるの』(Wind:鳴風みなも)

『遠くにいても想いは通じるなんて絵空事ですよ。そばにいなきゃダメなんです。離れてしまうのが……怖い』
『わたし、先生に忘れられるのが怖い。先生を忘れてしまうのが怖い』(はるのあしおと:楓ゆづき)





自立し切れていない男女が、傷をなめあうように惹かれあい、結ばれて……そして、別れていくお話でしょうか(まだクリアしていないので断言は出来ませんが)。


人が死んだりするわけではないのですが、かなり切ない気分になれます。
二人の”意識のズレ、思考のズレ”の描写や、近い将来の別れを匂わせるような描写にはゾクリとします。



なんにせよ、この主人公以上に情けない立場にいる私にとっては、なかなか痛い物語。
ぬるま湯から、自分の意思で抜け出すっていうのは難しいことで。
それでも、近い将来やらないといけないんだよなぁ……というのは独り言。


ギャルゲーの世界も玉石混交。久しぶりの玉を見つけ、すっかり嬉しくなりました。