この夏、八百長リーグとして世界に恥部をさらけ出したセリエA。
その後も、八百長クラブへの処罰を大幅に軽減するなど、
もはや何でもありの様相を呈している。
今シーズンこそ、純粋なサッカーによりインテルが優勝を決めたものの、
来シーズンは八百長の親玉ユベントスが早くも帰ってくる。
八百長なしのシーズンは、今年限りなのだ。
以下、今シーズンの優秀選手をピックアップしてみる。
最優秀GK ジュリオ・セーザル(インテル)
御大ブッフォンがいない今シーズンは、本命不在。
ローマのドーニやフィオのフレイなどが水準以上のパフォーマンスを見せた。
ジュリオ・セーザルは前述の二人と比べても遜色ない。遜色ないというレベルでしかないが、
圧倒的な差で優勝を決めたインテルで、ほぼ全ての試合でゴールを守った、
他チームの選手と比べても遜色のない守護神。
それだけで、最優秀GKの名に値すると思う。
話は変わるが、セリエA3強(インテル、ローマ、ミラン)のGKは全てブラジル人。
ブラジルはGK途上国と言われてきたが、PSVのゴメスやポルトのエウトンも含め、
今ではGK大国になりつつある。
最優秀CB マルコ・マテラッツィ(インテル)
圧倒的な存在感で、DQNマテ兄貴が最優秀CB。
正直大嫌いな選手だが、感情論を吹き飛ばすほどの、格の違いを見せられた。
DFながら今シーズンは8ゴール。優勝を決めた試合でも2ゴールの爆発ぶりだ。
他に目立った選手としては、同じくインテルのコルドバ。ローマのメクセス&チブの名が挙げられる。
また、私が見た試合ではエンポリのマルゾラッティが印象に残った。
が、あまり名前を聞かないところを見ると、たまたまだったのかもしれぬ。
SB マイコン(インテル)
開幕前はまさかスタメンをとるとは思っていなかったマイコン。インテルの右サイドバックをがっちりとキープした。
このセクションはタレントに乏しく、他に思いついたのはミランのヤンクロフスキーとローマのトネットのみ。
最優秀レジスタ エウジェニオ・コリーニ(パレルモ)
大本命ピルロを挙げても良かったが、ここはコリーニを推す。
37歳であの運動量、あの存在感はさすがだ。
カターニア戦では、ミスを犯した自軍GKを慰めるため、
ゴール後一目散にピッチを縦断し駆け寄るなど、漢ぶりも見せてくれた。
他の候補としては、ローマのデ・ロッシやピサロが思い浮かぶ。
最優秀インサイドハーフ デヤン・スタンコビッチ(インテル)
はっきり言って候補は2人しかいない。
スタンコビッチと、同じくインテルのサネッティである。
どちらも甲乙つけがたい主力中の主力だが、
サネッティが欠けた場合はなんとか乗り切れていた印象があるのに対し、
スタンコビッチが欠けた試合は、どうしょうもなかったイメージがある。
どちらがインテルにとって重要かと聞かれたら、恐らくスタンコビッチの方だろう。
最優秀サイドアタッカー マンシーニ(ローマ)
ミランもインテルも、フォーメーション上
サイドアタッカーというポジションを置いていない。
今シーズンのセリエで、サイドアタッカーっぽい選手って誰かいたかなと考えると、
ほとんど思い浮かばないのが実情だ。
ラツィオのベーラミ? パレルモのブレシアーノ? ウディネーゼのディミケーレ?
イマイチである。
正直、マンシーニくらいしか最優秀に相応しい選手はいなかった。
マンシーニのすごさは、リヨン戦の2点目。シザースフェイントを繰り返して、
レバイエールを抜き去った、あの一撃に現れている。
OH カカー(ミラン)
あまりに出来すぎた幸運に前科持ちが重なって、欧州一は仕組まれた感すらあるミラン。
だが、ピッチ場でミラン優勝を力強く牽引したのは、ただ一人輝いていたカカーだ。
CL得点王が示すとおり、まさしく孤軍奮闘。
ミランはカカーさえ止めれば勝てるチームだったが、そのカカーを止められたチームはいなかった。
今年のバロンドール最有力候補だ。
最優秀CF フランチェスコ・トッティ(ローマ)
本当はイブラだけれど、ローマでここまで活躍したトッティも選びたかったので、
イブラをMVPに回し、こちらはトッティに。
セリエで初の得点王を獲得したローマのキャプテンは、セリエ一美しいローマサッカーの基準点。
ワールドカップでは影の薄い存在だったが、イタリア一のファンタジスタは健在ぶりを見せてくれた。
MVP CF ズラタン・イブラヒモビッチ(インテル)
インテル攻撃陣の二大スター、スタンコビッチとイブラヒモビッチ。攻撃面でインテルの優勝を支えたのは間違いなくこの二人だ。
イブラヒモビッチは、クレスポ、クルス、アドリアーノ、レコバとそうそうたるFW陣の中で、代えの利かない核となっていた。
ワースト選手賞 CF フランチェスコ・フラーキ(サンプドリア)
数いる期待はずれの中でも、この男ほど酷い期待はずれはないだろう。
サンプドリアキャプテンにして、小柄な身体にも関わらず旺盛な戦闘意欲で、
ファンから絶大の支持を受けていたフラーキだ。
……違法賭博にコカインで、長期出場停止中ではもはやフォローのしようもない。
その他の期待はずれを挙げていくと、まずインテルのアドリアーノとレコバが挙がるだろう。
特に前者は身体の動きが重く前半戦はまさに木偶の坊。動きが良くなってきた後半も、ローマ戦ではシミュレーションで2試合出場停止、
夜遊びで罰金など、どうにも冴えなかった印象だ。
レコバは調子が上がってきたかなと思った矢先に負傷、その後出番は回ってこなかった。
出場している時は素晴らしい動きを見せるのだが、その出場試合数が1桁では評価は難しい。
パレルモのカラッチョーロも期待を大きく裏切った。
無名だったアマウリにポジションを奪われたこともそうだが、何よりもアマウリが
負傷した後、出番が回ってきたにも関わらず、なにも出来なかった。
なお、ピッチ外ではリボルノのスピネージ会長がワーストだ。
今シーズンも無駄な監督交代でチームの調子を下げた。
去年に引き続き、チームの足を引っ張る彼にキャプテンのルカレッリも怒り心頭の様子だ。
また、本当の意味でワーストと言えるのは、イタリアサッカー界そのもの
と言えるかもしれない。
八百長騒動では大甘裁定を下し、膿を出し切ることが出来なかったイタリアサッカー界は、その後もファン同士の乱闘や、警官隊とファンの衝突など、
様々な事件を止めることが出来なかった。
こうした風潮を、後押ししているイタリア国民自体にも大きな問題があり、
病巣は深いと言える。
「ユベントスがいないリーグで優勝したインテルは、王者にふさわしくない」が、
「八百長をして勝ち続けたユベントスは王者に相応しい」。
こうした八百長容認のイタリア国民が多数派である以上、第2第3の八百長は確実に起こる。
早ければ、来シーズンから。
前回、82年の八百長発覚からモッジの来た94年まで。
前回は12年。次の八百長まで、後何年?
その後も、八百長クラブへの処罰を大幅に軽減するなど、
もはや何でもありの様相を呈している。
今シーズンこそ、純粋なサッカーによりインテルが優勝を決めたものの、
来シーズンは八百長の親玉ユベントスが早くも帰ってくる。
八百長なしのシーズンは、今年限りなのだ。
以下、今シーズンの優秀選手をピックアップしてみる。
最優秀GK ジュリオ・セーザル(インテル)
御大ブッフォンがいない今シーズンは、本命不在。
ローマのドーニやフィオのフレイなどが水準以上のパフォーマンスを見せた。
ジュリオ・セーザルは前述の二人と比べても遜色ない。遜色ないというレベルでしかないが、
圧倒的な差で優勝を決めたインテルで、ほぼ全ての試合でゴールを守った、
他チームの選手と比べても遜色のない守護神。
それだけで、最優秀GKの名に値すると思う。
話は変わるが、セリエA3強(インテル、ローマ、ミラン)のGKは全てブラジル人。
ブラジルはGK途上国と言われてきたが、PSVのゴメスやポルトのエウトンも含め、
今ではGK大国になりつつある。
最優秀CB マルコ・マテラッツィ(インテル)
圧倒的な存在感で、DQNマテ兄貴が最優秀CB。
正直大嫌いな選手だが、感情論を吹き飛ばすほどの、格の違いを見せられた。
DFながら今シーズンは8ゴール。優勝を決めた試合でも2ゴールの爆発ぶりだ。
他に目立った選手としては、同じくインテルのコルドバ。ローマのメクセス&チブの名が挙げられる。
また、私が見た試合ではエンポリのマルゾラッティが印象に残った。
が、あまり名前を聞かないところを見ると、たまたまだったのかもしれぬ。
SB マイコン(インテル)
開幕前はまさかスタメンをとるとは思っていなかったマイコン。インテルの右サイドバックをがっちりとキープした。
このセクションはタレントに乏しく、他に思いついたのはミランのヤンクロフスキーとローマのトネットのみ。
最優秀レジスタ エウジェニオ・コリーニ(パレルモ)
大本命ピルロを挙げても良かったが、ここはコリーニを推す。
37歳であの運動量、あの存在感はさすがだ。
カターニア戦では、ミスを犯した自軍GKを慰めるため、
ゴール後一目散にピッチを縦断し駆け寄るなど、漢ぶりも見せてくれた。
他の候補としては、ローマのデ・ロッシやピサロが思い浮かぶ。
最優秀インサイドハーフ デヤン・スタンコビッチ(インテル)
はっきり言って候補は2人しかいない。
スタンコビッチと、同じくインテルのサネッティである。
どちらも甲乙つけがたい主力中の主力だが、
サネッティが欠けた場合はなんとか乗り切れていた印象があるのに対し、
スタンコビッチが欠けた試合は、どうしょうもなかったイメージがある。
どちらがインテルにとって重要かと聞かれたら、恐らくスタンコビッチの方だろう。
最優秀サイドアタッカー マンシーニ(ローマ)
ミランもインテルも、フォーメーション上
サイドアタッカーというポジションを置いていない。
今シーズンのセリエで、サイドアタッカーっぽい選手って誰かいたかなと考えると、
ほとんど思い浮かばないのが実情だ。
ラツィオのベーラミ? パレルモのブレシアーノ? ウディネーゼのディミケーレ?
イマイチである。
正直、マンシーニくらいしか最優秀に相応しい選手はいなかった。
マンシーニのすごさは、リヨン戦の2点目。シザースフェイントを繰り返して、
レバイエールを抜き去った、あの一撃に現れている。
OH カカー(ミラン)
あまりに出来すぎた幸運に前科持ちが重なって、欧州一は仕組まれた感すらあるミラン。
だが、ピッチ場でミラン優勝を力強く牽引したのは、ただ一人輝いていたカカーだ。
CL得点王が示すとおり、まさしく孤軍奮闘。
ミランはカカーさえ止めれば勝てるチームだったが、そのカカーを止められたチームはいなかった。
今年のバロンドール最有力候補だ。
最優秀CF フランチェスコ・トッティ(ローマ)
本当はイブラだけれど、ローマでここまで活躍したトッティも選びたかったので、
イブラをMVPに回し、こちらはトッティに。
セリエで初の得点王を獲得したローマのキャプテンは、セリエ一美しいローマサッカーの基準点。
ワールドカップでは影の薄い存在だったが、イタリア一のファンタジスタは健在ぶりを見せてくれた。
MVP CF ズラタン・イブラヒモビッチ(インテル)
インテル攻撃陣の二大スター、スタンコビッチとイブラヒモビッチ。攻撃面でインテルの優勝を支えたのは間違いなくこの二人だ。
イブラヒモビッチは、クレスポ、クルス、アドリアーノ、レコバとそうそうたるFW陣の中で、代えの利かない核となっていた。
ワースト選手賞 CF フランチェスコ・フラーキ(サンプドリア)
数いる期待はずれの中でも、この男ほど酷い期待はずれはないだろう。
サンプドリアキャプテンにして、小柄な身体にも関わらず旺盛な戦闘意欲で、
ファンから絶大の支持を受けていたフラーキだ。
……違法賭博にコカインで、長期出場停止中ではもはやフォローのしようもない。
その他の期待はずれを挙げていくと、まずインテルのアドリアーノとレコバが挙がるだろう。
特に前者は身体の動きが重く前半戦はまさに木偶の坊。動きが良くなってきた後半も、ローマ戦ではシミュレーションで2試合出場停止、
夜遊びで罰金など、どうにも冴えなかった印象だ。
レコバは調子が上がってきたかなと思った矢先に負傷、その後出番は回ってこなかった。
出場している時は素晴らしい動きを見せるのだが、その出場試合数が1桁では評価は難しい。
パレルモのカラッチョーロも期待を大きく裏切った。
無名だったアマウリにポジションを奪われたこともそうだが、何よりもアマウリが
負傷した後、出番が回ってきたにも関わらず、なにも出来なかった。
なお、ピッチ外ではリボルノのスピネージ会長がワーストだ。
今シーズンも無駄な監督交代でチームの調子を下げた。
去年に引き続き、チームの足を引っ張る彼にキャプテンのルカレッリも怒り心頭の様子だ。
また、本当の意味でワーストと言えるのは、イタリアサッカー界そのもの
と言えるかもしれない。
八百長騒動では大甘裁定を下し、膿を出し切ることが出来なかったイタリアサッカー界は、その後もファン同士の乱闘や、警官隊とファンの衝突など、
様々な事件を止めることが出来なかった。
こうした風潮を、後押ししているイタリア国民自体にも大きな問題があり、
病巣は深いと言える。
「ユベントスがいないリーグで優勝したインテルは、王者にふさわしくない」が、
「八百長をして勝ち続けたユベントスは王者に相応しい」。
こうした八百長容認のイタリア国民が多数派である以上、第2第3の八百長は確実に起こる。
早ければ、来シーズンから。
前回、82年の八百長発覚からモッジの来た94年まで。
前回は12年。次の八百長まで、後何年?