2章終了。


途中までは微妙でしたが、最後の盛り上がりで帳消し。
全体としてはなかなかのシナリオでした。面白くなるのが少し遅すぎた気はしますけど。


2章中盤のさちは……まるで我が身を見ているようだ……。
ここまで、駄目人間をリアルに描いてくるというのは凄い。
ただ、中盤まではその一点くらいしか褒める点が見あたらなかったのも事実。


正直、健一のとった方法・態度は駄目駄目です。
それが、この章を読んでいてストレスを感じた点。
この手の人間って、周りからやれやれ言われてもやらないんですよ。
ペナルティを増やしていったら、
「ペナルティがきつすぎてやる気がしない」っていう言い訳を与えるだけ。
雨が降っている時は、屋内でできることをやってもらうとか、足りない睡眠時間をそこで集中的に取らせるというのならわかるけど、
雨が降っているのに絵を描きに来なかったから2時間取り上げとか、いくらなんでもスパルタすぎ。


結局、さちが本心から「やらなきゃ!」って思わない限り、駄目なわけで。
甘くしすぎても駄目でしょうが、罰を厳しくしすぎたらやる気をなくしてしまうのは目に見えているわけで。
賢一のしたことは結局、単にさちの足を引っ張っただけ。
まなの決断だけが、さちをやる気にさせる。


それは、ごくごく当たり前のことで、そうならなくちゃおかしいし、
その程度のことがわからないようじゃ、特別高等人なんて到底なれないと思うのですが。


だから、2章の感想としてはさちの人間心理が自然に描けているなぁと思った反面、
賢一って無能だなぁと思い、イライラしながら読んでました。
賢一の努力が報われるとは到底思えなかったので、健一が奮闘してさちを追い詰めていくところは、ただただストレスが溜まるというか。

まなのあの決断も、本当にまなが絵を完成させるお話を書くなら
あれしか方法は無いなと思っていたので、読め読めでしたし。


このシナリオが面白くなるのは、絵描き期限最終日から。
特にまなの大車輪の活躍には参りました。
シナリオを通じてまながMVPです。
それだけに賢一の駄目さ加減が際だつのですが……。
……どれだけ空気読めてないんだよ。


最終日夜の「取り上げた時間分を返している」という言いわけは、
なかなか見事だと思ったのですが、
13時間分も取り上げてなかったと思うので、見事な口車も肩すかし。
あぁ、主人公もっと頑張ってくれ……。


どうでも良いけど、「Canvas」シリーズの中にこのシナリオが
紛れ込んでいたら、間違いなく神シナリオ扱いだっただろうと思いました。