著者はレイ・ブラッドベリ。全体の評価は


この本は、過去に読んだことがある。
しかし、細かい内容を忘れていたことと、この度昔読んでいないブラッドベリ作品を読んでみる気になったので、再読という形でもう一度読んでみた。
「刺青の男」「火星年代記」も再読してみる予定だ。


ちなみにあとがきで、評論家の中村梓さんが
「ゴスロリな人やおたくの人が、すごく好きな世界かも」と書いていたけれど、
まさしく『おたく』の私は大好きなのでした。



未来の物語なのに、とても懐かしい。
幻想的で、郷愁を刺激される世界。

以下、各短編の感想を。なお、順番はバラバラに読んだので、読んだ順番に書いてみる。


なお、高校時代に読んだときよりも、全体的に面白く感じた。
別に読解力が要求される本でもないし、むしろ感受性が豊かな年頃のほうが楽しめそうな気がするのに、なぜだろう?



『発電所』 B+

電波届いた?なお話。

『夜の出来事』 C

ユーモラスではある。

『日と影』 A-

犬と握手をし、ズボンをずり上げる変態親父、リカルドに爆笑!

『草地』 C

アイディアは面白い。というか、ブラッドベリの場合、話自体は微妙なことがあるけど、アイディアはいつもすごいと思う。

『ごみ屋』 B

いやーな感じ。

『大火事』 A-

これは面白い。恋の描写もいいし、ドンデン返しもいい。

『霧笛』 A

世界にはまだまだロマンが隠れている。恐竜好きならSつけちゃうかも。

『黒白対抗戦』 A

いけ好かない白人に黒人が逆襲するお話。胸がすっとする。

『サウンド・オブ・サンダー』 A+

タイムトラベルもの(バタフライ効果)の傑作。雰囲気の描写も素晴らしく、
訳も素晴らしかった。

『二度と見えない』 B+

お別れのお話。

『歩行者』 B

理不尽なお話。

『四月の魔女』 A

ラブファンタジーといっていいんだろうか。
魔女に乗り移られたアン・リアリーにとってはとても迷惑な話だが…。
アンとセシーの台詞に注目しながら読むと面白い。

『荒野』 C+

ちょっとよくわかりませんでした。

『鉢の底の果物』 B-

これも難しかった。犯人が神経症ということでいいんだろうか?
死体が喋っているのは、犯人の強迫観念ということ?
それとも…。

『目に見えぬ少年』 A

笑えて、最後はしんみり。
邪悪で身勝手なおばあちゃんだけど、それでもかわいそうに感じた。

『空飛ぶ機械』 A

もしかしたら、文明はもっと昔から発達できていたのかもしれない。
空飛ぶ機械はやがて飛行機となり、爆弾を降らせる兵器にもなる。
だからこそ、無理解な振りをして、慎重に排除してきたのかもしれない。

『人殺し』 A+

主人公にとても共感。
それにしても、50年も前、携帯電話の登場前から今日の携帯電話依存症や
至るところに見受けられる街頭テレビ等の弊害を予言していたとは凄い。

静かに過ごせる場所が好きなのに、待合室にしろ何にしろうるさいし、
携帯電話にはメールが毎日2桁以上来るし。
そして、作中みたいにドアやらにまで監視されたらそりゃ殺したくもなりますわな。

『金の凧、銀の風』 A

ナンセンスギャグ。面白い。ラストもいい。

『ぬいとり』 B

きちんと理解したかどうかはわからないけど、何となく感覚で理解。

『山のあなたに』 A-

これまた面白くて、そして切ない。
今の、迷惑メール全盛の時代に生まれていたら、欣喜雀躍しそうなおばちゃんですね。
こうなることがわかっているなら、文字覚えればいいのに……。

『歓迎と別離』 A

不老不死モノの原典かもしれない。街から街へ、永遠に放浪する少年の物語。

『太陽の黄金の林檎』 C

表題作なのに、イマイチ。