シナリオ 120/150 キャラ 115/150 絵70/100 音楽 80/100 その他システム 70/100(ここはまだ暫定です) 思い入れ 30/50 トータル 485/650
ESにつけた点数 79点。総合順位52位/130ゲームくらい(75点以上のゲームは正確に、69作品と把握しています)。
ESへの感想はこちら(ほとんど同じ事書いてる気がしますが、一応)。
ひたすら、徒労感の残るエンドでした。と書くと悪口のように受け取られかねないけれど、別に悪口ではありません。
「私たちは、なぜ闘っているのでしょう?」。
橋一つのために、命を散らした生徒。相手の警備を引きつけるために、命を犠牲にしていった人々。戦後、少しでも有利な条件を引き出すために、死んでいくパイロット。
理想という熱に浮かされ始まった、戦争という悪夢。いつしか理想を忘れ、ただ利権のためだけに発生する殺し合い。
戦争という悪夢の中では、戦死は一つの勲章だった。たとえ、残された者の中に大きな傷を残したとしても。残された者は、そんな誇り高き死に心を動かされ、賛美する。
けれども、戦争という夢が終わった時。そこに理想なんてないと知った時。
果たして、彼らの死が有意義なものだったと、言えるのか。
確かに、彼らの犠牲によって新しい社会システムができあがった。歴史が動いた。
けれど、戦った人間がその恩恵を受けられるわけじゃない。夢見ていたほど、それは幸せな新世界でもない。
けれど、それで良かったのかもしれないとも思う。この作品は、戦争を真っ向から描いたごまかしなしの作品だった。グランドルートでは、社がヒーローになるエンディングを楽しみにしていたが、結局社もヒーローにはなれなかった。
けれども、それで良かったのだと思う。
戦争は、虚しいものだ。そのことを描ききったのだから、これで良かったのだと思う。
エンターテイメントとして、ラストのあれは個人的にどうかと思うが、それでも……戦後の平和な生活を、希望に満ちた後日談として描くくらいなら。
作品全体の構成をおさらい。
最初の3ルートでは、理想のために戦い、散っていく若者達の生き様が描かれる。戦局を少しでも有利に運ぶため、という理由での「有意義な」死。
もっとも戦後情勢のための捨て石だとか、要領を得ない社の戦う理由(何かというと親父親父で、自分の戦う理由がそれ以外に言えない)、一向に明らかにならない円経済圏の実態などから、
本当に関東政府がそこまで崇高な理想を抱いていたのかについては、既に疑念はあったわけだけど。
圭子、夕紀ルートでは関東政府の実態が露わになる。
掲げた理想が変質し、既得権益維持という正反対の方向に腐敗が進んだ関東政府。そして明らかになる本当の、円経済圏理論。
最終シナリオ、グランドルートでは、正しい円経済圏理論を説いて戦争を終結に導くという筋で物語が展開される。
この流れで言うならば、歪んだ円経済圏を選び悲劇の種を蒔いた関東政府に代わって、正しい円経済圏理論が日本を解体し、新しい時代へと導いていく。
のかと思いきや。
結局導き出された答えは、「システムは人を幸せにしない」「私たちは何のために戦っているのでしょう?」。
最後に。美樹教官の惨めさが本当に哀しい。若菜ルートでは熱い散り様を見せてくれた教官だったけれど(それだって、無駄な死ではあった)、グランドルートでは完全に負け犬……。死に際を誤った英雄というか、もはやシルバリーシルフィードも過去の亡霊というか……ラストでは、貴子さんよりもよほど生きることに疲れているように見えました。
しかし、美樹にしろ司令にしろ、今ひとつ行動が理解できなかったなぁ。
グランドルートから離れて、個々のシナリオの感想を言うと、個人的に一番好きだったのは加奈子ルート。最果ての地で結ばれる二人の姿がとても美しく、その陰で選ばれなかったトシの心境を考えると本当に哀しい。「僕と僕らの夏」で失恋を印象的に描いた早狩氏ならではの切れ味だった。
後、アララトの2番の歌詞が神。オープニングで聴ける1番はそれほど感慨も無かったんだけど。
ESにつけた点数 79点。総合順位52位/130ゲームくらい(75点以上のゲームは正確に、69作品と把握しています)。
ESへの感想はこちら(ほとんど同じ事書いてる気がしますが、一応)。
ひたすら、徒労感の残るエンドでした。と書くと悪口のように受け取られかねないけれど、別に悪口ではありません。
「私たちは、なぜ闘っているのでしょう?」。
橋一つのために、命を散らした生徒。相手の警備を引きつけるために、命を犠牲にしていった人々。戦後、少しでも有利な条件を引き出すために、死んでいくパイロット。
理想という熱に浮かされ始まった、戦争という悪夢。いつしか理想を忘れ、ただ利権のためだけに発生する殺し合い。
戦争という悪夢の中では、戦死は一つの勲章だった。たとえ、残された者の中に大きな傷を残したとしても。残された者は、そんな誇り高き死に心を動かされ、賛美する。
けれども、戦争という夢が終わった時。そこに理想なんてないと知った時。
果たして、彼らの死が有意義なものだったと、言えるのか。
確かに、彼らの犠牲によって新しい社会システムができあがった。歴史が動いた。
けれど、戦った人間がその恩恵を受けられるわけじゃない。夢見ていたほど、それは幸せな新世界でもない。
けれど、それで良かったのかもしれないとも思う。この作品は、戦争を真っ向から描いたごまかしなしの作品だった。グランドルートでは、社がヒーローになるエンディングを楽しみにしていたが、結局社もヒーローにはなれなかった。
けれども、それで良かったのだと思う。
戦争は、虚しいものだ。そのことを描ききったのだから、これで良かったのだと思う。
エンターテイメントとして、ラストのあれは個人的にどうかと思うが、それでも……戦後の平和な生活を、希望に満ちた後日談として描くくらいなら。
作品全体の構成をおさらい。
最初の3ルートでは、理想のために戦い、散っていく若者達の生き様が描かれる。戦局を少しでも有利に運ぶため、という理由での「有意義な」死。
もっとも戦後情勢のための捨て石だとか、要領を得ない社の戦う理由(何かというと親父親父で、自分の戦う理由がそれ以外に言えない)、一向に明らかにならない円経済圏の実態などから、
本当に関東政府がそこまで崇高な理想を抱いていたのかについては、既に疑念はあったわけだけど。
圭子、夕紀ルートでは関東政府の実態が露わになる。
掲げた理想が変質し、既得権益維持という正反対の方向に腐敗が進んだ関東政府。そして明らかになる本当の、円経済圏理論。
最終シナリオ、グランドルートでは、正しい円経済圏理論を説いて戦争を終結に導くという筋で物語が展開される。
この流れで言うならば、歪んだ円経済圏を選び悲劇の種を蒔いた関東政府に代わって、正しい円経済圏理論が日本を解体し、新しい時代へと導いていく。
のかと思いきや。
結局導き出された答えは、「システムは人を幸せにしない」「私たちは何のために戦っているのでしょう?」。
最後に。美樹教官の惨めさが本当に哀しい。若菜ルートでは熱い散り様を見せてくれた教官だったけれど(それだって、無駄な死ではあった)、グランドルートでは完全に負け犬……。死に際を誤った英雄というか、もはやシルバリーシルフィードも過去の亡霊というか……ラストでは、貴子さんよりもよほど生きることに疲れているように見えました。
しかし、美樹にしろ司令にしろ、今ひとつ行動が理解できなかったなぁ。
グランドルートから離れて、個々のシナリオの感想を言うと、個人的に一番好きだったのは加奈子ルート。最果ての地で結ばれる二人の姿がとても美しく、その陰で選ばれなかったトシの心境を考えると本当に哀しい。「僕と僕らの夏」で失恋を印象的に描いた早狩氏ならではの切れ味だった。
後、アララトの2番の歌詞が神。オープニングで聴ける1番はそれほど感慨も無かったんだけど。