2009年01月

2008年プレイゲームランキング 結果発表①

では、2008年にプレイしたゲームのランキング発表に移ります。
しつこいようですが、2008年に発売されたゲームではなく、
僕が2008年にプレイしたゲームなので、よろしくお願いします。

なお、普段はシナリオ・キャラ・音楽・絵・Hシーン・システムなどなどを、
650点満点でつけ、総合何位というものをつけているのですが、
この企画では、純粋に印象で順位を決めています。

↑ちなみに、ここまで去年の記事のコピペです(笑)。
手抜きごめんなさい。


ギャルゲーベスト10

1位 加奈おかえり

昔の作品だが、1つ次元が違った。
始めたら一気に読ませてしまう物語と、感情移入のしやすい主人公にヒロイン。
幼年時代の少年の書き方等も含め、さすが田中ロミオと思わされた。

……個人的には、こういうまじめな文体のロミオが好きなんだけどね。
ギャグセンスは全く合わないので。

2位 車輪の国、向日葵の少女

正直、1~3章はつまらないシーンも多かった。終わらせ方も不満である。
だが、4章は! 4章だけは、神だった。
シナリオゲーの少なさにも助けられ、2位にランクイン。
4章の輝きを見る限り、るーすぼーい氏は、盛り上げ方を知っているライターさんなんだなという感触はある。
好みに合うかどうかはなんともだけれど。

3位 Sugar+Spice

ベストオブ雰囲気ゲー。いつまでも浸っていたくなる、萌え萌え学園生活が
強く印象に残り、3位にランクイン。
今年は数々の良作萌えゲー(3位以降は全部萌えゲーだと思う。Lとハルカはちょっと怪しいけど)の中でトップに位置したのは、
ヒロイン全員にまとまりがあり、一人として「いらない」キャラがいなかったから。
ジジとオトメが好みだけれど、個人的には一番どうでもいいピョンでさえも、
絶対にいなくてはいけない。そんなグループ交際(?)としての雰囲気の良さが際立っていた。
……こんな生活送りたかったよ……。

4位 Lの季節2

飛びぬけてすばらしいシナリオがあるわけでもなく、飛びぬけて萌えたキャラがいたわけでもないが、雰囲気の良さで堂々の4位。
10年前のゲームの続編ながら、前作の良さをほぼ引き継いでいるのもポイント高い。
ノスタルジーに浸りつつ、学園生活を楽しめた。

5位 φなるあぷろーち2

黛音の存在に大きく助けられて5位にランクインの今作。
和瑞、美咲桜も良かった。
若干ボリューム不足だが、それ故かダレるシーンが少なかったのは好印象。

6位 CLANNAD

6位にランクインしたのは、CLANNAD。
総合力では4位が妥当だったが、度重なるプレイ中断によって熱が冷めてしまったのは不運だと言える。


7位 フォーチュンアテリアル

良くも悪くもオーガスト。
安心できる高品質な萌えと、当たり障りのないシナリオ。
期待以上のものはなくとも、期待どおりのものはある。
陽菜と桐葉に萌えました。

8位 メモリーズオフ6

個人的にがけっぷちだったメモオフシリーズ。
今作はシナリオこそ盛り上がりに欠けたものの、
千紗、結乃、クロエの萌えによって何とか踏みとどまった印象。


9位 ダカーポ2プラスシチュエーション

7人(?)も追加ヒロインがいたのでランクした。
追加分はまひると茜が良かった。
無印版は持っているが、ボリュームを考えても損をした気はしていない。
(今ならコミュニケーション買ったほうがいいかもだけどね)

10位 超昴閃忍ハルカ

明らかにこの中では異質な、『抜きゲー』。
キャラも魅力的だし、ゲーム性もそこそこ楽しめたのでランクした。
エロさでは、ダントツ。



シナリオベスト10

1位 夕美エンド(加奈おかえり)

……長い間、主人公を想っていた夕美の気持ちが切なく胸に響いた。
加奈の喪失と含めて、1位になった今作の中でももっとも好きなエンド。

……ところで、加奈の主人公って名前なんでしたっけ?
加奈からは「おにいちゃん」、夕美からは「藤堂君」扱いだったので、
ぜんぜん思い出せないんですけど……。隆道……で合ってます?
隆一だったかな?

2位 4章(車輪の国、向日葵の少女)

……自分を取り戻し、主人公に胸を張って愛を宣言する夏咲。
ようやく再会できた幼馴染の笑顔は、主人公でなくとも、守り抜きたいと思えるくらい、キラキラと光っていた。
夏咲の存在だけでなく、仲間たちが団結し、立ち上がる、車輪の『転』に当たるルートでもある。

3位 ∫ルート(12riven)

……最終ルートでありながら、ここから急速に謎が広がり、怒涛のように解決する。2ルートが終わった段階では、期待はずれな印象だった。
それがまさかこんなに壮大な物語になろうとは。


4位 ノーマルエンド(加奈おかえり)

……加奈の録音テープの演出に泣かされた。もっとも、「悲しさ」を感じたルート。

5位 2章(悪の教科書)

……強い問題意識を突きつけてくる今作において、一番のハッピーエンドはこのシナリオ。
取り戻せた親友との時間を素直に祝福したくなったのは、アネモネの君の苦悩と勇気を読んできたから。

ギャルゲーではないので悩んだ末に入れなかったが、アネモネの君と、3章の『妻』はヒロインベスト10にも入るほどの逸材だった。

6位 一ノ瀬ことみ(CLANNAD)

……2年ぶりに再開してみれば、当時よりも格段に楽しめたCLANNAD。
当シナリオは、ラストのカバンケースの演出がすばらしく、思わず泣かされてしまった。

7位 小鳥遊まひる(ダカーポ2プラスシチュエーション)

……短くても良いシナリオは描ける典型例。
別れをテーマにしながら、胸の温かくなる優しいお話。
 
8位 風見学園卒業講演小恋ルート(ダカーポ2スプリングセレブレーション)

……演劇というテーマを見事に表現した小恋ルートは、小恋の魅力がたっぷり詰まった一品。
単なる魂の入れ替わりではなく、それを『小恋が演じている』という前提があってこそ楽しめる、良い意味でメタ的な(使い方違うかも)シナリオ。
特に渉モードになった小恋には爆笑させられた。


9位 卒業講演ななかルート(ダカーポ2スプリングセレブレーション)

……ダカーポのファンディスクで、まさか涙腺を刺激されようとは。
そんな驚きもあって、9位にランクインしたのは卒業講演ななかルート。
ななかの応援は、ヤバかった。
後、茜と杏の「そっちが先に切って」がまさか伏線になっているとは思わなかった。
このシナリオ、本編(ダカーポ2)のどのシナリオよりもレベルが高いと思うんですが、
気のせいでしょうか。

10位 アフターストーリー(CLANNAD)

あまりにもあっさりとしたエンディングが悔やまれるものの、
そこに至るまでの道のりはまさしく人生の荒波。
描こうとしたテーマは、さすがKeyと呼べる代物。


豊作と思っていた2008年プレイゲームですが、シナリオの面から見ると
豊作というわけでもなかったようです。
11位以下は、藍衣(シュガスパ)、結乃(メモオフ6)、エリカ(ダカーポ2プラスシチュ)あたりが入っています。
 

ヒロインベスト10(本編に登場したファンディスクのキャラ:ダカーポ2の6人、君望LE、オーガストファンBOX、リアリアのシャッフル登場キャラ、は外しています。)

1位 箱崎千紗(メモリーズオフ6)

……どこからどう見ても完全にツボでした。
それにしても、私はどうやら平野綾が好きらしい。
彼女の担当したキャラクターは3キャラしか知らないのに、3キャラ全部
大好きなのです(3位の儒音も平野綾)。
こういう、守ってあげたいような女の子は、リアルでも二次元でも本当に好きなのです。

2位 日向夏咲(車輪の国、向日葵の少女)

元気な夏咲が大好きです。正直、夏咲と4章がなければ、車輪は相当低い評価をしていたと思います。
一途な幼馴染は大好きなんです。
リアルにはいないので、二次元限定でね♪

3位 桂樹黛音(φなるあぷろーち2)

1位の千紗とキャラがややかぶっている気がしないでもないですね。
声優も同じですし。
二次元界ではツンデレが未だに大人気で、気の強いキャラがもてはやされていますが、こういう気は弱いけれど、芯のしっかりしている心の強いキャラに惹かれます。
もっとこういうキャラが出てくれると、私はとても嬉しいです。

4位 藤堂加奈(加奈おかえり)

加奈自体もとても魅力的だけれど、何よりその境遇とシナリオに。
それにしても、この1~4位のランクは、本当に私の好みがまるわかりですね
(笑)。

5位 悠木陽菜(フォーチュンアテリアル)

オーガストの幼馴染はいつだって高品質。
保奈美→菜月と続いた萌え幼馴染の系譜を受け継いだ陽菜には、
メイド自慰シーンでノックダウンさせられました。

6位 花咲茜(ダカーポ2プラスシチュエーション)

茜は以前から大好きだったんですよね。まきいづみさんの声によるところが
大きい気もしますけれども。
そんな茜をやっとクリアできる。プラスシチュエーションを買った大きな理由の一つです。
もちろん期待は裏切りませんでした。

7位 鹿島夕美(加奈おかえり)

加奈が主役のこのゲームだけれど、夕美も本当に健気で素敵な女性ですよね。
幼少時のすれ違い含めて、お姉系のキャラデザに似合わず(?)、とても切ないヒロインになっています。
主人公には本当に、この娘が必要だなって思います。


8位 南条寺夢路(シュガスパ)

……シュガスパヒロインの中でも、押しの弱い大和撫子なジジ。
何が良かったのかうまく説明できませんが、『属性』という言葉で
一くくりに出来ない“良さ”を彼女からは感じます。
幼馴染ではあるのだけれど、典型的な幼馴染キャラというわけでもなくて。
わかりやすい属性から外れたキャラ立てが魅力でした。
後、純粋に立ち絵が一番かわいいと思うのです。

9位 小鳥遊まひる(ダカーポ2プラスシチュエーション)

……まひるはシナリオの影響もあるけれど、とっても健気でかわいい後輩(?)なのです。
後、声もとても良かったですね。
こんな娘となら、たとえ●●でも恋愛したいなぁ。そんなふうに思わされたキャラクターでした。

10位 早乙女司(シュガスパ)

……まずは、声優さんに拍手。イントネーションといい、声といい実に良かったです。
ロリ系というか妹系ではあるのですが、お兄ちゃん大好き的過剰な萌えオーラを発しているわけではなく、自然体で付き合える。そんなところに、上記の妹系キャラ以上の萌えを感じました。

ゲームに慣れてくると、「またこの手のキャラか」と思う機会が増えてくるんですよね。
5位にあげた陽菜なんかはその典型ですし、1位の千紗と3位の黛音もある意味似ています。
本当に好みのツボを抑えたタイプならば、似ていたって全然問題にはならないのですが、
シュガスパのように、安易な属性分けを敢えて避けるようなキャラ立ては
とても新鮮で魅力を感じました。


11位以下でも、結乃、クロエ(メモオフ6)、桐葉(フォアテリ)など、
2007年ならベスト10に入っていたレベルの逸材はいました。
萌えヒロインという観点から言えば、2008年プレイゲームは本当に豊作だったと言えます。

CLANNAD クリア(バレあり)

ようやくCLANNADをクリアしました。
ひとまず得点から。

シナリオ 120/150 キャラ 110/150 絵 75/100 音楽 95/100
システム 70/100 思い入れ 30/50 合計 500/650(49位/160ゲームくらい中)

ESにつける点 82


ただ、今回の得点はかなり疑わしいところがあります。
というのも、一度凍結して再びプレイしたゲームなので、
凍結前にクリアした風子、有紀寧、美佐枝に関してははるか忘却の彼方。
やっと再開してからも、原因不明のフリーズやらなにやらに悩まされ、
再開後2ヶ月でようやくクリア。
しかも、2年前の時点では、ギャグが寒くて眠いという評価だったのが、
2年後には感性が変わったのか、ギャグを面白がっている始末。
どちらを信じてつけたものやら……。


Afterストーリーの感想としては、悪くはなかったと思います。
就職→結婚→出産といったテーマをこれほど丁寧に描いたギャルゲーは
おそらくないでしょう。
奇跡云々はありますが、地に足のついた良シナリオだと思います。


一方で、Airにあったような「号泣」シーンというものは、CLANNADにはありませんでした。ことみシナリオエンドでちょっと泣かされましたが、
アフターストーリーでは涙腺にかすりもしませんでした。


では、どこで泣かせてほしかったかといいますと、渚や汐の死よりも、
奇跡が起きて渚が復活したところです。
今作の奇跡は、確かにファンタジーではありますが、Kanonの時とは違い、
プレイヤーに強いる奇跡に至る道のりが極めて遠大なため、
「プレイヤーと、朋也が歩いてきた道のりに対するご褒美」というふうに、素直に受け取ることができました。
より傲慢な言い方をすれば、ここまでのプレイに対する当然の対価、必然の奇跡というか、「与えられた奇跡ではなく、掴み取った奇跡」のように感じたのです。
(注:とはいえ、今作もまた奇跡に論理的必然性はありません。単に、こんだけ頑張ったんだからということで、奇跡を素直に受け止められるというだけの話です)。


ですから、奇跡のシーンはもっとドラマチックでも良かったと思います。
なのに、渚復活のシーンは極めてあっさりしています。
正直、あのあっさり加減では、「渚復活は単なる救済」で、本題は「渚と汐を失った世界」のほうにあるように感じました。
というか、実際にそうなのかも。


では、簡単に各項目についてみていきます。
まずはシナリオ。


渚シナリオ&アフターを中心に、人物ごとの短編が枝葉のように拡がっていくスタイルで、骨組みがしっかりしていたぶん安定感がありました。
特に渚シナリオは、一つの家族の歴史を描いた、大河ドラマのような作品だったと思います。
また、短編の中で秀逸だったのがことみシナリオで、今ゲームで唯一感動させられたシナリオ。涙腺破壊力は相当なものがありました。
テキストも、Airに比べて格段に面白くなっていて、特に春原関連では大いに笑わせていただきました。
短編の中には、やや質の劣るものも見受けられましたが、全てのシナリオが面白いというゲームは、そうそうあるものでもないので、叩くほどのことでもありません。


キャラクター。


やはり、Keyの作品のアキレス腱はここにあるのかなと思いました。
「繰り返しギャグ」に最適な、記号的キャラはハマれば面白いのですが、
逆に言えば人間的な深みを出すのには不向きなのではないかと思います。
たとえば、秋夫と早苗が素敵な夫婦だというのはわかるのですが、
どうしても「私のパンは売り物じゃないんですねー」「さ、さなえーーー」
というやりとりばかりが印象に残ってしまい、シリアスなシーンの印象は薄いです。
愉快だったキャラというと、春原とか風子とかが思い浮かぶのですが、
「愉快」以外の理由で好きなキャラというのはいないかもしれません。強いていうなら有紀寧さんはかわいかったです。
萌えは有紀寧さんくらいかなぁ。後は、椋も好きです。


しつこくて申し訳ないのですが、杏は本当に嫌いです。
人にたかるわ、男を奴隷のように扱うわ、バイクで人をひいて謝りもしない
わ、いったい何様なのかと。
彼女のおかげで、このゲームを2年間も放置しました、
彼女がいなかったらキャラ点が15点くらい上がっていたと思います。
放置したままだったら500点どころか400点にすら到達しませんでしたしね。
それくらい嫌いです。
Keyは主人公をないがしろにするヒロインを毎回必ず出してくるのが、とても嫌だったりします。その中でも杏の痛さは段違いでした。


絵は、ウインドウで見ると、だいぶ巧くなったように思えたのですが、フルスクリーンで見ると相変わらずのいたる絵という気も……。それでもだんだん良くなっている気がします。


音楽は、エンディング曲2曲がとても好きです。BGM曲も良曲が多いです。
風子のテーマ曲と、春原と一緒にいるとよく流れるバカ二人の曲が気に入ってます。


システムは、これも減点対象でした。
一つには、智代シナリオの5月13日のシーンでかなりの確率でフリーズしたこと。
もう一つは、アフターストーリーで行き詰ったことです。
前者は、中古品のため、目に見えない傷でもついていた可能性がありますが、
後者に関しては、どう考えてもシステムの不備のため、10点減点させていただきました。


どうやってクリアしたかといいますと、一端戻ってもう一度渚シナリオをクリアしたんです。
そうしたら、早苗さんの塾のエピソードや秋夫のバスのエピソードが出るようになりました。
でも、そこでまた行き詰ったんです。
そこでもう一度渚シナリオをクリアしたら、今度は風子が出てきました。


なんなんでしょう? さっぱりわかりません。作業ゲーにも程があります。
アフターストーリーが出現したなら、そのままクリアさせてくれないと困ります。アフターストーリーの攻略条件を満たしていないなら、アフターストーリーを選べなくしてほしかったです。
何でもう一度渚をクリアする必要があったのか、理解できません。
10回くらい、雪の中で汐が亡くなるエンディングを見ましたよ……。


さて、最後に気になったのですが、渚復活はいいとして、渚の身体は治ったのでしょうか? それとも、渚も汐もやっぱり病弱のままなんでしょうか?
その辺が気になります。

1月6、7に読んだラノベ

☆スレイヤーズ3巻 評価 C
           4巻    C-
(参考:1巻 評価B- 2巻 評価C)


スレイヤーズについては、相変わらずのパターンなのであまり書くことないです。
ガウリイが相変わらずいい味出してるなぁとは思いましたが。

ただ、4巻はルビの誤植が極めて多かったのはマイナスです。

四章の「ブレスブレード」のルビが軒並み「ブレスプレード」になっていたのを皮切りに「ワイパーン→ワイバーン」「ベーサーカー→バーサーカー」
「スリービング→スリーピング」など、

あまりにも誤植が多くて目に付きました。

誤植なんていうものは、本来作品内容にはあまり関わってくるものではないのですが、
あまりにも多い誤植は「やっつけ作業」、「手抜き」に見えてしまうので
個人的には良い気分はしません。

四章のブレスプレードは、章単位で間違っていたところを見ると、
一括処理をしている可能性が高く、誤植の数を数えることに意味はないかもしれませんが、
ざっと20箇所は誤植があったと思います。

アルバイトで、校正経験がある身としては、ルビ校正の難しさはわかるんです。
でも、それでもアルバイト校正の私がこんなにゴロゴロ見つけてしまうような本は、やはり問題があると思います。


☆イリヤの空、UFOの夏3巻 評価 A+
(参考:1巻 評価A 2巻 評価B)

「無銭飲食列伝」の鉄人定食のくだりには本当に力の入った、良い読み物になっていると思います。

料理の美味しさと、満腹感の辛さ、それでも食べ続ける根性と女の意地、ギャラリーの雰囲気……
それらがまるで、実際に体験しているように伝わってきました。
文章力ももちろんですが、この部分は一種のトランス状態(神が降りてきた状態)で描かれたものなんじゃないかなと思いました。

最後のイリヤの「あかんべー」まで含めて、渾身の力作。
欲を言うなら、ここに挿絵がほしかったところだけど。
ようやくイリヤをかわいいと思えるようになりました。


秋山瑞人という著者は、とにかく皮膚感覚の描写(≒五感の感覚の描写)
が巧いなと感心しています。
3巻最後の、カッターナイフで耳を切るシーンもとても痛くて辛かったです。
惜しむらくは、心理描写についてはそこまでのインパクトがないことと、
イリヤの変貌含む、戦争の描写があまりに急激過ぎることでしょうか。


心理描写については、イリヤと晶穂の描写は良かったのですが、浅羽とイリヤの心理描写は1巻から含めて、それほど良いとは思いません。
イリヤに関してはあの性格のせいもありますし、イリヤ視点からの描写がないからだと思います。浅羽に関してはキャラ立てが弱すぎるように思います。

後者は、確かに伏線などは1巻の時点から張られていて、戦争への布石は打たれてはいました。しかし、完全に戦時下になってからのページ数は驚くほど少なく、イリヤと浅羽を除くキャラクターの描写が薄すぎるせいもあって、どうしても展開が早すぎるように感じます。
戦争が始まった途端にイリヤと浅羽二人の物語になってしまいましたが、晶穂や浅羽の妹などはもっと出てきても良いのではないでしょうか。
目次も、内容からだいぶ離れてきてしまっているように感じます(水前寺応答せよ後編の主演は、イリヤも入ると思う)。


後、極めてどうでもいいことですが、ここでもルビの誤字が目立ちました。
「すいぜんじ」が「すぜんじ」になっている箇所が10個近くありました。


全体的に、「最終兵器彼女」に似ている印象を持っています。
実はこのタイプの物語が私は大好きでして、そのせいもあって評価は相当に高い(A+)のですが、一方でそのサイカノ(S)と比較すると、泣きの点ではまだまだ開きがあるように思いました。


☆推定少女 評価C

うーん。女子中学生というのは、こんなイキモノだったんだっけ?というのが正直な感想。
私は男性なので、男子中学生なら少しはわかる。
少しは、と書いたのは、もちろんもう既に中学を卒業して10年程度の時間が過ぎているから、正確なことはわからないのだけれども。
だけど、今作は女子中学生。そりゃさすがにわからない。
さらに、これは当たり前だけれど、「中学生」なんてひとくくりにしたって、
個々人それぞれが全く違うわけだから、「中学生」をひとまとめに理解しようなんていうのもおこがましい話だ。


ただ、少なくとも過去の自分と比べて考えると、痛さのベクトルが少し違う感じだ。
中学時代の私は私で、それなりに痛い奴だった。作中と共通しているのは白雪を、本人が嫌がっているにもかかわらず「宇宙人」としつこく呼び続けるところ。
無神経な言動に読んでいてストレスが貯まったが、よく考えたら私も中学時代、太っていることを気にしている友人を「まるんけ(丸い+語尾?)」と呼んでいた。正直すまんかった。


横道にずれるけど、大人になってもこういう無神経さを発揮する人って結構いる。自分も中学時代そうだったからあんまり言えないけど、いい加減みっともないので辞めた方がいいと思う。罪のないからかいもしつこすぎたり無神経だったりするとウザいだけだから。


それはともかく、自分を否定したからといって、見ず知らずの人に文句をつけたりとかそういう痛さを発揮したことはない。これはさすがに痛すぎだろと思った。
また、日常生活で抱く漠然とした不安等の心理描写もなんだかおかしい。
主人公はとっくに非日常の世界に送り込まれているのに、日常生活で抱く漠然とした不安なんて訴えている場合ではないと思うのだ。これが、「そんな時代もありました」と懐かしんでいるのならわかる。でもそうじゃなく、主人公は非日常にいながら、日常の不満について考えている。いくらなんでものんきすぎると思うのだ。


中学生の頃の自分を振り返ると、すごく焦っていた印象が強い。
死というものを意識するのも、将来というものを意識するのもこの頃。
死にたくなくて、老いるのも嫌で。身体能力のピークが20歳とか聞かされると、20歳以降はもう自分がどんどん衰えていくような気がしていた。
老いたくないという理由だけで、自殺したいとすら思った。
心臓が一回鼓動するたびに、命のしずくがこぼれだしていく気がしていた。

大人というのは汚いものだと思っていた。
でもそれは、大人が汚いというよりは、汚くならなければ生きていけないものなのだと思っていた。
それは未来の負け犬になった自分を先取りしているように思えて、だから必要以上に嫌った。彼らは憎むべき相手ではなく、かわいそうな人たちだった。


そうして、心を汚して、身体もどんどん老いていって死んでいくんだなと考えると、大人になるのがたまらなく嫌だった。
14歳の誕生日に、もうこれ以上歳をとりたくないと強く思ったことを覚えている。自分は29歳で死にたいとも思っていた。
下世話な話をすると、私は13歳で「生えてきた」んだけれど、とんでもなく嫌でしたよ。一歩一歩着実に大人になっていくことが、たまらなく。


そんな暗さと、バカさ、無邪気さが同居していたのが中学時代。
廊下でサッカーをしてガラスを割ったり、友達とクラスの女の子の品評会をしたり、みんなで集まって中間テスト対策と称したトランプ大会を行ったり、
誰かがAVなんかを手に入れると、みんなで試写会を行ったり。


それに、数学の授業で当てられるのが嫌だとか、体育の授業が嫌だとかそういった日常的な嫌なこともあって、
次元の違う2種類の嫌なことと、妙な楽しさが入り混じっていた時代が、
私にとっての中学生時代なんですね。


そんな中学生だった私にとって、この本の主人公の「中学生」はあまり共感できませんでした。
もちろんいろんな「中学生」があって、いいと思うんですけど、
小説に出てくる「○学生」に違和感を覚えた経験って意外と少なくて、
今回が二度目なんです。それくらい、変な感じがしました。

しかし、輪をかけてひどいのが大人キャラ。みんなDQNすぎ、汚れすぎ。


でもこの作品に出てくる大人は、そんな次元ではなく本当に無神経で関わりたくない連中ばかり。
登場キャラのほとんどが嫌いで、主人公もあまり好きじゃなかったので
読んでいてストレスが溜まりました。


最後のオーガスト的超展開にいたっては、何が何やらよくわからないんですが
……。


良かった点は、「寂しさ」の描写は共感できました。携帯電話を落とすことによって心細くなったとか、そういうのは巧いなと。でも、それくらいかなぁ。

後、それこそ汚れた感性で楽しむなら、主人公の女の子の無垢さと、
周りの大人が揃って色基地外なことから、エロい妄想をしながら読む楽しさもあるにはあるんだけど……なんか、ファミ通文庫の本に対して、そんな楽しみ方ができる、微妙にロリコンな自分がとても嫌です(笑)。





桜庭さんの作品を追いかけるつもりなのですが、予想していた以上に微妙な感じでした。
「マーメイドの季節」は割に好きだったんですけどね。

12月30~1月2に読んだライトノベル

みなさん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


読んだ本

☆スレイヤーズ1巻 評価 B-
       2巻    C+

ラノベの古典ということで、読んでみました。

良くも悪くも「ライト」ノベルだなと思いました。
良いところを言えば、スラスラとテンポ良く、あっという間に読めること。
悪いところは内容がそれほど濃くないことでしょうか。
電車内の時間つぶしなどには最適かもしれません。
一応、本編15巻は追いかけようと思います(まとめ買いしちゃったし)。


☆大沢さんに好かれたい 評価 B-

前半はA-
後半はC。

桑島氏の小説で初めての萌えキャラ(私が萌えたキャラが初めてということ)である大沢さんに、性格は微妙でも絵が超絶かわいい飛鳥も含めた
三角関係はなかなか楽しく読めました。

ただ、「転」の部分である主人公が評判を落とすシーンは、
いくらなんでも理由がおかしいでしょ。
あんな、飛鳥に迫られてあわあわする主人公が、あまり萌えないキャラとはいえ、k(年下の女の子)と一緒にシャワー浴びて冷静とかありえんでしょ。
というか、そもそもkと一緒にシャワー浴びてるってのもありえんでしょ。
それを目撃されて主人公の評判が落ちるわけですが。

後、終わり方も納得いかねーです。ハッピーエンド主義者ではないですが、
余韻のないバッドエンドは嫌いなのです。


☆SHINO 黒き魂の少女 評価 C

かなーり微妙。
まず、主人公である「僕」が文章中で延々と考えを書くのだけれど、
その考え方があまりにも「優等生的」というか、「一般論」で、
ちょっぴり一般からズレている私としては……ごめん、ちょっと気持ち悪いと思ってしまいました。


(ただし、主人公以外まともなキャラがいないため、「優等生」がいないと偏ってしまうというのは理解できます)。

また、一応ミステリの体裁ではあるんですけど、1つ1つの事件に割くページ数が少ないこともあって、「ふーん」で終わってしまうような。
大して斬新なネタでもないですし……。

志乃に萌える話なのかな?とも思ったけれど、残念ながら萌えの琴線にもあまり触れず。

一応、一緒に買ったので2巻も読むつもりですが、2巻も同じ感じなら3巻は読まない確率が高そうです。


☆吉永さん家のガーゴイル1巻 評価 B+
            2巻    B

ドタバタコメディ+ちょっといいハナシ。

なまじ中途半端にホロリとさせてくれるだけの力があるために、
重厚感にかけるシナリオに物足りなさも感じます。
(ただし、ドタバタコメディに重厚感云々を求めるのがお門違いなことも
重々承知しております)。
特にバトル描写はいらない気がしてなりません(ガーゴイルVS百式みたいな、ドタバタの延長上のバトルは有りだけど)。


吉永さん一家、ガーゴイル、百式、町内のみなさんなど、
愛嬌にあふれるキャラクターの織り成すのどかなコメディとしても面白いですし、ちょっといい話な部分も、良かったです(特に1巻の方)。

一応10巻まで買ったので続きも読みます。

☆イリヤの空UFOの夏1巻 評価A
         2巻   B

ごく普通の少年に迫りつつある、不気味な戦争の影、という設定にまんまと引き込まれました。
特に1巻は、先が気になってすぐに読んでしまいました。
一方、この状況に慣れてきた2巻は少々中だるみもしましたが、学園祭の楽しげな雰囲気は伝わってきました。

敢えて足りない点を挙げれば、萌えでしょうかね。イリヤか晶穂か夕子か
誰かお気に入りがいればさらに良かったかも。
何はともあれ、3巻も楽しみです(3巻まで買った)。


☆戦う司書と恋する爆弾 評価A

プロットが本当にすばらしい作品でした。
主人公とヒロインの繋がりも本当に素敵でしたし、登場時は重要でなさそうだったパン屋さんが実は重要キャラだったり。
敵の張り巡らした罠も、実に見事でしたし。

特にすごいなと思ったのは、主人公ーヒロイン関係と、本屋さんについて。
私は絶対、本屋さんが黒幕だと思っていたんですが、違っていたんですね。
それだけじゃなく、この作者、
読者が「黒幕は本屋さんじゃね?」と思うのを予測していたような節があるんですよね。次巻への繋ぎの意味も大きいのでしょうが、最後、思わせぶりに本屋さんを出してきていますし。
なんというか、作者の手の中で踊らされた気分です。

この作品は続きは買っていないのだけれど、
続きもこれと同じくらい面白いなら読みたいですね。

☆ブギーポップは笑わない 評価A+

噂にたがわぬ名作でした。
ザッピングというのをこれほど見事に使った小説を私は知りません。
伏線の巧みさに驚かされたのはもちろん、登場人物や雰囲気もまた魅力的でした。
特に気に入ったのは、紙木城や藤花、ブギーポップ、マンティコア、早乙女など。こんなこと言っちゃあれかもですが、マンティコアがかわいいです。人外のものに萌えるとは不覚。

雰囲気を盛り上げ、ザッピングを成功させたのは、「噂」というアイテムを効果的に使ったからだと思います。
閉鎖社会に蔓延する「噂」は、とかく実態とは離れていくもの。
視点変更とそれに伴う「見え方の違い」を読者に提示する上で、非常に効果的に機能したといえます。

これもまた続きは買っていないのだけれど、これくらい面白いなら
迷わず読みたいですね。
ただ、続きを買っていない本については、とりあえず買った本を消化してから考えます。


CLANNADやれよとか屍鬼はどうしたんだとか、いろいろ言いたいこともあるかもしれませんが(笑)、
マイペースにやっていきたいと思います。

今は、「犬神家の一族」を読んでおります。

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