2009年02月

「はだかの太陽」読了

著者はアイザック・アシモフ。評価は

名作。その一言に尽きる。SFが好きな人は是非、読むべき一作。

あらすじ↓

人間1人につき50体のロボットが割り当てられる惑星ソラリスで、
殺人事件が発生した。
被害者が死亡した当初、近辺にいたのは大量のロボットと彼の妻のみ。
ロボットの回路は「人を殺してはいけない」という命令が刻み込まれている。
死体は棒状の凶器で撲殺されたのだが、凶器は未発見。
犯人は彼の妻なのか? そして、凶器はいったい何なのか?



というのが、『ミステリ』としてのあらすじ。
ちなみに、これの種明かしがこれまた実に面白いのだが、
正統派ミステリとはかけ離れているので、ミステリファンが楽しめるかどうかは不明。
私見だが、「古畑任三郎」的な香りがするミステリである。


ただ、それだけに終わらないのがアシモフ作品の素敵なところ。
ロボットへの深い洞察と、惑星の社会学的考察。
そして、ラストの壮大な締め。


面白い作品は数あれど、「この本を読めてよかった」と思える作品は
年に数冊程度。
そんな数少ない一冊に出会うことができた。


なお、この作品は「鋼鉄都市」(評価A)の続編に当たる。
こちらを読まなくても話は通じるとは思うが、登場人物も共通するし、
これまた面白い作品なので、興味があればぜひ2冊とも手にとってほしい。



手元にある積み本が膨大なため、しばらくは読めそうにないが、
来年か再来年か。アシモフ作品を片っ端から読んでみようと思う。



余談:今年はゲームではなく読書を優先する予定なので、
年末は「ゲームベスト10」ではなく「読書ベスト20」でもやろうかと思っている。

ちなみに、ここでもう一度書いておくと、「ゲームを引退する気はない」。
なんと、2009年に入ってから2度もゲームをプレイしている夢を見たくらい。
全然興味を失ってはいないので、そちらの記事を楽しみにしている方も、気長に見守ってくださるとありがたいです。

たまにはサッカーの話題でも

最近サッカーの話題を書いていないので、まとめて今シーズンの感想を書いてみる。


☆スペイン

WOWOWに入っているので、問題なく見られる。

シーズン開幕前の予想とは、だいぶ様相が異なっている。
まず、バルセロナの異常なまでの強さ。これは予想できなかった。
ロナウジーニョが抜けたことにより、過剰なまでのメッシ、エトー依存症に陥ると予測していた。負傷の多い2選手に頼りきりという極めてリスクの高いシーズンになると思ったものだ。
また、新監督グアルディオラの手腕にも疑問を持っていた。
開幕のヌマンシアに黒星を喫したとき、予感が的中したとさえ思ったものだ。
確かに、メッシ依存は依然として不安定な要素のひとつだ。だが、エトーの不在に関してはどうやら問題がなさそうだ。

間違いなく、今シーズンの優勝はバルサで決まりだろう。


レアルの凋落はある意味予想通りだ。開幕前、C.ロナウドの獲得に固執してロビーニョを失った時点で、サイドアタッカー不足は眼を覆わんばかり。
そこを持ってきてこの負傷者の多さ。これでは優勝しろと言うほうが無理な話だ。


予想外だったのはバレンシアの好調だ。やはりビジャ、アルベルダが揃えばそうそう負けはしないということか。
GKレナンの安定感も特筆したい。


ビジャレアルには失望させられた。成績よりも、華麗なパスサッカーを失ってしまったことの方が悲しい。ピレス、ロッシ、カソルラは悪くないのだが……。


セビリアにもやや失望気味だ。シーズン開幕前、私はバルサ・レアル・セビリアの3チームのうちから優勝チームが出ると思っていた。
CLの負担もとれた今年、2シーズン前の輝きを取り戻してくれると期待したのだ。
確かに、セビリアはここまで好成績を維持しており、ある意味では成功を収めているといえる。だが、サッカーの内容は堅守を軸にした面白みのないものに変質してしまった。


バルセロナの異次元の強さに覆い隠されているが、今年のスペインは去年に比べると魅力のある中堅チームが減っている印象だ。


☆イングランド

BSに入っている+友人KON氏(Jスポーツ加入)のビデオで見ている。

結局は、ユナイテッドなのか。

開幕当初、異次元の強さを見せていたのはスコラーリのチェルシーだった。
新加入のデコ、ボシングワがすばらしく、内容的にも美しいサッカーで勝利を積み重ねていった。

リバプールもすばらしかった。こちらもリエラの補強が当たり、復活したアロンソと、一段凄みを増したマスチェラーノ。献身的なカイトが絡み合い、
リバプールらしからぬ楽しいサッカーを見せていた。


アーセナルについては言うまい。開幕前からわかっていたことだ。
サイドアタッカーが全くいないのに、補強がナスリだけだった時点で
「やる気がない」ことくらいは。
とにかく、ファンを辞めようと本気で考えるくらい絶望した。
今年のアーセナルからは美しさをほとんど感じることができない。
チェルシーに勝った、ユナイテッドに勝った。でも、美しいサッカーでないなら意味なんてない。

そんな中、ビラの躍進はある程度予想していたとはいえ、それでも驚かされた。
開幕前、ビラは4強に食い込むかもしれないと思っていた。具体的にはアーセナルを脅かす存在になる、と。
だが、まさかチェルシーの上を行くとは。
これも、オニールという有能な指揮官に長くチームを任せている成果だろう。
継続性こそ、他国の強豪チームのほとんどが持たないプレミアの力。
スコラーリを見限った某チームや、カペッロ、シュスターを切った白いチームも見習ってもらいたいものだ。


継続性というならエバートンだってそうだ。4強だって、チェルシー以外は皆継続的性を持っているし、
他国で言うならブレーメン、ビジャレアル、ミランいずれも成果を収めている。


それにしても、ユナイテッドは強い。今年は私の好きなテベっさんの出番が少なく、さびしいが、ルーニー・ベルバトフの2トップだってなかなかのものだ。
それに何よりあの鉄壁の守備。リオ・ビディッチ・エブラ、それに驚きはあのラファエルだ。


一方、下位に目を転じると、スパーズの無計画ぶりには唖然とさせられる。
開幕前、調子に乗ってFWを大量放出した結果の低迷。
そして冬の市場では過去に放出した選手を大量に獲得。
何がしたいのかさっぱりわからないが、フロントの愚かさが成功への道を阻んでいることは間違いないといえる。


☆イタリア

イタリアについては見る機会が少ないが、何試合かは見ている。


まず、気になるのは恐ろしいほどの誤審の数。
再び八百長スキャンダルでもあるんじゃないかと思えるくらい、強豪チームに対する有利な笛が目立つ。

何せ、私が見た7~8試合で、6つか7つの得点に絡む誤審があった。1試合平均1点だ。あまりに酷い。
恩恵を受けているのはユベントスとインテルだ。他にローマが受けていた試合もあった。
単にレベルが低いだけなのかもしれないが、過去の甘甘裁定のせいもあって、
疑念が消せない。


目立つのはナポリとジェノア。ラベッシとディエゴ・ミリート、2人のアルゼンチン人の活躍に注目している。
他には、「リベンジ組」の活躍が目立っている。


インテルのアドリアーノは、8割方パフォーマンスを取り戻したようだ。
さすが名将モウリーニョの人身掌握術といったところだろう。
ミランではすっかりダメダメだったジラルディーノもすばらしい。
有能なFWだったということを再認識させられた。
ローマのジュリオ・バチスタ、ブリーギ2人の活躍も目立つ。
前者はそこそこの活躍を見せていたもののレアルを追われ、
ブリーギは期待の若手といわれながらこれまで目立った活躍はなかった。
ボローニャで孤軍奮闘を続けるディバイオの働きは涙ぐましいものがある。
この男一人の働きで、ボローニャはセリエAに留まるだろう。
そして忘れてはならないのが、カターニャの森本。ユベントス戦を見たが、
すっかりカターニャのエースとして君臨しているように映った。


☆ドイツ

実はハイライトでしか見ていない。

ホッフェンハイムに尽きる。開幕前、ワールドサッカーダイジェストのシュルツェ記者が、ホッフェンハイムを取り上げていたのを思い出す。
そこで初めて興味を持ったのだが、まさかここまでの躍進を見せるとは。
冬の中断期間に大黒柱のイビセビッチが負傷。ここからは苦戦を予想されるが、それにしてもすばらしい。
監督がランクニックということで、残留はできると踏んでいたがこの順位とは恐れ入った。

だが、現在首位に立っているのはヘルタ・ベルリンだ。
ここでも継続性が顔を出す。確かスイス人の指揮官ファーブルは、就任当初
低迷し、えらく叩かれていたと記憶している。
とっくに解任されたものとばかり思っていたが、フロントは彼を信頼し続け、
今日まで指揮を任せてきたのだ。
その結実なのだろう。

ただ、継続性は継続性でもブレーメンはどうも元気がないようだ。
元々ジエゴ依存のチームで、クローゼが抜けた後は前線の核を失っている。
とはいえ、過去数シーズンを見てもわかるとおり、しばらくはシャーフに任せるのが最善策のように思う。


☆フランス

実はハイライトでしか見ていない。CLでは見たけれど。

パリ・サンジェルマンの復権、ボルドーの変身もあるが、
結局は今年もリヨンか。
だが、フランスリーグで最も輝いているのはボルドーのグルキュフだと思う。
ミランではそれほど活躍できなかったが、素晴らしい才能の持ち主だ。

☆オランダ

実は全く見ていない。

AZが首位に立っている。それだけでワクワクしてしまう。
ファンハールは過小評価されていると考えている私にとって、この結果は本当に喜ばしい。
フェイエノールトはとうに失墜し、今年はPSVも相当に低迷している。


オイルクラッシュ読了

著者はポール・アードマン。評価はB。
金融に興味がある方はAかも。


70年代後半の中東と、それを取り巻く世界的な金融情勢を取り扱った小説です。
私は金融に興味がないので、最初のほうはかなり退屈だったのですが、300ページを過ぎたあたりから
(金融に興味がない私にも)不穏な空気が感じられ始め、一気に引き込まれました。


アメリカの小説で、敵がイランというのはちょっとどうなの?とか、
存命中の人物を悪く書くのはどうなの?という疑問はありましたが、
面白かったのは間違いありません。


歴史と金融に興味がある方にはとてもお勧めの作品です。

ただ、女性キャラはほとんど出てこない上に、出てくるときにはいつもSEX絡みなので、女性読者からすると不愉快な思いをするかもしれません。
私は女性ではないのでわかりませんが、男の『仕事と酒とお金と女』な世界観が漂っていますので。

鋼鉄都市 読了

著者はアイザック・アシモフ。評価はA。

元々アシモフの短編は2作ほど読んだことがあったので、
それなりの期待はしていました。
今回もやはり面白かったです。

ストーリーは、1つの殺人事件を、刑事が相棒のロボットと共に解決していくというお話。
ミステリ仕立てのSFです。
ロボットへの劣等感。そこから来る差別意識などの描写が極めて巧く、
そんなロボットと絆を深めていく(?)主人公の描写も心温まります。

本格ミステリではないので、犯人は「やっぱりあの人だったか」レベルではありますが、ロボットSFとしては極めて優れた作品だと思いました。

また、直前に読んだ「人間がいっぱい」が救いようのない未来を描いていたのに対し、
こちらは、危機に瀕しながらも希望の持てる未来だったので、「お口直し」的にも良かったと思います(笑)。

「人間がいっぱい」読了

著者はハリー・ハリスン。評価はB+。

タイトルからは想像できないシリアスなSFでした。
SFというかホラーというか……。
人間の愚かさ、醜さがかみ締められます。

人口爆発、地球温暖化、危機的な食糧難、高齢化、失業者、過重労働……。

そんなニューヨークを舞台に、主人公のアンディとヒロインのシャールの恋愛から破局までを描いた(、と書くと、それがテーマみたいに思われて誤解を招くかな?)力作。


自ら住みにくい世の中を作り、自らを苦しめるだけに飽き足らず、
他人をも巻き添えにしていく。
ソル老人のような賢者が警鐘を鳴らしても誰も省みることなく、滅びの道を進んでいく。

ただ、暗いだけではなく、初登場時のシャールはえらくセクシーですし、
メリハリがついていたのも高評価の理由。


ちなみに、同著者の「宇宙兵ブルース」の評価はB-。

こちらはナンセンスギャグ作品で、作風はまるで違うのですが、
都市のゴミ問題とか、戦争を好む人間の愚かさなんかは描写されていました。
まぁ、どちらかというと独特の罵倒語
「びびんちょ!」のイメージが強いんですけどね(笑)
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