2010年08月

「うみねこEP7」感想

ESに書いてきたことをそのままコピペ↓


「絶望ファンタジーVSアンチファンタジー(VSハッピーファンタジー)」。
絶対にアンチファンタジーで終わるんだろうと思っていたのですが、
どうやらその先にある『ハッピーファンタジー』で終わりそうな気配ですね。


となると、密室トリックなどは端からどうでもよくなってくるわけなんですが、
じゃあ今まで延々と面白くもない、それこそ『真のテーマを覆い隠す包装の部分』の描写にどれだけ文字数を割いているのかと。


もちろん『包装』が豪華でないと、送り手(読者)は騙されないわけですが、
それにしたって限度がありませんか?
その『包装』が目を楽しませる綺麗な包装ならいいのですが、僕にとっては単純に真実を隠蔽するだけの、冗長で無駄な包装のように思えました。
もし僕が予想している内容だったとしたら、EPが3つか4つもあれば十分描ける内容だったと思うのです。


何より。ファンタジーの部分に魅力がないって、このテーマで描くなら致命的なんじゃないのかなぁ。



ただ、まだ1つのエピソードが残っているわけなので、↑の内容が全て僕の勘違いであればいいなと思ってもいます。


PS
アンチファンタジーと見せかけて、実はハッピーファンタジー、という試み自体は面白いと思います。
ただ、そのカタルシスが、あの退屈な長時間に見合ったものかといわれると疑問なのです。

「殺人保険」読了

著者はジェームズ・ケイン。評価は A+


人妻に誘惑され不倫の道を歩く主人公は、人妻と共謀して保険金目当ての夫殺害を実行する。
しかし、あれだけ相思相愛に見えた二人は、夫を殺害するや否や双方の心に疑念が浮かび、
ついに殺し合いへと至る。
更に、主人公は人妻の義理の娘ローラ(殺した夫の実娘)に恋をし、ローラの恋人だった青年を人妻が誘惑するという、泥沼恋愛模様が持ち上がる。


愛する女性のために人をも殺すというのはもちろんどうかと思うが、根っこが単純というか正直な主人公に対し、女性陣の、特に人妻の悪女ぶりは圧巻の一言。
また、主人公が犯人のため、自業自得とはいえ、どんどん追い詰められていく展開はホラー小説さながらの緊張を読者に与えるだろう。
何より、こんなどうしょうもない主人公を読み手に共感させる描写力。これはひとえに、(たとえ変心は早いにしても)愛する女に対しては真っ正直で、全てをなげうつような激しく誠実な(他の人に対してはちっとも誠実ではないが)気持ちが、読み手の心をわしづかみにするからだろう。
性質の悪い女に遊ばれた経験を持つ私としては、「バカだなぁ……」と思いながらもその女の言いなりにあれこれ動く主人公の気持ちが、実によく共感できるのだ。


同著者の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」と、展開的にあまり変わり映えしないのが唯一の欠点だが、
裏を返せば「郵便配達~」が気に入れば本書も、本書が気に入れば「郵便配達~」も気に入る可能性が高いと言えるだろう。

「アイ・アム・レジェンド」読了

著者はリチャード・マシスン。評価はA。


ウィル・スミス主演の映画版(評価 C-)が有名なのが、かわいそうに思えるくらいの良作。
あの映画は、設定のほんの一部だけを借り受けたパロディでしかない。


なぜニンニクなのか、なぜ十字架なのか、なぜ杭なのか。
吸血鬼の生態を徹底的に解明しようと試みた作品であり、一人称・三人称の使い分けによって
巧みに主人公の心理を描き出した上質のサイコホラー作品でもある。

ラスト、主客が転倒する。
恐怖の存在であったはずのドラキュラが多数派を占めるにつれ、唯一の生き残りである主人公こそが、
ドラキュラにとっての『ホラー伝説』となる。


余談だが、スティーブン・キングの「シャイニング」をオマージュしたという小野不由美の「屍鬼」は、
「シャイニング」よりもむしろ、「アイ・アム・レジェンド」に似ている。

あの極めて低レベルな映画版ではなく、ぜひ小説版を読んでもらいたい。
心からそう思う。

「高慢と偏見」ドラマ版と映画版(「プライドと偏見」)感想

ドラマ版の評価はA。映画版はB。


「総評」

全体的に、物語の完成度はドラマ版の方が上。
4時間半の尺をたっぷり使って、丁寧に原作を再現したドラマ版に比べ
2時間でやった映画版は駆け足ぶりが目立つ。

キャラクターに関しては各々見ていくが、ドラマ版は総じて個性が豊か。
良い人は本当に良い人、キモキャラはマジでキモいといった具合に、良くも悪くもデフォルメされている。
映画版の方が『現実』に近く、ドラマ版の方が『フィクション』チックである。


主人公のエリザベスは、映画版の圧勝。ドラマ版の方は少々おばさんくさいのに対し、映画版は相当かわいい。また、ドラマ版の方がやや気が強く設定されている。


相手役のダーシーは、ドラマ版の勝利。あまりにもカッコ良すぎる。ただし、映画版のダーシーも捨てたものではない。ドラマ版は『傲慢な男が、その傲慢さを改め、頑張って好青年になろうとする』さまがうまく描けている。映画版は『人見知りで、初対面の相手とうまくしゃべれない青年が、頑張って想いを伝えようとする』さまが描かれており、キャラクター像自体が相当に異なる。原作に近いのはドラマ版であるが、映画版は映画版で良い。


長女のジェーンは、ドラマ版の圧勝。かわいすぎる。映画版はイマイチ。姉妹たちは、ドラマ版ではブサ(というか普通)であり、映画版ではそれぞれかわいい。かわいさと並んでDQNさも大事な役回りなので、「信じられないあばずれ」(ドラマ)か「かわいいけれどおてんばがすぎる」(映画)か、どちらが上かは好みの分かれるところ。原作に近いのはドラマかな。


Mrビングリーは互角か、ややドラマ版。ドラマ版のビングリーは落ち着いた好青年。映画版のビングリーは、ちょっとやんちゃさの残るかわいいタイプの好青年。どちらもアリだろう。ビングリー妹はドラマ版。というか、映画版ではビングリー妹の出番がカットされすぎ。


コリンズは断然ドラマ版。「キモいけど笑える」ドラマ版と、「冴えない小男」の映画版。
パパとママも、断然ドラマ版。パパの皮肉が、映画版ではかなりカットされていて寂しい。
ママも、映画でも十分ウザキャラだが、ドラマ版で見せた強烈なウザキャラぶりは薄まっている。


と、こう見ていくとやっぱりドラマの方がよかったかな。
ただ、ラストの告白シーン(一番のクライマックス)は映画の方がじーんと来たという事実もある。
それぞれ味付けがだいぶ違うので、時間があれば両方見てみるのもありかもしれない。

ワールドカップ・ベスト11対談

昨日、某しゃぶしゃぶ屋にて友人のK氏とワールドカップについて振り返ってまいりました。その旨を抜粋してご紹介します。

【GK】

fee(以下F):まずGKに関してだけど……

K氏:ベナーリオ(スイス)一択で!

F:確かにベナーリオは良かった。結局、グループリーグで1失点だけだし。でも、僕としてはノイアー(ドイツ)を挙げたいな。

K氏:ノイアーも良かった。でもやっぱりベナーリオだな。

F:他に印象に残ったGKといえば、カシージャス(スペイン)ムスレラ(ウルグアイ)エムボリ(アルジェリア)かな。

K氏:ベナーリオ、カシージャス、ノイアーの3人がビッグ3だろう。

F:スペインを優勝に導いたのはカシージャスとビジャの功績が特に大きいよね。ムスレラは3位決定戦のパフォーマンスは酷かったけど、後は良かった。

K氏:ところでエムボリって誰?

F:アルジェリアの第2Gk。

K氏:あー、アルジェリアはダイジェストでしか見ていないんだった。

F:アメリカ戦以外は見なくて良いかと。悪かったGKというと、何と言ってもグリーン(イングランド)、シャウシ(アルジェリア)…

K氏:グリーンはネタでしかないなあ。なんでジェームズを最初から使わなかったんだろ。イングランドは本当に不作だよな。

F:ジェームズ、ハート、カークランド、試合にも出ていないフォスターくらいしか思いつかない。ジェームズはもう年だし、ロビンソンは引退しちゃったし。

K氏:ハートに期待かな。シャウシってのもスロベニア戦でポロリしちゃったGKだっけ?

F:そうそう。韓国のチャン・ソンリョンも良くなかったよ。ウルグアイ戦の1点目はミスだもん。

K氏:韓国は前任のおっさん(イ・ウンジェ)が良かったのにな。

F:屋台でラーメン売ってそうなおっさんね。でも、イ・ウンジェは安定していたよね。

【DF】

F:次にCB。僕はフリードリヒ(ドイツ)。メッシを完全に封じたアルゼンチン戦の活躍が印象深い。後はダシルバ(パラグアイ)

K氏:でもさー、CBって選びにくくない? そんな傑出したパフォーマンスってないじゃん。

F:確かに。こういう時は成績を考慮して挙げていくと、
プジョル、ピケ(スペイン)……。

K氏:その2人でいいじゃん。

F:まぁ、良かったもんね。この2人。サイドバックは…

K氏:俺はコエントラン(ポルトガル)が素晴らしいと思ったよ。見ていて一番安定していた。

F:良かったとは思うけど、ベストかねぇ? でも、左サイドバックは人材難だし、コエントランでもいいっちゃいいけどね。他に良かったのってバストス(ブラジル)くらいしか思いつかない。カプテビラ(スペイン)もボアテンク(ドイツ)もイマイチだったし、バドシュトゥバー(ドイツ)なんて酷かったし……。ジオ(オランダ)はウルグアイ戦は凄いシュート決めたけど…。

K氏:世界的に人材不足だね。

F:右はラーム(ドイツ)マイコン(ブラジル)の一騎打ちか。

K氏:ラームかな。

F:僕もラーム。後、セルヒオ・ラモス(スペイン)も良かったよ。そうだ、ラームを左に回して、右にラモスを……。

K氏:いや、コエントランは外せん!

F;了解、じゃあコエントランとラームで。

ベストではないけど、名前が挙がった選手→マルケス、サルシド(メキシコ)

【MF】

F:MFだけど、まずシステムをどうするか…。4-3-3が主流だったけど、一方で今大会はFWの活躍が目立ったよね。4-3-3だとFWが1人しか選べない。かといって4-4-2はウルグアイとか、ごく一部のチームしか使ってなかったよね。

K氏:どうしたもんかな……。

F:まぁ、最低でもボランチは2人いるだろうし、サイドハーフ・もしくはウイングはそれぞれ1人ずつ必要じゃないか?

K氏;どのフォメでもそうだね。じゃあまずボランチだけど…

F;シュバインシュタイガー(ドイツ)でしょう。

K氏;間違いないな。彼には本当に驚かされた。バイエルンは見られないんだけど、あそこまでとは。

F;バラックの不在を完全に忘れさせる出来だった。それから、ザビ(・エルナンデス)も入れたい。

K氏;ザビも素晴らしかったけど、ボランチか?

F;まぁ、センターハーフだけどさ。ってか、シュバイニーだってセンターハーフじゃない?それに、ブスケッツやザビ・アロンソよりはザビでしょ。

K氏;まぁなぁ……。

F;他に良かったのは、ケディラ(ドイツ)。ただ、シュバイニーほどじゃないよね。あ、後一人忘れてた。

K氏;誰?

F;フェリペ・メロ(ブラジル)

K氏・F:(爆笑)

K氏:GKがグリーンで、MFはメロかよw

F;後は、決勝は酷かったけど、デヨング(オランダ)も良かったよ。

K氏;良かったっちゃ良かったけど、決勝のあの飛び蹴りだけで全ては台無しでしょ。格闘家目指したほうがいいんじゃないのか?

F;同感。あれにレッドを出さないハワード・ウェブも酷い。(その後、暫く脱線)

F:サイドハーフだけど…今大会、真に不作だったのはサイドアタッカーだと思う。ほんとーに、いない。

K氏;2人選ぶの辛いかもしれんね。ロッベン(オランダ)くらいか?

F:ロッベンは良かったけど、今大会のロッベンはサイドアタッカーではなかったよね。でもまぁ、左はロッベンかな。

K氏;イニエスタ(スペイン)は?優勝を決めたゴールは彼だ。

F:パラグアイ戦といい、決勝といい、決定的な仕事をしたのは認めるけど、そこまでじゃなかったでしょ。……でも、ロッベンも、考えてみれば予選リーグはほとんど欠場してるんだよな。

K氏:悩ましいな。

F;他にはカイト(オランダ)…

K氏;カイトはうん、良かったよ。いつもどおり良かった。

F;ベストに入れるにはキツイな。あ、テベス(アルゼンチン)も今回はサイドアタッカーだったぞ。アルゼンチンはメッシテベスだけだった。

K氏:テベスは確かに。ロッベン、イニエスタ、テベス……決め手はないけど……。

F;まぁ、とりあえずロッベンで。

K氏:大事な奴を忘れてた。ミュラー(ドイツ)は入れたい。大会始まる前まで1~2試合しか見たことがなかったんだが、こんなに凄い選手だったとは。

F;じゃあもう1人はミュラーで異議なし。エジル(ドイツ)より良かった。

K氏;いやいや、エジル入れたいぞ。

F;じゃあトップ下を置いた4-5-1ってことにしよう。でも、個人的にはエジルよりメッシ(アルゼンチン)。ほとんど彼の独力でアルゼンチンをベスト8に導いた功績は忘れちゃいけない。

K氏;カカー(ブラジル)やクリロナ(ポルトガル)といった面子が期待はずれだった中で、メッシだけは良かったからな。ただ、メッシは期待が大きいだけに、もっともっと上を期待してしまうんよ。メッシにはもっとゴールに近い位置でプレイさせてほしい。あんなに後ろに下がっていて、それでゴールまで求めるなんて、酷すぎるよ。

F;後はスナイデル(オランダ)

K氏;エジルメッシに比べると…。

F;ベストとかじゃないんだけど、ウイングらしいウイングといえば、クラシッチ(セルビア)は印象に残ったよ。

K氏;ドイツ戦は凄かった。

F;後、ボランチでいうとプリンス・ボアテンク(ガーナ)。プリンスって柄かよとは思ったけど。そういえばガーナにはもう1人プリンスがいたよね。プリンス・タゴエ…(以下脱線)

ベストではないけど、名前が挙がった選手→ドノバン(アメリカ)、デンプシー(アメリカ)、ヘスス・ナバス(スペイン)、アルティドール(アメリカ)

【FW編】

F:いいFWがあんなにいたのに、1人しか選べないのか……

K氏;ほんとだよな。でも1人だけを選ぶとなると……

2人:フォルラン(ウルグアイ)

F:もう1人選んでいいなら、クローゼ(ドイツ)なんだけど。

K氏:俺もクローゼだな。

F;スアレス(ウルグアイ)、ギャン(ガーナ)スアレスはハンドはあったけど。

K氏;まぁ確かに(笑)


注;なぜか2人ともビジャを完全に忘れてました(謝)

ベスト11(fee)                (K氏)

GK ノイアー(ドイツ)             ベナーリオ(スイス)
DF フリードリヒ(ドイツ)           プジョル(スペイン)
   プジョル(スペイン)           ピケ(スペイン)
   ラーム(ドイツ)              ラーム(ドイツ)
   セルヒオ・ラモス(スペイン)       コエントラン(ポルトガル)
MF シュバインシュタイガー(ドイツ)シュバインシュタイガー(ドイツ)
   ザビ・エルナンデス(スペイン) ザビ・エルナンデス(スペイン)
   ミュラー(ドイツ)            ミュラー(ドイツ)
   メッシ(アルゼンチン)        エジル(ドイツ)
   ロッベン(オランダ)         ロッベン(オランダ)
FW フォルラン(ウルグアイ)     フォルラン(ウルグアイ)


他にもいろいろ話しましたが、割愛させていただきます。
記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

プロフィール

fee

カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ