コメントありがとうございます!
字数制限が厄介なので、1つ記事を設けて書かせていただきます。
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>> 2点、気になる点があります。
> 1つは、兄殺し(親族殺し)が、
> 今作で打ち出された大きな3つのテーマの1つであるという点です。
> 「テーマ」だというのなら、作者はそれをテーマにして、
> 何を読者に訴えたかったのでしょうか?
僕が使った「テーマ」という単語が、不適切だったかもしれません。
テーマというよりも、テーマを補強する「モチーフ」という言葉の方が適切だったかも。
(「クラシック音楽」における「テーマ:主題→あるメロディラインが、いろいろと形を変えながら繰り返されていく」の印象で、僕は以前からこの単語を使っていますが、これは一般的ではないのかもしれません)
この作品は『カイン・コンプレックス』を下敷きにして描かれた物語であると感じています。
ですので、(当然作者が読者に何かを訴えたくて、使用されたものであることはほぼ確実なのですが)、明確に主張を示す必要があるとは、僕は考えていません。
(「クラシック音楽」における「テーマ:主題→あるメロディラインが、いろいろと形を変えながら繰り返されていく」の印象で、僕は以前からこの単語を使っていますが、これは一般的ではないのかもしれません)
この作品は『カイン・コンプレックス』を下敷きにして描かれた物語であると感じています。
ですので、(当然作者が読者に何かを訴えたくて、使用されたものであることはほぼ確実なのですが)、明確に主張を示す必要があるとは、僕は考えていません。
> もちろん、単なる「共通項」だというつもりはなく、
> 兄殺し(親族殺し)というのは、尊敬している人、世話になった人を
> 敵に回して殺すわけですから、「不条理」の最たるものです。
> また、兄(親族)を乗り越える点で成長・変化もあるでしょう。
> これらの要素につながる大きな事項ではあったと思います。
恐らく、目上の親族(兄・親)を乗り越えるという意味あいが最も強いと思います。
それも、単に倒す・殺すのではなく、目上の親族の視点にまで上がり、それを乗り越えるという感じでしょうか。
当然、神に見捨てられた土地における「不条理」を演出するための機能も果たしていると思います。
僕が一言で言えなかったことを、a103netさんが丁寧にまとめてくださって、感謝しています。
僕が一言で言えなかったことを、a103netさんが丁寧にまとめてくださって、感謝しています。
> もう1つは、「バランスのとれた結末」です。
> 私は、ハッピーエンド好きなので、
> 「バランス」がfeeさんと異なるのは承知しておりますが、
> 私の好みとしては、ティアの存在を天秤にかけてまでして救った、
> その後の世界をもう少し描いてほしかったです。
> 生き残った各自が幸せに、そして、自分の生きる道を見つけて、進んでいく様を。
魔法使いさんからも、同じ意見をいただきました。
批評空間をざっと読ませていただいたところ、ユースティアエンドの悪評は主に2点ありまして、「悲しい、救いがないから嫌だ」というものと、「あっさりしすぎている」というものがありました。
この「あっさりしすぎ」というのは、恐らくこのことを指しているのだろうと思います。
ここは、好みの部分が大きいと思うのですが、個人的には『その後の世界』を描くことには(今回に限っては)反対です。
何故なら、大地への落下という大きな不幸にありながら、
『上層・下層・牢獄』という三層構造が崩れ、新しい希望・可能性が生まれたあの瞬間こそが、世界が最も美しく、希望に溢れた瞬間だったのではないか、と考えるからです。
後日談を書いてしまうと、各キャラのその後が見られること自体は興味深いと思うのですが、
『新しい希望・未知なる可能性』はやがて色褪せ、
単に今までとは変化した日常を各キャラが送るものになってしまうのではないでしょうか。
考えたくはないことですが、「あの新しい世界」ですら、平等ではありません。
「大切な人を全て失ってしまった人」もいれば、「運良く家族が無事だった人」もいると思います。
「身体が弱い人、強い人」その他もろもろ、どちらにしても不条理は転がっているのです。
牢獄民はまだしも、下層や上層に暮らしていた人々にとっては、むしろ新しい世界こそが地獄かもしれません。
そういったものを描かずに、ユースティアがカイムの心に届けたメッセージを流すことで、
「新しい世界への未知なる可能性・希望」をプレイヤーに抱かせるという、
(ヒロインが死んでしまったにしては)妙に爽やかで前向きな読後感を提供してくれたように感じています。
爽やかで前向きな読後感だったと言っている人が、かなり少数派なので成功していないのかもしれませんがw
僕個人としては、
最もドラマチックな場面で幕を引き、現実(新しい世界における不条理)を覆い隠しつつも、
カイム・アイム・ユースティアの主要三キャラにとっては最大の不条理を叩きつける、
最高のエンディングだった、巧いなぁと思ったのです。