2013年09月

クラス全員マヂで百合 感想

★プレイ動機

抜きゲーと呼べるゲームは数あれど、女の子同士のエッチを描いた作品は存外少ないと思います。
「女装」ゲー自体はそれなりにあるのですが、やはり多くの方にとって射精という行為があってこそのエロなのでしょうか。


レズゲーと言われて僕が思いつくのは「その花びらにくちづけを」とか「処女宮」あたり。
しかし前者は正直テキストがかったるくて読む気になれず(絵は可愛いけど)、
後者は逆にテキストは良いのですが絵が微妙で、面白いは面白いし抜けないことはないんですが、あと一歩というところ。
あとは萌えゲーではたまに3Pなどがあり、女の子が女の子を責めるシーンがあればそこで興奮したり、
あるいは闘う女の子モノで、敵が女性キャラだった場合に期待できるくらいで、このジャンル自体が極めて少ないと思います。


僕は(男が主人公の抜きゲーも好きですが)、かねがね百合抜きゲーをプレイしたいなぁと思っており、
そんな中このタイトルを見て、
「イマイチっぽいタイトルだけど……このジャンル少ないからなぁ」と、あまり期待せずに買ってみました。

★雑感

さて、やってみたところですが、思いのほかテキストが良いです。
読み応えのある深い文章だとか、そういうことではないんですが、実に読みやすい。
キャラ同士のかけ合いも楽しく、退屈しません。
抜きゲーでは文章を読まない(でHシーンだけ読む)などということを頻繁にやる僕ですが(すみません)、
本作はちゃんと全文読んでおり、全く退屈しませんでした。
 


登場人物は主人公を入れて14人。
その中で、「こいつはムカつく。ウザい」と思うキャラは少なく(いなかったわけではないが)、日常描写を読んでいてイラつくことはほぼ皆無。
どの子もたいてい可愛いものですから、抜く娘には困りませんでした。


「クラス全員マヂで百合!」とか言いながらこのクラスって生徒12人しかいないのかよ、少なすぎw
と煽ることもできるんですが、20人とか30人いられても一人ひとりの描写が薄くなることは想像できるので、この人数で良かったと思います。


主人公は少々変態なのが玉に瑕なのですが、それもそこまでは気になりませんでした。
1つには、絵的に可愛い女の子であること。
男主人公で「ウヘヘゲヘヘハァハァ」とか言われると、 「……キモッ!」と萎えてしまいがちですが、
女の子だと許せちゃいます(笑)
 
2つ目には、普段は変態でも、Hシーンで過剰な拘り変態トークをして愛撫をおろそかにしなかったことが挙げられます。

(別作品ですが、たとえばスク水Hをする際に、スクール水着への過剰なコダワリを延々述べ続け、
一向にHシーンに行かないというような、残念な作品は意外に多い気がしています)


★少々残念なところ


ただ、この変態性、許容範囲ではあるのですがやはり全面的に賛同はできません。


残念なことに、本作の主人公にはボイスがついておりません。
男主人公ならボイスなしで全然構わないのですが、女主人公ですし、Hシーンでも受けに回ることがあるのですから、
できればボイスは欲しかったところです。
しかし、ある意味ボイスなしで正解だったかなと思えてしまうのは、彼女の変態性があるから。
ボイスありで変態台詞を次々に口走られたら拒否反応が強く出た可能性も否定できません。

このような変態主人公ならボイスなしで正解、しかしHシーンを考えるとやはりボイスはほしかった。
じゃあこんなに変態にしなきゃ良かったのに、というのが僕の言いたかったことでもあります。
まぁ、しょうがないかな。


擬似射精機能は正直要りませんね。
何を考えてつけたのか理解に苦しむところ……ですが、要らないと思えばカットできるので
これも文句を言う必要はないかなと思います。


後、気になったのは音楽。
CG鑑賞モードでの音楽がノリ良すぎうるさすぎで、落ち着いて(H)CGを見てニヤニヤできません。
CG鑑賞したい時はミュートにする羽目になりました。この辺はもう少し気をつけてもらいたいところです。


★主人公と物語について


次に、主人公の晶ちゃんと物語について。
この主人公は女の子ではありますが、脳内はまんま変態オヤヂです。
僕は女の子ではないので正確なことはわかりませんが、それにしても女性の思考回路ではないなぁと思います。


「私たちのレズオッパイは貴方のもの・女子全員潮吹き計画」なんてサブタイトルがついている時点で、
『もっと女の子らしい、心と心の繋がりを大切にした繊細で儚い恋物語が読みたい』というような路線ではないことが明らかなので、
それもまたいいんじゃないかなとは思います。
思いますが、主人公とヒロインの間に心の交流はほとんど感じられず、ひたすら『捕食対象』として主人公がヒロインを見ている節を感じるので、
その辺、一度気になり出すと気になってしまうかもしれません。


仲良し二人組、というよりは、(あまり情の入らない)セフレのように感じます。
エンディングも全キャラほぼ同じで、最後にHシーンが少しあるだけ。
いくらストーリーを求められるゲームではないとは言え、絆を深めるイベントはまるでなく、
個々のヒロインが活躍するエピソードも一切ないのは、少々寂しいような気はします。
ほんの20~30分程度でいいので、何か個別エピソードが欲しかったなと。


さて、その晶ちゃんですが、前述したようにヒロインを捕食対象として見ている、一級のナンパ師です。
エッチを渋る(恥ずかしがってる)女の子を、あの手この手で言葉巧みに篭絡していく描写はなかなかエロいなと感じました。
あぁ、俺もこれくらい弁がたてばなぁ、と憧れちゃうくらいの口説きっぷりですね。
『なし崩し的にHになだれこむエロさ』を演出する上で、晶ちゃんという主人公はハマり役だったと思います。


★個々のヒロインについて


最後に、個々のヒロインについて書いてから、筆を置きたいと思います。


僕自身の性癖がS寄りなのと、晶ちゃんに声がつかない、晶ちゃんの性格が(面白くて好きだけど)萌えないというのもあり、
彼女が攻めに回るエロシーンに比べ、受けに回るエロシーンにはそれほど興奮しませんでした。

ヒロイン別に、エロシーンが良かった順に挙げてみます。


注: あくまでこのゲーム内だけの相対評価で、他ゲームなどを考慮した絶対評価ではありません


【S】

凛子、真美、

【A】

晴香、天音、芽流、杏子

【B】


【C】

美夕

【D】

真紗美(晶が受け)、萌香(晶が受け)

【やってない】

アリナ、先生、蓋子、柚子


となりました。


美夕はキャラ的には嫌いじゃないんですが、ちょっとシチュエーションに無理を感じてしまったのと、
オナニーばかりだったのが辛かったです。
僕はオナニーシーン自体は大好きなんですが、Hシーン枠3つ(エンディングのHは短いのでカウント外)のうちほとんどがオナニー&オナニー見せ合いだと
ちょっとワンパターンすぎるかなと。
先生たち2人はどう見てもSキャラなので食指が動きませんでした。
アリナは、キャラ的には嫌いじゃないんですが、カタコトで喘がれても笑っちゃうというかw
真紗美と萌香は、晶が攻められるシーンが主体なので、個人的にはイマイチ。
逆にそういうのが好きな人には高評価になるかもしれません。
柚子は、このゲームで唯一好きではないキャラで、友達とはいえ、何度もタダ働きさせるのは厚かましすぎると思います。


芽流はキャラ的にはどうかな(ちょっと頭の残念な感じ)と思ったのですが、Hシーンは意外にエロかったですね
同級生だと思うからダメなのであって、発育の良い小○生だと脳内変換すれば、幼気な子にエロを教え込む感じで結構エロかったです。
ただ、Hシーンの最中に「モモ」の正体をバラすのだけはちょっとどうかと。
笑っちゃって、エロに集中できませんでしたw


晴香は無理やりHになだれこむ晶のナンパ手腕が冴え渡っていて、良いですね。エロ自体よりも、その前のやり取りが良い感じ。
それは天音にも言えます。
欲を言えば、友達がほとんどいなそうな天音だけに、もう少し晶に依存(あるいは特別視)するシーンが欲しかったです。


真実はルートに入らないとイタすぎる子なんですが、エロシーンでこんなに可愛くなるとは思いませんでした。
むっつりスケベな風紀委員の凛子ともども、とてもツボでした。
凛子は初回プレイ時にクリアするぐらい、気になっていたのですが、真実は完全に伏兵でしたね。
杏子も、天然なようでおねだり上手なところが可愛かったです。


リビドーに塗れた長文にお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、また! 

「峰深き瀬にたゆたう唄」 クリア感想(バレなし)

ひたすらダンジョンを制覇していく合間に、街でのイベントを軽く進めていくようなゲーム。
プレイ時間の大半はダンジョンに潜っているわけで、そこに何か感動があるというわけでもないのだが、不思議と中毒性があり
寝食を忘れてプレイしてしまう。そんなゲームだった。


嬉しいのは、プレイ期間が実質無制限なため『ハマり』がないこと。
敵が強いと思えば、遠慮なくのんびりとレベル上げをすればいい。
レベルもサクサク上がるので行き詰まり感もなく、順調にダンジョンを踏破していけるのが楽しい。


ダンジョンにおける時間経過という概念もなるほどよく考えたなと思わせる。
これは21時を過ぎると問答無用で全滅扱いというもの。
また、新しいフロアに進む時は「5分」経過し、既に踏破したフロアを戻る際には「2分」が経過する。
もう少しで目的地に着けそうだが、時計は18時を回った。
などという時に、進むべきか退くべきか。
20時30分を回り、ギリギリで目的地に着いた時などは、「進んだ」自分の判断に鼻高々になりつつ、喜びを噛み締めることができる。


仲間は5人いるわけで、それぞれを使い分けながら進んでいくのも楽しい。


その中で一番強いのが、ダントツにミュリだった。
ラスボス三連戦などは、本当に彼女一人だけで倒してしまった。
LVは369だから(推奨LVは350になっている)やや高いのは確かだが、他のメンバーとのレベル差は大してない中で
本当に一人だけ群を抜いて強い。
遠くから魔法をぶっ放し、敵に近寄られれば瞬間移動で逃げる。敵の攻撃はかわすし、魔法防御は硬いし、反射まで持っている。
唯一物理防御のみ弱いが、前述のように瞬間移動で逃げることもできるし、かわすし、反射もするのでやはり強い。

エルフの弓兵、フォーチェラさんも強いが、弓は耐久力が低めなのが難点。
代わりの弓をいくらか持ち歩く必要があるだろう。
敵に囲まれてしまった場合、クロエの薙ぎ払いに助けられることも多い。
回復薬が尽きそうな際、セフィリアの回復魔法にはお世話になる。

と、こうして考えてみると一番役にたたなかったのは主人公のフィーノだったりする。


そんな彼の唯一の見せ場は、金策だ。
このゲーム、「お金」に関しては非常にバランスが悪いように思う。
と言うのも、普通にプレイしていたら、武器防具の修理費だけで首が回らなくなってしまいかねない。
しかしその状況を劇的に打破するのがフィーノの「盗む」コマンドだ。

中盤で出てくる毒イモムシみたいなモンスター(レイルローパー)から、値打ち物の絵皿を盗む。
これをするだけで、もう金欠病からはおさらばだ。
逆に言うとこれを知らないと、相当苦労するのでは?とも思った。



ここまでは割と褒めてきたつもりだが、やはり欠点もいくつか指摘しておきたい。
まず一番最初に目に付く点はストーリー性の乏しさであるが、それに付随してキャラクターの魅力自体も減じていること。
それを踏まえた上で、「エロさ」についても(個人的に駄作扱いをしている「空帝」、「冥色」2作に比べて)格段に落ちた。

とにかく、あっけらかんとしすぎているのだ。
依頼をやりました→お礼にHしましょう。貝殻あげました→なんかラブラブになりました→Hしましょう。
といった感じで、「冥色」のような心が痛みつつも淫靡なエロさを醸し出す陵辱もないし、二人の愛が結実するような幸せいっぱいのエッチといった感じもない。
テキストレベルも大して高いわけではなく、ヒロインは手垢にまみれた料理イベントを毎日ご披露してくださるし、
ゲーム部分に力を注ぎすぎて、こちらの部分は相当おざなりにされてしまった気がしないでもない。


よって純粋にゲーム部分、ダンジョンを踏破していくのが好きな人にはお勧めするが、ストーリーに期待……する人はあまりおらずとも、
萌えだとかエロだとかにも期待するには少々辛いものとなっている。


ここからは余談。


個人的にどうしても武器屋のシーズが好きになれなかった。
絵のせいなのか、声のせいなのか、セリフのせいなのか、それら全ての要素が複合的に絡み合っているのかはわからないが、どうしてもダメだった。
悲しいことに、武器屋には日参しなければならない。武具の耐久力を回復させてあげないといけないからだ。
ところが顔を合わせるたびに「まーた、ポンポンポンポンと壊して」と言われ、イラっとする。


物を売ろうとすると「『売っぱらちまい』たいのかい?」→「『売っぱらっちまう』道具を選びな」と連呼される「売っぱらっちまう」という単語がどうにも不快。
何だか非常に乱暴な響きをそこに感じてしまった。
うーん、何でだろう。
ヒロインなどの態度にイラっとくることは数あれど、こんなどうでもいい(と思う)部分にイラっとくるとは……。
シーズだけは音声を個別でOFFにしたかった。できないけど。





ディック・フランシス「度胸」読了(重バレあり)

評価はA。

先に言っておくと、僕はこの作品が「嫌い」である。


フランシス作品の特徴は
①嫌らしい悪役
②不屈の主人公
③正義の主人公が悪役をぶちのめす

という極めてオーソドックスな勧善懲悪物語である。

ある、と言い切ってしまうには僕は彼の作品を11作しか読んでいないので、「ちげーよ!」と反論がある方もいるかもしれないが、11作に関してはどれもほとんどこのパターンだったので、まぁ概ね間違ってはいないはず。


さて、本作の「度胸」であるが、悪役がとんっっっっっでもなく嫌らしいクズである。
本当にヤバい。東野圭吾作品でもいくつか憎悪を燃やしたことがあるが、この「度胸」の悪役も本当にヤバい。
死んでほしい、いや、死ぬだけじゃ物足りない、苦しみぬいて、じわじわといたぶりぬきたい。

と思うくらいの、ウザさキモさに満ち満ちた悪役なのである。


この嫌らしさはまさにシリーズでも屈指であり、かなりのインパクトを持っている。
あまりのウザさに、主人公に強烈に感情移入してしまい、先の展開にドキドキし、 主人公を必死に応援して本を置けなくなってしまうのである。
そんなわけで没入度もものすごかった。
これはある意味フランシスの巧さだ。
並の作家が、鬼畜極悪非道ウザさ極まる悪役を描いても、なかなかこうはいかない。
下手な作家がやろうものなら、「ぷぷっw なんだこの悪役ww」と失笑してしまうかもしれない。
それが、まんまと読者の感情を憎悪で塗りつぶしたのだから、そこは評価すべきところだと思う。
行動の嫌らしさ、そして人々が苦しむ描写の巧さ故だろう。


フランシスは他作品でもなかなか嫌らしい悪役を描いている。
彼自身がよほど嫌な人間と付き合って辛い目に遭ってきたのか、あるいは自分がされたら嫌なことが
僕にものすごく似通っているのか、とにかく嫌な悪役が多い。
単純な人殺しとかではなく、陰湿ないじめのリーダーのような、そういう嫌らしさなのである。


しかし、この「度胸」はその中でも特に酷い。酷いというか、やりすぎだ。
ムカつく悪役を打ち倒して「やったぜー!」と快哉を叫ぶレベルの話ではない。
殺しても殺したりないくらいの憎悪を悪役に抱きながらする読書は、あまり精神衛生上も好ましくないと思うのだ。
できれば、 読んで優しい気持ちになれる本がいい。
悲しくなっても切なくなっても考えさせられてもいいし、時には「ムカつくぜ!」→「よっしゃ!やっつけた!ざまぁwww」という快感を味わうのもいいが、本作は悪役をウザくしすぎたと感じている。


また、フランシス作品の多くに言えることだが、そんなムカつく悪役に対し、主人公の与える罰は割とヌルい。
今回の悪役にしても「失職する」程度で済んでいる。


両手両足剥ぎ取って空の浴槽にでも放り込み、ゆっくり水でも流し込んでようやくスッキリするレベルのクズに対して、国外逃亡を助けてやるのは少々お人好しすぎはしないか?
と思うのである。


以上のように、僕はこの作品が嫌いである。
しかし、ここまで憎める悪役を作ったというのはある意味凄い。
なのでA評価。
ただし、A以上(A+とかS)は与えたくないと思うのも確かである。


 
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