評価はA。
2014年に入って最初のA評価です。
フィリップ・ホセ・ファーマーは「階層宇宙シリーズ」と「リバーワールドシリーズ」を読みましたが、
特に後者は正直あまり面白いと思いませんでした 。
なので、本書はあまり期待せず読んでみたんですが……いやぁ、良かったです。
厳格な宗教国家と化した未来の地球人ハルが、窮屈な地球を抜け出して違う星に行き、そこで一人の女性と恋をします。
文化の違いに戸惑いながらも絆を深めていった二人でしたが、その習慣の違いから、二人は悲しい別れを迎えてしまうのでした。
というストーリーです。
落涙、までは行かないまでもかなりジーンときました。
特に最後の行の
「ジャネット! ジャネット! きみが打ち明けてくれるくらい、ぼくを愛してくれてさえいたら……」
はかなり破壊力がありましたね。
SF要素についても真面目に描かれていて、未来の地球の宗教、文化、言語、異星人の文化、特性などが
リアリティをもって描写されています。
そのうえ、「恋愛小説」の邪魔をせず、奥深くはあるもののあくまで背景要素として機能させている辺りが巧いです。
「セックスをテーマに扱うのがタブー」だった、当時のSF界では毀誉褒貶あった作品だそうですが、
全然エロくもなければ、下品でもありません。
欲情をそそるような物語でもないのにこれがタブー扱いとは、当時はずいぶんお固かったんだなぁと思いました。
欠点は、280ページというボリュームの薄さゆえ、恋愛描写が少しあっさりしていることでしょうか。
十分感情移入できたので、これで良いとも思いますが、もう少し二人の楽しかった思い出を描いてくれたら、
多分マジ泣きしたと思います。
2014年に入って最初のA評価です。
フィリップ・ホセ・ファーマーは「階層宇宙シリーズ」と「リバーワールドシリーズ」を読みましたが、
特に後者は正直あまり面白いと思いませんでした 。
なので、本書はあまり期待せず読んでみたんですが……いやぁ、良かったです。
厳格な宗教国家と化した未来の地球人ハルが、窮屈な地球を抜け出して違う星に行き、そこで一人の女性と恋をします。
文化の違いに戸惑いながらも絆を深めていった二人でしたが、その習慣の違いから、二人は悲しい別れを迎えてしまうのでした。
というストーリーです。
落涙、までは行かないまでもかなりジーンときました。
特に最後の行の
「ジャネット! ジャネット! きみが打ち明けてくれるくらい、ぼくを愛してくれてさえいたら……」
はかなり破壊力がありましたね。
SF要素についても真面目に描かれていて、未来の地球の宗教、文化、言語、異星人の文化、特性などが
リアリティをもって描写されています。
そのうえ、「恋愛小説」の邪魔をせず、奥深くはあるもののあくまで背景要素として機能させている辺りが巧いです。
「セックスをテーマに扱うのがタブー」だった、当時のSF界では毀誉褒貶あった作品だそうですが、
全然エロくもなければ、下品でもありません。
欲情をそそるような物語でもないのにこれがタブー扱いとは、当時はずいぶんお固かったんだなぁと思いました。
欠点は、280ページというボリュームの薄さゆえ、恋愛描写が少しあっさりしていることでしょうか。
十分感情移入できたので、これで良いとも思いますが、もう少し二人の楽しかった思い出を描いてくれたら、
多分マジ泣きしたと思います。