著者は リチャード・マシスン。評価は A+
余命いくばくもない主人公が、死に場所を求めてたどり着いたホテルで人生初めての恋をする。
その恋の相手とは、一枚のポートレイトに描かれた75年前の女優。
女優について調べ始めた主人公はやがて、自己暗示によりタイムスリップを成し遂げ、憧れの女優と出会う……。
「タイムスリップ」と「恋愛ドラマ」。
この二つが合わさるロマンチックな物語は、もう僕の好みのド真ん中。
やや陰鬱なタッチの文体もロマンチックさに拍車をかけていて、恋愛の切なさと楽しさを味わえる、
特上の作品に仕上がっていました。
75年前の女優に惚れてタイムスリップを成し遂げるなんて、一歩間違えると「ストーカー? 頭おかしくない?」となるところですが、余命数か月という設定がここで活きてくるんですね。
人生最後の大仕事、とくれば、これだけ必死になる気持ちも痛いほどわかりますから。
400ページ程度の小説ですがタイムスリップをするのは、前半半分あたりから。
それまではひたすら、ヒロインとなる女優についての調べ物や、主人公の回想シーンが続くのですが、
ここがまた絶妙の『焦らし』となっていて良いのです。
もちろん「退屈さ」とは無縁で、ヒロインの情報が少しずつ明かされていくその過程で、
「どういう事なんだろう? 何があったんだろう?」と、考えながら、先が知りたくてうずうず~となるんですね。
ラストはやや呆気なかった感じもしましたが、読み終わってから考えてみると、むしろそれが良かったのかもしれません。
2014年に読んだ本の中で、今のところトップです。
余命いくばくもない主人公が、死に場所を求めてたどり着いたホテルで人生初めての恋をする。
その恋の相手とは、一枚のポートレイトに描かれた75年前の女優。
女優について調べ始めた主人公はやがて、自己暗示によりタイムスリップを成し遂げ、憧れの女優と出会う……。
「タイムスリップ」と「恋愛ドラマ」。
この二つが合わさるロマンチックな物語は、もう僕の好みのド真ん中。
やや陰鬱なタッチの文体もロマンチックさに拍車をかけていて、恋愛の切なさと楽しさを味わえる、
特上の作品に仕上がっていました。
75年前の女優に惚れてタイムスリップを成し遂げるなんて、一歩間違えると「ストーカー? 頭おかしくない?」となるところですが、余命数か月という設定がここで活きてくるんですね。
人生最後の大仕事、とくれば、これだけ必死になる気持ちも痛いほどわかりますから。
400ページ程度の小説ですがタイムスリップをするのは、前半半分あたりから。
それまではひたすら、ヒロインとなる女優についての調べ物や、主人公の回想シーンが続くのですが、
ここがまた絶妙の『焦らし』となっていて良いのです。
もちろん「退屈さ」とは無縁で、ヒロインの情報が少しずつ明かされていくその過程で、
「どういう事なんだろう? 何があったんだろう?」と、考えながら、先が知りたくてうずうず~となるんですね。
ラストはやや呆気なかった感じもしましたが、読み終わってから考えてみると、むしろそれが良かったのかもしれません。
2014年に読んだ本の中で、今のところトップです。