2016年02月

時計仕掛けのレイライン 黄昏時の境界線 感想

雰囲気の良い、ラノベ的学園ファンタジー&ミステリ。
序盤は昼と夜、二つの学園が入れ替わるという興味深いギミックに、気合いの入ったムービーがついて
期待を膨らませてくれます。
不快要素がなく、かけあいも面白い。
主人公やヒロインのモー子もいいですが、個人的には親友キャラのおまるがかなり良かったです。
本当にいいやつだなぁとしみじみ感じました。


ただ……「ファンタジー」はプレイヤーが世界に慣れるまでは、「読者の興味」が継続するものの、
それ以降は「ファンタジー世界の『日常』」になってしまいます。
中盤以降は、昼と夜の入れ替わりも「そんなもんかなー」という感じで新奇さが減ってしまい、
居心地の良い日常テキストを延々読んでいる感じで、少しダレました。
起こる事件も、心を震わせるような慄然とする事件ではなく、ちょっとした事件ばかりですし。

そんな中、鍔姫とスミちゃんのエピソードは割と好きでしたが……。


結局最後もよくわからないままに終了。

ミストが途中で効かなくなったのは、「彼が久我満流ではないから」という説明も???
それなら最初から効かないんじゃないの? どうして途中まで効いてたの?とか。
そもそも昼と夜の世界を入れ替えた理由は何?とか。

(「時計塔の魔術で夜の世界を召喚し、昼と夜でもない境目に隠して守っているのだよ」)って言われても、
そんな雑な説明じゃバカな俺には意味が解らんよ……考えるな、感じろってやつですかね……。


設定、世界観は悪くないんですが、ドラマとしてそれを盛り上げるには至っていないと言いますか。
これだと、世界観はよく出来た凡百の魔法学園モノの域を出ないような気がします。


あと、これは知っていて買ったのであれなんですが、やはりこの「分割商法」は酷い。
まだ続きをやっていないので、エロゲ―批評空間プレイ時間中央値を参考に使わせていただきますが、
この3部作のプレイ時間は38時間。
これなら、フルプライスエロゲ1本にまとめてほしいです。
それが無理ならせめて、単体でも楽しめるように作りましょうよ……。

僕が今までプレイした「分割」的な作品だと、
『マブラヴ』、『ef』、『ひぐらし/うみねこ』(これは違うか)、『暁の護衛』、『グリザイア』とありますが、
今回ほど「酷いなー」と思ったのはなかったです。


『マブラヴ無印』はあれはあれでストーリーとしてもアリと言えばアリだし、ボリューム面でも満足できた。
(というか無印とオルタを1つにして売り出したら、さすがにアージュさん赤字だと思う)

『ef』は逆にボリューム面に難があったけど、ストーリーとしては短編連作スタイルなので完結はしている。
演出も凄かったし。
『グリザイア』も物語としては単体で完結できている。
『暁の護衛』も……南条だったっけ?のルート以外は物語的に完結しているのと、現在は「トリニティ」として三本セットでフルプライス値段で買えるようになってる。


でもこれはなぁ……上中下巻の、上巻だけをバッサリ切ったような感じだし、三本セット版も普通に12000円ぐらいしてるし……。
ちょっとあんまりだと思ったので5点ほど減点。
作品点が76点-5=71点で。 

ひこうき雲の向こう側 感想(バレあり/瑛莉ファンの方は読まないでください)

【前置き】

本ゲームは美奈ルート・綾ルートしかクリアしておりません。
なので、まずはこの両ルートの感想を。
後半は瑛莉への愚痴を書かせていただきます。
特に後者は見苦しいと思います。すみません、吐き出させてください……。



【注意】

本感想ですが、幾つか注意事項があります。

・1 美汐瑛莉が猛烈に嫌いなため、瑛莉に対しては極めて辛辣です。ファンの方は絶対見ないでください。
僕自身も、大好きなヒロインが↓のように叩かれてたら間違いなくムカつきます。ムカつくあなたは悪くない。
だから、読まないでください。


・2 独占厨の方に対してやや否定的な物言いがあります。大丈夫だとは思いますが、こちらも無用な争いをしたくないので、自覚のある方は読まないでください

・3 「つよきすnext」のバレが若干あります。軽いネタバレですが、気になる方は気になるかもしれません


なので、瑛莉ファンの方と、「つよきすnext」のネタバレが嫌な方はこの感想は読まないでいただけると助かります。独占厨の方も、読まない方がいい、かも?


読まれた場合、万が一気分を害されても自己責任ということで、決して私にぶつけないようにお願いします。
喧嘩がしたいわけではなく、ゲームの感想上、触れないわけにはいかないポイントでしたので、
触れている点を了解いただけると助かります。






【広崎美奈ルート、綾麗華ルート感想】

――善良な広崎兄妹が、瑛莉という性悪女に散々振り回されるお話――


 
美奈ルートのバッドに相当するのが綾ルート、といった趣きなので一緒に。

一言で言うなら、非常に勿体なかったルートという印象です。

「幼馴染で初恋の相手が義妹に」、という、面白くなることが確約されているような設定。
美奈の……というか、美奈と康治の関係性の描き方も素晴らしく、
「幼馴染」のような「義妹」。「義妹」のような「幼馴染」が見事に描かれています。
それはまさに、幼馴染と義妹のいいとこどり!
義妹ヒロインは、えてして「家族」として主人公と馴染みすぎていることが多く、「家族」としては見れるけど「異性」としては見られない、ということが多いんですが、美奈は違います。
「家族」であり、「異性」。
これはやはり初恋のエピソード、そしてそれをそのまま引きずっている康治のモノローグによるものが大きいし、
美奈の甘えん坊な性格もまた、非常にマッチしていると思います。


そんな美奈の事が今でも好きな康治は、共通ルートであの佐藤さんを振るという暴挙に出ます。
個人的には佐藤さんも大好きなので激しく勿体ないと思いますが、それぐらい美奈の事が好きなんですね。
好きだけど、諦めないといけないということが解っている。
しかもその理由が、「家族だから結ばれたらダメ」という『押しつけられたルールに安易に従うもの』ではなく、
『大好きな家族関係を壊したくない』という、共感しやすいものになっているのも嬉しいところです。
更にそこに、美奈に片思いをしている親友のてっちゃんの存在まで出してくるのですからもう役満状態。
Sクラスの恋愛劇が描ける舞台は完全に整っています。


僕は、「血が繋がってないなら別にいーじゃん(繋がっていても子供作らないなら別にいーじゃん)」って思ってしまう人間なので、「家族だからNG」というだけだと納得しがたくて。
義妹シナリオあるあるですが、外部から「NG」を提示されて悩む~という展開は好きではないのです。
しかし美奈ルートは、既に作られた理想の兄妹関係を壊したくないという。

確かに美奈と康治の関係は理想の兄妹で、非常に仲睦まじいため、説得力があります。
両親を含めたこの4人の関係はとても居心地が良く、それを壊すのは気がひけてしまいます。
それだけではなく、てっちゃんとの関係も壊してしまうかもしれません。
結果、美奈への恋心を諦めてしまう、というのは自然な流れだと思います。
ここまで人間関係の鎖が絡み合っているなら、美奈への気持ちを封印してしまうのもわかりますわ……。


さて、ストーリーは、てっちゃんの出場するサッカー大会を機に盛り上がっていきます。
徐々に接近する美奈とてっちゃんの二人。それを心を痛めながらも見守る康治お兄ちゃん。
大好きな義妹も、いつか誰か他の男と結ばれます。
それは仕方のない事であり、仕方がないとわかっていても辛い事。
愛娘を嫁にやるお父さんというのはひょっとするとこんな気持ちなのかもしれません。


ですがそれは、妹に惚れてしまった兄が辿る道としては自然なパターンだと思うのです。
エロゲでは基本的に主人公と義妹が結ばれるのがデフォルトなので、そういった「妹が他の男のものになる」切なさみたいなものを味わえる機会はまずありませんが、このゲームではそれをやっている。
それが素晴らしいと思いました。なかなかない体験なので、思う存分切なさに悶え転がるつもりで、
非常に楽しみながら読んでいきました。
妹が親友と結ばれても、変わらない美奈との絆。
それと共に、失恋から気持ちを切り替え、新しい恋へと踏み出していく。そんな康治の「成長」が読みたかったのです。


で……ですね。まず綾ルート。
つまり、美奈がてっちゃんと結ばれて、傷心の康治が「寂しいよ、誰でもいいから今傍にいてほしいよ!」と思った時にちょうど綾がいた。
そんな身も蓋もないけれども、ありうるかもしれない物語を読んで、「悪くないな」と思いました。
確かに安直かもしれません。綾でなくてはいけない必然性はどこにも感じられません。
康治が綾を、綾が康治を好きなようには正直言って見えない。
少なくとも、美奈への「好き」と綾への「好き」は間違いなく前者の方が強そうです。
ですが、仮に最初の繋がりは安直でも、そこから二人の絆を作っていけばいいわけです。
*そうしていつの日か、綾への「好き」が美奈への「好き」を凌駕する日が来たとき、その恋は素晴らしいものだったと言えるわけで。


そんなわけでそこそこ楽しみながら読んでいたんですよ。
最後の一行までは。


……美奈とてっちゃんが結ばれてない、そんな一文で物語は終わります。


「良かった、良かった。最愛の妹が他の男に取られなくて良かった」
と思う方もいらっしゃることでしょう。
しかし、私の本音を言わせてもらえば、とんだ茶番を見せられた気分です。
普通に美奈とてっちゃんが結ばれた方が面白いやん。
どうして康治の「妹離れ」、美奈の「兄離れ」を最後まできちんと描いてくれなかったのかと。台無しもいいところです。


さて、美奈ルート。
こちらでも、美奈とてっちゃんは結ばれていません。それに気づいた康治が美奈と結ばれてエンディング。
……悪くないんですが、単なる「少し良くできたテンプレ義妹ストーリー」の域を出ていないように感じました。

『兄離れをしないといけないと思った美奈は、てっちゃんと付き合い始める。
しかし、やはり兄への想いとてっちゃんへの想いは違う事に気づき、美奈は改めて兄への愛を再確認する。
康治もまた、妹離れをしないとと思っていたけれど、気持ちを抑えることができず、てっちゃんから美奈を奪い返しに行く』。


そういう展開の方が10倍は燃えたのに。
叙述トリックも結構ですが、「フェイク(てっちゃんと美奈が結ばれる)」の方が「リアル(ただの勘違い)」よりも魅力的じゃ、萎えるだけですわ。


しかも、ライターのさかき傘氏には「つよきすnext」というゲームでも


・叙述トリックを使えば使うほど、物語がつまらなくなる

・思わせぶりでいて、くだらない展開
(某ヒロインの初恋の相手は家庭教師! 主人公嫉妬の嵐→実は家庭教師は女
 某ヒロインが酷い目に遭わされた! すわ、レイプか!?→実は単に坊主になっただけ。しかも自分から)


という前科がありました。
これ、まんま美奈シナリオにも当てはまっちゃうんですよね。
叙述トリックがない方が面白かったし、思わせぶりにして実際は何もないという脱力感も同じ。



輪をかけて泣かせるのが、ライターのさかき傘氏自身、弁明なのか本心なのか解りませんが、
「美奈の大好きな犬の映画」のシーンに仮託して、
「奇跡のハッピーエンドにしないと、動物愛護団体がうるさいから……」と書いてしまっている事です。
こじつけめいているかもしれませんが、
「ヒロインが主人公以外と結ばれると、独占厨がうるさいから……」というふうに私は読んでしまいました……。


もしライターさんが弁明でこう書いたとしたなら、こんなことは書くべきではなかったし、
これが本心なのだとしたら、より絶望は深くなります。


大事な妹がいつか自分の手から離れていく切なさと、続いていく家族としての絆。
それを追体験できる良シナリオかと思ったのに、こんな茶番を見せられて……
しかもそれが、万が一ライターの本意ではなかったとしたならば、こんな残念な事はありません。
そういう「外部の雑音」を「ゲーム内」で感じてしまったということも含めて、ひたすら残念というところです。
ライターがこの話を書きたくて書いた、というのならライターを叩けば良いだけの話なんですが、
もしそうじゃないなら、「趣味を同じくするエロゲーマー仲間」の方に怒りが向いてしまうので、辛いっす。


まぁ、これは僕の誤読かもしれないんですけどねw
でも犬の映画のシーン(と動物愛護団体に言及するシーン)、2~3回はあったからなぁ……。


そうした外部の視点を無視して、内部の話をすると、本シナリオでは
物語が動き出す発火点にはいずれも広崎兄妹の「誤解」が用いられています。
物語の発端において、『妹』は『兄と瑛莉が恋人になった』と誤解し、『兄』は『妹とてっちゃんが恋人になった』と誤解するという、鏡合わせの構造ですね。
これはこれでテクニカルな型ではあります。
しかし、言ってはなんですが、他人の恋愛にいちいちちょっかいを入れる、自己中女に、広崎兄妹が散々振り回されただけの話という感じなんですよね……。

やっぱりもっと広崎兄妹、二人の関係を重点的に描いたシナリオが読みたかったなぁ。


*1
だから、瑛莉が提示する「真実の愛」とやらには、僕は全くこれっぽっちも共感できないし、
その、彼女の狭い視野で作られた「真実の愛」を叶えるための「試練」とやらには、
腹パンしたくなるほどムカつくわけですが。



【瑛莉への愚痴】

美汐瑛莉というキャラはある意味完成されていると思います。
徹底的に不愉快なキャラクターなのですが、「意味のない」不快さではなく、キャラブレもしていません。
「瑛莉ならきっとこう言うだろうな」、「瑛莉ならきっとこうするだろうな」という線にしっかりハマっているため、
作品として、キャラクター描写が「拙い」わけではないのです。

また、瑛莉シナリオをプレイしたわけではないので解らないのですが、仮に瑛莉が「成長する」物語だった場合、
この瑛莉のウザさは物語上、理由のあるウザさだったのだと思います。
これがたとえば、物語と関係のないところで、何の意味もなく悪質なキャラいじりを展開するとか、
挨拶代わりに主人公を虐待していくような展開なら、「こんなシーン書くな。アホか!」と言えました。
しかし恐らく、理由があっての糞ヒロイン。
ならば、作品批評の観点からは、美汐瑛莉というヒロインを叩くことは難しいと思うのです。


……ですがね。
いくらなんでも、このヒロインのウザさは僕の許容範囲を超えました。
腹を立て、いったん画面から目をそらし、深呼吸した回数は多分40回は超えてると思います。


まず、考え方が僕とはことごとく合いません。
非常に視野が狭く、一笑に付してしまいそうな「恋愛論」を延々と語り、
その上で、自分の意見とは違う意見を嘲笑します。
本人は恋愛をしたこともないくせに、「理想の恋愛は~そうじゃない恋愛はクズ」のような事を平気で言う。


こういう人、確かにいます。そして僕はこういう人がものすごく嫌いです。


若い頃は、妙に潔癖だったり、視野が狭かったり、思い込みが激しかったりする人も多いと思います。
しかし、そういう潔癖さ、融通のきかなさというのは逆に言えば「正義感が強い」と言い換える事もできます。
自分の中に正義があって、それに対して他の人は「間違っている、汚い」と思うから、強い物言いをしてしまうという一面があります。「ダメなものはダメだ」という、ある種のまっすぐさですね。


しかし瑛莉の場合はそうではありません。
授業妨害はする、他人の恋愛を監視しぶち壊す、空気を読まずに頑張っている人をバカにするなど、
およそ「正義」とは対極の人物です。完全なる自己中としか言いようがありません。
自分が中心でいないと気がすまない、影響力を行使して、他人に積極的に干渉し、操ろうとする。
そういう人物のように見えます。


視野が狭くて思い込みが激しいだけでもウザいのに、その思い込みで他人に迷惑をかける。
他人には厳しく、それでいて自分には甘い。ハッキリ言って、最凶最悪です。
しかも瑛莉はメインヒロイン。
評判の良い瑛莉シナリオは当然でしょうが、他ルートでも頻繁に顔を出してはいちいち読んでいて腹のたつセリフ、行動を取ります。


つまり、本作をプレイするには瑛莉という、リアルでいたら一秒たりとも同じ空気を吸いたくない、それどころか顔面に膝を3発は入れたいようなキャラクターと延々顔を突き合わせ、
こいつのクッソくだらない浅薄な恋愛論を聞かされ、こいつの空気を読まない言動にイラつかされ続けなければならないのです。
しかも周囲の誰もこいつを止めることはできないし、しない。
なぜか「カリスマがあってクラスの人気者」みたいな扱いまで受けている。嘘でしょ。
こんなに空気の読めない奴が、クラスでうまく猫が被れるわけがないと思います。
それとも空気を読んで、相手がイラつくようなセリフを敢えて言っているのでしょうか?
だとするなら、空気が読めないよりもなお悪いですが……。


理想の恋愛論を語ったり、他人に干渉をする暇があるなら、自分の恋愛に集中しろと言いたい。
それができないなら大人しくしていろと。しりもしないくせにデカい口を叩くなと言いたい。
デカい口を叩くだけならまだいいですが、他人に干渉するのは本当に人間のクズのやる事ですよ。
軽蔑しか感じません。


綾と国広の恋愛をぶち壊して「試練を与えた」などと言っていますが、僕の考えは↑で書いたとおりです。
つまり、「初めは弱い絆でも、付き合っていくうちに素敵な人間関係を築ければ良い」と思っています。
更に言えば学生時代の恋愛なんて、「大人になってから恋愛をする際に、気をつけなければならない点を学ぶ場」だとも思っています。
勿論、ものすごく酷い相手に引っかかって、人生を棒に振るような付き合いは別ですが、そうでないならば積極的に付き合っていけば良い。失恋もまた糧になります。
それを、この瑛莉とかいうクズ女は、「真実の愛以外は認めない」とかいうクッソくだらない理由で、平気でぶち壊す。


恋愛を抜きにしても、授業を妨害して悪びれもせず、
それどころか授業が終わった後に一人で勉強をしていたところにも現れて、授業を妨害していったり、
アイドルの恋愛禁止に関して暴言を吐いていった時点で、「もうこいつは無理だ」と思いました。
 

瑛莉シナリオでは、瑛莉は成長して反省するんでしょうか? 
てか、してくれなきゃ困ります。

で、成長するんだとしたら、このウザ描写も意味があるものだと思うんですが、
しかしごめんなさい。
「こいつ、ダメな奴だけど気持ちはわかるなぁ」→「かっこよく成長したぞ!!」ならテンションが上がりますが、
「こいつ、マジで死ねよ……くっそ、ムカつく、胸糞わりぃ、くたばれ…」な奴が成長しても、
「ようやくまともになったか……ふぅ」としか思いそうにないです。


というわけでごめんなさい。
ギブアップします。

 

94 準々決勝 オランダVSブラジル

オランダ 2-3   ブラジル

欠場者(ブ) DF レオナルド(出場停止)、リカルド・ローシャ(負傷)

試合内容 A
MOM FW ベベット(80)(ブラジル)


GK デフーイ(55)   タファレル(55)
DF クーマン(50)   ジョルジーニョ(30)
   バルクス(35)   ブランコ(55)
   ボウタース(50)  アウダイール(50)
   ライカールト(50) マルシオ・サントス(45)
MF ビチュヘ(50)   ドゥンガ(65)
   ビンタ―(60)   マウロ・シルバ(70)
   ヨンク(50)     マジーニョ(55)
FW オーフェルマルス(45) MF ジーニョ(50)
   ファンホッセン(40)  FW ロマーリオ(70)
   ベルカンプ(70)       ベベット(80)

監督 アドフォカート B-  パレイラ B

【オ】
ライカールト(50)→ロナルド・デブール ?
ファンホッセン(40)→ロイ C

【ブ】
ブランコ(55)→カフー ?
マジーニョ(55)→ライー B-
 

ルーマニアVSアルゼンチンと並ぶ、今大会のベストゲーム候補。
あまりにつまらなかったイタリアVSスペインとは大違い。
その理由はやはりプレイスピードにある。
両チーム、特にブラジルのプレスが鋭いため、ボールの動きが、試合のテンポが早いのだ。
前半は大きなチャンスの少ない試合だったが、引き締まったプレスとそれをかいくぐるパスを見ているだけで面白い。


後半に入ると更に試合が加速する。
オランダの守備にほころびが見られ始め、そこをブラジルが怒涛の勢いで突いていったのだ。
後半6分、ベベットの素晴らしいクロスを中央のロマーリオが合わせて1-0。
後半15分過ぎにはオフサイドラインの乱れから、ベベットが抜け出し、2人をかわしてゴール。2-0。
だが、一方的なブラジルペースは直後、オランダのベルカンプのゴールにより消散する。
ブラジルDFの気の緩みが生んだ失点だったが、以後オランダは息を吹き返した。
ブラジルDFの気の緩みは恐らくブラジルが2-0とリードした事から生まれたのだろう。
1-0のままならば、生まれなかった失点だと思う。
だがこの失点で2-1となったことで、試合の流れが変わってしまった事を考えると、結果論ではあるが
2-0ではなく、1-0のままだった方がブラジルにとっては良かったのかもしれない。
勿論2点目を取るのが悪いなんてバカなことを言うつもりはないが、試合とは解らないものだなぁとつくづく思った。
後半30分にはCKからビンタ―が合わせて2-2。試合は全くのイーブンに。
どちらが勝つのか全く予想がつかない激戦は、後半39分ブランコのFKにより終止符が打たれる。
ブランコのドリブル突破をヨンクが倒したファウルなのだが、このプレイの直前にブランコの方がファウルを犯しているにも関わらず、審判は流している。
小さなミスジャッジではあるが、このミスジャッジが結果的にブラジルに勝利をもたらしたという意味では重大なミスジャッジだったように思う。
なお、FK自体は素晴らしい軌道を描く、ビューティフルゴールだった。


試合は3-2でブラジルが勝利。
結果を知っているから言うのではないが、やはり優勝候補筆頭はこのブラジルだと再確認させられる試合だった。
敗れたオランダも見事。
06.10.14と3大会続けて、『ツマラナイ』オランダを見せられているが、この頃のオランダは本当に面白いチームだった。
願わくば、この頃のようなサッカーをもう一度オランダ代表にはしてほしい。
結果、ベスト8で敗れることがあったとしても。



 

94 準々決勝 イタリアVSスペイン

  イタリア  2-1   スペイン

欠場者(イ) DFバレージ(負傷) FWゾーラ(出場停止)

試合内容 C-
MOM FW ロベルト・バッジョ(70)(イタリア)

GK パリュウカ(65)  スビサレッタ(55)
DF マルディーニ(50) ナダル(50)
   コスタクルタ(55)  フェレール(55) 
   タソッティ(30)    オテーロ(50)
   ベナリーボ(55)   アルコルタ(50)
MF ディノ・バッジョ(60) DF アベラルド(25)
    アルベルティーニ(50) MF ゴイコエチェア(55)
   コンテ(55)             カミネロ(35)
   ドナドーニ(40)         セルジ(55)
FW ロベルト・バッジョ(70)MF  バケーロ(40)
   マッサーロ(40)    FW   ルイス・エンリケ(55)

監督 サッキ  B        クレメンテ  C

【イ】
コンテ(55)→ベルティ B
アルベルティーニ(50)→シニョーリ(60)

【ス】
セルジ(55)→サリナス D
バケーロ(40)→イエロ B-



準々決勝だというのに、つっまんねー試合……と一言で括りたい。ダメ?

お互い攻撃力に乏しいチーム同士……というとここまでの4試合で9ゴールもあげているスペインには不適切な気もするが、この日のスペインは、イタリアにスペースをガッチリと消されなすすべなし。
一方のイタリアも相変わらず攻撃力に乏しく、前半は両GKが脅かされるシーンはほぼなかった。
そんな中、ディノ・バッジョの素晴らしいミドルシュート1発でイタリアが先制。

後半になっても流れは変わらないが、ここでもスペイン、カミネロの1発が決まって同点に。
とにかく両チームとも、非常にテンポがスローで、無駄なドリブルが混ざるので攻撃のリズムが遅すぎる。
これじゃチャンスなんて作れるわけもなく、ミドルシュートぐらいしか攻め手がない。

後半41分、ロングボールから抜け出したのはサリナス。緊迫の1対1。サリナスVSパリュウカ!
だが、サリナスはパリュウカにシュートを当ててしまう。

後半43分、シニョーリが懸命に粘り、ロベルト・バッジョにつなぐ。サイドを変えての緊迫の1対1。
ロベルト・バッジョVSスビサレッタ! バッジョはサリナスとは違い、きっちりと決めて2-1。

ここから突然選手の動きが激しくなり、俄然面白くなるが、面白くなるのが遅すぎる……。
最後にはイタリアのタソッティがルイス・エンリケにひじ打ちを見舞い、後味の悪い感じで試合終了。

ベスト4に残ってなお、強いという印象を受けないイタリアだが、ともあれ2大会連続のベスト4に進出。
スペインはまたもベスト8の壁に阻まれ、大会から姿を消した。 

94 決勝トーナメント1回戦 メキシコVSブルガリア

   メキシコ 1-1 ブルガリア
       PK 1-3
 
欠場者(ブ) 誰だか知らないが3人出場停止者がいるらしい
    (メ) MFデルオルモ(出場停止)

試合内容 C+
MOM GK ミハイロフ(70)(ブルガリア)

GK カンポス(65)   ミハイロフ(70)
DF ラミレス(45)   フブチェフ(50) 
   ロドリゲス(50)  クレメンリエフ(50)
   スアレス(50)   ヨルダノフ(50)
   ヘスス・ラミレス(50)    キリヤコフ(50)
MF アンブリス(55) ボリミロフ(55)
    ベルナル(45)  バラコフ(50)
   ガリンド(50)   シラコフ(55)
   ガルシア・アスペ(45) レチコフ(65)
FW ルイス・ ガルシア(45) コスタディノフ(60)
   サグエ(50)       ストイチコフ(65) 

監督 バロン C      ペネフ B

【メ】
交代なし

【ブ】
シラコフ(55)→グエンチョフ B
コスタディノフ(60) →ミフタルスキー ?

 
ノルウェーに負けた後、アイルランドに勝ち、イタリアに引き分けてギリギリで突破したメキシコと
ナイジェリアにボコボコにされた後、最弱ギリシャに勝ち、アルゼンチンに金星をあげて突破したブルガリアの一戦。

試合は前半開始直後からブルガリアが押し、さっそくストイチコフが鮮やかなゴールを決める。
だが、ここからがこの試合を退屈なものにさせたのは審判の悪目立ち。
意味不明なジャッジを乱発し、試合をぶち壊したシリア人審判アル・シャリフの罪は重い。

まずブルガリアDFにサグエが倒されたシーンで、メキシコのPKを宣告。
しかしこのプレイは本来全くファウルではない、イーブンなボールの奪い合いだったのにどこがPKなのだろう?
このPKをメキシコが決めて同点に。
後半に入ると、審判の糞ジャッジぶりに磨きがかかる。
これまた全く意味不明なジャッジで、ブルガリアDFクレメンリエフにレッドカード。
メキシコにお金でも貰っているのか?と思わせる黒いジャッジに怒り心頭だったが、
ここで今度は帳尻合わせにメキシコのルイス・ガルシアにもレッドカード。
クレメンリエフのレッドカードよりはマシだが、このプレイもカードに相当するようなファウルではない。

試合の方もすっかり白けてしまい、均衡が保たれたまま10人対10人の試合はPK戦に突入した。


不満はNHKの実況解説にもある。まず、良いプレイをしても全然選手名が呼ばれない。
そのため、どの選手が良いプレイをしたのかがわからない(レチコフなど、顔に特徴のある選手はわかるが)。
メキシコの5番がヘスス・ラミレスという選手なのはわかるが、3番のラミレスは一度も名前を呼ばれないため、なにラミレスなのかもわからない(自分で調べろってか?)。
ブルガリアの選手はこの試合、3人も出場停止を食らっているらしいのだが、誰が出場停止なのかを一度も言わない(予選リーグでおなじみのイワノフ、ヤンコフあたりがこの試合には出ていないので、この辺り? それにしたって普通言うだろ)。
あと、レチコフは30歳じゃない。26歳だ! 4つも歳を間違えないでくれ。

(注:アルゼンチンVSルーマニアの実況はオルテガを30歳だと言っていた。10も歳を間違えている。
多分選手の事は全く知らず、生年月日のデータだけを見て自分で引き算でもしてるんだと思うけど、それにしたって酷い)


また、誤審に対して「誤審だ」と言ってはいけないルールでもあるのかもしれないが、
明白な誤審の乱発に対して「これが世界基準のジャッジなので、選手もそれに慣れないと」のような頓珍漢な発言をする。
こんなのが世界基準のジャッジであってたまるか。


と、このように不満ばかりが溜まる試合でござった。
いやー、ひでぇ審判。二度と笛を吹いてほしくないですね。


誤審といえば2002年、というイメージが強いですが、この大会も随分な誤審がありますね。
イタリアVSナイジェリアのゾーラの退場といい。


 
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