2016年06月

Euro2016 ルーマニアVSスイス

                ルーマニア 1-1         スイス

主審 C
試合内容 B+
MOM  SB リカルド・ロドリゲス(70)(スイス)

GK     タタルシャヌ(55)         ゾマー(65)
DF     ラト(50)              ジュルー(65)
       キリケシュ(55)         リヒトシュタイナー(55)
      グレゴリ(45)           リカルド・ロドリゲス(70)
                      サプナル(55)          シェア(65)
MF    ピンティリ(60)         グラニト・ジャカ(65)
      トルジェ(60)           メーメディ(70)
      プレペリツァ(40)           シャキリ(45)
      スタンク(60)          ジュマイリ(65)
      キプチュ(55)         ベーラミ(60)
FW     ケセル(30)         セフェロビッチ(45)

監督    ヨルダネスク B-        ペトロビッチ B-

【ル】 ピンティリ(60)→ホバン(50)
   ラト(50)→フィリップ ?
   スタンク(60)→アンドネ ?

【ス】 セフェロビッチ(45)→エムボロ(50)
   ジュマイリ(65)→ラング B
   シャキリ(45)→タラシャイ ?


試合は圧倒的にスイスが支配。攻めに攻めたが、結果は1-1の引き分けだった。
とはいえルーマニアのゴールは開幕戦と同じくPKによるもの。
それも今回に関してはかなり微妙な判定だった。
確かにリヒトシュタイナーがキプチュのユニフォームを引っ張っているのは確かなのだが、
それを言うならその直前にケセルがシェアのユニフォームを引っ張っており、PKではなくまずルーマニアの
ファウルを取るべきだった。
その他にも2、3、首を傾げる些細なジャッジミスがあり、主審の印象はあまり良くない。

後半も展開は変わらず、終始スイスがルーマニアを圧倒するも、メーメディの1ゴールに留まり、それぞれ勝ち点1を分け合う結果に。

スイスはこれで勝ち点4。成績の良い3位チームもベスト16に進出できる今大会のレギュレーションでは、
ほぼベスト16進出を決めたと言って良いだろう
(同じレギュレーションで行われた1986.90.94年のワールドカップで、勝ち点4を得た3位チームが敗退してしまったケースはない。94年のノルウェーは勝ち点4を得ながら最下位に沈んだが、スイスが最下位に沈む可能性もない)。

ルーマニアもまたベスト16進出に望みをつなぐ勝ち点1。とはいえ、守備しか出来ないこのチームが
トーナメントに行ってもどうなんだろうか……。


【ルーマニア】
フランス戦とメンバーを数人入れ替えたが、その中でもトルジェとキプチェ、2人のドリブラーはなかなか可能性を感じるプレイを見せていた。
……というかこの2人にしか可能性を感じなかったと言った方が正しい。


【スイス】
試合内容では完勝だが、そこで勝てないのはスイスの欠点だ。
重度の決定力不足を患う前線は、この日も不発。
近年ビッグトーナメントに頻繁に顔を見せるスイスだが、どの大会でも前線がからっきしなのだ。
この日はエースのシャキリも完全に不発。これではなかなかゴールも遠い。
中盤で完全に主導権を握れたのは特にジャカとジュマイリの力が大きく、湿り気味だったサイドアタッカーのメーメディもゴールを決めてからは活力を取り戻した。
MVPはリカルド・ロドリゲス。リヒトシュタイナーも含めて、SBのオーバーラップがスイスの攻撃に厚みをもたらしている。
これもまた、今大会に限った事ではない。

結局、2014年ワールドカップから、スイスは全く印象が変わらない。
鉄壁とまでは言わないもののそれなりに強度の高い守備陣。オーバーラップを得意とする両SB。
それなりの支配力を持つ中盤。そして、しけりきった前線である。
この前線に火がつかない限り、スイスはいつまで経っても「ベスト16で姿を消す好チーム」のままだろう。
もっとも、そんなスイスのサッカーが個人的には割と気に入っていたりもするのだが……。


 

どうでもいい記事(ポーランドVS北アイルランド)

いつものEuroですと、「全試合観戦!」という姿勢で頑張るのですが、
今回は試合数が大幅に増えたため、事前に見たいカードをピックアップしておいて
そこだけはなるべく見るようにし、
後のカードは、時間に余裕があったり気が向いたら見るようにしています。 

なので、基本は時系列順に試合を見ていくわけですが、たまに時系列的に前の試合の記事を書くこともあります。
ご了承ください。


で、3日前のポーランドVS北アイルランドを今見ていて、
記事にしようと思ってスタメンのメモとかもとったんですが……。
前半終了した時点であまりのツマラナサに、1記事用意する気がなくなってしまいましたわ……。


前半35分までに両チーム合わせて枠内シュート1本って……どんだけつまらない試合なんすかねぇ……。
北アイルランドはもう少しやると思ってたんだけど、こんなもんかぁ……。
 

Euro2016 ポルトガルVSアイスランド

      ポルトガル    1-1       アイスランド
主審  B
試合内容 A- 
MOM  GK ハルドールソン(85)(アイスランド)

GK   ルイ・パトリーシオ(65)     ハルドールソン(85)
DF   ペペ(60)          アルナソン(70)
    リカルド・カルバーリョ(55)    サイバルソン(60)
    ラファエウ(60)         スクラーソン(60)
    ヴィエイリーニャ(65)      ラグナル・シグルドソン(65)
MF ジョアン・モウチーニョ(65)    ギルフィ・シグルドソン(70)
   ジョアン・マリオ(65)       グンナルソン(50)
   アンドレ・ゴメス(70)       ビルキル・ビャルナソン(55)
   ダニーロ(50)         グドムンドソン(65) 
FW クリスチアーノ・ロナウド(70)     ボドバルソン(55)
    ナニ(75)          シグソールソン(55)


監督 フェルナンド・サントス B    ラガーベック  A


小国ながら堂々たる成績で予選を突破、本戦に挑むアイスランドが、いきなりグループ最強と目されるポルトガルに挑んだ試合は、両者オープンに打ち合う面白い展開になった。
『割とやるな』という印象のアイスランドではあったが、やはり時間が経つうちに実力の差が如実に表れ始める。
GKハルドールソンの好セーブにも救われかろうじて持ちこたえてきたアイスランドだが、
アンドレ・ゴメスの技巧的なクロスからナニが決め、ポルトガルが先制した。
しかし、後半にドラマが待っていた。
後半5分、ビルキル・ビャルナソンが値千金のゴールをネットに突き刺し、同点に。
以後は、ひたすら攻めまくるポルトガルの猛攻を耐えに耐え、試合はこのまま1-1で終了。
ほぼ順当に終わっている他グループとは違い、
オーストリアを破ったハンガリーともども、波乱の匂いが漂うグループFはとても面白くなりそうな、
そんな結果となった。


【ポ】
ジョアン・モウチーニョ(65)→レナト・サンチェス(60)
ジョアン・マリオ(65)→クアレスマ(65)
アンドレ・ゴメス(70)→エデル(50)

【ア】
シグソールソン(55)→フィンボガソン(55)
グドムンドソン(65)→エルマル・ビャルナソン ?


【ポルトガル】

1-1の引き分けで終わったポルトガルだが、内容は悪くなかったように思う。
伝統の4-3-3を長らくトレードマークにしてきたポルトガルは、サイドアタッカーは優秀でもストライカーに恵まれず、得点力不足に苦しんできた。
そんなポルトガルを、フェルナンド・サントス監督は4-4-2という奇策で改革した。
欧州全土でストライカーが不足している昨今、敢えて中盤の選手を前線に置く『ゼロトップ』はスペイン、ドイツなどが採用しているが、サントス監督が選んだのは前線からストライカーを排除し、サイドアタッカー2人を前線に並べるという「その手があったか!」と手を打ちたくなるような、大胆なシステム。
そしてその戦術は、アイスランド戦を見る限り、部分的に成功しているように思った。
……アイスランドに引き分けてしまったわけだから部分的に、と言わざるを得ないが、しかしシュート数は打ちも打ったり27本。
これで1ゴールしか決められなかったのは、従来からの決定力不足もあるが、それ以上にアイスランドGKハルドールソンが神がかっていたため。
また、これも相手がアイスランドだからかもしれないが、中盤のボール回しもスムーズで、特にアンドレ・ゴメスはフリーマンとして攻撃のあらゆる局面で顔を出していた。
最終ラインからは右サイドバックのヴィエイリーニャが果敢にオーバーラップ。
また、前線のナニも中央に絞ってストライカーの役割をこなすだけでなく、サイドに開いてクロスを上げるという
本来の仕事も適宜こなしており、その際にはアンドレ・ゴメスが前線に出るという可変システムを見事に機能させていた。
この試合を見た限りではあるが、今回のポルトガルは、割と強いと思う。
少なくとも惨敗に終わった2014と比べて、あるいは守備の力で勝ち上がった2012に比べても上だろう。

選手個々で言えば、ナニが最高点。次点はアンドレ・ゴメスだ。
不発に終わったクリスチアーノ・ロナウドだが、それでもさすがの存在感。
巧みに中盤をオーガナイズしていたモウチーニョとマリオの評価も高い。
ヴィエイリーニャは素晴らしいクロスを、特に前半何本もあげていたのだが、惜しむらくは失点シーン、
ビルキル・ビャルナソンをフリーにしてしまったのは、彼のミスだと思う。

交代選手も、18歳レナト・サンチェスのアイディアあるプレイにはワクワクさせられたし、一時期「魔術師ハリーポッター」などと呼ばれていたドリブルの魔術師クアレスマの登場も面白かった。
唯一、アンドレ・ゴメス→エデルの交代だけはよくわからなかった(ガタイの良いアイスランド相手に、フィジカルでしか勝負できないエデルを出してもしゃーないと思う)が、サントス監督への評価も悪くない。

しかし……シュート27本対4本でも引き分けてしまうこともある。そういう事なのだろう。


【アイスランド】

シーラカンスという言葉が頭をよぎった。
先日、イタリアVSベルギーの記事で、ベルギーのサッカーを80年代のようだと表現したのだが、
これは『球離れとプレイテンポの遅い』ベルギーを、プレイテンポの遅かった旧時代のサッカーのようだという揶揄のつもりである。
実際、昔のワールドカップをYoutubeで見た事があるが、1988~90年あたりを境にプレイスピードが格段に上がり、96年頃になると現代とほとんど遜色がなくなっている。
それまでのサッカーは、何というかかなり牧歌的だ。
イタリア戦でのベルギーは勿論そんなサッカーを目指していたわけではなく、単にレベルが低かっただけの話である。

アイスランドはそうではない。彼らは正真正銘、80年代の英国式フットボールを『武器』として堂々と使用している。
そしてなんと、強豪ポルトガルを相手に引き分けてしまったのだ。
80年代の英国式フットボールとは、『キック&ラッシュ』の戦術である。
前線に身長の高い選手を置き、とにかく、ボールを大きく蹴っ飛ばす。
サイドにボールを開き、高いボールをどんどん入れる。そんなサッカーである。
守備の局面でも、昨今の『ボールを丁寧に繋ぐ』サッカーなど知らんとばかりに、躊躇いなくクリアに逃げる。
身体をガンガンぶつけていく、プレイが荒いところまで昔のイングランドそっくりだ。
グンナルソンの超ロングスローという飛び道具まで完備しており、完全にこのサッカーで、大会に殴り込みをかけたのである。
当然、主導権は完全に相手に明け渡してしまうことになる。
ポルトガルはボールを丁寧に繋いでいくのに対し、アイスランドは思い切り蹴っ飛ばすのだから、
必然的にポルトガルがボールを持つ時間が長くなるのだ。
パス本数はポルトガルの4分の1、ボールを持っている時間は同じく2分の1、シュート本数は7分の1だ。
およそ優勝を狙う強豪国がやるべき戦術ではないし、強豪国がこんな試合をしたら僕はキレると思う。
しかし彼らはアイスランドだ。彼らは多分、ボールを丁寧に繋ぐなんて出来ない。
足元のテクニックなんて知らない。体格を活かしたこのサッカーしか出来ない。
ならば、唯一の武器であるこのスタイルを極めてみよう。
そんな潔さすら感じるアイスランドの戦いぶりには、ある種の感動を覚えた。


選手個々に目を向ければ、MVPは間違いなくGKのハルドールソンだ。
ポルトガルのシュートをことごとく跳ね返した32歳の守護神は、なんと2年前までアマチュアの選手だったという。
サッカー選手で30歳でプロデビューは凄い。
最終ラインはラグナル・シグルドソンを中心に安定。
困るのが中盤で、一番動きが良かったのはビルキル・ビャルナソン、二番目に動きの良かったグンナルソンなのだが、この二人、ファウルも非常に多かったのだ。
ビルキル・ビャルナソンはレッドをもらってもおかしくなかったと個人的には思う。
そんな彼に高得点はあげづらい……のだが、球際であれだけファイトし、歴史的なゴールまで決めてみせた彼に低得点をつけるのも……うーん。という、逡巡の末の55点だ。


最後にアイスランドのサポーターにも触れておきたい。
素晴らしく息のあった応援で、選手たちに勇気を与え続けるその姿は、チームをバックアップする『サポーター』の名にふさわしかった。
  

Euro2016 イタリアVSベルギー

   イタリア       2-0        ベルギー

主審  B-
試合内容 B
MOM  CH ジャッケリーニ(70)(イタリア)

GK  ブッフォン(65)           クルトワ(70)
DF  ボヌッチ(65)            ヴェルトンゲン(30)
    キエッリーニ(30)         アルデルワイレルド(55)
    バルザーリ(65)         ヴェルマーレン(40)
MF     ダルミアン(55)       DF シマン(40)
      パローロ(65)           ナインゴラン(55)
    カンドレーバ(60)         ヴィツェル(50)
    デロッシ(60)           フェライニ(65)
    ジャッケリーニ(70)         デ・ブルイネ(65)
FW   エデル(20)        MF  アザール(45)             
     ペッレ(70)        FW ルカク(45)

監督  コンテ A             ヴィルモッツ  C
  
【イ】
ダルミアン(55)→デ・シーリオ(55)
エデル(20)→インモービレ B+
デロッシ(60)→モッタ C

【ベ】
ナインゴラン(55)→メルテンス(35)
ルカク(45)→オリギ(35)
シマン(40)→カラスコ B


イタリアが守り、ベルギーが攻める。
開戦前の予想そのままの試合展開を見せた試合は、
小粒なタレントを見事に磨き上げ、チーム力として昇華させたイタリアと
優れたタレントをチーム力に還元できないベルギーの、チームとしての差が如実に表れた内容となった。
ボールは支配するも、イタリアに守備を固められゴールを割れないベルギーをあざ笑うかのように、
次々とカウンターを炸裂させたイタリアが、グループEの首位に立った。

【イタリア】
1+1を3に、4に底上げしたコンテ監督の手腕は特筆に値する。
史上最弱と言われたこの陣容でもここまで出来たのは、組織の力。
そしてその組織力を植えつけたのは、間違いなくコンテ監督の力だ。
自身が率いたユベントスの最終ラインをそのまま移植した守備陣は堅固の一言。
カンドレーバ、ジャッケリーニ、パローロといった『労働者』タイプの選手達も、このイタリア代表でなら生きる。
特に象徴的なのがジャッケリーニで、クラブチームでは大して輝かない彼が、代表ではビッグトーナメントの度に輝いている。
ボヌッチからの見事なロングパス1本を、丁寧なタッチでゴールに沈めた先制点は見事だった。

期待されていない大会ほど、イタリアは真価を発揮する。
となれば、今大会、『最弱』と言われた彼らは意外にやれるのではないか?
さすがに優勝は無理かもしれないが、ベスト4ぐらいなら狙える気がするのは私だけだろうか。

ただし、一点、気になる点はある。それはファウルの多さだ。
ここまで今大会は4試合、8チームを見てきたが、ここまで汚いチームは他になかった。
とにかくファウルで相手を止める。
エデルのファウルは、あそこを抜かれたら即大ピンチだったという事情は分かるが、レッドカードでも良いぐらいだ。キエッリーニも同様で、フェライニをエリア内で引き倒したプレイは、PKを取られなかったのが不思議なほど。
ファウルも戦術のうち、という言葉もあるが、個人的な信条としては故意のファウルというものは良いも悪いもなく、ただ醜いだけだと思っている。
そんな私の考えからすると、このようなイタリアのサッカーを手放しで褒める気にはなれないのが実際のところだ。


【ベルギー】 

1+1を4に底上げしたのがイタリアなら、1+1を0.5にしてしまったのがベルギーだ。
世代交代が進んだのならまだしも、チームメンバーが2014年からほぼ変わらない現状でこの体たらく。
ヴィルモッツ監督はこの2年間、何をやってきたのだろうか?

怪我人が大量に出てしまった最終ラインには言い訳の余地はある。
イタリアの両サイドにボッコボコにされてしまった上、満足にオーバーラップもできなかったシマンとヴェルトンゲンは、元々本職がサイドバックというわけでもない。
本人達にしてみれば不幸であり、仕方のない面もあるだろう。とはいえ……今日のプレイを採点するならば、落第である。
しかし、それ以上に酷いのが攻撃の局面だ。
全体的に持ち過ぎで、タッチ数が無駄に多いのは周囲が有機的に動けていないからだろう。
選手がボールを持っても、誰もボールを貰いに行かない。結果、イタリアの守備陣に絡め取られてしまう。
象徴的だったのがアザールで、全く良いところがなかった。
またディテールが非常に雑で、簡単なロングパスがズレる。簡単なトラップが長くなり、タッチラインを割ってしまう。見ていて思わず「下手くそ!」とか「なぜ……?」と口走ってしまうプレイが非常に多かった。
これは組織力以前の問題かもしれない。
良かった点を挙げるなら……ほとんどないのだが……デ・ブルイネは何度かセンスのあるパスを見せた……が、受け手のボールスキルがあまりに低かった(特にオリギ)。
また、ちぐはぐで雑な組織でもフェライニのフィジカルパワーは武器になる事も改めて解った。


とはいえ……。グループEはハッキリ言ってヌルいグループである。
恐らくこんなベルギーでも突破ぐらいはできるだろう。
トーナメント1回戦の相手に恵まれればベスト8も夢ではないかもしれない。
しかし、そこまでだろう。
スペインやドイツのサッカーとは何光年もの隔たりがある。
弱小国ならばそれでもいい。
しかし、ベルギーはれっきとした強豪国のはずだ。



 

Euro2016 スペインVSチェコ

      スペイン  1-0      チェコ
主審  B+
試合内容 B-
MOM  OH アンドレス・イニエスタ(80)(スペイン)

GK デヘア(65)           ツェフ(70)
DF セルヒオ・ラモス(60)         カデジャベーク(55)
   ピケ(70)              シボク(50)
   アルバ(70)            フブニク(65)
   ファンフラン(70)          リンベルスキー(50)
MF ブスケッツ(60)            プラシル(45)
   イニエスタ(80)            ダリダ(55)
   セスク(60)             ゲブレ・セラシエ(60)
FW   シルバ(75)        MF  クレイチ(60)
   ノリート(55)             ロシツキー(55)
   モラタ(65)          FW  ネチド(40)

監督  デルボスケ B-          ブルバ C+

【ス】 モラタ(65)→アドゥリス B+
   セスク(60)→チアゴ ?
   ノリート(55)→ペドロ ?

【チェ】 ネチド(40)→ラフィタ C
    セラシエ(60)→シュラル ?
    ロシツキー(55)→パベルカ ?


圧倒的にボールを支配するも最後が決めきれないスペインと、守護神ツェフを中心にじっと耐え忍ぶチェコ。
予想通りの前半を経て、後半、意外にもチェコが反撃の狼煙を上げた。
少ない決定機ながらも何度かスペインゴールを襲い、ただひたすら亀のように守るだけではなく、牙を持った肉食獣であることを示してみせたのだ。
試合は俄然緊迫するも、スコアは0-0。
このままで終わりかと思った後半41分、今日も特大の輝きを見せていたイニエスタのクロスに合わせたのは、
最終ラインから攻撃に参加していたピケ。
『ボールを完全に支配するもなかなか決めきれず、反撃に晒されてもなんとか0に防ぎ、そしてなぜか最後には1-0で勝つ』。
2010・2012とビッグトーナメントを制したスペインの、『いつもの』戦いで、しぶとく勝利を挙げたスペイン。
Euro三連覇に向けて、盤石……と言っていいのかはわからないが、『らしい』戦いで、まずは一安心の勝ち点3を挙げた。


【スペイン】

新顔で合格点を挙げられるのは3人。
カシ―ジャスの後継者として、遜色のないゴールキーピングを見せたデヘア。
最前線から有機的な攻撃メカニズムに溶け込み、チームの一員となっていたモラタ。
途中出場し、何度も決定機に絡んだアドゥリスの3人だ。
一方で先発出場したノリートには、やや持ち過ぎの傾向が見受けられ、攻撃のリズムを崩していたように思う。
セルヒオ・ラモス&ピケ&アルバ&ファンフランの最終ラインはしっかりと安定。
決勝ゴールを決めたピケはもちろん、アルバやファンフランは効果的なオーバーラップを見せ、ラモスの最終ラインからのビルドアップの質も高かった。
中盤でとりわけ輝いたのは、一人別次元の閃きを持つイニエスタ。そして前線ではシルバが攻撃に彩りを加えていた。この2人のマエストロについては、今大会も大いに期待して良いだろう。
やや物足りなかったのがセスクだが、彼は守備の方で、一度決定機を救っている。

気になるのはデルボスケの采配……というよりもベンチでの態度。
得点を決めても喜ぶどころか、終始心配事を抱えているような優れない表情を見せていたが、
2014年ワールドカップで、誰よりも先に『気落ちした表情』を見せ、チームに反骨心・闘志を注入できず、
崩れていったのは記憶にも新しい。
精神論、根性論ではないが、仮にアトレティコのシメオネ監督ならば、2014はあそこまで崩れなかっただろうと思うし、それは今大会のスペインにも言える。
逆境に立たされた時、デルボスケで大丈夫なのか。ベンチでの彼を見て、そんな不安を感じた。


【チェコ】 

本文で書きたい事は大体書いてしまったが、ただ守るだけではなく、攻撃にも転じられる。
そんな好チームがチェコだった。
とはいえ、全盛期の頃のチェコに比べるとタレント自体は小粒。
唯一「本物」のアーティストであるロシツキーも、今日は守備で精一杯だった。
一人ひとりの働きというよりも、組織の力がチェコの武器。
ゲブレ・セラシエ、フブニク、ダリダ、クレイチといった、労を厭わず献身的に走り続ける彼らの姿が目をひいた。
そして、やはり忘れてならないのは守護神のツェフ。彼がいてこそのチェコの堅守だろう。


 
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