2016年10月

かぐや姫の物語(バレあり)

評価は B+。
 
すごく難しい作品でした。
失敗作なのか、敢えて色々考えてもらうためにそういう筋立てにしたのかも解りません。

 
表面上の物語は簡単で、オリジナルかぐや姫(竹取物語)の筋をなぞっているだけなんですが……映画版かぐや姫の視点が、現代人視点なんですね。

 
「竹取物語」は平安時代のストーリーなので、当然平安時代視点の物語だと思います。
竹から生まれたかぐや姫が、美しく成長して、貴族の婚約者にモテまくって、とうとうイケメンな帝に見そめられるけれども、月に帰ってしまった~的なお話でした(でしたよね?)。

 
今回の「かぐや姫」のあらすじをざっと振り返りますと……かぐや姫は、捨丸という若者と親しくなり、楽しく山で遊びます。
ですがある時、かぐや姫を「高貴な姫君」として育てようと妙な熱意にとりつかれた翁が、都に無理やり引っ越してしまいます。
そこでかぐや姫は、嫌なお歯黒やら何やらを強制されるわ、身分は高いけど明らかにイケてない貴族連中に次々に求婚されるわ、散々な目に遭います。
その上、周囲からは「高い身分の人に嫁ぐのは女の幸せ」と再三言われ、野山を懐かしく思いながら宮中で暮らします。

 
これは非常に現代的な思考というか、私たちの時代の人間が見たら、宮中でのかぐや姫の境遇はあまり羨ましくないですよね。
平安時代の価値観ではハッピーだったかもしれませんが、現代の私たちから見ると(……と乱暴に括ってしまっていいのかも迷いますが)、貧しくても捨丸と一緒に楽しく野山を駆け回っていた方が、幸せだったのでは?と思ってしまいます。

 
現実の平安時代の庶民の暮らしは相当辛かったらしいので、一概にそうとも言い切れないんですが、今回の「かぐや姫」の映画ではそうした庶民の悲惨さにはあまり触れていませんので、いい着物は着れないけれど、捨丸たちと楽しく野山を駆け回って、畑で作物をとったりドロボーしたりしてる生活の方が楽しそうに見えます。
間違っても、あんな「麻呂」みたいな貴族に嫁いだり、人の家を勝手に覗いて(平安時代的にはこれは普通の行為だったはずですが)いきなり後ろから抱きすくめる帝に無理やり嫁がされるのは、あまり幸せそうには思えません。

 
ですが、かぐや姫は「月に帰りたくない。ここにいたい」と言い出します。
これが解らないのです。
「月に帰りたくない。山に帰りたい」なら解ります。
でも、そうではないんですよね。実際山には帰りません。


ここで山に帰って、捨丸と暮らすエンディングを迎えたなら、「イイハナシダナー」でおしまいなんですが、一方でファンタジー設定が投げっぱなしになってしまいます。
かぐや姫が一瞬で大人に成長したり、月に呼ばれているという設定が宙に浮いてしまうんです……が、物語的にはとても解りやすいものになったと思います。

 
しかしこの映画では、そうはなりません。
どうするかというと、原作どおり月に帰ります。月に帰るんですが、その際にも山の事を懐かしむ様子はなく、翁や媼との別れを惜しんでいます。そして、これまた立派な着物を着た月の姫として、月へ帰ってしまいます。


確かにこれならファンタジー設定は活かせるんですが……今度はかぐや姫の気持ちが解らなくなってしまいました。あんなに宮中で酷い目に遭って、なぜ「月に帰りたくない」という言葉が飛び出すのか。
繰り返しますが、「竹取物語」のかぐや姫ならこの発言は解るんです。宮中でイケメンにモテてハッピーな生活を送っていたはずなので。でも、この「かぐや姫」はそうはならないと思います。

 
たとえば、山で遊んでいる幼少期を「子供時代」とし、宮中を、俗に言う「ブラック企業」にたとえるとしたら……「ブラック企業」で働き続け、もう嫌だ、子供時代に戻りたいと願うもかなわず、別の転職先(月)へと転職していくかぐや姫……ブラック企業は嫌だったけど、同僚たち(翁、媼など)との思い出は大切、みたいな話なんでしょうか? 
 
 
なんというか、すごくモヤモヤする映画です。手放しで絶賛とかはできないです。
このモヤモヤが、製作者側の意図したものなのか、それとも単に「竹取物語」に無理やりなぞらえようとした末の失敗なのかがわからないところが、壮絶にモヤモヤします。でも、こういうモヤモヤはある意味貴重というか……
奇妙な味わいのする映画でした。
こういう映画もたまには面白いですね。

「富士日記」読了

著者は武田百合子。満足度はA。


人の人生というものは、それだけで一つの物語なのだ、という事を改めて教えてくれる作品。

著者の武田百合子は、小説家武田泰淳の妻。
二人が富士に別荘を構えた昭和39年7月(1964年)から、
泰淳が亡くなる2週間前の 昭和51年9月(1976年)までの12年間の日々の記録である。

本書は、誰かに見せるつもりで書かれた日記ではなく、ありのままの日々が書かれた記録である。
なので、「○○で買い物。××20円、△40円」みたいな記述も随所にあるし、毎日の献立もきちんと書いてある。
等身大の日々をそのままうつしとった作品で、退屈に感じる人もいるかもしれない。

しかし、一度この世界に入ってしまえば、そうした記述でさえも
「この頃の物価はこんぐらいだったのか」などの歴史的興味だけではなく、まるで百合子さんと一緒に買い物をし、
武田家の食卓に呼ばれたような臨場感を味わう事が出来る。
(ちなみに、武田家はハンバーグが多い。あとコンビーフも多い。基本は和食中心で、洋食はほぼない。中華はたまにある)


ただの日記を、面白い小説作品のように読ませてしまうのは、百合子さんの実力としか言いようがない。
まず、キャラクターが実に良い。
百合子さん自身は、男勝りで気が強く、少々抜けているところのある元気な女性というイメージ。
夫の泰淳さんは、気分屋で、面倒くさがりだが、意外とかわいらしい面があり、
親友キャラ的ポジションの大岡昇平や、その奥さん、近所のおじいさんおばあさん夫婦、
飼い犬のポコや飼い猫のタマ、外川さんなど、一人ひとりのキャラクターが実に立っていて、
非常にイメージしやすいのだ。
大岡昇平との仲の良さは、本当に羨ましくなるほどで、自分にもこんな友達がいたらなぁと思わされる。


また、エピソードを選び取る百合子さんの選球眼が良い。

飼い犬のポコのおバカさ加減、早く帰りたがって「そろそろ…」と何度も言う岩波さんを敢えてスルーする一同、
モグラを捕まえてきた飼い猫タマに対して「タマはえらいねぇ。強いねぇ……百合子も褒めてやらなきゃいかんぞ」などと言っておきながら後日、蛇を捕まえてきたタマを見ると褒めるどころかビビって部屋に引きこもってしまう泰淳さんなど、どれもこれも他愛のない話だがクスリとさせられるものばかりだ。

残したカレーを「あげる」と泰淳さんが言うから食べてみれば肉が残っていない、だとか
あまりに大岡さんの奥さんが美しいので、感動のあまり体操をしたとか、
なんだかこう、本当に楽しい日記なのである。


そんな楽しい日記にも終わりが来る。昭和46年(1971年)あたりから泰淳さんの体調が次第に悪くなっていくのだ。
泰淳さんが調子を落とすにつれ、ふさぎ込んでいく百合子夫人だが、泰淳さんの前では元気よく振る舞うその姿にはしんみりとしてしまう。
言葉にすると陳腐だが、何でもない日常が続く1964~71年あたりの武田家の生活は、かけがえのない幸せなもので。
泰淳さんが入院してしまうところで終わってしまうこの日記を通読した後は、また幸せだった頃の記述を読み直したくなってしまう。


もちろん、何で医者行かずに酒飲んじゃ煙草吸ってるねん! もっと早く病院行けよ…アホか!と思わなくはないし、百合子さんや泰淳さんも純度100%の天使のような人間ではないから、時には「ちょっとその対応は性格悪いぞw」と思うような描写もないわけではない。
現実に武田家の近くにいたら、ひょっとすると百合子さんは僕が苦手なタイプかなと思ったりもする。


しかし全体を通してみれば、やはり百合子さん始め、泰淳さん、大岡さん夫妻、犬のポコなどが愛おしく感じられ、武田家と共に楽しい日々を過ごした気分に浸れるだろう。


武田泰淳の作品は「ひかりごけ」を読んだ。「富士」は…どうだったかな。他は読んでいない。
大岡昇平の作品は「野火」は読んだ。「俘虜記」も多分読んだけど自信がなく、他は読んでいない。
(スタンダール著、大岡訳の「パルムの僧院」は読んでいる)。

武田百合子の作品は今回が初めてだ。


と、このように、僕自身としてはこの作品を読むまでそれほど知らなかった人々だが、
武田泰淳や大岡昇平の作品のファンなら、更に楽しめる事だろう。
知らなくてももちろん、面白い。


この作品を読んで、武田家や大岡家の日常をもっとよく知りたくなった私は、
「犬が星見た ロシア旅行」(武田百合子)や
「めまいのする散歩」(武田泰淳)、
 「成城だより」(大岡昇平)などもチェックしてしまうのだった。

 

2016年に読んだ本(随時更新)

S→味わい深く、いつまでも心に残りそうな作品

幻の女/ウィリアム・アイリッシュ……バレあり。こちらで。

黒い天使/コーネル・ウールリッチ……バレあり。こちらで。

七王国の玉座/ジョージ・r・r・マーティン……バレあり。こちらで(あまり良い感想記事にはならなかった気がする)


A→読んで良かったと思える作品

富士日記/武田百合子……感想はこちら

ヴァーチャルガール/エイミー・トムスン……ヲタクの青年が作り上げた、美少女ロボット。前半は良質な願望充足系小説と見せかけて、後半ではロボットヒロインの自立を描いた、アシモフ系統の(「アンドリューNDR114」のような)展開を見せるSF作品。何でも許してくれそうな天使のような美少女ロボットが、自立心を抱き、創造主の青年から離れ、たくましく成長していく。


王狼たちの戦旗/ジョージ・r・r・マーティン……「七王国の玉座」に始まるシリーズ作品。相変わらず面白いが、少し中だるみも。レンリーVSスタニスが一番面白かった。


暁の死線/ウィリアム・アイリッシュ……バレあり。こちらで。

クロノリス―時の碑―/ロバート・チャールズ・ウィルスン……『20年後の未来から「征服者の記念碑」が投下され、投下された都市は崩壊する』という設定が非常にワクワクさせられて面白いし、登場人物達も血が通っていて良い。久々に楽しいSFが読めた。


忘られぬ死/アガサ・クリスティ……Sに近いA。ある一人の女性の死を、六人の男女が回想する第一篇「ローズマリー」は秀逸。そこからやや失速するも、最後までミステリ・サスペンス・ドラマの三つの両輪が機能し、総じて良質な作品。容疑者候補が次々脱落していくのに、最後まで犯人が当てられなかったわ……。


パイドパイパー/ネビル・シュート……戦火の迫るフランスから、子供たちを連れて脱出を図るおじいさんが主人公の冒険物語。ハーメルンの笛吹き男よろしく、次々と道連れが増えていくのもポイント。ナチスの軍人ですら、親戚の娘を想う優しさを見せるなど、「渚にて」でも感じた事だが、シュートの作品はやはり暖かい。

ブラザーズ/ウィリアム・ゴールドマン……「人間爆弾」、「吸うと命令に従ってしまうスプレー」など、ラノベ的な要素が目白押しのアクション巨編だが、バカバカしさの中にもリアリティがあるのはさすが巨匠ゴールドマン。それにしても、ラストである。まさかメリッサが……。

テクニカラータイムマシン/ハリィ・ハリスン……倒産寸前の映画会社を救うべく、タイムマシンを使い、11世紀にタイムスリップ。現地のヴァイキングを主演男優に抜擢し、映画製作を始めるが……。気軽に読めるドタバタものだが、そこには冒険があり、ロマンがある。面白い。

幻影への脱出/ジョン・ブラナー……人口過密状態の地球で、ハッピードリームと呼ばれる麻薬が流行る。重度の麻薬中毒者の失踪が相次ぎ、捜査に乗り出した主人公はそこで恐るべき陰謀に遭遇する。丁寧すぎるためか、かなりのスローテンポが気になるものの、後半の怒涛の展開は見事。

ヴァリス/フィリップ・K・ディック……難解故に挫折者多数と言われた本だけれども、これは「解らないところはそのままにして進むべき」作品だと思う。全編が「狂人の戯言」であり、それ自体にはさほど意味はなく。それよりも、その戯言で構成された、奇妙な真実味の混じる歪んだ世界を追体験するツールとしてなかなか面白い。


夜来たる(長編版)/アイザック・アシモフ&ロバート・シルヴァーバーグ……6つの太陽が輝き、常昼の惑星において、2049年に1度、全ての太陽が落ちる「夜」がやってくる。「闇」よりも恐るべきは、夜空に輝く「星々」の光だった。もしも昼間しかない世界に夜が来たら?という問いに対して思考を突き詰めていき、一つの世界の終末を描いた本作は、「SF的な思考実験」と「ドラマ・物語」が両輪のように組み合わさった質の高い作品。
「夜」が来たことで、従来の『宇宙には惑星は6つしかない』という常識が崩れるという、概念崩壊のカタルシスが素晴らしい。


夜明けのロボット/アイザック・アシモフ……地球の刑事ベイリと相棒のロボット、ダニールがコンビを組んで事件の解決に当たるシリーズの第三弾。と同時に、「ロボット」シリーズと「ファウンデーション」シリーズの連結を試みた作品でもある。事件自体はまずまず良くできているが、前作「鋼鉄都市」、前々作「はだかの太陽」に比べればだいぶ劣る。一方で、シリーズの連結には成功しており、何度も「おぉっ」と驚いた。「アイ、ロボット」、「ファウンデーション」などを既読のシリーズ読者にはお薦めだが、アシモフ初読の方が読んでも楽しめるかは疑問。


死の猟犬(短編集)/アガサ・クリスティ……ホラー色の強い短編集。 その中で一番面白かったのが純正ミステリの「検察側の証人」だったのは皮肉だが、しかし、SFファンタジーの「死の猟犬」やホラーの「ジプシー」などもなかなか面白い。これだけ書けるなら、ミステリだけじゃなくもっといろんなジャンルの作品を書いてほしかったなと思った。

皇帝の嗅ぎ煙草入れ/ディクスン・カー……主人公に、クズな前夫にストーキングされている上に殺人犯の疑いをかけられた無実のバツイチ美女を持ってきたことで、読者は彼女に肩入れし、グイグイと読まされてしまう。個人的カーのベスト作品はこれかもしれない。

フラッシュフォワード/ロバート・J・ソウヤー……21年後の未来を垣間見てしまった人々。ある者は婚約者ではなく、別の女性と結婚する未来を見、ある者は自分が既に殺されているのを知る。未来は変えられるのか? 科学者もまた人間。ミチコをめぐる、ロイドとテオの関係性もまた良い。


ターミナルエクスペリメント/ロバート・J・ソウヤー……「自分の精神の複製を三パターン作ったところ、自分の妻の不倫相手が殺された。どうも犯人はどれかの複製(つまり自分)らしいんだが、どの複製が犯人だかわからん!」……と書くと、面白さが全く伝えられないな…… 割と複雑なSF的設定にも関わらず、場面展開が丁寧で、キャラクターにも感情移入しやすいキャラを厳選して配置しているため、安心してストーリーに入り込める。


ホミニッド 原人/ロバート・J・ソウヤー……並行宇宙からやってきたネアンデルタール人のポンターと、特定の交際相手はなく、太っていてレイプ被害に遭ったばかりの30代後半女性の心の交流が優しい、ファーストコンタクトもののSFストーリー。
 

B→暇つぶし以上の有益な何かを得た作品


ドリームガール/ロバート・B・パーカー……シリーズ後期の良作。子供を持たないスペンサーだが、「初秋」・「晩秋」に登場するポールを疑似的な息子、「儀式」、「海馬を馴らす」(未読)、「ドリームガール」に登場するエイプリルを疑似的な娘として見る事が出来る。
「初秋」での『教育』が成功し、大人として自立したポールとは対照的に、エイプリルは自立に失敗する。男を憎みながら、男を利用する事でしか「夢」を見る事が出来ないエイプリルの悲哀。「儀式」終盤でのスペンサーの『判断』は正しかったのか、悲劇は避ける事ができなかったのか。ほろ苦いながらも心に残る。



スターダスト/ロバート・B・パーカー……Aに近いB。ワガママ放題の自己中映画スターの女、ジル・ジョイス。彼女を脅かす陰から守るため、スペンサーが護衛につく。強きをくじくのは多くのハードボイルド小説でおなじみだが、弱きを助ける、その包容力はさすがスペンサーといったところ。

真紅の歓び/ロバート・B・パーカー……2作後の「スターダスト」と並び、親からの虐待を描いた作品。大胆かつ臆病なハゲたおっさんという真犯人の造形に悲哀を感じる。本作では救えなかった被虐待者だったが、「スターダスト」ではジルを救えたと考えると感慨深い。砂浜のかけっこシーンも○。

失投/ロバート・B・パーカー……既読シリーズの中では異彩を放つ、非常にバイオレンスな作品。ミッキー・スピレインばりに、悪役を射殺したりと楽しく暴力を振るう展開は、「モラル的にいいのか?」と思わなくもないが、しかしスカっとしたのも事実で、まぁ割と驚いた。

ペイパードール/ロバート・B・パーカー……ロス・マクドナルドあたりが書きそうな、「家庭の暗部」の物語。被害者一家の頭が悪すぎるのが難だが、なかなか読ませる。

晩秋/ロバート・B・パーカー……「初秋」の続編だが、別に読まなくてもいいレベル。「初秋」に出てきたポール一家の話は面白い一方、ブロス家まわりの話はさほどでもなかった。

ユダの山羊/ロバート・B・パーカー……Cに近いB。またギャング団(今回はテロリスト)との対決か…と思わなくはないものの、敵集団の中に一人、印象に残る女性キャラを入れた事で、ただの敵A、敵Bを倒す物語に堕してはいない。

虚像のエコー/トーマス・M・ディッシュ……複写された主人公が、複写された世界で繰り広げる冒険モノ……と言っていいのかな? あまり冒険はしてないけどw ラスト、複写された主人公達が複写された人妻ヒロイン達と結ばれ、それを複写された人妻の旦那が祝福するというエンディングで俺の度肝を抜いた。


乞うもの盗むもの/アーウィン・ショー……前作「富めるもの貧しきもの」の方が面白かった気もするが、本作もまた面白い。前作に登場したグレーチェン、ルドルフの姉弟と、父の復讐に燃えるウェズリー、恋に迷いテロ活動に引き入れられていくアボット。ジョーダーシュ家のそれぞれの生き様が描かれる(ストーリーを書くのが難しい話ですね)


ハートの刺青/エド・マクベイン……連続殺人鬼を、口の利けない美女テディが尾行する、ラスト30ページの緊迫感はなかなかのもの。主人公格であるキャレラも格好良いし、このシリーズの中ではおすすめの部類。


被害者の顔/エド・マクベイン……謎に包まれた被害者アニー・ブーンの存在が印象深い良作。↑の「ハートの刺青」に比べると少し落ちるか。コットン・ホースのノック事件は面白い(面白がって良いのかはわからないが)


料理長が多すぎる/レックス・スタウト……「アメリカの陪審員は男性しか務めることができない」という1930年代に書かれた一作。ラストのバッドエンドはある意味衝撃。社会派小説として男女差別を訴えた作品、というわけでもなさそうなのだが、結果的にそういった側面を持つ有益な一作に仕上がったのではなかろうか。胸糞だけど。


ノーストリリア/コードウェイナー・スミス……Cに近いB。ごくごく普通の冒険モノという印象。猫娘美少女のク・メルとか、自分が望む1000年分の夢を一瞬で見られる薬とかは良かったけど。


マギンティ夫人は死んだ/アガサ・クリスティ……過去の殺人を下敷きにした事件にしては、盛り上がりに欠けるかなぁ。序盤のポワロはいつになくシリアスな雰囲気で新鮮な感じがしたけれど、途中からは良くも悪くもいつものポワロに。

ヘラクレスの冒険(連作短編)/アガサ・クリスティ……適度に面白く、あくまでも適度になのであまり語る事がないな……。字が大きいとはいえ、560ページを1日かからずに読めちゃったので、退屈はしない。暇つぶしにどうぞ。

小鬼の居留地/クリフォード・D・シマック/「優しさと寂寥に満ち、人間の友達が少なく、代わりに異種族の友人が多い」。これまで読んできたシマックの作品にはそんな作品が多かったが、本作は「優しさに満ち、人間の友達が少なく、異種族の友人が多い」までは合っているものの、小鬼やサーベルタイガー、おばけ、車輪人に竜などの愉快な登場人物がワイワイやっていて、ほのぼのとした楽しさを感じる。↓の「マストドニア」よりは上。



マストドニア/クリフォード・D・シマック……「郷愁」、「牧歌的なやりとり」、「異星人」、「庶民(どちらかと言うと弱者)への暖かな視線」といったシマック特有の良さ、温かさは本作でも健在なためシマックファンならそれなりに楽しめそうだが、同著者の『都市』や短編集『愚者の聖戦』、『中継ステーション(の前半部)』のような、身を引き裂かれるような郷愁や、胸にこみあげるような暖かさと比べると、どうしても鮮烈さは薄い。

ウィジェットとワジェットとボフ(短編集)/シオドア・スタージョン

叛逆航路/アン・レッキー……劣化「闇の左手」。ルグィン的フェミ二ズム視点は面白いが、本家ルグィンに比べれば物足りないし、物語の本筋も別になぁ……。

流れ星をつかまえろ/ジョン・ブラナー……300年後に地球が滅亡すると知った主人公は、星を救うため旅立つ。という話なんだけど、このあらすじに反して、自分の求める夢を追いかける男女の清々しい冒険物語の様相。名作とかではないけど、気軽に読めて元気になれる良作冒険ストーリー。まぁ、最後の唐突な謎解きといい、B級くささ全開ではあるが、それもまた良し。


時間封鎖/ロバート・チャールズ・ウィルスン……「人間ドラマもSFも楽しめる」作品だと思うんだけど、個人的にSF部よりも人間ドラマ部の方が面白かったし、その人間ドラマ部も、印象としてはSF部の添え物というか、帯に短したすきに長しな印象を受けた。悪くはなかったんだけど。

別れの顔/ロス・マクドナルド……

フランクフルトへの乗客/アガサ・クリスティ……クリスティ作品の中では「ビッグ4」と並んで特に評判の悪い作品だけど……お薦めはしないものの、思ったほどつまらなくはなかった。1930年代に書かれたクリスティ作品の大半はこれよりもつまらないと思うぞ。

ユダの窓/ディクスン・カー……「カーは読みにくい」という思い込みが僕の中にはあるのだが、新訳のおかげか、
この作品は読みにくくはなかった。法廷闘争に読みごたえがあり、エンタメとして面白かったが、謎解き自体は特に興味はなく。なので、カーを再評価というよりは、この作品が例外なだけかもしれないが、まぁ楽しめた。

曲がった蝶番/ディクスン・カー……本物のファーンリーはどちらかという謎で引っ張り、真犯人の供述で締めくくる。タイタニック号での死闘は読みごたえがあったし、主を想うノールズ老人の気持ちには感動させられた。

読者よ欺かるるなかれ/ディクスン・カー……相変わらずの手品趣味であるカー作品だが、本作はその手品趣味にきちんとしたメッセージ性があったので白けずに読めた。近年のバカッターを思わせる「俺が人殺します!!証拠はないからねwww 逮捕できないでしょww」からの、「逮捕します」「なんでェェェ!!」な展開も笑えた。


貴婦人として死す/ディクスン・カー……全然貴婦人じゃないし、犯人にもあまり同情できないのにH.Mが犯人に同情的だったのは謎だったけど、一つの話として面白かった。戦争の影が濃い作品で、人間ドラマとしての陰影が濃い。若者たちの恋愛事件ではあるが、三人の老人の存在・視点が、物語を印象深くしていると思う。


帽子収集狂事件/ディクスン・カー……中盤まではつまらなかったけど、後半になるにしたがって面白くなった。ただ、真犯人を追い詰めるために、疑惑をかけられた人物が自殺しているんだが、それについてのフォローはなしでいいのか?

一角獣の殺人/ディクスン・カー……「ユダの窓」でも思ったんだけど、無実の主人公に濡れ衣が着せられ、それを晴らすという展開は熱い。しかし、濡れ衣が無事晴れてからは、誰が犯人でも割とどうでも良かったりした。普段、空気でしかない語り手のケンが今回は大活躍。ヒロイン、イブリンとも結ばれるので、そこは良かった。


ビロードの悪魔/ディクスン・カー……割と面白いんだけど最後が不満。歴史を変えた……っていうほど歴史を変えられてないような。結局リディアを救えなかった時点で……っていう。メグの処理も微妙だし、ラスボス格のキャプテン・デュロックも単なる小物だし。シャフツベリー卿やキティを倒すのならまだしも、こんな雑魚と一騎打ちしてもなぁ。まぁでも面白いは面白かった。


黒いカーテン/コーネル・ウールリッチ……「ある朝気づくと3年間の記憶が亡くなっていた」→「主人公を狙う怪しげな男が登場」→「奥さんとのつかの間の再会と別れ」→「記憶のなかった3年間、主人公の恋人だった女性の登場」と、面白くなりそうな要素たっぷりだったんだけど、肝心の謎は1つ。しかもその謎はあっさり解決しちゃうし、記憶喪失中恋人だった女性と現実の奥さん、2人の間で揺れ動いたりも全くしないし……微妙。

喪服のランデヴー/コーネル・ウールリッチ……↓の「黒衣の花嫁」とほとんど同じストーリーなんですけど……。殺人者の心理描写が増加して面白みが増したものの、まだまだ足りない。というか、全編殺人者視点で書いてほしかった。最後、警官の対応も謎。もうターゲット全員殺し終えて危険人物じゃなくなってるんだし、普通に捕まえりゃいいじゃん。




C→暇つぶし程度にはなった作品


ダブルデュースの対決/ロバート・B・パーカー……名脇役でもあるホークが大活躍する回。人気キャラだという彼の良さが今までイマイチわからなかったけど、今回のホークは確かに格好いい。
スペンサーとスーザンは同棲を始めるも失敗。しかし、同棲を失敗して別居に戻っても変わらずラブラブなのは良い。この割り切り(一緒に住むのを目指す事だけが恋愛じゃないし、結婚を目指す事だけが恋愛でもない)は(あまり読んだことがないから解らないけど)日本の作品にはあまりないんじゃないかなって。
個人的にはそういう恋愛の形があっても全然いいと思う。
 

悪党/ロバート・B・パーカー……養子をとりたいスーザンと、養子を取りたくないスペンサー。そこに、養子がらみの事件が2つ勃発する(1つはどうでもいい事件だけど)。
そんなこんなで、やっぱり養子なんて取るのをやめよう、と二人は合意をしたのであった。後発作品と比べちゃかわいそうだけど、たとえばジョン・ハートの作品群と比べると相当見劣りする。

告別/ロバート・B・パーカー……事件そのものは結構面白いんだけど、主人公スペンサーがそれに関わる動機が理解不能なので、他人事のように感じてしまう。しかし事件そのものは面白いので、事件の真相がひもとかれていくラスト30ページは結構楽しかった。

虚空/ロバート・B・パーカー……

儀式/ロバート・B・パーカー……

キャッツキルの鷲/ロバート・B・パーカー……

冷たい銃声/ロバート・B・パーカー……
 

黒衣の花嫁/コーネル・ウールリッチ……真相が解るまでがダラダラしすぎだし、真相自体も「うーん……」。
これが書かれた1940年当時は、やっぱり「結婚式は教会で!」というものだったのかもしれないけど、現代に生きる私としては、「別に結婚式をやる必要もなくね?」というのが率直な感想であり、
『マフィアに命を狙われている』状況でのこのこと『教会で結婚式を挙げた』らそりゃ殺されるよね……としか思えなかった。

暗闇へのワルツ/ウィリアム・アイリッシュ……救いようのない脳みそお花畑男が、悪女に金も命も奪われる話。
悪女がもう少し魅力的なら…、あるいはもう少し悪だくみをうまくやれるなら良かったかもしれないけど、こんな悪事が見えッ見えで、全然かわいくない悪女に金も命も捧げる愚かな男の姿を490ページも見せられても辛い。
 

鼠と竜のゲーム(短編集)/コードウェイナー・スミス……エヴァンゲリオンファンとして、ネタ元(名前がパクられただけだが)となった「人類補完機構」シリーズは読まねばとは思っていた。猫が活躍する編が全体的に多い印象で、ところどころ面白い編もあるが、全体としては期待外れ。

腰ぬけ連盟/レックス・スタウト

マクベス夫人症の男/レックス・スタウト

旋舞の千年都市/イアン・マクドナルド……トルコの街の風俗描写は面白かった。それ以外は別に……。

亡霊星域/アン・レッキー

プリンセスブライド/ウィリアム・ゴールドマン

ビーストマスター/アンドレ・ノートン

跳躍者の時空(短編集)/フリッツ・ライバー

たんぽぽのお酒/レイ・ブラッドベリ……ブラッドベリは大好きな作家だけど、これはイマイチのれなかったなぁ。文章はさすがに美しいけど、筋の方が。

鏡よ、鏡/スタンリー・エリン……精神を病んでいる主人公が、不条理な裁判にかけられるうちに、事件の全貌が見えてくるというお話。なるほど、とは思うんだけど、面白いかどうかはまた別なのと、まぁ割とよくあるタイプの話なんだよね……。


囁く影/ディクスン・カー……↓の4つよりは面白かった。三角関係モノなんだけど、男を惹きつける美女の魅力がイマイチ伝わってこなかったのが残念。

プレーグコートの殺人/カーター・ディクスン

三つの棺/ディクスン・カー……地中に埋められた三つの棺。兄に見捨てられ、生き埋めにされた弟が九死に一生を得、20年後復讐のために姿を現す……という舞台設定はとても面白い。事件自体は、まぁ……。

赤後家の殺人/カーター・ディクスン……中盤までの歴史ホラーっぽい展開は非常に面白かったんだけど、ミステリ的種明かしが、言ってはなんだがつまらなすぎる。こんなことなら、ミステリとして解決せず、怨念漂う歴史ホラーのままで良かったのでは?

火刑法廷/ディクスン・カー……ミステリと見せかけて実はホラー、ということで、物語の様相が二転三転するところが面白いんだけども、肝心の物語をもう少し面白く語ってくれないと……。

夜歩く/ディクスン・カー

震えない男/ディクスン・カー

魔女はよみがえる/ディクスン・カー……事件自体も無茶がありすぎだし、キャラクター描写は冴えないし……。

連続殺人事件/ディクスン・カー……主人公とヒロインの恋愛模様がユーモラスで楽しいので、そんなにつまらなくもないんだが、肝心の事件の方は割とどうでも良かった……。



D→自分には合わなかった作品

ヴェニスへの密使/ヘレン・マッキネス

白い僧院の殺人/カーター・ディクスン……外で不倫をしていた悪女(同性からも恨まれている)が夫に殺される……という話なんだろうけど、キャラクターが全く活き活きしていない。そのため、大して悪女にも見えないし、探偵のヘンリー・メリヴェールが犯人に同情しているのも意味不明。不倫はいかんが、殺すこともないでしょ。
そこで夫の妻への偏愛ぶりとか、妻の悪女っぷりを際立たせて、「やっぱり許せん! なんて女だ!」とさせてくれないと……。


緑のカプセルの謎/ディクスン・カー……犯人はわかりやすく、ストーリーは起伏に乏しく、訳は悪い。マーカス・チェズニイを『マーカス』と書いたり『チェズニイ』と書いたりするの、やめてほしい。
マーカスの弟のジョウ・チェズニイも、『チェズニイ』表記なので無駄に混乱する。


キャンプコンセントレーション/トーマス・M・ディッシュ……Dというか、Eというか測定不能。何が書かれてるんだかさっぱりわからん。頭の良い教授が酔っぱらってくだを巻いているのを延々読まされてる気分。
  



追記・定かではないが、
剣嵐の大地/ジョージ・r.r・マーティンも多分この時期に読んでる。
2016年は11月以降、プライベートで不幸があり、メモもロクに取れない状況だったため、漏れが多い

備忘録 ヒューゴー・ネビュラ・ローカス長編部門

備忘録的に、ヒューゴー、ネビュラ、ローカス(SF部門)の長編リストを書いてみる。

既読は赤字未読だけどほぼ確実に既読する予定なのは斜体A評価以上のお気に入りは赤太字
()内はつぶやきです。


英字は、読んだ「お気に入り度」。S~D評価です。

「お気に入り度」であって、「普遍的な面白さ」ではないこと、
僕は「生粋のSFファン」ではなく、文系脳(理系わからん)なため、
『物語・ドラマ』としてSFを読む傾向にあることも強く言っておきます。
(ファンを敵に回したくない……)

要は、自分が後で見たときに振り返れるようにというのと、
読者の方に「こいつはこういう作品が好きなのね」と知ってもらえればいいかなと。

リストはWikipedia丸写し。
作者名は本来入れるべきなんですが、手間が単純に二倍に膨れ上がったので割愛。ごめんなさい。


なお、賞受賞=面白さ、だとはこれっぽっちも思っていません。
現に僕の好きな作家はあまり賞をとっていないので……。
にも関わらず、やはり受賞作品は気になるというw

せっかくなので、ヒューゴー・ネビュラ・ローカスを軸に、
世界幻想文学大賞、キャンベル記念賞、英国SF協会賞、クラーク賞、ディック賞も補足として追加。
(世界幻想文学大賞はともかく、SF系の賞ってめっちゃありますね。どの賞が凄いんだかよくわからん……)

 
1953~1965はヒューゴー賞のみです。

1953  「分解された男」 B+ (同じベスタ―の「虎よ、虎よ」よりもとっつきやすいと思う)
1955  「ボシィの時代」
1956  「ダブルスター」 D   
1958 「ビッグタイム」 
1959 「悪魔の星」
1960 「宇宙の戦士」 B (右翼的な作品、らしいけど、どちらかというと左な僕が読んでも楽しめました)
1961 「黙示録3174年」
1962 「異星の客」 
1963 「高い城の男」 C-(フィリップ・K・ディックなら「ユービック」と「スキャナーダークリー」が好み)
1964 「中継ステーション」 B+ (シマックなら「都市」が最高に好きです。本書は後半の失速さえなければ)
1965 「放浪惑星」  (ライバーは「魔の都の二剣士」が好きですね)



1966~1970はヒューゴー・ネビュラのみです。

1966 ヒ・ネ 「デューン 砂の惑星」 C-

1967 ヒ「月は無慈悲な夜の女王」 D(ハインラインは「ラモックス」みたいな、小動物を描いた作品が好き)
    ネ「バベル17」 
    ネ「アルジャーノンに花束を」  (あまりに有名で今さらですが、いいものは良いです)


1968 ヒ「光の王」 
    ネ「アインシュタイン交点」 D(ディレイニーは許してくれ……読解力のない俺には良さがわからん……)

1969 ヒ「未訳」
    ネ「成長の儀式」

1970 ヒ・ネ「闇の左手」 B

ここからローカス賞登場。

1971 ヒ・ネ・ロ「リングワールド」 

1972 ヒ「果てしなき河よ我を誘え」 D(ファーマーは「恋人たち」が大好き。でもこの作品は正直駄作だと思う)
    ネ「禁じられた惑星」 C+
    ロ「天のろくろ」(ル・グィンはそこそこ好きなので読むかも)

1973 ヒ・ネ・ロ「神々自身」 B-(「永遠の終わり」とか「鋼鉄都市」「はだかの太陽」とかが大好き。なぜこれ?)

1974 ヒ・ネ・ロ「宇宙のランデヴー」 D *英国SF協会賞、キャンベル記念賞受賞

1975 ヒ・ネ・ロ「所有せざる人々」 C

1976 ヒ・ネ・ロ「終わりなき戦い」 C(トリプルクラウンが続きますねぇ。リスト作るのは楽ですが)

1977 ヒ・ロ「鳥の歌いまは絶え」(これ、読みたいんだけどサンリオSFで読めない!)
    ネ「マンプラス」 B+(同著者の3冠作品「ゲイトウェイ」よりも、本書の方が遥かに好き)

1978 ヒ・ネ・ロ「ゲイトウェイ」 C *キャンベル記念賞受賞

1979 ヒ・ネ・ロ「夢の蛇」 B

ここからローカス賞が2つに分かれます。便宜上SF部門のみ書きます。
ヒューゴー・ネビュラ賞とローカス賞ファンタジー部門が被った時だけ、『ロファ』表記をつけておきます。
また、ネビュラ賞は大幅に集計期間が違うみたいです。


1980 ヒ・ネ「楽園の泉」 C- (クラークは「都市と星」とかが好きなんだけどなぁ。「ランデブー」や「楽園」はあまり)
    ロ「ティーターン」

1981 ヒ・ロ「雪の女王」
    ネ「タイムスケープ」 C-

1982 ネ・ロファ「調停者の鉤爪」(「警子の剣」も、翌年ローカス賞ファンタジー部門受賞)
    ヒ「ダウンビロウステーション」
    ロSF「多彩の地」

1983 ヒ・ロ「ファウンデーションの彼方へ」 B-
    ネ 未訳

1984 ヒ・ネ・ロ「スタータイドライジング」 

1985 ヒ・ネ「ニューロマンサー」  *ディック賞受賞
    ロ「インテグラルツリー」 

1986 ヒ・ネ「エンダーのゲーム」 A
    ロ「ポストマン」 B- *キャンベル記念賞受賞

1987 ヒ・ネ・ロ「死者の代弁者」 A-(オーソン・スコット・カード、二作続けて気に入りました)

1988 ヒ・ロ「知性化戦争」 A
    ネ「落ちゆく女」

1989 ヒ・ロ「サイティーン」
    ネ「自由軌道」 

1990 ヒ・ロ「ハイペリオン」  
    ネ「治療者の戦争」

1991 ネ・ロファ「帰還―ゲド戦記最後の書」(実はゲド戦記は3巻途中で止まってる。いきなりこれ読んでもなぁ)
    ヒ 「ヴォルゲーム」 B-
    ロSF「ハイぺリオンの没落」  B- *英国SF協会賞

1992 ヒ・ロ「バラヤー内乱」 B+
    ネ「大潮の道」 

1993 ヒ・ネ・ロ「ドゥームズデイブック」 A-
    ヒ「遠き神々の炎」  B

1994 ヒ・ロ「グリーンマーズ」  
    ネ「レッドマーズ」 C *英国SF協会賞 (同じシリーズですが、ネビュラだけレッドなんですね)

1995 ヒ・ロ「ミラーダンス」 B-
    ネ「火星転移」

1996 ヒ・ロ「ダイヤモンドエイジ」 C+
    ネ「ターミナルエクスペリメント」 B+

1997 ヒ・ロ「ブルーマーズ」
    ネ「スローリバー」
 
1998 ヒ・1999ネ「終わりなき平和」 C *キャンベル記念賞受賞
    ネ「太陽と月の妖獣」(1998年のネビュラ賞はこちら。1999年のネビュラ賞が「終わりなき平和」)
    ロ「エンディミオンの覚醒」 (「エンディミオン」、まで読んで気に入れば)

1999 ヒ・ロ「犬は勘定に入れません」 
    ネ 1998年参照(「終わりなき平和」)

2000 ヒ「最果ての銀河船団」 A *キャンベル記念賞受賞
    ネ 未訳
    ロ 「クリプトノミコン」

2001 ヒ「ハリーポッターと炎のゴブレット」 B(「アズカバンの囚人」はローカス賞ファンタジー部門受賞)
    ネ 「ダーウィンの使者」(グレッグベアは「ブラッドミュージック」が好きだった。こちらも読む?)
    ロ「言の葉の樹」 D
 
2002 ヒ・2003ネ「アメリカンゴッズ」 C
    ロ「航路」 B
 
2003 ヒ「ホミニッド―原人―」 A-
    ネ2002年 参照(「アメリカンゴッズ」
    ロ 未訳

2004 ヒ・2005ネ・ロファ「影の棲む城」 B+
    ネ「くらやみの速さはどれくらい」 B
    ロSF「イリアム」 B+

2005 ヒ「ジョナサン・ストレンジとミスターノエル」 *世界幻想文学大賞 D
    ネ 2004年参照(影の棲む城)
    ロ 未訳

2006 ヒ「時間封鎖」 B
    ネ「擬態―カムフラージュ―」 B+
    ロ「アッチェレランド」

2007 ヒ・ロ「レインボーズエンド」  D
    ネ「探索者」

2008 ヒ・ネ・ロ「ユダヤ警官同盟」 C

2009 ヒ 「墓場の少年―ノーボディ・オーエンズの奇妙な冒険―」
    ネ「パワー」
    ロファ 「ラウィーニア」(ロSFは未訳なのでこちらをとりあえず紹介。ル・グィンなので読むかも)

2010 ヒ・ネ「ねじまき少女」 D *キャンベル記念賞受賞
    ヒ・ロファ「都市と都市」  *世界幻想文学大賞、クラーク賞、英国SF協会賞 C+

2011 ヒ・ネ・ロ「ブラックアウト」「オールクリア」 B+

2012 ヒ・ネ「図書室の魔法」 A
    ロ「言語都市」
 
2013 ヒ・ロ「レッドスーツ」
    ネ「2312――太陽系動乱――」

2014  



以上です。
1950~70年代のSFは賞とか関係なく、そこそこ読んだつもりです(無論、読書家の方には負けますが)。
1980年代~現代まで、まずは賞を中心に読みながら、話題作や気になった作品など
外堀りを埋めるように読みたいんですが、こうして見ても先は長いですねぇ。
賞を取らずとも、オールタイムベストSFに名前が上がらずとも、面白い作品はきっとたくさんあって、
それらに出会えるぐらいアンテナを高めたり、数多く読む余力があるかどうか。

SF以外にも、恋愛小説、ホラー小説も大好きだし、ミステリや純文学、ラノベなどなど、ジャンルは山ほどあるしなぁ……。
もちろん読書以外にも、ゲーム、映画、テレビドラマ……キリがないのでやめよう。 
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