2018年07月

エロゲの感想文の書き方について(中級編) を書こうとしたけど、あまりうまく行かなかったよ!

『面白かった。でもそれだけ』という感想を勝手に膨らませて、前回481字の感想を作りました。
481字程度の長さでは大した事もできませんが、もう少し読みやすい感想に改造してみましょう。




☆第1段階 簡単にできる修正を施す


『パロディネタが面白く、ギャグは何度も笑った。
特にヘタレでしょうもないけれども、共感*1できるフカヒレが最高だった。
ただ、笑えはするけれども、それ以上の何かがないのが残念だった。コメディだというのはあるけれど、カニルートやよっぴ―ルートは*2感動できそうな内容であるにもかかわらずなのに、感動できなかった。
レオはヘタレだし、乱暴な口調のヒロインは元々苦手なのでが好きではないのでカニも好きになれなかった。
*3ヒロインはなごみと乙女さんが好きです。
よっぴーはヤンデレすぎて怖かった。読んでいて安心できなかった。それが悪いとは言わないが、
明るい日常モノを読みたくてつよきすをプレイしたので……、ちょっとついていけなかった
好きなヒロインはなごみ*4と乙女
*5 まず、なごみについて。最初はツンツン冷たいのに、段々心を開いていくところがかわいすぎ
レオに頭をなでられて『えへへ』と笑うシーンは、あまりのかわいらしさにプレイしていて悶えてしまった。体育祭のフォークダンスのシーンも印象深い。
元々ヒロインが受け身のエッチシーンが大好きだということもあるが、なごみの反応もとてもよく、声優さんの演技も凄く良かった。手首を縛るHシーンが最高にお気に入り
*6次に乙女さんだが~(略)



*1 ヘタレでしょう「も」ないけれど「も」、共感「も」できる
→あまりに「も」が多い。削れるところは削る。
また、『った』という語尾が多いので、リズムを考えて語尾を調節する。


*2 感動できそうな内容を具体的に書く。カニルートやよっぴールートについて具体的に踏み込むと良い。
また、『であるにもかかわらず』は長い。『なのに』くらいで良い。
短く言い換えられる部分は適宜、短く言い換えて、読みやすくしよう。
(好きではない→苦手)など。


*3 唐突。全く必要ない。

*4 好きなヒロインはなごみと乙女、という一文を削除したので、代わりに『乙女』の一語を追加

*5 『乙女』の一語を追加したせいで、誰の事を褒めているのかがわからない。『なごみ』について褒めている、という指示語を足す。

*6 乙女さんが好きと言ったのだから、当然乙女さんについても書いてほしい



☆第2段階
『全体をパーツに分け、順次移動する』


『A
パロディネタが面白く、ギャグは何度も笑った。
特にヘタレでしょうもないけれども、共感できるフカヒレが最高!

B
ただ、笑えはするけれども、それ以上の何かがないのが残念。コメディだというのはあるけれど、カニルートやよっぴ―ルートは感動できそうな内容なのに、感動できなかった。
レオはヘタレだし、乱暴な口調のヒロインは元々苦手なので、カニも好きになれなかった。
よっぴーはヤンデレすぎて怖かった。それが悪いとは言わないが、
明るい日常モノを読みたくてつよきすをプレイしたので……。

C
好きなヒロインはなごみと乙女。
C-1まず、なごみについて。最初はツンツン冷たいのに、段々心を開いていくところがかわいすぎる。
レオに頭をなでられて『えへへ』と笑うシーンは、あまりのかわいらしさにプレイしていて悶えてしまった。体育祭のフォークダンスのシーンも印象深い。
元々ヒロインが受け身のエッチシーンが大好きだということもあるが、なごみの反応もとてもよく、声優さんの演技も凄く良かった。手首を縛るHシーンが最高にお気に入り
C-2次に乙女さんだが~(略)』



現状、何が言いたいんだかよくわからない感想になっている
ただ思いついたままを書き表しただけ、という印象だ(まぁ実際そうなんだw)
文章量のせいでなごみがかわいい、という事だけは伝わってくるが、最初に言いたかったことを思い出してみよう。

『面白かった。でもそれだけ』

テキスト主が僕自身ではないので紛らわしいが、とにかく本当に言いたい部分は『でもそれだけ』の部分のはずだ。
そうじゃなければ、『大した話でもないが、最高に面白かった』のような文章構成になるだろう。
たいていの人間は、最後に読んだ部分が印象に残りやすい
それを意識して、最後に言いたい事を持ってくるのが適切だと思う。


☆ 第3段階 

【一番言いたい主張が目立つように、移動・加筆・修正を行う】



そこでまず、この感想のパーツ分けをしてみよう。
Aはギャグの面白さについて。Bは『でもそれだけ』の部分。
Cは好きなヒロインについて。

一番簡単なのはBのパーツを最後に移動する事だ。


『A
パロディネタが面白く、ギャグは何度も笑った。
特にヘタレでしょうもないけれども、共感できるフカヒレが最高!

C
好きなヒロインはなごみと乙女。
C-1まず、なごみについて。最初はツンツン冷たいのに、段々心を開いていくところがかわいすぎる。
レオに頭をなでられて『えへへ』と笑うシーンは、あまりのかわいらしさにプレイしていて悶えてしまった。体育祭のフォークダンスのシーンも印象深い。
元々ヒロインが受け身のエッチシーンが大好きだということもあるが、なごみの反応もとてもよく、声優さんの演技も凄く良かった。手首を縛るHシーンが最高にお気に入り
C-2次に乙女さんだが~(略)


B
ただ、笑えはするけれども、それ以上の何かがないのが残念。
コメディだというのはあるけれど、カニルートやよっぴ―ルートは*2感動できそうな内容なのに、感動できなかった。
レオはヘタレだし、乱暴な口調のヒロインは元々苦手なので、カニも好きになれなかった。
よっぴーはヤンデレすぎて怖かった。それが悪いとは言わないが、
明るい日常モノを読みたくてつよきすをプレイしたので……。



少しはマシになった、と思う。
しかしこれだけではまだ散らかっている。


Bの部分が、『キャラ叩き』になってしまっているからだ。
これでは『嫌いなキャラがいるから面白くなかった』という内容に変わってしまっている。


これは『感動できそうな内容であるにもかかわらず』なんて無駄な文章を勝手に入れてしまった私(fee)が悪い。これで話がややこしくなってしまった。話の膨らませ方が間違っていた。
テキスト主はそんな事は言っていない。
『ただそれだけ』なのだ。

しかし『初歩の初歩編』という記事を既に書いてしまったので、なかったことにはできないw
なので、可能な限り手術を施そう。
レオ、カニ、よっぴー叩きは、これもまたキャラ話に分類できる。なので、好きなキャラのところに繋げたい。
また、キャラ話(Cパート)が長くなってきたので、キャラクターごとに見出しをつけた方が解りやすい。好きなキャラ順に並べるのもアリだろう。


『A
パロディネタが面白く、ギャグは何度も笑った。
特にヘタレでしょうもないけれども、共感できるフカヒレが最高!

C
好きなヒロインはなごみと乙女について

*1【1番好きなヒロイン 椰子なごみ】
まず、なごみについて。最初はツンツン冷たいのに、段々心を開いていくところがかわいすぎる。
レオに頭をなでられて『えへへ』と笑うシーンは、あまりのかわいらしさにプレイしていて悶えてしまった。体育祭のフォークダンスのシーンも印象深い。
元々ヒロインが受け身のエッチシーンが大好きだということもあるが、なごみの反応もとてもよく、声優さんの演技も凄く良かった。手首を縛るHシーンが最高にお気に入り。

【2番目に好きなヒロイン 鉄乙女】
C-2次に乙女さんだが~(略)

*2【3番目に好きなヒロイン 霧夜エリカ】
(略)

【4番目に好きなヒロイン 佐藤良美】

よっぴーはヤンデレすぎて怖かった。それが悪いとは言わないが、
明るい日常モノを読みたくてつよきすをプレイしたので……。

【5番目に好きなヒロイン 蟹沢きぬ】
乱暴な口調のヒロインが元々苦手なのでカニも好きになれなかった。


☆ 欠点:シナリオの弱さ
ただ、笑えはするけれども、それ以上の何かがないのが残念。
カニルートやよっぴ―ルートは感動できそうな内容なのに、感動できなかった。
*3ヒロインが好きじゃなかったという事もあるが、ギャグの面白さに比べ、山場が弱く、ドラマチックさに欠けているように感じる。

*4【蟹沢きぬルート】

【佐藤良美ルート】


エロゲにそんなものを求めるな、と言われればそれまでだが、プレイした後に何か深く考えさせられるようなものもないし、プレイしている間は笑って楽しくても、数年後にどんな話だっけ?と思い返したらきっと思い出せない。まぁ暇つぶしにはもってこいかもしれないが、そんなゲームだったと思う。



*1
文章でダラダラと書いてもいいが、ある程度の長文になった場合、
キャラ事に見出しをつけるなどの工夫があると見やすい。
特に長文になった場合、読者が読みたいヒロインのところだけ読めるようになる。

*2
全ヒロインについて書く必要はないが、文脈上、なごみと乙女とカニとよっぴーについて触れる必要があるため、エリーをハブるのもかわいそうなので入れた。
書くことがなければ省略して良い。


*3先ほど確認したように、『でもそれだけ』という主張がメインである。
キャラ話(Cパート)を大々的にやってしまったので、メインの主張が2行では全然足りない。
Cパートに釣り合うように、Bパートもある程度ボリュームを膨らませる必要がある。


*4 シナリオについて書きたければ、話の流れ的にはここになる。書きたくなければ省略で良い。



★というわけで、一応の完成系


『パロディネタが面白く、ギャグは何度も笑った。
特にヘタレでしょうもないけれども、共感できるフカヒレが最高!


☆ヒロインについて

【1番好きなヒロイン 椰子なごみ】
まず、なごみについて。最初はツンツン冷たいのに、段々心を開いていくところがかわいすぎる。
レオに頭をなでられて『えへへ』と笑うシーンは、あまりのかわいらしさにプレイしていて悶えてしまった。体育祭のフォークダンスのシーンも印象深い。
元々ヒロインが受け身のエッチシーンが大好きだということもあるが、なごみの反応もとてもよく、声優さんの演技も凄く良かった。手首を縛るHシーンが最高にお気に入り。

【2番目に好きなヒロイン 鉄乙女】
C-2次に乙女さんだが~(略)

【3番目に好きなヒロイン 霧夜エリカ】
(略)

【4番目に好きなヒロイン 佐藤良美】
よっぴーはヤンデレすぎて怖かった。それが悪いとは言わないが、
明るい日常モノを読みたくてつよきすをプレイしたので……。

【5番目に好きなヒロイン 蟹沢きぬ】
乱暴な口調のヒロインが元々苦手なのでカニも好きになれなかった。


☆欠点

ただ、笑えはするけれども、それ以上の何かがないのが残念。
カニルートやよっぴ―ルートは感動できそうな内容なのに、感動できなかった。
ヒロインが好きじゃなかったという事もあるが、ギャグの面白さに比べ、山場が弱く、ドラマチックさに欠けているように感じる。


【蟹沢きぬルート】
【佐藤良美ルート】

エロゲにそんなものを求めるな、と言われればそれまでだが、プレイした後に何か深く考えさせられるようなものもないし、プレイしている間は笑って楽しくても、数年後にどんな話だっけ?と思い返したらきっと思い出せない。まぁ暇つぶしにはもってこいかもしれないが、そんなゲームだったと思う。





☆というわけで 一人反省会


とりあえず完成。
少しは読みやすくなった……と思うけど、なってないかもしれない。
正直、できの良い記事とは言いがたい。それでも、誰かの参考になるかもしれないと思って載せた。
折角書いちゃったしw

他人の感想を膨らませて、新しく一つ感想をでっちあげる(しかも、わざと修正点を残しておいて、後で修正の過程を見せていく)のって相当大変ですね。
ゲーム感想を一つ書く方がよっぽど楽でしたw 


ちなみに『上級者編』はありません。
私自身が上級者ではないので、上級者になれるコツがあったらむしろ誰か教えて下さいw


エロゲの感想文の書き方について(初歩の初歩編)

Twitterをやっていて、今まで、3人くらい見たんですよ。
エロゲが好きで、感想も書きたいけど、「長文感想が書けない」と言っている方を。
Twitterではしっかりした文章を書いている方なので、書けないはずがないと思うんですけど、
書けないと本人が思いこんでいるんですね。

まぁ、長文感想が書けたって、別に何の足しにもならないんですが、
もしかしたらそういう悩みを抱えている方が他にもいるかな?と思って
今回は記事を書きました。

エロゲは長文感想を書きやすい媒体(だと勝手に僕は思っている)なので挑戦してほしいです。




折角なので、こないだ残響さんと対談した「つよきす」を例に挙げてみます。


参考テキストはエロゲー批評空間に投稿されている
80点:面白かった。でもそれだけ」(12字)という方。


このテキストを使って、こちらで勝手に内容を膨らませてみましょう。


☆自問自答


最初にやるのは徹底して、自問自答です。
自問自答の繰り返しです。自分で自分にインタビューしてください。
テキスト主さんに実際にインタビューしたわけではないので、QだけでなくAも
feeが勝手に作ったものになります。


Q 面白かった。でもそれだけということですが、まず何が面白かったんですか?

A ギャグが面白かった。

Q どういうギャグが面白かった?

A パロディかな。特にフカヒレが出てくると笑えるよね。あいつ最高。

Q フカヒレの何が最高でした?

A ヘタレでしょうもない奴なんだけど、憎めないんだよな。結構痛々しいんだけど、あー、わかる、みたいな部分もあるし。

以上の内容をまとめると


『パロディネタが面白く、ギャグは何度も笑った。
特にヘタレでしょうもないけれども、共感もできるフカヒレが最高だった(55字)』

Q でもそれだけ、とはどういうことですか

A 笑えるけどさぁ。感動とかするゲームじゃないし

Q なんで感動しなかったんですか?

A そもそも感動するゲームじゃないってのもあるけどね。コメディだから。でも、カニルートとかよっぴールートとか、ある程度感動できそうな内容でも、心に響くものがなかったんだよなぁ。

Q じゃあまずカニルートですが、なぜ心に響かなかったんですか?

A レオがヘタレってのもあるけど、カニってヒロインにピンとこなかったんだよね。乱暴な口調のヒロインって好きじゃないし。

Q じゃあこのゲームで好きなヒロインはいましたか?

A なごみかなぁ、乙女さんもいいかも


ここまでをまとめると

B
『ただ、笑えはするけれども、それ以上の何かがないのが残念だった。コメディだというのはあるけれど、カニルートやよっぴ―ルートは感動できそうな内容であるにもかかわらず、感動できなかった。
レオはヘタレだし、乱暴な口調のヒロインが好きではないのでカニも好きになれなかった。
ヒロインはなごみと乙女さんが好きです(149字)』

55字+149字=204字


Q よっぴールートはなぜ感動できませんでしたか?

A よっぴーの描写が痛々しいっていうか病んでて怖かったよ

Q 病んでるヒロインは好きになれない?

A 好き嫌いというか、怖い。読んでて安心はできないよね。

Q 読んでて安心したい?

A 必ずしもそういうわけでもないけど、明るい日常モノを読みたい気分だったんで


『よっぴーはヤンデレで怖かった。読んでいて安心できなかった。それが悪いとは言わないが、
明るい日常モノを読みたくてつよきすをプレイしたので、ちょっとついていけなかった』(83字)

204字+83字=287字


Q 好きなヒロインはなごみと乙女ですか? じゃあまずなごみの良さからお願いします

A 最初ツンツン冷たいのに、段々心を開いてかわいくなってくるところが最高っすね。えへへって笑うところも好き。エッチシーンもエロいし

Q  えへへって笑うところってなんですか?

A レオに頭をなでられて、えへへって笑うんですよ! それがもう最高で! あと、体育祭のフォークダンスのシーンも良かったなぁ!

Q エッチシーンがエロいというのはどうしてですか?

A 元々ヒロインが受け身のエッチシーンが大好きなので。それに声優さんの演技も最高だし。手首を縛るプレイもいいっすよね!

『好きなヒロインはなごみ。最初はツンツン冷たいのに、段々心を開いていくところがかわいすぎた。
レオに頭をなでられて『えへへ』と笑うシーンは、あまりのかわいらしさに
プレイしていて悶えてしまった。体育祭のフォークダンスのシーンも印象深い。
元々ヒロインが受け身のエッチシーンが大好きだということもあるが、なごみの反応もとてもよく、声優さんの演技も凄く良かった。手首を縛るHシーンが最高にお気に入り』
(195字)


と、この調子でひたすら自分にインタビューしてみてください。

Q 声優さんの演技はどんなところが良かった?

Q そこまでなごみが好きなのに、シナリオはダメだったの? どんなところがダメだった?

Q ここまで話題に出ていないけど、エリカはどうだった?

Q 乙女さんについてはどう? どんなところが好き?

Q 物語中盤で、レオと乙女さんが喧嘩をするシーンがあったけど、あれはどう思った? レオと乙女さん、ぶっちゃけどっちが悪いと思う?





というふうに、次々に自分を質問攻めしてみましょう。
それに応えていくうちに、いつの間にか文字数は増えていると思います。




パロディネタが面白く、ギャグは何度も笑った。
特にヘタレでしょうもないけれども、共感もできるフカヒレが最高だった。
ただ、笑えはするけれども、それ以上の何かがないのが残念だった。コメディだというのはあるけれど、カニルートやよっぴ―ルートは感動できそうな内容であるにもかかわらず、感動できなかった。
レオはヘタレだし、乱暴な口調のヒロインが好きではないのでカニも好きになれなかった。

ヒロインはなごみと乙女さんが好きです。
よっぴーはヤンデレで怖かった。読んでいて安心できなかった。それが悪いとは言わないが、
明るい日常モノを読みたくてつよきすをプレイしたので、ちょっとついていけなかった。
好きなヒロインはなごみ。最初はツンツン冷たいのに、段々心を開いていくところがかわいすぎた。
レオに頭をなでられて『えへへ』と笑うシーンは、あまりのかわいらしさに
プレイしていて悶えてしまった。体育祭のフォークダンスのシーンも印象深い。
元々ヒロインが受け身のエッチシーンが大好きだということもあるが、なごみの反応もとてもよく、声優さんの演技も凄く良かった。手首を縛るHシーンが最高にお気に入り』(481字)



祝! 原稿用紙1枚突破!


このままだと内容が散らかりすぎていて読みにくいんですが、
とにかく「面白かった。でもそれだけ」(12字)から文字数だけは増えました。


ここまでが初歩の初歩編です。
とにかく一つひとつの感想を自問自答し、膨らませていくこと。
気づけば1000字、2000字も夢じゃない!

1000字、2000字書けるようになったら、次は「読みにくい」部分をどうにかして「読みやすく」するのですが、そこはまた次のステップ、次のレベルです。

最初はとにかく『文字数を増やす』事を心がけましょう。


文字数競争ではないので、無駄などうでもいい事を延々と書いて、
文字数を増やしたのでは意味がありません。
とはいえ、書けないよりはどうでもいい事でも書いた方が(最初の段階では)良いです。
後で削ればいいだけの話ですので。


つまらなくても、読みにくくても最初はいいんです。まずは長文を書いてみましょう。
長文をある程度書けるようになったら、次は読みやすい文章に『改造』してみましょう。


『改造』のしかたについては、また別の機会にでも。



続き書きました

→エロゲの感想文の書き方について(中級編)を書こうとしたけど(略)


良い出来の記事になったかどうかは何ともですが、参考にできる部分があれば参考にしてくださいw


あと、言うまでもありませんが、エロゲ以外でも応用は可能です。

2018ワールドカップ 個人的ベスト23選手+印象に残った選手

☆【GK】選出選手

ティボー・クルトワ(ベルギー)
ダニエル・スバシッチ(クロアチア)
カスパー・シュマイケル(デンマーク)


ここは割とすんなり決まった。
大会最優秀GKにも選ばれたクルトワは、とりわけブラジル戦の好守が印象深い。
ワールドカップ準優勝のスバシッチは、VSデンマーク、VSロシアのPK戦勝利の立役者だ。
最後の3人目は、そのクロアチアVSデンマーク戦で『鬼気迫るPK合戦』を演出したもう一人の守護神。
偉大な父ピーターが見守る前で、カスパーは父親と肩を並べるほどの凄みを見せた。


☆【GK】次点

No4はメキシコのオチョア。今大会でも再三のビッグセーブを見せた。
続いて、コスタリカのナバス
チームは予選リーグ敗退してしまったが、そのセーブでブラジルを散々に苦しめた。
韓国のチョ・ヒョヌの活躍は、韓国にとって数少ない明るい希望だ。


☆【GK】残念だった選手

今大会はGKのミスも目についた。
あまり趣味の良いコーナーではないが、1番に挙げるならデヘア(スペイン)。
彼の不調は大いにスペインを苦しめ、シュートを撃たれれば入るという惨状だった。
途中でレイナに代える選択はあったように思うのだが……。
カバジェーロ(アルゼンチン)もやってしまった。
しかし、代役GKのアルマーニもあまり良いパフォーマンスではなく……。
他にも、川島、ムスレラ、ロリスなどが失点に直結するミスを犯しているが、
中でも川島は株を落としたか。


☆【DF】選出選手 

ラファエル・ヴァラン(フランス)
シメ・ヴルサリコ(クロアチア)
ジョン・ストーンズ(イングランド)
ハリー・マグワイア(イングランド)
キーラン・トリッピアー(イングランド)
ディエゴ・ゴディン(ウルグアイ)
アンドレアス・グランクビスト(スウェーデン)
トーマス・ムニエ(ベルギー)

決勝のクロアチア戦、フランスの最終ラインを支えていたのは間違いなくヴァランだった。相棒のウンティティはVSオーストラリア戦での軽率なハンドなどもあり、選出できない。
ゴール前に鉄壁の守備陣を引き、あらゆる攻撃を跳ね返す『引きこもりサッカー』の使い手
ウルグアイとスウェーデン。
その堅守を引っ張っていたのはゴディングランクビストだ。
イングランドの3人は、守備というよりも攻撃面で異彩を放った。
あまりにも強烈なセットプレー。
正確無比なプレースキッカー、トリッピアー(ヤングが蹴る事もあったが)、そして空中戦無双のマグワイアストーンズ。イングランドベスト4の立役者は彼ら3人の存在が大きい。
ムニエは特別、パフォーマンスが際立ったわけではない。
しかし、ベルギー代表における『唯一、頼りになるWB』として独特の3バックシステムを成り立たせていたのは紛れもなく彼だった。
今大会でもトップクラスのSBとしてクロアチアを引っ張ったのがヴルサリコ。守備も安定し、攻撃面でのオーバーラップも光っていた。


☆【DF】次点

ウルグアイの左サイドバック、ラクサ―ルのハッスルプレイは見逃せない。
コロンビアのCBジェリー・ミナは3試合で3得点。セットプレーから無類の得点力を誇った。
余計な騒動を起こしてしまったのは残念だが、ピッチ上では素晴らしかったクロアチアのヴィダにも触れておきたい。尻上がりに調子を上げ、その気迫でチームを引っ張った一人だ。
大会前弱点と言われたフランスのSBを、しっかり引き締めたのがリュカ・エルナンデスだ。逆サイドのパバールも悪くなかったが、より優れていたのはリュカの方だろう。オーバーラップが少ないのは残念だが、こと守備面に関しては完璧に近い。


☆【DF】残念だった選手

真っ先に挙がるのは、アルゼンチンのオタメンディだ。
粗削りで粗暴だった彼だが、最近のマンチェスター・シティでの活躍ぶりで悪癖は治ったのかと思っていた。しかし試合に負けていると、苛立ち紛れにラフプレーをする悪癖は治っていなかった。
今大会、アルゼンチンが負けた試合は2試合。
そして2試合とも、彼のレッドカード相当のタックルを見る羽目になった。
メンタルがコントロールできないなら、ピッチに立つべきではない。

クオリティ不足を感じたのはドイツのリュディガー。スウェーデン戦で、フンメルスの代役を務めた彼は、相棒のボアテンクに散々負担をかけてしまった。
リュディガーの分まで働かなければならなかった結果、ボアテンクは2枚目のイエローで退場してしまった。


☆【MF:中盤の底】選出選手

DH エヌゴロ・カンテ(フランス)
CH ポール・ポグバ(フランス)
CH ルカ・モドリッチ(クロアチア)

大会MVPにして今大会最も輝いた司令塔はモドリッチだった。
クロアチアの攻撃を自由にオーガナイズした視野の広さは、レアル・マドリ―の同僚クロース(ドイツ代表)ばりだった。
シャビ、ピルロ、シャビ・アロンソ、シュバインシュタイガーらが引退した現在のサッカー界において、『マエストロ』の称号に相応しい。

フランス優勝を守備面から支えたのは鉄壁の中盤三人衆でもある、
カンテマトゥイディポグバ。この三人の壁を突き崩せたのは、クロアチアしかいなかった。
三人とも選ぶにふさわしいパフォーマンスだったが、さすがに多すぎると感じたのでマトゥイディには泣く泣く次点に回ってもらった
(決勝のゴールがあるまでは、ポグバではなくマトゥイディにしようと思っていた)。


☆【MF:中盤の底】 次点

第二の司令塔としてやや影が薄かったものの、ここぞという場面では登場したのが
クロアチアのラキティッチと、ベルギーのデ・ブライネ。デ・ブライネは二列目部門で選出するかギリギリ迷ったが、人数の関係で選外にさせていただいた。
ブラジルの中盤を一手に引き締めていたのがカゼミーロ
彼の出場停止の影響は甚大で、ベルギー戦の敗因の最たるものだろう。
また、二列目から飛び出してブラジルの攻撃に厚みを加えていたパウリーニョの貢献も素晴らしかった。

大物感は欠けるが、名バイプレイヤー達も紹介したい。
ウルグアイでは敵に食らいつく粘り強い守備でインパクトを与えたトレイラ
日本では、攻撃のタクトを振るった柴崎のクオリティが高さが印象に残った。
オーストラリアのムーイと並んで、アジア屈指の司令塔だ。
アルゼンチンのマスチェラーノバネガは、崩壊するアルゼンチンの中で唯一、中盤で戦えていた選手たちだ。彼らの頑張りがなければ、アルゼンチンは予選リーグすら突破できなかったに違いない。
サウジアラビア戦でセンセーショナルな活躍を見せ、スペイン戦では前線を務めたゴロビンも、
司令塔として今後が楽しみな選手の一人だ。
コロンビアでは不調のハメスに代わって、代役のキンテーロが存在感を見せていた。


アルゼンチン、フランスに『中盤勝負』で勝ったクロアチアから、支配権を奪取し、
最後まで準優勝国を苦しめたデンマークでは、ディレイニーの巧みなパス出しが光った。
スウェーデンでは、フォシュベリ、ラーションの2人が、最終ラインと前線の橋渡しを力強く演じた。



☆【MF:中盤の底】残念だった選手

残念だった選手、と来ると真っ先に名前が挙がるドイツでは、
ケディラ、ギュンドアン、エジルのトルコ系移民3選手が軒並み不調に終わった。
特にギュンドアンとエジルは騒動を自ら起こしてしまい、ケディラは騒動には(恐らく)加わらなかったがパフォーマンスレベルは、チームでも最低ランクだった。


『不運だった選手・やらかしてしまった選手』はまたしてもブラジルのフェルナンジーニョ。
前回大会ドイツ戦1-7のS級戦犯でもある彼が、今大会でもベルギー戦でやらかしてしまった。
どうにもワールドカップとは相性が悪い彼。マンチェスター・シティでは良いプレイヤーなのだが……。

やらかし、と言えばコロンビアのカルロス・サンチェスが日本でもおなじみだろう。
日本戦のハンドだけでなく、イングランド戦でも(やや厳しいジャッジだが)PKを取られるなど、
とにかく運がなかった印象だ。
元々は粘り強い守備で、あのネイマールをも苦しめた選手(コパアメリカなど)。
悪い選手ではないだけに、こんな形で注目を浴びたのは不運としか言えない。

そのコロンビアでは、怪我の影響もあったとはいえハメスの不調が残念だった。
怪我なので仕方ないが、彼の活躍を楽しみにしていたファンもきっと多かったはずだ。

よく知らない選手なので、期待外れも何もないのだが、セルビアのミリンコビッチ・サビッチは凄い選手だと散々聞かされていた。
その評判を知らなければ名前も覚えられなかったに違いない。




【サイドアタッカー&2列目&FW】 選出選手

キリアン・エムバペ(フランス)
アントワーヌ・グリーズマン(フランス)
エデン・アザール(ベルギー)
ネイマール(ブラジル)
フィリッペ・コウチーニョ(ブラジル)
クリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル)
リオネル・メッシ(アルゼンチン)
ジエゴ・コスタ(スペイン)
エディソン・カバーニ(ウルグアイ)


優勝したフランスからは、個人的大会MVPのエムバペと副官グリーズマンを推す。
得点こそなかったものの、ジルー(次点に回ってもらった)の存在感も素晴らしく、この3人のユニットはバッチリ決まっていた。

フランス以外から選ぶなら、鮮烈なインパクトを残したエデン・アザール。
3位という望外の成績を残せた最大の立役者だろう。
限られた選手だけが持つ、スペシャルな輝きを放っていた。

王国ブラジルを助け続けたのがコウチーニョ
彼の2ゴールが、ブラジルを決勝トーナメント進出へと導いた。ネイマールの副官としての存在感は頼もしい限りだ。
そのネイマールは毀誉褒貶が相半ばした。
その『汚い』プレイに批判が集中するのは当然で、個人的にもあまり好きな選手ではないが、
それでも彼の活躍自体を否定する事は難しい。

同じ事はメッシ、クリスチアーノ・ロナウドの2人にも言える。
サッカー界最高峰のタレントだけに、チームを更なる上位へ導いてほしいという気持ちもあるが、
破滅的なアルゼンチンで、悲壮な孤軍奮闘を見せていたのは誰あろうメッシだった。
ポルトガルは、アルゼンチンほど酷くはなかったが、強国ウルグアイとの対決に敗れベスト16止まり。
とはいえロナウドは4試合で4ゴール。
とりわけ、スペイン戦でのハットトリックが印象深く、ウルグアイ戦で負傷のカバーニに肩を貸したシーンも感動的だった。

そのカバーニは、ポルトガル戦の2ゴールなどで完全にウルグアイの主役の一人となった。
以前から、ウルグアイの攻撃陣をスアレスと共に構成していた彼だったが、今まではワールドカップとンあると低調に終わっていた。
そんな彼が、本来の力を大舞台で披露し、スーパーな選手である事を証明してくれた。その試合で負傷してしまい、フランス戦に出られなかったのはつくづく残念だったと思う。

最後に選んだのはスペインを早期敗退の危機から救ったジエゴ・コスタだ。
大会前日の監督解任に揺れたスペインは、開始3分に先制点を許す。
彼の大活躍がなければ、スペインの今大会は初戦で終わっていたかもしれない。
スペインに久しぶりに表れた頼りになるFWだったが、欲を言えばロシア戦でも結果を残したかった。


【サイドアタッカー&2列目&FW】 次点

得点王の名前がないじゃないか、と言われるかもしれない。イングランドのハリー・ケインだ。
しかし、得点の内実を見れば、パナマやチュニジアと言った『守乱』チームからの固め取りで、特に印象が良いわけではない。とはいえ、仮にも得点王。ここで祝福しておこう。
同様の選手としてベルギーのルカクが挙げられるが、得点外の場面でもケインよりボールに絡めており、印象は良い。


クロアチアのアタッカー陣はそれぞれ、素晴らしいパフォーマンスを見せた。
最前線で身体を張ったマンジュキッチ、サイドを切り裂いたレビッチペリシッチ
ただ、マンジュキッチは決勝戦の印象が悪く、ペリシッチは好不調の波が激しすぎた。
逆にレビッチはコンスタントだが、『鮮烈な試合』というものはなかった。
とはいえ、いずれ劣らぬ好タレント揃いだ。

カバーニに席を譲ったが、名相棒スアレスはスーパースターたる所以を見せた。
メッシが孤軍奮闘する中、遅れてやってきた名相棒ディ・マリア。フランス戦では、必死の抵抗を見せてくれた。
南米からもう一人を挙げるなら、ペルーのカリージョだ。サイドバックのアドビングラ(書き忘れたがこの選手も、注目選手だ)と繰り出す右サイドの破壊力はなかなかのもので、こと、『娯楽性』なら南米一だった。

ドイツを破った中米メキシコでは、ロサーノ、ベラ、チチャリートのトライアングルが強烈なカウンターアタックを繰り出した。一人だけを挙げるならロサーノだろうが、チチャリートのポストプレイも見事だった。

開催国ロシアを勇気づけたのは、ラッキーボーイのチェリシェフと最前線で構える長身FWのジューバ。実力以上のものを出し切り、大会に確かな爪痕を残した。

ナイジェリアのムサがアイスランド戦で見せたゴールにも触れておきたい。
これぞアフリカの選手、というスプリント力で、相手DFとのスピードの違いを見せつけた。

北アフリカからはモロッコの華麗な攻撃陣。特に右サイド、ノルディン・アムラバットの突破力は見事で、観ているファンを楽しませてくれた。彼の負傷により交代で出てきた弟、ソフィアン・アムラバットが戦犯になってしまったのは残念だったが……。

スウェーデンの引きこもりサッカーを最前線で支えたのがベリ&トイボネンのペア。クオリティはベリの方が高く、彼のような選手がいるからこそアバウトなロングボールも効果的なのだと感じさせた。

大型FWでは大会前全く知らなかったセルビアのミトロビッチも、空中戦で存在感を見せてくれた。


【サイドアタッカー&2列目&FW】 残念だった選手

まずはクロアチアの二コラ・カリニッチだろう。
本当に負傷していたのかもしれないが、伝え聞くところでは『仮病』の疑いが濃厚で、代表を追放されてしまった。ただでさえハードスケジュールに苦しんだクロアチア。
その足を一番に引っ張った罪は重い。彼がいれば、もう少しマンジュキッチを休ませられたはずだ。

クラブチーム同様、惨めなパフォーマンスに終始してしまったのがフランスのデンベレだ。
単独突破しては潰されるだけ。
彼をジルーに代えたペルー戦以降、フランスは優勝街道を突き進んでいった。
それどころか練習態度をデシャンに批判され、半ば戦力外状態に落ち果てた。

そこまで酷かったわけではないものの、コウチーニョ、ネイマールが輝き、ウィリアンも徐々に調子を上げたブラジルで、最後まで波に乗れなかったのがガブリエウ・ジェズスだ。彼がゴールを挙げてくれれば、もう少し楽な戦いができたはずだ。

デンマークで完全に足を引っ張っていたのが最前線のニコライ・ヨルゲンセン。
ポストプレーもできず、ゴールの匂いも皆無な上、なぜか監督に重用され、最後にはPKまで外してしまった。左サイドのピオネ・シストも、セルタでのプレイを知っている身としては、もっとできるはずだと感じた。
デンマークの攻撃がエリクセンとユスフ・ポウルセンだけに終始してしまったのは、この2人の不調が原因だろう。


他に期待外れと言えば……ゴロゴロいるといえばいる。
ポーランドのレバンドフスキ、セネガルのマネ、エジプトのサラー、コロンビアのファルカオあたりが代表格だろう。
だが、レバンドフスキとサラーに関しては、チーム自体が悪すぎた。


☆監督
ディディエ・デシャン(フランス)

最優秀監督と言えばデシャンだろう。何も優勝したから言うのではない。
2014年から継続して強化してきた中盤3枚+カウンターの威力は、カンテとエムバペの登場により更に高まった。
調子が悪いと見るや、すぐさま交代させるその判断も実に妥当で、奇策の類は一切ないが
実に理解しやすく、効果的でソツのない手を打ってくる。
問題児と言われるベンゼマやベナルファ、ナスリらを追放し、チームから不協和音を駆逐したそのチーム作りも含め、最優秀監督の名は彼に相応しい。


☆良かった監督

成績順になってしまうが、クロアチアのダリッチは、『クオリティが高く、団結して、闘えるチーム』を作り上げてきた。
控え選手の層が薄いため、用兵術の腕はあまりわからなかったが、優勝候補に挙げる人間がほぼいなかったであろうクロアチアで成し遂げた準優勝は、あまりにも偉大だ。

乏しい戦力を練りに練り上げ、多彩なセットプレイを用意してチームを勝たせた、イングランドのサウスゲイト。イングランドベスト4進出の最大の立役者は彼だろう。
ここまでセットプレイに注力し、それがことごとく当たるとは、恐れ入った。

ベルギーのマルティネスは、有り余るタレントを活かせなかった前任者ヴィルモッツのチームを、
より良い形に進化させた。
攻撃の選手を無理やりスタメンに並べまくった、バランスの悪い布陣もご愛敬。日本戦で攻守のバランスを見出すと、新たなベスト11をブラジルにぶつけ、見事に勝利した。


今大会は、非常に組織化された好チームが多く、それらはやはり監督の手腕に起因すると思われるが、
いちいち挙げていくとキリがない。
戦術完成度が高いと感じたのは、ウルグアイのタバレス、スウェーデンのアンデションあたりだろうか。
メキシコのオソリオは、ドイツ戦で最高のサッカーを見せてくれたが、その後が続かなかったのが残念。
ブラジルのチッチは、ベルギー戦で敗れ期待外れの成績に終わったものの、決して悪い采配でもなければチームでもなかった。
特に惨状を呈しているライバル国と比べれば、雲泥の安定感だった。


【期待外れだった監督】

真っ先に挙がるのがレーヴだろう。なぜマリオ・ゴメスを先発で使わなかったのか。
なぜゴレツカをサイドで起用したのか。
ドイツが敗退したS級戦犯は、間違いなく彼だ。
とはいえ、今までドイツを栄光に導いてきたのは事実。次回の逆襲に期待したい。

スペインのイエロに罪はない。
何せ、大会前日に前監督のロペテギが不祥事により解任され、ほぼ素人の彼が緊急登板したのだ。
戦術オプションのなさや、デヘアの継続起用など、色々経験不足を感じたのは確かだ。
ここにロペテギがいればなぁと感じたのも確か。
しかし、ロペテギ解任はロペテギの自業自得だし、イエロに罪はない。
例えて言うなら、ベテランビジネスマンが丁々発止の交渉を繰り広げる場に、アルバイト店員が紛れ込んでしまったようなものなのだ。彼を叩くのは、あまりにも酷ではなかろうか。


イエロほど同情の余地があるか疑問だが、アルゼンチンのサンパオリにもさほど非は感じられない。
チームは崩壊しバラバラで、『優勝候補(笑)』と『世界最高選手メッシ』の看板だけが、
場違いなネオンサインで注目を浴びているように見えた。
内情はみすぼらしく、散々で、まるで良い所がなかった。
しかし、それはサンパオリの責任なのだろうか? 

今大会のアルゼンチンを見て思い出すのは2010年、暗黒のマラドーナ時代だ。
あの時もメッシだけが頼りで、チームはバラバラのどん底だった。
それから一体アルゼンチンはどんな経歴を歩んだだろうか。

マラドーナ後に招聘したバティスタは1年で解雇された。
次に招聘したサベーラが思わぬ大ヒットで、アルゼンチンは前回大会準優勝を遂げた。
しかしその後も監督をコロコロ代え、ヘラルド・マルティーノが去り、バウサが去り、
去年就任したのがサンパオリだ。
2004年にビエルサ→ぺケルマンと交代した後、この国では平均2年で監督が代わり続けている。
こんな状態で一体何ができるのだろうか。

 

決勝 フランスVSクロアチア(4-2)

・前半は完全にクロアチアのペース。ところが、事故のような2ゴールがフランスに転がり込み、フランスがリードしてしまった。

・中盤でフランスを上回ったチームはこの大会、ここまでいなかったと思う(初戦のオーストラリアは、まだ先発が固まっていなかったので除外)。クロアチアは今大会で初めて、フランスの中盤を封殺し、支配権を握った。

モドリッチ、ラキティッチ、そしてペリシッチが躍動した。一方、オウンゴールを気にしたのか、マンジュキッチに元気がなかったのは響いた。一応1ゴールは挙げたが、今日の出来だけを言うならクロアチアのワーストプレイヤー(ただし、ここまでの活躍を考えれば、叩く気にはなれない)。もっと積極的にシュートを狙ってほしかった。

・個人的にハンドのジャッジはやや厳しく感じた。ただし僕がクロアチアを応援していた事と、この主審はクロアチアVSデンマーク戦でデンマーク贔屓の誤審をしたのでかなり疑心暗鬼で見ており、そこは割り引いて考えてほしい。

・後半はフランスが盛り返し、互角か、ややフランスペースになった。カンテ→エヌゾンジの交代は妥当で、特に驚きはない。フランスは中盤で負けていたし、イエローももらっていたので。

ポグバの3ゴール目が効いた。フランスは今大会ここまであまり中盤の攻め上がりが観られず、物足りなく感じていたがあれは見事。エムバペのゴールも見事。そして、フランスの攻撃を支えたグリーズマンが、今日の個人的MOM。

・ロリスの軽率なミスでクロアチアが息を吹き返した。フランス自慢の守備的中盤が機能せず、クロアチアに攻撃のキーを握られっぱなしだったのは辛かったが、最終ラインのヴァランが空中戦をことごとく制し、最後まで崩れる気配を見せなかった。

・大会の総括は後日違う記事でやるつもりだが、とにかく最高の大会にふさわしい、最高の決勝戦だった。こんなに面白いワールドカップは、ちょっと記憶にない。



娯楽度 8

フランス代表採点 7

GK ウーゴ・ロリス 4・5  
RSB ベンジャミン・パバ―ル 5 
LSB リュカ・エルナンデス 6
CB ラファエル・ヴァラン 7・5
  サミュエル・ウンティティ 5・5 
DH エヌゴロ・カンテ 5.5→ステベン・エヌゾンジ 6
CH ブレーズ・マトゥイディ 5→コランタン・トリソ 5・5
   ポール・ポグバ 6.5
RWG キリアン・エムパべ 7 
LWG  アントワン・グリーズマン 8 MOM
CF  オリビエ・ジルー 6→ナビル・フェキル 5・5

監督 ディディエ・デシャン 8


 
クロアチア代表採点 7・5

GK ダニエル・スバシッチ 5・5 
RSB シメ・ヴルサリコ 5・5
LSB イバン・ストゥリニッチ 5・5→マルコ・ピアツァ ?  
CB ドマゴイ・ヴィダ 7・5
   デヤン・ロブレン 5・5
DH イバン・ラキティッチ 6・5 
DH マルセロ・ブロゾビッチ 6
OH  ルカ・モドリッチ 6
LWG イバン・ペリシッチ 7
RWG アンテ・レビッチ 6→アンドレイ・クラマリッチ 5・5
FW マリオ・マンジュキッチ 5・5

監督 ズラトコ・ダリッチ 7・5

【欠場者情報】
FW 二コラ・カリニッチ 大会追放


【展望】

優勝候補の一角として、盤石の戦いぶりを続けるフランスと、
僕がこれまで観てきたワールドカップでは、他に類のない『奇跡のチーム』クロアチアの決勝。

地力では間違いなくフランスに分があるだろう。
フランスの戦いぶりは実にソツがない。

ロリス、ヴァラン、ウンティティが固めるのが最終ラインなら、
その前に並ぶフィジカル能力に優れるカンテ、マトゥイディ、ポグバは第一防衛ライン。
この二層の守備ラインが、敵の攻撃を吸収する。

第一防衛ラインの守備力は大会最硬。このラインがボールを奪ったら、フランスの速攻が始まる。
攻撃の中心は19歳の怪童エムバペ。サッカー界の未来を担うかもしれない、スーパースターだ。
そこに絡むのが、2年前のMVP&得点王でありながら今大会は副官を務めるグリーズマン。
そして、無得点であることを批判されながらも、攻撃の潤滑油として欠かせないジルーだ。

率いるはデシャン監督。リードをすれば、時間稼ぎまでして守る。
手堅く守備固めのカードをチョイスする。イエローカードをもらった選手を早めに下げる。
先々を見越した選手起用など、とにかく明敏な大会きっての知将がフランスを率いる。


大会全体を見渡しても、フランスと同等の完成度を誇るチームは他にブラジルぐらいしか見当たらず、
この勝ち上がりはまさに順当と言えるだろう。


一方のクロアチアは、決勝に勝ち上がってきただけでも『奇跡』である。
予選リーグでは、ナイジェリア、アルゼンチン、アイスランドの『死のグループ』を1位で通過。
そしてそこからは、3試合連続の延長戦を勝ち抜いてきた。

最終ラインで特筆すべきタレントは、GKのスバシッチとSBのヴルサリコだ。
逆に言えば、逆サイドのSBストゥリニッチやCBのロブレン、ヴィダは奮闘はしているものの
大会No2を名乗るレベルにあるかと聞かれると、心もとない。

中盤の底で司令塔を務めるのが、大会最高の司令塔モドリッチ。
左右に振り分けられたパスは、正確に左サイドのペリシッチ、右サイドのレビッチへと届く。

この2人はやや波があり、良い時は本当に素晴らしいが、良くない時は今一つ。
その意味で、安定感は高くないのだが、イングランド戦でのペリシッチのプレイは凄まじかった
(ロシア戦、デンマーク戦のペリシッチは全然ダメだった。アルゼンチン戦は良かった)。
ペリシッチ、レビッチと2人の両翼が好調ならば、クロアチアの攻撃は破壊力を増す。
右サイドはヴルサリコのオーバーラップも見所だ。

中央の戦いでは恐らく、フランス自慢の『中盤の壁』が優位に立つだろう。
本来ならばクロアチア最大の武器であろう中盤のモドリッチ&ラキティッチだが、今大会ラキティッチの調子は今一つ良くない(少なくとも、期待ほどではない)。
そして、フランスの最大の強みが中盤センターの守備力である点も踏まえれば、サイド攻撃が唯一にして最大の解決法だと思われる。

そのためにも、サイドで優位に立てるかどうかが、クロアチアの命運を握っている。
最前線では闘うFWマンジュキッチが、チームを鼓舞する。
相手のジルーと似た役割を持つ大型FWだが、ジルー以上に前線からの守備や得点力で武器になっている。

エムバペと対峙するのはヴルサリコ。クロアチアで最も頼りになる守備者をぶつけられるのは大きいが、グリーズマンとジルーをロブレンとヴィダで見張れるだろうか。
ここまでオーバーラップを自重しているマトゥイディやポグバが積極的に上がってきた際、混乱をきたさないだろうか?
そして、3試合連続120分を戦ったスタミナは、果たしてどこまで回復するだろうか?


更に。
決勝の主審はネストル・ピターナ。
クロアチアVSデンマーク戦で、デンマーク有利のミスジャッジをかました個人的今大会ワースト級の主審である。
なぜこんな審判を選んだのか理解に苦しむが、これもフランス優勝の刺客なのかもしれない(妄想)


やはり、フランスの優勢は崩れない。決勝の舞台に立つだけで、クロアチアにとっては偉業である。
それでもここで満足せず、優勝カップを掲げるクロアチアの選手たちの姿が観たい。
決勝戦が怖く、そして待ち遠しい。
















ローレンス・ブロック「八百万の死にざま」感想

評価はA+

『八百万の死にざま』の主人公はアルコール中毒の探偵である。
本の裏表紙を観ると

キムというコールガールが(6行略)容疑のかかるヒモの男から、わたしは真犯人探しを依頼されるが……
マンハッタンのアル中探偵マット・スカダ―登場。

などと書いてあり、いかにも事件がメインでアル中は主人公のキャラクター付けにすぎないような印象を受けるが、これはフェイクである。

「事件」が大事じゃない、とは言わない。
しかし比重は「アル中7:事件3」程度の比率である。アル中の物語なのである。

「こんなつらい世の中じゃ、みんな色々抱えている。見ない振りをする事もできる。
だが、私は現実を見ない振りなどできない。そんな辛さを和らげるため、私は酒に逃げるしかない」

の『現実』にあたるのが『事件』であり、この作品自体は至って普遍的な、『依存症脱却』の物語だ。

主人公のスカダ―は、AA(アルコール中毒者自主治療協会)に足繁く通うが、そこで自分の体験を語る事はない。
ただ、他の人間の話に耳を傾けるだけだ。
何日か自己満足の禁酒をするものの、耐え切れずまた飲み始めてしまう。

「自分はアル中ではない」と自らに言い聞かせ、「飲んでも良い言い訳」を徹底的に探しては飲んでしまう。

どうやら私はアル中ではなさそうだった。(中略)二杯飲んだだけで飲む前よりずっと気分はよくなったが、もっと飲みたいとは思わなかった。

一日二杯が自分の適量だと思った。それを越えない限りはなんの支障もないだろうと思った。それを朝一番に飲もうと、一日の最後に飲もうと、私の部屋で飲もうと、バーで飲もうと、ひとりで飲もうと、そんなことはどうでもいい。

その男は私に三杯目をおごってくれようとしたが、私はかわりにバーテンダーにコーラを頼んだ。そして自分自身にひそかに満足した。自分の限度を心得て、それを守った自分に。

朝、ベッドから起き出し、まず一番に二オンス飲んだ。(中略)その日は一日飲まなかった。ただ寝る前にもう一杯だけやった。

土曜日、すっきりした気分で眼が覚めた。飲みたいとは思わなかった。いかに自分がうまく酒をコントロールしているか、自画自賛しないわけにはいかなかった。

そこである事に気づいた。朝飲んだのはもう十二時間以上前のことである。前夜最後に飲んでから朝飲むまでの時間より長い時間がすでに過ぎている。だからもう私の体内には残っていないはずだ。すなわち朝のは今日の一杯として数えなくてもいいのではないか。
ということは、今日は寝るまえにもう一杯飲んでもいいわけだ。

私はここ何日か酒をコントロールしてきた(中略)。一日に二杯というふうに自分を抑制できるということは、そんな抑制など自分は必要としない立派な証拠ではないか。確かに以前は酒に呑まれていた。それを否定するつもりはない。が、明らかにそういう段階はもう過ぎている。
だから、酒が必要ではなくても、飲みたい時に飲めばいい。実際今がそうだ。どうして飲んで悪い?

この辺りの、『酒を飲むための言い訳』は(僕は酒は飲まないのだが)非常に身につまされる。
人間は言い訳の天才で、言い訳をしようと思えばいくらでも言い訳ができてしまうし、それを自分に信じ込ませることもある程度できてしまうのだ。

そんな彼が、最後のページで。

「マットと言います」と私は言った。そこで間を取り、もう一度やり直した。
「マットと言います」と私は言った。「私はアル中です」
最高にくだらない事が起こった。私は泣きだしていた。

この告白に遂に至った。
とてつもなく大きな一歩を踏み出したのだ。
事件の解決よりも何よりも、その事が私の心を強く揺さぶった。


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