2021年06月

euro2020 ベスト8敗退国まとめ

全試合を観られておらず、書くことが薄いチームもあることをご了承ください。


☆フランス

試合が終わってなお、狐に摘ままれたような、「なぜ負けたのだろう?」と首をひねってしまうようなベスト16敗退だった。
ジルーの代わりにベンゼマが加わった攻撃陣も含め、2018ワールドカップから更にグレードアップ。
当然ながら大会前はダントツの優勝候補筆頭だった。
その攻撃陣は期待どおり、エムバペの猛烈なスピードを軸に、ポストプレイとゴールを両立させ続けたベンゼマ、献身的に走り回り潤滑油となったグリーズマンと期待どおり。
カンテとポグバの中盤も安定感があった。

不運だったのが、左サイドバックの相次ぐ故障。
フェルラン・メンディ、リュカ、ディーニュが次々に倒れ、デシャン監督の苦肉の3バックは、スイスに全く通じなかった。
しかし後半、ラビオを下ろした4バックに戻すと3-1と逆転して残り15分。

ここから何が起こったのか、私は未だによくわかっていないのだ。
スイスの猛攻を浴びて、3-3と追いつかれ、最後にはPK負け。
特に何が悪かったのか、個人的にはよくわからないまま、フランスは大会から姿を消した。


☆スウェーデン

予選リーグではスペインのもたつきにも助けられ、余裕の1位通過。
ベスト8も視界に入っていたが、1回戦ではウクライナを相手に、延長の末敗れた。

2018ワールドカップでは、自陣深くでのブロック守備から、前線へのロングボール一本、
ベリとトイボネンを前線基地としてキープしている間に、中盤のラーション、フォシュベリが走力でカバーする、『20年前のセリエA』的サッカーをしていたスウェーデンだったが、
今大会は前線にイサク、クルセフスキを入れたことで、わずかながら攻撃に改善点が見られ、
90分見るのがしんどいチームではなくなってきた。
しかし、最終ラインに人数をかけるディフェンシブな姿勢は相変わらずで、守備力はともかく
攻撃力にはなお物足りなさを感じさせた。

そんな中、大会で名を挙げたのはエミール・フォシュベリだろう。
3戦連発ゴール、ウクライナ戦でもスーパーミドルを撃ち続け、攻撃の救世主であり続けた。


☆ドイツ

これ以上やりようがなかった、というのが率直な印象だ。
ベストマッチとなった、ポルトガル戦。
右ワイドのヨシュア・キンミッヒが崩して、逆ワイドのロビン・ゴゼンスがゴール前に詰める、
ダイナミックなWB攻撃。
しかし、逆に言えば、彼らの武器はそれだけだった。

これにて13年間のレーヴ政権が幕を閉じるわけだが、恐るべきポゼッションサッカーで2014ワールドカップを制した彼も、『最後の』大型ストライカー、クローゼの引退と共に好成績を収められなくなり、ここ3年はポゼッションにこだわって大敗を喫するなど、正攻法のポゼッションサッカーでは結果を残せなくなっていた。
だからこその、3バック、ワイド攻撃の奇策であり、これ以上の手は打てなかったのだろう。


☆オランダ

初戦のウクライナ戦では素晴らしいアタッキング・フットボールを見せ、ファンを期待させながら、
何ともガッカリな尻すぼみパフォーマンスでチェコに敗れ去ったオランダ。

久しぶりのメジャー大会登場と考えれば悪くない結果なのかもしれないが、
グループリーグの組み分けに恵まれ、トーナメントでもチェコを引き当てていただけに、
もっと上を期待したファンも大勢いたはずだ。
何より、チェコ戦の敗れ方が酷すぎて、期待外れ極まる結果に終わった。

予選リーグで眼を引いたのはジョルジニオ・ヴァイナルダムだろう。
リバプールでは黒子に徹する時間が長い彼だが、2021オランダでは自由を与えられ、
のびのびとプレイして3得点を決めた。
もう一人名前を挙げるなら、ドゥムフリースだろうか。逆サイドのファン・アーンホルトに不足が目立ったため、相対評価になってしまうが、オランダの右サイドは武器になっていた。


☆クロアチア

2018ワールドカップの準優勝メンバーからの脱却に失敗した印象のクロアチア。
大会を通してピリッとしない戦いを見せたが、スペイン戦で1-3にされてから
ド根性で延長まで持ち込んだのは、彼らの意地を見た気持ちだ。

ただ、前線のマンジュキッチが抜けた穴は大きく、ペトコビッチでは基準点になれなかった。
そのため両翼のレビッチ、ペリシッチが上がる時間が稼げず、サイドアタックも不発。
ラキティッチが抜け、コバチッチが期待外れに終わった中盤では、モドリッチの孤軍奮闘が目立った。
ロブレンも衰え、ヴルサリコの代役のユラノビッチも力不足を感じさせた。


☆ポルトガル

開幕前は、(勝手に)優勝候補の対抗に上げていた。
それだけにベスト16敗退は残念な結果だが、相手がベルギーではそれも仕方のない事だろう。

大会前のカンセロのコロナ感染といい、ジョアン・フェリックスの故障といい、誤算が相次いだのか
フェルナンド・サントス監督は最後までチームを固められなかった。
予選リーグでは、ダニーロとカルバーリョというガチムチ系ボランチ+ブルーノ・フェルナンデスの打開というトリオだったが、これが全く機能せず。
ベルギー戦ではパリ―ニャを潰し屋に、エネルギーを注入するレナト・サンチェス
ゲームメイカーのジョアン・モウチーニョのトリオにチェンジ。
穴となった右サイドバックもネウソン・セメドがゴゼンス、エムバペを相手になすすべもなくおいて行かれると、ベルギー戦では若手のダロを大抜擢。
クリスチアーノ・ロナウドの決定力に頼りきりの前線も含め、豪華なタレントを揃えながら穴も多い布陣をうまく活かすことができなかった。
敗れたとはいえ、ベルギー戦がベストマッチだろう。
ジョアン・フェリックスがようやく復帰し、攻撃陣が活性化された。

印象に残った選手は、やはりクリスチアーノ・ロナウド以外にはないだろう。
もう一人を挙げるなら、レナト・サンチェスか。
サントス監督は、修正しようとした努力は買う……といったところだろうか。
それでも、ドイツ戦に関しては試合中にもう少し修正できなかったものか、とは思うが……。


☆ウェールズ

あまり観られていないチーム。
ジョー・アレン、ラムジー、ベイルの3本柱で旋風を巻き起こした5年前に比べ、やはり選手たちの衰えを感じた。
ラムジー、ベイルが輝いたトルコ戦がベストマッチ。
細かなパスを繋ぐスタイルは、正直タレント力に勝るイングランドよりも魅力的に映る。
新星ダニエル・ジェームズも要所で存在感を見せた。


☆オーストリア

あまり観られていないチーム。そのためほとんど書けません。
後追いで見た方がいいのかな。
ウクライナ戦の猛ラッシュには驚かされた。

決勝トーナメント1回戦 スウェーデンvsウクライナ

スウェーデン 1-2(延長) ウクライナ
МОМ CH アレクサンデル・ジンチェンコ(ウクライナ)
試合内容 B

スウェーデン          ウクライナ
GK オルセン 5・5        ブスチャン 6                 
DF ダニエルソン 3      マトビエンコ 5
  リンデロフ 5        ザバルニー 5・5
  ルスティグ 5        カラヴァーエフ 5・5
  アウグスティンソン 5・5    クリフツォフ 5
МF エクダル 4・5       ステパネンコ 5
   ラーション 5     ジンチェンコ 7・5
   フォシュベリ 7・5    シャパレンコ 5 
   オルソン 4・5      シドルチ ュク 6
FW イサク 5      МF ヤルモレンコ 6・5
   クルセフスキ 5  FW ヤレムチュク 5・5

監督 ヤンネ・アンデション 4・5  シェフチェンコ 7


交代(ス)アウグスティンソン→ベングドソン 5
     ルスティグ→クラフト 5
     クルセフスキ→クアイソン 4
     ラーション→クラーソン 4
     イサク→ベリ 5
     オルソン→ヘランデル 5

  (ウ)シャパレンコ→マリノフスキー 5・5
     ヤレムチュク→ベシェディン 5・5
     ステパネンコ→マカレンコ ?
     ベシェリン→ツィガンコフ ?
     ヤルモレンコ→ドフビク 6・5
     シドルチュク→ベズス ?


お互いゆったりとリトリートをした両チームの対戦。
ウクライナはヤルモレンコを軸に、ヤレムチュクやジンチェンコとの連携で好機を作り出し、
スウェーデンは単独でフォシュベリが弾丸ミドルを撃ち続ける。
90分を通して1-1。
試合全体のテンポはゆったりだったが、散発ながらゴールチャンスはそれなりに多い試合だった。

延長戦ではダニエルソンのラフタックルで、ウクライナのベシェディンが負傷退場。
さらにヤルモレンコも負傷と悪い意味で熱い試合になってしまった。

ところが、そのヤルモレンコの負傷で投入されたドフビクが大仕事をやってのける!
ジンチェンコからのクロスを見事に決めてみせたのだ。
苦しい試合の中、ウクライナがなんとかベスト8へと駒を進めた

euro2020 決勝トーナメント1回戦 ドイツvsイングランド

ドイツ 0-2  イングランド(home)

МОМ GK ジョーダン・ピックフォード(イングランド)
試合内容 C

ドイツ       イングランド

GK ノイアー 5   ピックフォード 7
DF フンメルス 6・5  ウォーカー 6
  リュディガー 4  ストーンズ 6
  ギンタ― 4   マグワイア 6
МF クロース 5   フィリップス 5
  ゴレツカ 5     ライス 5・5
  キミッヒ 5  ショー 6・5
  ゴゼンス 4・5   トリッピアー 6・5
FW ハベルツ 5   スターリング 6
  ヴェルナー 4・5   サカ 4・5
   ミュラー 4   ケイン 5・5

監督 レーヴ 5   サウスゲイト 6・5

欠場者(ド)クロスターマン
   (イ)

交代(ド)ヴェルナー→ニャブリ 3
     ギンタ―→エムレ・ジャン ?
     ゴゼンス→ザネ ?
     ミュラー→ムシアラ ?

  (イ)サカ→グリーリッシュ 5・5
     ライス→ヘンダーソン ?

ドイツのワイドアタックを警戒して、5バックを敷いてきたイングランド。
その狙い通り、ドイツの攻撃を封殺した代わりにイングランド自体もチャンスに乏しい硬い試合となった。
結局90分続いた退屈な試合は、イングランドが2-0で勝利を収めた。

euro2020 決勝トーナメント1回戦 フランスvsスイス

フランス 3-3 スイス PK スイス勝利

МОМ GK ヤン・ゾマー(スイス)
試合内容 A+

   フランス   スイス

GK  ロリス 6・5    ゾマー 7
DF  ヴァラン 4・5 アカンジ 5・5
   キンペンべ 5  エルベディ 5.5
   ラングレ 4・5  リカルド・ロドリゲス 4・5
МF カンテ 6     ジャカ 5
   ポグバ 6・5   フロイラー 5
   パバール 4   ヴィドマー 5・5
   ラビオ 6    ツバ― 6・5
FW グリーズマン 7
 МF シャキリ 4
   エムバペ 6 FW エムボロ 5
   ベンゼマ 7    セフェロビッチ 6・5

監督 デシャン 6    ペトロビッチ 5・5

欠場者(フ)デンベレ、クンデ、リュカ、ディーニュ
   (ス)

交代(フ) ラングレ→コマン 6・5
      グリーズマン→シソッコ 4
      ベンゼマ→ジルー 5・5
      コマン→テュラム 6

  (ス)ヴィドマー→ムバブ 6・5
     シャキリ→ガブラノビッチ 6・5
     ツバ―→ファスナハト 4・5
     エムボロ→バルガス 5・5
     リカルド・ロドリゲス→メーメディ 5・5
     セフェロビッチ→シェア ?

(試合前の感想)
個人的にはスイスを応援するけど9割方フランスが勝つとは思う。スイスは、ベスト16の常連で、強国相手に1回戦でいつも負けてしまう。

(ここから試合感想)

左サイドバックのリュカ、ディーニュを負傷で欠くフランスは、急造3バックで挑んだがこれが全く機能せず。右サイドの裏を突かれ、そこからツバ―のクロスでセフェロビッチに決められ、スイスに先制を許した。

後半、慣れない3バックから4バックにシステムチェンジしたフランスは、実に『スイスらしい』PK失敗の後、立て続けにベンゼマの2ゴールで逆転。
前線の3トップの連携も良く、魅力的なアタックでベスト8へと駒を進めた……と記事を書こうとしたところで、なんとスイスらしからぬ粘りを見せ、ムバブのスペシャルなクロスからセフェロビッチのゴール、そしてロスタイムにガブラノビッチが起死回生の同点ゴール。
延長、そしてPK戦へともつれこむ激戦となった。

PK戦では、5人目、エムバペのキックをゾマーがストップして、まさかのスイスがベスト8進出を決めた。

euro2020 決勝トーナメント1回戦 スペインvsクロアチア

  スペイン 5-3  クロアチア

МОМ SH フェラン・トーレス(スペイン)
試合内容 A

   スペイン       クロアチア
GK シモン 4・5       リバコビッチ 6・5
DF エリック・ガルシア 5・5  ヴィダ 5・5
  ラポルテ 5      チャレタ・ツァル 5
  ガヤ 6・5        ユラノビッチ 3・5
  アスピリクエタ 6   グバルディオル 4・5
МF ブスケッツ 5・5      ブロゾビッチ 6
  コケ  6・5       コバチッチ 4
  ペドリ 7       モドリッチ 6・5
  フェラン・トーレス 8  ヴラシッチ 6
  サラビア 6      レビッチ 5・5
FW モラタ 6      ペトコビッチ 5・5

監督 ルイス・エンリケ 5   ダリッチ 5 

欠場者(ス)
   (ク)DFロブレン、МFペリシッチ

交代(ス) サラビア→ダニ・オルモ 7
      エリック・ガルシア→パウ・トーレス 4・5
      コケ→ファビアン・ルイス 5
      ガヤ→ジョルディ・アルバ 6
      フェラン→オヤルサバル 6
      ブスケッツ→ロドリ 5

  (ク)ペトコビッチ→クラマリッチ 5
     レビッチ→オルシッチ 6.5
     ユラノビッチ→ブレカロ 4・5
     コバチッチ→ブディミル 6
     ヴラシッチ→パシャリッチ 6・5
     モドリッチ→イバヌシェツ ?

(試合前の感想)

急激な世代交代に失敗し、特にファイナルサードでの崩しにアイディアが不足する『ひ弱な』スペインと、同じく世代交代に失敗し、35歳モドリッチだけが輝き続ける3年前の世界2位クロアチアの対戦。
どちらも決定力を欠く両チームだけに、ロースコアの展開になりそうだ(←試合後に見返すとウケるwww)。
「モドリッチの一発」が見込めるクロアチアの方が若干有利だろうか。

(ここから感想)

予選リーグ時よりもチャンスメイクができているスペインは、中盤を完全に支配。ペドリやコケから危険なパスが通り、右サイドもフェランとアスピリクエタで崩すなど、クロアチアゴールに迫る。
GKシモンの悲惨なミスでクロアチアが先制するも、ペドリフェラン、ガヤ、サラビア、コケと多数の選手が絡む攻撃で、スペインが前半のうちに追いついた。

後半も右サイドからのアタックを中心に、スペインが試合を圧倒すると、
ペドリのタメからフェランがフリーで上げたクロスを、アスピリクエタが決めた。
更に、素早いセットプレーからフェランが抜け出して3-1とすると、スペインの勝利が濃厚に。
ルイス・エンリケ監督はサラビア、そして今日の殊勲者であるフェランをも下げたが、これが完全に裏目に出る。
クロアチアは決して良いサッカーをしていたわけではないものの、
交代出場したオルシッチ、パシャリッチ、ブディミルらが、気迫に満ちたパワープレイで2ゴールを連取。土壇場で延長に持ち込んだ。


延長前半も一進一退の展開が繰り広げられるが、ダニ・オルモのクロスをモラタが素晴らしいボレー、直後にはオヤルサバルも決めて5-3。スペインがなんとかベスト8に駒を進めた
記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

プロフィール

fee

カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ