2021年07月

euro2020 準決勝 イングランドvsデンマーク

(home)イングランド  2-1   デンマーク

МОМ GK カスパー・シュマイケル(デンマーク)
試合内容 B₋
主審 マッケリー ×

GK ジョーダン・ピックフォード 5・5   カスパー・シュマイケル 7・5 
RSB カイル・ウォーカー 6    CB シモン・キアル 5
CB  ハリー・マグワイア 7      アンドレアス・クリステンセン 6
  ジョン・ストーンズ 5        ヤニック・ヴェステルゴー 6
LSB ルーク・ショー 5・5      RWB ストリガー・ラーセン 5
DH カルビン・フィリップス 6   LWB ヨアヒム・メーレ  5
CH デグラン・ライス 6        トマス・ディレイニー 5・5
  メイソン・マウント 5・5        エミール・ホイビェア 4・5
RWF ブカヨ・サカ  6・5         マーティン・ブライスワイト 5・5 
LWF  ラヒム・スターリング 7      ミケル・ダムスゴー 6・5
CF ハリー・ケイン 7          カスパー・ドルベア 5・5

監督 ガレス・サウスゲイト 6     カスパー・ヒュルマン 6

欠場者(イ)
   (デ)エリクセン

交代(イ) ブカヨ・サカ→ジャック・グリーリッシュ 6
            メイソン・マウント→フィル・フォデン 5
      デグラン・ライス→ジョーダン・ヘンダーソン 5
      ジャック・グリーリッシュ→キーラン・トリッピアー ?

  (デ)ストリガー・ラーセン→ダニエル・ヴァス 5
     ミケル・ダムスゴー→ユスフ・ポウルセン 4・5
     カスパー・ドルベア→クリスティアン・ノアゴー 4
     アンドレアス・クリステンセン→ヨアヒム・アンデルセン 5
     トマス・ディレイニー→マティアス・イェンセン ?

試合の立ち上がりから、イングランドが押し込んだ。
イケイケサッカーでここまで勝ち上がってきたさすがのデンマークも、基本的には引いて、ショートカウンターを狙う展開となったが、イングランドのネガティブ・トランジションが速く、カウンターの芽を摘まれるシーンが多かった。
ダムスゴーの目が覚めるようなフリーキックでデンマークが先制するも、ケイン→サカ→スターリングの流れでイングランドが同点に。

後半もイングランドが攻勢で、特にスターリングのすり抜けるようなドリブルと、
マグワイアの強力なヘッドを活かした攻撃が猛威を振るった。
準々決勝でアゼルバイジャンに飛ばされたデンマークと、ほぼ移動が免除されているイングランドでは、体力的なアドバンテージも大きく、イングランドがひたすら攻めるが、
デンマークがなんとか耐えきり延長戦へ。

しかし延長では、スターリング盗んだ疑惑のPKでイングランドが追加点。
開催国の利を全面に活かし、最後は露骨な時間稼ぎも駆使して、イングランドが決勝へ駒を進めた。

euro2020 準決勝 イタリアvsスペイン

  イタリア 1-1   スペイン   PK イタリア勝利

МОМ FW フェデリコ・キエーザ(イタリア)
試合内容 A

GK ジャンルイジ・ドンナルンマ 6・5   ウナイ・シモン 5
CB レオナルド・ボヌッチ 6・5    エリック・ガルシア  5
  ジョルジュ・キエッリーニ 4・5   エメリック・ラポルテ 5.5
LSB エメルソン・パルミエリ 5・5  ジョルディ・アルバ 5・5
RSB   ディ・ロレンツォ 5・5   セサル・アスピリクエタ 5・5
CH ジョルジーニョ 5      セルヒオ・ブスケッツ 5・5
  マルコ・ヴェッラッティ 5    ペドリ 6
  ニコロ・バレッラ 6      コケ 6
LWF ロレンツォ・インシーニエ 4・5  オヤルサバル 6
RWF フェデリコ・キエーザ 7・5   フェラン・トーレス 5・5
CF  チーロ・インモービレ 5   ダニ・オルモ 7・5

監督 ロベルト・マンチーニ 6    ルイス・エンリケ 7

欠場者(イ)スピナッツォーラ
   (ス)サラビア

交代(イ)チーロ・インモービレ→ドメニコ・ベラルディ 6
     エメルソン・パルミエリ→ラファエル・トロイ 5
     マルコ・ヴェッラッティ→マッテオ・ペッシーナ 5
     ニコロ・バレッラ→マヌエレ・ロカテッリ 5
     ロレンツォ・インシーニエ→アンドレア・ベロッティ 5・5
     フェデリコ・キエーザ→フェデリコ・ベルナルデスキ 5・5

  (ス)フェラン・トーレス→アルバロ・モラタ 5・5
     オヤルサバル→ジェラール・モレーノ 4・5
     コケ→ロドリ 5
     セサル・アスピリクエタ→マルコス・ジョレンテ 5・5
     セルヒオ・ブスケッツ→チアゴ・アルカンタラ 5・5 
     エリック・ガルシア→パウ・トーレス ?


攻撃的なポゼッションサッカーで勝ち上がってきたイタリアを、本家スペインが老獪にいなす会心の前半となった。
スペインの狙いは、ゆっくりと中盤を支配し、イタリアの良さを完全に消してしまうこと。これが見事にはまり、イタリアの中盤は窒息した。
中盤では戦えないイタリアは、ライン裏へのロングボールを狙うも、
最終ライン、キエッリーニのビルドアップ精度も低く、イタリアはほぼ攻撃の形が作れず。
モラタを外した、流動的なゼロトップのエンリケ采配が見事にハマった

後半もスペインが完全にボールを支配するも、一瞬の隙を突き、キエーザがビューティフルゴール。
先制し、残り30分を耐え抜く選択をしたイタリアを相手に、スペインのエンリケ監督はモラタを投入。そのモラタが、今日、再三チャンスメイクで存在感を放っていたダニ・オルモとのワンツーから、見事に追いつき、試合はまたも延長、そしてPK戦へ。

120分、耐えに耐えたイタリアが、「カテナチオ」の原点に回帰するような、鉄壁の守備を見せて
スペインの猛攻を凌ぎきり、見事決勝へ駒を進めた。


敗者となったスペインだが、この日のパフォーマンスは今大会でのベストパフォーマンスと言ってよく、世代交代に成功した事も含め、来年のワールドカップへ向け、貴重な経験を積んだ大会となった。

コパアメリカ 準決勝 ブラジルvsペルー

ブラジル  1-0   ペルー

МОМ FW ネイマール(ブラジル)
試合内容 A-

GK エデルソン 6.5   ガジェセ 5・5
DF チアゴ・シウバ 6  ラモス 3・5
  マルキーニョス 6  カレンズ 4
  ダニーロ 5・5     サンタマリア 4
  レナン・ロージ 6  コルソ 4
МF フレッジ 6   DF トラウコ 4
  カゼミーロ 6・5  МF  タピア 4・5
  ルーカス・パケタ 6・5   ジョトゥン 3
FW エヴェルトン 5・5  МF ペーニャ 5
  ネイマール 7     クエバ 5・5
  リシャルリソン 7  FW ラパドゥーラ 5・5

監督 チッチ 7・5      ルエダ 5・5

欠場者(ブ)FWガブリエウ・ジェズス
   (ぺ)

交代(ブ)エヴェルトン→リベイロ 5
     リシャルリソン→ヴィニシウス 4.5
     フレッジ→ファビーニョ ?
     レナン・ロージ→エデル・ミリトン ?
     パケタ→ドグラス・ルイス ?
  (ぺ)ラモス→ガルシア 5
     コルソ→ローラ 4
     クエバ→オルメノ ?
     タピア→タヴェイラ ?
     トラウコ→ロペス 3

グループリーグでは4-0で圧勝したブラジル。
今回もまた、やはりペルーには為す術がなく、ブラジルの華麗なショーが展開された準決勝となった。
特に魔術師ネイマールリシャルリソンの2人が、ペルーの守備陣をズタズタに蹂躙。
そこにパケタが加わる形でシュートの嵐を降らせた。

後半、ペルーはガレカ監督の戦術修正もあって、ブラジルの攻撃を押しとどめ、一時的に攻撃面でも盛り返す。クエバのゲームメイク、そしてラパドゥーラの飛び出しがペルー唯一の決定機を生んだが、ここはブラジルの守護神エデルソンがストップした。

МОМは迷った末にネイマール。
というのも、ペーニャへの不必要なハードチャージの印象が悪かったからだ。個人的にはイエローカードが出て当然の不要なファウルだったが、しかしブラジルの攻撃の核となり圧倒的な存在感を放った彼をМОМに選ばないのはやはり難しかった。

euro2020 ベスト4進出国

準決勝、決勝が、これから始まる。
チームの総括は大会が終わってからするべきもので、今するべきものではない。
という事を前提にしたうえで、ここまで残った4チームの印象をざっと書いてみる。
順番は、私が応援している順である。


☆デンマーク

今大会最大のサプライズチームはデンマークだ。
それはエリクセンの突然の離脱から始まった。
しかし、私がデンマークを応援するのは当然それだけが理由ではない。

デンマークは代々、美しいサッカーを展開してきたチームだ。
90年代のラウドルップ兄弟の躍動から、グロンキア、ロンメダールの鋭利なサイドアタックを武器にした2000年代。
ところが、2018ワールドカップのハレイデ・デンマークではその姿は見る影もなかった。
自陣からのカウンターだけが武器のチームに成り下がり、ペルーどころかオーストラリアにすら劣勢に立つ始末だった。

しかし今大会、ヒュルマン体制でのデンマークはかつての輝きを完全に取り戻している。
ダムスゴー、ブレイスウェイトが巧みにポジションを入れ替える流動的なサイドアタック、フィニッシャーのドルベア、そして途中投入されるポウルセンと前線の破壊力はスペクタクルで、
そこにサイドバックのストリガー・ラーセンやメーレまでが絡んでくるのだから手に負えない。
ディレイニーとホイビェアが支配する中盤のボール出しも極めて質が高い。

弱みはやはり圧倒的な個のタレントに欠けるところだろうか?
とはいえ、エムバペのフランスも、ルカクのベルギーももういない。
イングランドに勝てる可能性が高いとは言えないが、期待して観たいと思っている。


☆イタリア

恐らく、サッカー観戦人生で初めて、イタリアを応援している。
マンチーニ監督が作り上げたチームは、かつてのナポリを思わせる。
崩しの軸となるインシーニエがタクトを振るえば、逆サイドから売り出し中のキエーザが果敢に攻め立てる。ストライカーのインモービレも好調で、ベンチにはベラルディやベロッティも控えている。

中盤はベスト4に残ったチームの中では間違いなくベスト。
ジョルジーニョ、バレッラ、ヴェッラッティ、そしてロカテッリ。
とりわけジョルジーニョのレジスタとしての能力は、クロースと並んで現役最高だと思っている。
スピナッツォーラの負傷は残念で、大ベテランのキエッリーニが衰えを見せるなど最終ラインにはやや不安も覚えるが、最後尾にはドンナルンマが構えているし、
90分での失点は未だにベルギー戦でのPK1本だけである。

このチームの未来は極めて明るく、ベンチにも一体感・充実感が漂う好チームだ。



☆スペイン (注:イタリア戦で素晴らしい試合をしたので、これを書いた時とはだいぶ印象が変わっている)

ある意味で最大のサプライズチームだ。
ベスト4の中で、唯一、この位置にいることに首を傾げてしまうのがこのスペインである。

確かにポゼッションは圧倒的で、チャンスクリエイト力でもトップの数値を叩きだしている。
しかし、それに反してオフェンス面でそれほど圧倒的なようには見えない。
相手に退場者が出たスイス戦の後半終盤以降やクロアチア戦の延長など、スペースが開いた状態ならば、敵陣を攻略し猛攻を仕掛けることができる。
とはいえ、敵陣にスペースがない状態で、ゴールをこじ開ける力はこのチームにはない。
90分での勝敗は、1勝4分0敗。勝ったのは、スロバキア戦だけだ。
では守りの固い、負けないチームなのかと言われると、とんでもない。
ポーランド戦、クロアチア戦、スイス戦と3試合にわたって追いつかれている(クロアチア戦は2点差を追いつかれた)。
とりわけCBにはタレントが不足しており、パウ・トーレスもラポルテも、そしてもちろんエリック・ガルシアも不安定極まりなく、守勢に回った際の中盤のフィルターも弱い。

長所はフェラン・トーレス、サラビアの先発陣に、オヤルサバル、ダニ・オルモ、ジェラール・モレーノと豊富に繰り出せる両翼の選手層の厚さだろう。
また、相手に体力勝負で勝る事が出来るのは、ポゼッションを徹底する事で体力面の消耗を抑えているためだろう。

しかしベスト4に勝ち上がってなお、「復活」とは言えないのがスペインの現状である。


☆イングランド

ファンの方には怒られるかもしれないが、最も魅力を感じないのがイングランドだ。
守備は固いのだが、とにかく攻撃がつまらない。
シュート数では1位イタリア、2位スペイン、3位デンマーク(90本)と、いずれもベスト4に勝ち上がったチームが並ぶのに対し、イングランドは37本だそうだ。
ケイン、スターリングは好調だが、中央での崩しはほぼ見られず、チームに流動性を感じたのはドイツ戦の、開始15分だけだった。
ただし、失点はしない。速攻を受ける機会が少ないのが大きな理由だろう。
中央でボールを奪われる機会がほぼないのは、同じく超守備的なラ・リーガのアトレティコ・マドリ―を思わせる。
そう、中央での崩しがほぼ見られないのだから、中央で奪われる回数が少ないのも当然だ。
それ故に、得点も失点も少ない。

とにかく固いチームであり、ホームアドバンテージも期待できるイングランドは、
優勝にかなり近いチームだと言う事はできるだろう。
それを私が望むかどうかは、別として。








euro2020 ベスト8敗退国

☆ウクライナ

ヤルモレンコとヤレムチュクの2トップによる細かい連携は娯楽性が高く、
ジンチェンコ、マリノフスキ―、シドルチュクといった中盤も、
やや攻撃に寄ってはいるものの、質が高い。
ただ、徹頭徹尾、波が激しいチームであった。
オランダ戦で素晴らしい戦いを見せたと思うと、オーストリア戦ではいきなり押しまくられて何もできずに敗戦。イングランド戦も、0-2になった時点で既に諦めたかのような戦意の無さが目立った。
気持ちが高揚すれば面白く強いが、何もできない試合も多かった。

☆チェコ

予想外の躍進を見せたのがチェコだ。
とりわけ、今大会絶好調のパトリック・シックの活躍に支えられ、トーナメント1回戦ではオランダを撃破した。
黄金期と比べると相当見劣りするが、細かなパスから攻撃を展開するところに、往年のチェコらしさを感じた。


☆スイス

2014年にペトコビッチ監督が就任して以降、最も戦力的には低いチームだったように思う。
しかし、最も好成績に終わったのだから不思議なものだ。
フランスを倒した大番狂わせを、サッカーファンはきっと忘れないだろう。

リヒトシュタイナー、リカルド・ロドリゲスが果敢にオーバーラップし、エースのシャキリが次々にゴールを揺らす、2018以前のスイスの姿はなかった。
シャキリは衰え、サイドバックの上りもほとんどなかった。
それでも、今までにない決定力をセフェロビッチが注入したフランス戦、それがスイスをベスト8へと導いた。
スペイン戦では、『スイス銀行金庫』をゾマーが最後まで守り抜き、これまたPK戦にまで突入。
ウクライナとは対照的な粘り強さで、スイスはベスト8へと勝ち上がった。


☆ベルギー

イタリアに負けたのは仕方がない。しかし、やや期待外れな大会となった。
ポルトガルにも、圧倒された。デンマークにも、圧倒された。
勝てたのは、『個』の力によるものだ。
デンマーク戦の勝利は、世界最高の芸術家ケビン・デ・ブライネの存在あればこそだ。
ポルトガル戦の勝利は、トルガン・アザールの一発を何とか守り切った。
前線ではロメル・ルカクが、どっしりとフィジカルモンスターぶりを見せていた。
そして、ゴールを守るのはティボー・クルトワだった。

しかし最終ラインの高齢化は著しく、今大会でもボヤタ、続いてデナイエルが失格となり、
ヴェルマーレンを担ぎ出さざるを得なかった。
2018ワールドカップで代えの効かなかったムニエは、カスターニェという代役を得たものの、そのカスターニェは早々に負傷離脱してしまった。
エデン・アザールは大会を通してベストコンディションではなく、メンバーに大きな変更がないにもかかわらず、2018当時と比べ成熟が見られなかった。

それこそが最も失望を覚えたポイントだ。ロベルト・マルティネス監督ならば、それこそイタリアのマンチーニ監督のように、パスサッカーをベルギーに根付かせる事もできると感じていたが、
見込み違いだったのかもしれない。





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