2021年08月

美少女万華鏡 罪と罰の少女 ネタバレ感想

72点。

想像以上の鬱ゲーでした。

主人公の夕摩は、鏡に映った自分を見て双子のお姉ちゃんを妄想し、
下着を盗んでオナニーするやべぇ奴、なのは冒頭でわかっていました。
なので、可憐な夕摩くんに萌えたり感情移入したりすることは正直できなかったし、
そんな主人公が姉にいたずらされたり、おばさんにレイプされたりしても興奮できないし、楽しみ方もよくわからず、物語中盤ぐらいまでは全然面白くなかったです。


夕摩の周囲も、精神虐待パパは論外として、
オカルト不気味女やら、全く空気の読めない苛々させられる女やらで、好きになれるキャラが一人もいなかったし。
最後まで読むと、その二人も主人公や夕莉よりはよほどまともなのですが。


中盤以降、夕摩君が単なる変態ではなくて、異常者だという事が薄々わかってきて、ある意味面白くなりました。
正直、僕の好みからは全く外れますが、そういう捉え方をするなら、悪いゲームではないなと。


夕香里と夕紀夫の子供が、夕莉と夕摩。
そしてエンディングで生まれる夕莉と夕摩の子供は双子。
この事から、恐らく『歴史は繰り返す』のだろうなと推測できます。

夕香里はカモフラージュのために他の男(礼二郎)と結婚し、
夕香里は実の息子である夕摩に性的虐待をし、夕摩は両親を殺して夕莉と結ばれます。

夕莉、または夕摩もカモフラージュのために他の誰かと結婚し、
実の息子や娘に性的虐待をして、実の子供に殺されるんじゃないかなと思いました。

夕莉も、夕摩も、『相手を籠の中に入れたがる・相手に依存をする』という夕香里の悪癖を、
きちんと受け継いでいますしね。


いちかルートは、今まで『美しく、完璧のように描かれていた姉』の『醜さ』が描かれるシーン
(母と同じだ、と夕摩が感じるシーン)に意義があったように思います。
母だけでなく夕莉も、他の女子と夕摩の関係を妨害していましたし
夕摩だけじゃなく、夕莉にもそういう悪癖があるということです。


ただ、夕摩に何故かめちゃくちゃ尽くしてくれる高橋さんが謎だったのと(金銭欲としか思えないけど……)
精神病院に入院しながら、夕紀夫おじさんの振りをして夕莉と手紙のやり取りをする事は可能だろうか?
という疑問は残りました。


☆タイトルの意味と、夕莉エンドラストについて


タイトルの意味がよくわかりません。
そもそも『少女』ではないですよね。これは『二人』の罪であるはずです。
まぁ、『~少女』というのが「美少女万華鏡シリーズ」タイトルの慣例ですので、仕方がないのかもしれません。


また、ドストエフスキーの『罪と罰』ともほとんど関係はないですね。
そもそもあれはキリスト教小説なので、宗教色がほぼない本作とは『罪』や『罰』の意味も異なってくると思いますし、
本作で言う『罪』と『罰』は、せいぜい『因果応報』ぐらいの意味合いでしかないと思います。


ロシア文学は苦手なので間違っているかもしれませんが、あの作品で言う
『罪』と『罰』とは、『悪行』とそれに対する『罪悪感・心の負担』の事だと思います。
つまり『罰』とは『他罰』ではなく、『自罰』です。

ラスコーリニコフは貧困と家族への想いから、金貸しの老婆を殺害しますが、
自らの罪に苦しみ、大層な殺人理論をでっちあげて、自己の良心を欺きます。
それが有名な『英雄が善行を為すためには、無価値な人間の生命を奪う事も許される』(テキトー)というものです。
その後、ソーニャという聖女(神と言い換えても構いません)と出会った彼は、やがて自らの罪ときちんと向き合い、自首をします。
ソーニャはそんな彼を見捨てず、シベリアまでついていきました。
ラスコーリニコフはきちんと反省し、ソーニャは傍で彼を見守り続けました。




しかし、そもそも、サイコパスである夕摩には『罪悪感』もありません。
『罪悪感』がない人間、良心が欠落してしまった人間には神もありませんし、
『罰』もまたありません。

夕摩が殺すのは全て『怨恨』殺人ですし(夕紀夫は殺されるほどひどい人間には思えなかったけど💦)、
そのことによって自分を正当化する必要性すら、彼は感じていないように見えます。
夕莉や、いちかなど他ヒロインも、もちろんソーニャのような聖女役は務めていません。
となると、ドストエフスキー的な『自罰』ではなく『他罰』。
因果応報。

では、何によって罰せられるかと言えば、上でも少し書きましたが、
『双子の子供』によって罰せられるという未来が想像できますね。


しかしこの一族は本当に罪深い一族というか、どうしょうもないですなぁ……。
救いのないゲームでした。

アマツツミ ネタバレ感想 81点

☆第1章  織部こころ シナリオ(本流)B+  キャラ A エロ A


一言主の末裔である言霊使いの誠が、里に降りてくる冒頭から、
織部家に『家族』として入り込み、お世話になったあずきさんの命を助けるまでのお話です。
愛が里に下りてくるまでの話、と言い換えてもいいですね。

冒頭部での誠は、隠れ里で暮らしていたため、『人間社会』の『善悪』が今一つよくわかっていません。
「悪い事をしてはいけない」という良心はあるのですが、
隠れ里で教えられたこと以外は、何が「悪い事なのか」がよくわかっていない状態です。

謎の少女ほたるは、そんな誠を『あなたはまだ何色にも染まっていない』と見抜きます。
唯一、『言霊』の力が効かないほたるが、誠をサポートする事により、誠は少しずつ『人間社会』に馴染んでいきます。

とはいえ、本作に出てくる『社会』は非常に優しいです。悪い人は出てきません。
なので、そんなヘンテコな誠でもなんとかやっていけますし、誠はそのエキセントリックなところも含めて、こころやほたる、響子にもモテモテでエッチにも誘われる、という何とも羨ましいエロゲ的展開が待っているのです!

嫌がる人もいるでしょうが、個人的には『こういうのでいいんだよ、こういうので!』という感じ。
しかも、本作は結構Hシーンにも力が入っているので、非常に嬉しいです。

というわけで、超かわいい妹(言霊の力で勝手に妹にした)こころにも慕われる、ウッハウハな日々が続きますが、こころの母親、あずきさんの寿命は尽きかけていたのでした。
あずきさんの命を救うため、命をかけて誠があずきさんを助ける、というのが1章の物語になります。

こころはH1とH3がエロかったですね。


☆第2章 朝比奈響子 シナリオ(本流)B+ キャラ B-  エロ B

あずきさんを助けた誠は、危うく命を失いかけますが、里から誠を追いかけてきた愛が誠を救います。
そして織部家にまた居候が増えての第2章。

教室に溶け込めない、コミュ障の響子。響子には霊感があり、それで浮いてしまっています。
また、響子には幼いころに親友の鈴夏を亡くした過去があり、鈴夏ともう一度会いたいと思っています。
そんな中、誠の言霊の力と、響子の霊感が合わさって、鈴夏の霊が登場。

というわけで、まぁよくある話と言えばよくある話なんですが、しんみりとまとまって良いお話になっています。ほたるルート以外だと第2章が一番好きですね。

ただ一方で、個別ルートは縁結びの幽霊がHなハプニングを起こし続ける、とかいう内容で
一番つまらなかったですw 


☆第3章 恋塚愛 シナリオ(本流) C+ キャラ B エロ B+

里では誠の許嫁だった愛。本音では、誠が隠れ里に戻る事を願っています。
そんな愛ちゃんが、嫉妬心にもかられて誠を翻意させようとするルートです。

愛ちゃんは悪い子じゃないんですけど、『私たち(言霊使い)は神だから、人と交わるのは良くない』というお説教一点張りで、具体性に欠けたのがこのルートの欠点……というか本作の欠点ですね。
過去の伝承なりなんなりを持ってきて、人と交わった神の悲惨な結末などを描き、愛に感情移入できれば良かったのですが。

キャラ的には、基本Мが揃っているヒロイン勢において、ただ一人のS属性なのでその辺が好きな人には良いんじゃないでしょうか?
個人的に、母乳が出るのはエロいとは思いましたが、なんで母乳が出るのかがさっぱりわからず、気になって夜も眠れませんでした。読み飛ばしちゃったところで説明があったかな?

個別ルートは、そんな愛のデレシーンが見られますし、人間的にも柔らかくなるので、個人的には割と好きです。


☆第4章 水無月ほたる シナリオ A- キャラ A エロ A-

一週間が過ぎると、過去の記憶をところどころ失う、謎の少女ほたる。
そんな彼女の秘密に迫る、最終シナリオがほたるルートになります。
ほたるルートは2つに分かれていて、『天津罪』ルートと『大団円ハーレム』ルートがありますが……まぁいっぺんに書いちゃってもいっか。

ほたるの正体は、実は『お人形』(生霊的な感じ)。
本体は病院のベッドで、残り少ない余命を過ごしながら、若くして病に倒れた不運を、世界を呪う少女です。
元々のほたるは『お人形』のように、快活で元気いっぱいの楽しい性格だったのでしょうが、
重病に倒れ、苦しんだ末にダークサイドに堕ちてしまったのでした。
オリジナルほたるのことを、ここでは闇ほたると書きます。


本作は『良い意味で』キャラゲーであると同時に、『悪い意味で』もキャラゲーだなと感じます。
まず、闇ほたるが、全然ムカつきません。むしろかわいいし、健気です。
闇ほたるは物騒で意地悪な言葉を吐き、主人公の誠は初め殺意を覚えるのですが、
読者の僕は殺意どころか、闇ほたるが不憫で不憫で仕方ありませんでした。
闇落ちしてなお、「こころんの親友は私だけ」と言い張るなんて、かわいいじゃありませんか……。
「あずきさんのケーキが美味しい」など、これ全然悪い奴じゃないだろ……。
自暴自棄になってやさぐれて口が悪くなっただけの、いい子やん……


なので、闇ほたるとの交流を深めていく『大団円ハーレム』ルートを普通に楽しむことができたのは良いのですが、一方で「そこまで闇だったか?」という疑問もあるのです。
しかし、某August作品のラスボスがあまりに不快だったにもかかわらず、ラストルートではあっさり許されて「ハァ??」ってなったこともありますので、
不快に感じない闇ほたるのバランスはちょうどいいのかもしれません。

その闇ほたるも「病院にいると人間の醜さがよくわかる」というようなことを口にしていますが、
具体的なエピソードは一切ありません。


『そして彼女はこの世の「悪」を語った。聞くに堪えない、人が人を傷つける、醜悪な現実を……』

引用↑


これだけですよw
そもそも、本作に出てくるキャラは基本全員いい奴ですし、これじゃピンときません。

まぁ、あまりに酸鼻な話を読まされるのもしんどいのでキャラゲーとしてはこれでOK
と思う一方で、「ごまかさずに、エグっていけよ!」と思ってしまったのも事実です。


☆総評

響子ルートの灯篭流しや、ほたるルートの夜の湖など、美しいシーンも多く、
キャラはかわいく、しかもエッチ。
シナリオもまぁ、マイルドではあるけれどバカらしくて読めないようなものではなく、
テキストは丁寧で、特に文句のつけようがない、優等生的、良作キャラ抜きゲーでした。

なんだかんだでいいゲームだったなぁ。









ワクチン体験記

8/4 ファイザー1回目

注射された腕に鈍痛がありましたが、副反応はそれだけでした。
2日ぐらい続いたかな?
生活に影響のあるレベルではなかったので、良かったです。

2回目の方が副反応が強いらしいので、少々心配ですが、8/25に2回目を打ってきます。





情報として価値があるかはわかりませんが、覚書も含めて書いておきます。
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