2022年03月

司馬遼太郎の作品雑感(初読者向け)


はじめに

「作家について」語るコラムもおかげさまで、第6回。
今回は、歴史小説の大家である司馬遼太郎を取り上げます。

この作家を語る上で、難しい点は2つ。
1つめは、氏の最も有名な『竜馬がゆく』(途中挫折)、『坂の上の雲』(積んでる)の二大長編を読まずに語って良いものか、という私的理由。

2つめは『歴史小説』作家というジャンルそのものにあります。
楽しく物語を追いながら、歴史についての造詣を深められ、知的好奇心をも満足させてくれる歴史小説。
ですが、小説はあくまでも小説であり、全て鵜呑みにしてはいけません。

この区分けが実に曖昧で難しく、ともすれば歴史小説で刷り込まれたイメージを、ついリアル歴史上の人物に投影しそうになってしまいます。
頭ではわかっているものの、ついついそれに引きずられがちなので、本当に歴史を学びたかったら歴史書を読むなり、
せめて多数の作家の歴史小説(大河ドラマ等でも良い)を読み、総合的に判断するべきなのですが、それができていないのが現状です。

それを踏まえた上で、この記事で書く歴史上の人物については、リアル歴史上人物ではなく、あくまでも『司馬遼太郎作品におけるキャラクター』だと割り切っていただけるとありがたいです。

司馬遼太郎作品は、キャラクター小説である

司馬遼太郎作品に顕著なのは、キャラクターの魅力が、ダイレクトに作品の面白さに直結している事。
これは多かれ少なかれ、他ジャンルの作品にも言える事ですが、司馬遼太郎作品では特にそれが強いです。

恒例の作品評価は最後にとっておきますが、たとえば安土桃山時代の作品では、『斎藤道三』を描いた

国盗り物語 1(斎藤道三 前編)

国盗り物語 1(斎藤道三 前編)著者: 司馬 遼太郎

出版社:新潮社

発行年:2004

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が最高に面白かったのに対し、同じ『国盗り物語』でも

国盗り物語 3(織田信長 前編)

国盗り物語 3(織田信長 前編)著者: 司馬 遼太郎

出版社:新潮社

発行年:2004

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はそこまででもありませんでした。
これは、飄々としていて、しょうもないながらもどこか憎めないお万阿とのやり取りが魅力的な斎藤道三に対し、
成り上がりITブラック企業社長のような織田信長にさほど魅力を感じなかったからでもあります。

その信長の後継者で超有能でありながら、能ある鷹は爪を隠し続ける、
ロリコン・スケベ・若禿・猿顔と4拍子揃った、
『稀代の人たらし』豊臣秀吉を描いた

新史太閤記 上

新史太閤記 上著者: 司馬 遼太郎

出版社:新潮社

発行年:2007

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も最高に面白かったのですが、小牧・長久手の戦いまでしか描かれていないのが残念です。

一方で、徳川家康というのはどうにもつまらない男で、そのせいか

覇王の家 上巻

覇王の家 上巻著者: 司馬 遼太郎

出版社:新潮社

発行年:2002

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もつまらなかったです。
この辺は、もちろん僕自身の好みも大きいとは思いますが、
作者の司馬氏自身の好み・熱量も大きいような気がします。

そんな家康が名悪役を務める『関ヶ原』(本引用が見つかりません)は、主人公の石田三成に感情移入してしまい、つらいながらもとても楽しく読めたんですけども。

幕末の物語ですと、どうも僕は佐幕派に肩入れしてしまうようで、

最後の将軍 徳川慶喜

最後の将軍 徳川慶喜著者: 司馬 遼太郎

出版社:文藝春秋

発行年:1997

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は本当に面白かったです。
(ただ、他の作家などで描かれている慶喜像と比べ、本作の慶喜はめちゃくちゃ素敵なので、リアル慶喜がここまで魅力ある人物だったかは怪しいですが)

一方で長州藩はどうにも好きになれず、特に大村益次郎という朴念仁には全く魅力を感じなかったので

花神 上巻

花神 上巻著者: 司馬 遼太郎

出版社:新潮社

発行年:2002

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はつまらなかったですね。
どうも僕は、性欲皆無の堅物男よりも、スケベでしょうもない男の方が好きみたいですw

司馬遼太郎作品はとかく長い作品が多いのですが、一部を除き主人公は単一の場合が多いです。
なので、最初の100ページほどを読んで、「この主人公が好きになれそうかどうか」で判断すると、当たりを引ける確率が高いのではないかと思います。

以下、余談ですが(余談ではないです)

また、司馬遼太郎作品は突然作者が顔を出してきて、
「余談だが~」と断って、話の本筋から外れることがとても多いです。
まるで歴史の先生が、歴史の授業をするかの如く、当時の豆知識を教えてくれますが、そこもまた善し悪しでしょう。

この余談がとても面白く、勉強になった!と思う事も多い一方で、
「今いいところなのにそこで余談かよっ!」と突っ込みたくなったり、
同じ余談を何度も書いてしまったりすることが多いのが玉に瑕。

特に、同じ時代の話を描いた作品には重複する余談も多いので、
連続して氏の作品を読む場合は、気を付けた方が良いと思います。

少なくとも、本能寺の変の10年前に、
安国寺恵瓊が『信長はすげぇけど、どこかで失脚する。あとを継ぐのは秀吉で、奴はそうはならない』と語ったエピソードを、僕は5回は読まされました。

まぁ、好きな話題はついつい繰り返してしまいますよね。
わかります、わかりますけど……司馬先生、さすがにその話はもういいですw

これは本当に余談

司馬遼太郎作品に限った話ではないですが、歴史小説はとにかくページ数が長い作品が多い。
2000ページ級もざらにあります。
なので、どうしても『ある程度信頼のおける作家』ばかりを選びがちだったり。
もともと歴史は好きなので、いろんな国の、いろんな時代の歴史を知りたいですし、ゲームの話で恐縮ですが『信長の野望・創造PK』というゲームをプレイしているので、この時代のいろいろな大名についても知りたいのですが……。
(織田家でクリアし、現在武田家プレイ中です! 武田信玄の作品読みたいです)

『伊達政宗』(全8巻)とか『私本太平記』(全13巻)とか言われると、なかなか手が出ないんですよ……。
それでも2022年は、もっといろんな作家の歴史小説を読みたいなぁと思っています。

ちなみに『竜馬がゆく』も『坂の上の雲』も全8巻ぐらいありますよね。
僕が読んだ司馬遼太郎作品では『国盗り物語』が2000ページ級、『関ヶ原』と『花神』が1500ページ級ですが、なんとか読めました……。以下余談

余談は続く。他作家だと北方謙三「三国志」は3900ページ、吉川英治「三国志」もそれぐらいあったかな。それが僕が読んだ歴史小説では最長です)

初読者の方は短めの『最後の将軍』、もしくは『燃えよ剣』

燃えよ剣 新装版

燃えよ剣 新装版著者: 司馬 遼太郎

出版社:文藝春秋

発行年:2020

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あたりから入ってはいかがでしょうか!
いきなり2000ページ作品を読むのは、なかなか敷居が高いと思いますので。

独断と偏見 司馬遼太郎作品 評価(S~E)

関ヶ原   A+  主人公:石田三成
最後の将軍 A+     :徳川慶喜
国盗り物語 A(斎藤道三編 A+ 織田信長編 A₋)
燃えよ剣  A  :土方歳三
新史太閤記 A  :豊臣秀吉
項羽と劉邦 B  :劉邦、項羽
世に棲む日日 B :吉田松陰、高杉晋作
夏草の賦  B₋  :長宗我部元親
花神    C  :大村益次郎
覇王の家  C  :徳川家康

というわけで、今回は司馬遼太郎作品についての雑感をお届けしました。
それでは、また!

信長の野望・創造PK 1534年 織田家で天下統一

設定は中級。基本設定はいじっていませんが、姫武将あり、討ち死になしにしてます。

大名録をなるべく意識する形で、シナリオ1、1534年の織田信秀でスタートしました。

①「津島衆掌握」。これは津島衆と熱田衆の支持率を80にするだけなので余裕です。

②「三河侵攻」。松平元康の安祥城を攻め込むだけなので余裕です。

③「美濃侵攻」。朝倉家の信用を上げるのと、大垣城を取るだけです。これも余裕ですね。
次の大名録まで余裕があるので、道路整備を最優先に、とにかく内政に没頭します。
織田信定とか織田信秀とか平手長政とか、政治力の高い内政官は引っ張りだこですね。
ついでに困った時のために朝廷の信用を100にしておいたり、以降の大名録のために浅井家と斎藤家の信用を上げておいたり、末森城に築城しておいたり、暇な時間は有効活用します。


④1542年頃になると「次代の礎」が始まります。織田信広を安祥城に置くのはいいのですが、
松平家と今川家の連合軍が2回にわたって攻め寄せてきました。
斎藤道三に援軍を頼みながら、辛くも撃退できました。
さて、1547年に織田信秀が亡くなるまで、またも暇です。内政しまくります。必要もない要所も設置したりしていました。


⑤1547年に織田信秀が亡くなると、「家中統一」が始まります。清州織田家や犬山城の織田家を退治するのですが、楽勝です。

⑥桶狭間の戦いはすぐに始まると思いましたが、今川義元が当主になるまで起こらないので少し焦りました。鳴海城の包囲は良いとして、このゲームの会戦は苦手なのですが、なんとか今川義元を撃破。
木下秀吉が配下になるまで次のイベントは起こらないので、相変わらずの内政です。

⑦「美濃攻略」。ここで少し問題が発生しました。松平家の信用を100にするのは良いとして、稲葉山城を占領する前に大垣城やら、(城の名前を忘れたけど)稲葉山城以外の城を支配して斎藤龍興の勢力をけずったのですが、これをすると武将録「墨俣一夜城」が起こらないのですね……。
ついでに竹中半兵衛の引き抜きイベントも起こりません。悲しいですが、セーブ&ロードが面倒くさいのでそのまま稲葉山城を支配してクリア。
ちなみに竹中半兵衛はだいぶ先になりましたが、領内を浪人していたので無事登用しました。

⑧いよいよ「上洛」です。明智光秀が配下に加わりました。「本能寺の変」は起こす気が今のところないので、頼れる配下です。観音寺城を取るついでに六角家も退治して、三好家が支配している二条御所に向かいます。
さて、次のイベントは「信長包囲網」なのですが、全然起こらないので焦りました。
どうも浅井長政が元服するまで起こらないのですね。
暇なので三好家を執拗に攻撃していましたw
しかし、その間に武田家が松平家に攻め込み続け、ちょっと東の防備が危うくなってきました。
イベントのためにも、単純に防備のためにも武田家が勢力を拡張してくるのは脅威でしかないのですが、あいにく主力は西の方に出張っていたので、大変です。
それでもなんとか松平家を救う事ができました。

⑨ようやく浅井長政が元服して「信長包囲網」です。まずは一向一揆の長島城を簡単に占領して、いよいよ浅井家を、その勢いで朝倉家も退治していきます。
ここまで来ると結構武将もそろってきますが、国が多くなってしまい、一つひとつの城の内政に手が回らなくなってくるのでちょっとつまらなくなってきます。
やっぱり、城が10個程度の時が一番楽しいですね。
二条御所の包囲も簡単に終わって、室町幕府を滅ぼしました。
足利義明さんは、登用しちゃいましたがw

ところがここでアクシデント!
いつの間にか、長宗我部家が四国をはみ出して、中国地方に進出。
毛利家を滅ぼしてしまいましたwww

12「中国征伐」というイベントがこの織田家最大の難関イベントだと思うのですが、その敵となるはずの毛利家が亡びてしまっては、イベントも起こりません。
しかしセーブ&ロードをするのは面倒なので、もういいです。12は気にしない事にしますが、一応「中国征伐」は意識して動いているので、中国地方の城は積極的に占領していきたいと思います。

今回のプレイでは、中国地方は、弱小勢力はともかく、長宗我部家と尼子家が二分している状態になっています。両方を一斉に相手にするのは大変なので、とりあえず勢力が大きな長宗我部家と結んで、尼子家を滅ぼそう……と思いましたが、長宗我部家がしつこく攻めてくるので僕もちょっと頭に来たので、尼子家と結んで長宗我部を退治することにします。

なお、イベント⑩の「長篠の戦い」は武田信玄が没してくれないとイベントが始まらないので、
これ幸いと、少しでも中国地方を切り取っていきたいと思います。

イベントを起こす気が今のところないので、気にすることもないのですが
史実では「本能寺の変」が1582年6月にあるので、1582年5月までに中国地方を制圧し、総無事令を発するのが目標です。

というわけで、現在は「長篠の戦」が起こるのを待ちながら、東では武田家に備えながら、西で中国地方を制圧していきたいと思っています。
今は1563年7月なので、何とかなりそうな気はしていますが、
とにかく毛利家が滅びてしまったのは困りましたねw


追記

その後、結局長宗我部家を滅ぼしていたら、尼子家まで襲ってきたので返り討ちに。
もうこうなったらそのまま中国地方を統一してやれ、と大友家まで滅ぼしたら、その時点で本城が28。
織田家に従属していた弱小大名2つを滅ぼせば、総無事令クリアができる状況になってしまったので、
非道ながら滅ぼし、天下統一。

結局長篠の戦いまで行けなかった……というか、岡崎城を信長が支配してしまった時点で、イベント発生条件が達成できなかったのよね。
イベントのために家康に岡崎城を譲りたかったんだけど、仕方ないね……














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