2022年12月

アメイジング・グレイス(ネタバレ感想)

80点。

シナリオゲーというよりは、「シナリオの良いキャラゲー」。危機的状況の割に危機感の無い主人公と、リープ周りのご都合主義が気になる。
【長文はご都合主義への愚痴多めなので、ファンの方は読まないでください】。
日常シーンは良かった。


☆不満点1:主人公の危機感の無さ


「敵もタイムリープを繰り返しており、アポカリプスを食い止めようとする主人公の先手を打ってくる」というのは、割と絶望的な状況。
(これは、某「アぺイリア」と同じ設定だけど、あちらの方がよほど緊迫感があった)


その割に主人公に危機感に乏しく、不用意な行動や無意味なループ、
『引き分け(アポカリプス発動・住民脱出)』ではなく、『完全勝利(アポカリプス封じ込め・犯人特定)』を目指す、よく言えば理想主義、悪く言えば博打的な展開に感情移入するのが難しかった。

個人的な感想としては、キリエルートで地下道を見つけたループ(最短で5ループめかな?)で主人公の勝利。
地下道の安全性を不安視するなら、サクヤと共にノアの箱舟で脱出したループ(最短で6ループめ?)で十分だったように思う。

確かに、『真犯人がわからない』という物語的な不都合は生じるものの、僕が主人公の立場ならあそこでストップする。
次のループで、地下道やオーロラの逆鱗(ノアの箱舟づくり)が成功するかどうかは全くわからないからだ。

幸運にも、敵のタイムリープ者がサクヤという『良心的な敵』だったからまだしも、『容赦のない、爆破テロ犯』だったら、次の周回では真っ先に潰しに来るだろう(それ以前に主人公が監禁されて終わりな気もするけど)。


更に、一度だけ侵入に成功して以来、二度目からは失敗していた地下道にあるモニター・ルーム(本がたくさん置いてあるところ)に、リリィ先生の声紋で入ろうとして三度も(2~4回目)失敗しているのも頭を抱えた。
一度対策されたところはもう無理だって……。

『無文字社会』についても、ストーリーのギミックとしては面白いけれども、
あれだけタイムリープを繰り返して商店街にも出入りしていた主人公が、
それに気づかないのは致命的にアホである……。


サブキャラを疑うルートは断片的な情報がちらっと出るぐらいで、ほとんど無意味だった気がするし、無駄にユネの生命力を削っていただけ(ユネの生命力が削られる設定は、主人公には明かされていないけれども)。


☆不満点2:タイムリープの謎


そのユネが美術回廊で出迎えてくれる、『ループ間のインターバル』についてもかなりの疑問。


まず、ユネ(美術回廊ユネ・略して美ユネとする)は『生命力を削る』という代償を払っていたはずだが、
敵方のギドウ先輩(美ギドウ)にはどんなペナルティがあったのか?
サクヤの発言で、美ギドウがどんどんおかしくなっていった(衰弱していった、という意味かな?)事はわかったが、衰弱が進むと現実世界にすっ飛ばされてくるはず。

しかし、現実界のギドウ先輩に衰弱の色はなく、ごく普通の脱ぎたがりテロリストのままである。

サクヤが美ギドウではなく、隠れて美ユネの『弓』にただ乗りしているのは、
美ギドウの『弓』が使い物にならなくなったからなのか、任意に設定できるのかも気になるところ。

それ以前に、ギドウとサクヤが兄妹連れだってアドベントにユネよりも早くリンゴを飾りに行き、
赤リンゴと青リンゴを食べたというのも割と眉唾ものではあるのだが……。
(先着順ではないのかもしれないが、それにしても)


更に現実界にやってきた美ユネが、突然(ほぼ伏線もなく表れた)黄金のリンゴによって体力全回復したのもご都合主義の最たるもので、ちょっと意味がわからなかったですけど、もうツッコむ気力もなく……。


サクヤがいつ文章を書ける日本語力を身につけたのだろう、というのも謎で、
まぁ、学長に認められたギドウは外世界と繋がりがあっただろうから、それを横流ししてもらったと補完すれば頷ける部分か。


リラの正体も作中では明かされていないし、単なるトリックスターでしかない気がするが、
リリィの姉なのだとは思う。
ただ、それはエンディング・ロールでの『見覚えのない名前』からの推測でしかなく、作中で説明するのではなくエンディングロールで説明するのはどうなのか、と思わなくもない。

最初は、2番目の実験都市(名前忘れた……ドイツ)の卒業生かなと思ったが、1980年代前半に壊されていた(83年だったかな? 作中では言及があったが、僕が覚えていない)事を考えると、リラの実年齢が50代になってしまう。
まぁ、リリィ先生が20代後半~30代前半として、50代の姉がいてもおかしくはないし、そう考えると年の離れた妹をいつまでも「あの子」呼ばわりするのもうなずけるが、なんとなくリラさんが50代説は
僕の気持ち的には微妙(苦笑)。


そんなわけで、キリエルート、サクヤ1周目ルートまでは楽しめたけれど、
コトハルート、そしてメインのサクヤ・ユネルートに至っては
『本来なら既に勝っていた試合を、わざわざやり直してもう一度勝とうとしている』ようにしか見えず、
緊迫感はなかった。
これは僕が郷土愛に乏しい人間なのかもしれないし、結果的には街も救えたからいいじゃないか!と言われそうだけれども、結果論でしかない。
これが、『何とか脱出できたけど、逃げ遅れた人物が毎回死んでしまう』ような犠牲があれば、まだやり直す価値も感じられたのだけども。


☆その他

テキストについては読みにくいところもなく、(主人公のバカさ加減を除いて)ストレス皆無で読むことができた。
特にギャグシーンは楽しく、1周目のドッキリエ作戦では、(その日そもそも咳の症状が酷かったこともあるが)笑い死にしそうになった。
嫌いなキャラは1人もおらず、特にヒロイン勢は全員それなりにかわいかった。

順番をつけるなら1:サクヤ、2:キリエ:、3:コトハ、4:ユネになるかなと思うけど、
ユネだって普通にかわいいし。
ついでに言うとリリィ先生もかわいい。

一方でHシーンに関しては、(これの一つ前にプレイした「ルペルカリア」のHシーンが酷かったので、それに比べればマシだが)あまりエロくはなかった。
というか、主人公がクンニと足コキが好きなのはわかるけど、ワンパターンやな……。


☆総論

基本的に叩きがメインの感想になってしまった気もするが、
『伏線回収が見事』という触れ込みとで期待値が上がっていた点は否めない。
とはいえ、タイムリープものの名作『シュタインズ・ゲート』、ほどではないにしても
せめて設定が似ている『景の海のアぺイリア』とは互角ぐらいに作りこまれているのかなと勝手に期待した僕が悪かった。


ここまで文句を言っておいて、次にプレイする予定のゲームが「さくレット」だったりする。
評判はとても良さそうに見えるが、今回の反省を踏まえてあまり期待はしないでおく……。
テキストが面白いのは「アメグレ」で保証されたし、途中で投げ出す可能性は少ないと思うので、
このゲームで2022年を越そうと思います。

それでは皆様、よいお年を!

読書ランキングベスト15ノミネート(ゲームランキングは来年に……)

読書は169冊!?も読んだので、お正月に読書ランキングベスト15を発表します。
今回はそのノミネート作を。



11/22/63 スティーブン・キング
ジョイランド/スティーブン・キング
わたしを離さないで/カズオ・イシグロ
君の膵臓を食べたい/住野よる
ららのいた夏/川上健一
火花/又吉直樹
空色勾玉/荻原規子
薄紅天女/荻原規子
白銀のおか、玄の月/小野不由美
ハゲタカ/真山仁
のぼうの城/和田竜
破天の剣/天野純希
新史太閤記/司馬遼太郎
天と地と/海音寺潮五郎
功名が辻/司馬遼太郎
半身/サラ・ウォーターズ
甲賀忍法帖/山田風太郎
自来也忍法帖/山田風太郎
銀河英雄伝説外伝1 星を砕く者/田中芳樹
時の番人/ミッチ・アルボム
ドラえもん のび太の鉄人兵団/瀬名秀明(藤子・F・不二雄)
乱鴉の饗宴/ジョージ・r.r.マーティン
ぼくは明日、昨日の君とデートする/七月隆文
サマー/タイム/トラベラー  新城カズマ
一夢庵風流記/隆慶一郎
細川ガラシャ夫人/三浦綾子
元就軍記/桜田晋也
エス/鈴木光司
永遠の0/百田尚樹
行人/夏目漱石
ローマ字日記/石川啄木
風林火山/井上靖



です。
この中から15作を選びます。


ちなみにゲームの方は、今年

1 冥契のルペルカリア
2 アメイジング・グレイス
3 信長の野望創造PK
4 アルノサージュ
5 フラワーナイトガール(ソシャゲ)
6 ヴィーナスブラッドセイバー
7 クリスタルファンタジー(同人)


ということで、7作しかプレイしていません!!

原因は読書に力を注いでいた事もありますが、「シェルノサージュ」(去年に換算)と「信長の野望・創造PK」の2本だけで8か月ぐらいプレイしていたからです……。

このラインナップで「2022年ゲームベスト5」を開催しても良いのですが、
いくらなんでも本数が少なすぎるので来年末に「2022・2023年ゲームベスト10」として開催したいと思います。

よろしくお願いします!



冥契のルペルカリア(ネタバレ感想)

76点。

この作品からは『演劇』に対する『憎悪』は伝わってきても、愛は全く伝わってこないけど、
本当にこれでいいんですか?


☆総評1


ざっくり書いてしまうと、「紙の上の魔法使い」よりはマシだったけど、胸糞悪い作品だったなぁ、と。
(かみまほは、メインヒロインが胸糞というのがしんどすぎた)

親ガチャ×5→全ハズレは幾ら何でも酷い……。
瀬和兄妹・奈々菜、めぐり(祖父)、朧と5人も親ガチャに失敗していて、まともな親は出てこない。
主要人物11人中5人がクソ親にぶつかるのって、話の展開としてもワンパターンだし、それ以前に胸糞だし……。

芸術活動に伴う負の側面については、瀬戸口廉也の「キラ☆キラ」、「Musicus」や
又吉直樹の小説「火花」などが思い浮かびますけど、これらの作品には音楽への愛や、お笑いへの愛もしっかり詰まっていたように思います。
ですが、本作からは「演劇の楽しさ」、「演劇への愛」は微塵も感じることができなかったのが、一番残念だった部分です。


「劇団ランビリス」は居心地の良いホーム? 
演劇のために、プライベートを侵害されて意図的にゴシップ新聞をばら撒かれたり、演劇のために失恋させられたりするような劇団が、ですか?
本気のプロ志望ですらこんな劇団は嫌なのに、『究極の自己満足』のために役者を痛めつける劇団……
僕は、この劇団で役者はやりたくないですねぇ。
皆さん、マゾなんでしょうか……??
そもそもがクソ親による悲惨な児童虐待物語なんですから、そこから外れたランビリスぐらい、
楽しく真剣に、けれども胸糞抜きで演劇をやっても良かったと思うんですけどね。


全編に言えることですが、『才能があるかどうか』に関係なく
『個人の意思』を優先させるのが当然だと思うんですが、どうですか?

まぁ毒親連中はお話にならないので仕方ありませんが、
本来同格であるはずの座長(天樂来々)とか兄(瀬和環)に、
「お前には才能があるんだから、才能を活かせ!」と言って役者を痛めつける権利はないと思うのですが……。



☆ 天使奈々菜

魔性の女っていう設定だったけど、魔性の女はむしろ匂宮めぐりの方に感じました。
要はめぐりが男心をくすぐる系の魅力的ヒロインだったって事が言いたいんですけど、
それはイコール、奈々菜に魔性の女っぽさが全然出ていないという事で、こちらはマイナス。

かわいくてダメダメな、『環くんにとっての理想の妹』。
奈々菜ちゃんは別に嫌いじゃないですが(というか本作のヒロインに嫌いなキャラはいませんが)、
美少女だらけのギャルゲー界では、『かわいいだけでは、魅力にはならない』のです……。


あと、娘を騙して枕営業(っつーかレイプっつーか)させようとする親を許せるのって凄いなと思うのですが、
これって『虚構世界』で起きた出来事で合っていますか?

ラストで『虚構世界での母親の姿を知っているから騙されたくはないけれど、現実の母は踏みとどまってくれた』的な言及があるのでそう思ったんですが、
それじゃ『現実界の母』は奈々菜ちゃんに何か悪い事をしたんでしょうか?

現実と虚構が入り乱れているので、僕の読解ミス(胸糞作品なので、じっくり吟味することなく読み飛ばしてしまった部分はある)の可能性はありますが、よくわかりませんでした。


☆ 箱鳥理世

未来以外の全ヒロインはエンディングロールすらもらえないのですが、
理世に至ってはTHE ENDすらもらえない。
嗚呼、何と不憫な娘なのでせう。


☆ 匂宮めぐり

皆さんの感想を見ていると、個別ルートはいらなかった派の方が多いようですが……
これがトゥルーでいいよ俺は!!

残酷な現実よりも、幸福な夢に逃げようぜ!
めぐりちゃんかわいいし、この先やらなくても良くね? ここで終わりにしようよ!
めぐりちゃんかわいいよっ!

って思いました。

「真実にかすりもしないけど、登場人物たちはそれなりに幸福に暮らしました」エンドは、
この手のゲームでは基本、どうでもいいルート(Hシーン回収ルートと名付けても良い)扱いで、
実際このゲームでもそういう扱いではあるのですが。

メインのルート(現実)があまりにも胸糞なので、むしろ現実から目をそらして虚構に生きればいいのにと思ってしまいました。



☆ 架橋琥珀

すみません。琥珀さん、(未来を除けば)メインヒロインのはずですよね?
僕の認識が間違っていましたか?
とりあえず、琥珀さんは現実界では何をやっていらした方でしたっけ???
劇団ランビリスの演劇を見て感動した一観客、という事で合っていますか?

個別ルートも奈々菜の二番煎じみたいな『兄妹ごっこ』ルートだし、扱い酷すぎません?



☆ 瀬和未来

瀬和家の母親がクソすぎますし、主人公の瀬和環くんもまぁクソですね。
結局、未来は華々しく自殺しているので、
環くんへの愛よりも憎しみの方が最後には勝っていたような気がしますけど……。

『虚構世界』で折原京子を出す意味もなかったような
……というか、架橋琥珀が瀬和未来の『虚構世界の姿』って事にしても良かった気がするんですけど、それじゃだめですか?

現実世界での架橋琥珀さんの役割があまりにも小さいため、存在意義が薄いですし、
役者さんなのですから多少の変装ぐらいできるはずなので、現実界での姿に拘りすぎる必要もないですし。

あぁ、演技力を誰かに引き渡す必要はあるんでしたっけ……でもそれなら別に朧くんや龍木さんあたりに渡しても良かった気はしますしね
(ゲーム的には都合が悪いでしょうけど、未来的には別に誰に渡しても良かったはずなので)

せっかく妹ではない存在になったのに、姿も妹のままで名前も折原京子だし、
案の定、環君からは強烈に警戒されているし、これで本当に良かったのかなぁ?

中途半端に姿や名前も似せないで、全くの別人として恋人ごっこするルートがあっても良かったんじゃないの?


☆倉科双葉

めぐりの次に好きです。
一服の清涼剤というか、健全なキャラがほとんどいないこの世界で、双葉ちゃんは貴重でした。
なぜ虚構世界に飛ばされたのかはよくわかりませんでしたが。
(環のためにくっついて飛ばされてきたとしか思えないのですが、未来は『招いたのは環だけ』と言っているのが謎)。



☆総評2

文章は下手ではない(現在この業界に残っているエロゲライターの中では巧い方だと思う)ので、
最後までプレイできる作品ではあるんですが、
どうもルクルさんの胸糞さは、僕の好みにはマッチしないという事を再確認した作品でした。


後、「シーシュポスの神話」を未読なのでこんなことを書く資格もないかもしれませんが、
カフカの「変身・審判・城」やカミュの「ペスト・異邦人」、ベケットの「ゴドーを待ちながら」、
セリーヌの「夜の果てへの旅」といった作品を読んだ身としては、
ルクル氏の描く『不条理』って、僕のイメージとちょっとズレてるんですよね。

別に不条理の定義を間違えているとは全く思わないんですが、『不幸・悲劇』の一側面だけがやけに強調されているように感じました。


ついでに言えば作中最大の見せ場である『フィリア公演』は、北欧神話というよりも『オイディプス王』じゃんと思って読みました。
まぁ、匂宮王海先生の遺作なら仕方ないんですが、それが明かされるのは最後の最後ですしね。
オーディン役のめぐりと、ロキ役の琥珀も見て見たかったところですが、
そもそも『現実界』の琥珀は、演劇できるんでしたっけ?


まぁ、作中で全てを説明する必要はありませんし、僕自身の雑な読みも多々あると思いますが、
色々スッキリしない事が多かったですね。

それが作中ではきちんと描かれていて、注意深く読めば読み取れたのか、
ご都合主義でルクル先生がごまかしたのかは、僕にはわかりませんでした。

個人的ワールドカップ・ベスト26

登録枠数が23人から26人に増えたので、26人を選出したいと思いますが、
毎回の事ながら、今回は特に入れたいアタッカーが多すぎて困りました。
ポジションバランスも考えた方が良いのに……悩ましいです。

☆GK

まず、GKは3枠。
ここには自動的に、PK戦に強く、上位に進出した3選手を選びました。
つまり、

エミリアーノ・マルティネス(アルゼンチン)

ドミニク・リバコビッチ(クロアチア


ボノ(モロッコ)

この3人です。次点はヴォイチェフ・シュチェスニー(ポーランド)かなぁ。
アルゼンチン戦で大活躍したアル・オワイス(サウジアラビア)も良かったですし、
ドイツ戦で大活躍した権田修一(日本)も良かったです(権田はコスタリカ戦の失点はミスだと思いますが)

さて、ここからが問題です。




フィールドプレイヤー全ポジションを含めてMVPは2人(2人だとMost Valuable Playerとは言えないですけどw)

☆アタッカー

リオネル・メッシ(アルゼンチン)

キリアン・エムバペ(フランス)

この2人はもう説明不要でしょう。よほどへそ曲がりな人じゃなければこの2人は入るはずです。
この2大エースを支えたオリビエ・ジルー(フランス)フリアン・アルバレス(アルゼンチン)も入れたいですね。アントワーヌ・グリーズマン(フランス)も、中盤の手薄なフランスにおいて、いわばトップ下のような形で破壊的なフランス攻撃陣を支えていました。
最強の攻撃力を誇ったブラジルから、最もインパクトがあったのはヴィニシウス(ブラジル)

リシャルリソン(ブラジル)も入れたいんですが、この調子で入れていくと後が怖いので保留です。
クロアチアのアタッカー陣で唯一怖さがあったイバン・ペリシッチ(クロアチア)も印象的でした。
イングランドでアシスト役に回っていたケイン(イングランド)も2ゴール3アシストとまずまずでしたが、アタッカー陣は日替わりヒーロー状態で……一人を選ぶならサカ(イングランド)になるんでしょうけど、インパクト的に薄め。
オランダの新星コディ・ガクポ(オランダ)も印象的な活躍でベスト8進出に大貢献。

えーと、とりあえず青字はこれで8人か。
5人交代制なのでアタッカー多めでも良い気はしますが、後で考えます。


また、ベスト26に入れない選手で印象的だった選手も少し。

チョ・ギュソン(韓国)は、ガーナ戦の2ゴールとイケメンということでバズりましたね。
前田大然(日本)は前線からのチェイシングが素晴らしかったです。
アルバロ・モラタ(スペイン)はスーパーサブとして、決めるべき時に決めました。スペインの0トップシステムは日替わりヒーロー状態だったので、モラタ以外の選手を選ぶのは難しいですが、全体的には良かったです。
エネル・バレンシア(エクアドル)も3試合3ゴールと大エースの面目躍如。
ニコラス・フュルクルク(ドイツ)はドイツに現れた待望のストライカー、に思えたんですがもっと出場させてほしかったです。
ウスマヌ・デンベレ(フランス)も期待以上のパフォーマンスで、フランスの4トップとして機能していましたが、既にフランスからは3人も入れているし、4人の中で1番劣るのがデンベレなのは明白なのでここでは外します。
ネイマール(ブラジル)とアンヘル・ディ・マリア(アルゼンチン)は、出場試合がもっと多ければ。
ゴンサロ・ラモス(ポルトガル)は突然の先発出場&ハットトリックと、スイス戦で大爆発しましたが、1試合だけじゃなぁ。
エン・ネシリ(モロッコ)のポルトガル戦のヘディングは打点が凄かったですね。
イスマイラ・サール(セネガル)は、マネがいないセネガルを引っ張り、オランダを苦しめました。


☆中盤

モロッコのフィルターとして、どこにでも現れたソフィアン・アムラバット(モロッコ)は文句なし。
モロッコからはもう一人アゼディン・ウナイ(モロッコ)も足技が巧みな好選手でしたが、ここは保留で。
大会を通してもベストなボランチといえばカゼミーロ(ブラジル)。フィルターとしてだけでなく、攻撃にまで参加するなど絶大なインパクトを残しました。
クロアチア黄金の中盤からは、まず壮絶な運動量を誇りながら、プレス回避の技も巧みなマルセロ・ブロゾビッチ(クロアチア)が筆頭候補。クロアチアのシンボル、ルカ・モドリッチ(クロアチア)も選出しましょうか。マテオ・コバチッチ(クロアチア)も素晴らしくて、3人全員入れてもいいんですが、とりあえずそれはやりすぎな気もするので保留で。
手薄な中盤を、グリーズマンと共に必死に支え、最終ラインと中盤を繋いたのがアドリアン・ラビオ(フランス)。準々決勝後、風邪にかかり準決勝は欠場、決勝もコンディションが悪そうでしたが、それまでのパフォーマンスは素晴らしかったです。
ポルトガルの技巧的な攻撃の中心になっていたのがブルーノ・フェルナンデス(ポルトガル)。
もう1枚のジョアン・フェリックス(ポルトガル)も入れても良いのですが、1人だけならブルーノかなぁ。
アルゼンチンからは最優秀新人賞を獲得したエンソ・フェルナンデスも、マク・アリステルも良いのですが、唯一チームの絶対軸として外れる事のなかったロドリゴ・デ・パウル(アルゼンチン)を選出しましょう。
これで7人か……。アゼディン・ウナイ(モロッコ)も入れましょう。これで8人。


選ばなかった選手では、まず
遠藤航(日本)は世界のトップクラスとも渡り合える強さを見せ、さすがはブンデスリーガのデュエル王だと思わせてくれました。
日本人なので日本を贔屓してしまうと、堂安(日本)、三苫(日本)、伊東(日本)のアタッカー陣も素晴らしかったと思います。
そんな日本と対戦したドイツでは、イルカイ・ギュンドアン(ドイツ)がチームを支えていました。また、ジャマル・ムシアラ(ドイツ)の技巧的なドリブルも見ていてとても楽しかったです。ただ予選リーグ敗退だと選びにくいですね。
スペインはガビ(スペイン)が大舞台で初登場。遜色ないパフォーマンスを見せました。ブスケッツ(スペイン)もさすがの安定感。ベスト8に入っていれば間違いなく選出していました。
ジュード・べリンガム(イングランド)も良かったですが、ベテランで落ち目だと思われていたヘンダーソン(イングランド)がここまでできるのも驚きました。さてはおぬし、最近のリバプールでは手を抜いていたな??
オーレリアン・チュアメ二(フランス)は、ただ一人全試合先発出場でフランスに貢献。初めての大舞台という事も含めて大活躍だったと思いますが、前任者のカンテと比較するとつらいのと、フランスから既にたくさん選びすぎているので、ここは我慢してもらいましょう。
アルフォンソ・デイビス(カナダ)は、カナダ初のワールドカップ得点も記録。デイビス個人が、というわけではありませんが、カナダ代表のサッカーは素晴らしかったのでそれも込みでここに名前を残します。


☆最終ライン

まず、今大会最高のセンターバックコンビ、チアゴ・シウバ&マルキーニョス(ブラジル)は入れるべきでしょう。
ブラジルが喫した失点は、2軍のカメルーン戦はこの2人は関係がありませんし、
後は勝負が決まった後の韓国戦とクロアチア戦のみです。
対人ディフェンスで、圧倒的な存在感を感じさせたのはファン・ダイク(オランダ)。
新星グバルディオル(クロアチア)も存在感を見せました。

っと、気づけば選んだのがセンターバックの選手ばかり。サイドバックも選ばないといけません。
まず、最優秀右サイドバックはアシェラフ・ハキミ(モロッコ)でいいのではないでしょうか?
カイル・ウォーカー(イングランド)も捨てがたいですが、チーム成績と、予選リーグ最初の2試合に出られなかったのがマイナス。
最優秀左サイドバックはルーク・ショー(イングランド)かなぁ。クロス精度も抜群でした。ちょっと決め手に欠ける気もするけど……。
もう一人のサイドバックは悩みますが、急遽の出場でリュカの後を継いだ、テオ・エルナンデス(フランス)を選びましょう。決勝は酷い出来でしたが、決勝以外はとても良かったです。
サイドバックの層が薄いですが、これで一応26人になりました!


選ばなかった選手についても。
ハリー・マグワイア(イングランド)のセットプレーの強さは今大会も健在でしたね。いやぁ、凄かった。
マルコス・アクーニャ(アルゼンチン)は突き抜けたものはないものの、守備も良く、それなりに攻撃参加もできるという点で、アルゼンチンの他のサイドバック陣よりも優れていました。
堅守を誇ったアルゼンチンですが、守備組織全体が優れていたイメージで、オタメンディやロメロをここに加えるのはちょっと厳しい気がします。
魂の守備を見せたモロッコは、ロマン・サイス(モロッコ)、ナイエフ・アグエルド(モロッコ)などが奮闘しましたが、怪我で次々といなくなってしまったので大会を通しての選出となると難しいです。
意外な活躍を見せたのがロドリ(スペイン)で、慣れないセンターバックとして特に守備面の弱点になることなく、ビルドアップではいつもの素晴らしさを発揮していました。
ペペ(ポルトガル)は39歳になってもタフですね。39歳で衰えを感じさせないだけでも素晴らしいし、今回はラフプレーもなかったので良かったです。
ドゥムフリース(オランダ)はエクアドル戦の出来が最低だったり、アメリカ戦は最高だったりと波が激しくて、ある意味見逃せない存在でした。
そのドゥムフリースを圧倒したエストゥピニャン(エクアドル)は、ベスト16に進出していれば26人に入れたかもしれないぐらい、このポジションでは目を引いた選手でした。



まだ、他にも言い忘れた選手は絶対いると思いますが、とりあえずここまで。

それと、ネガティブ選手についてはコメントしません。

ゴシップ系については、余裕があれば大会中に触れたかったのですが、大会が終わった後に振り返っても今更感しかないので、まぁもういっかって感じですw


【オナナの帰国事件とか、クリロナの恋人が暴れてた事件とか、
ファン・ハールVSアルゼンチンのラフタックルとか、
日本のゴミ拾いをイギリス系メディアが茶化していて、当のイングランドサポーターはスタジアムを汚くしていってた事件とか、
12年前ふてぶてしくガーナを不当な敗北に追いやったスアレスが、ガーナ戦で予選敗退が決まって流した涙とか(ガーナに負けたわけではないのですが)
カタールで風邪が大流行して、フランス代表とスイス代表を直撃した話とか、
アイスランド代表は今大会出られなかったのに、バイキング・クラップが応援方式として根付いていた事とか、

毎日ABEMAで川平慈英を見すぎたあまり、川平慈英みたいな話し方になりかけた事とか
日向坂46の影山優佳さんはガチでちゃんとサッカーを知ってるなとか
(ぶっちゃけ、本田圭佑さんとか松木安太郎さんより、サッカー詳しいと思った)、
お笑い芸人を呼ぶ文化は一体いつまで続くんだ、とりあえず騒いで茶化すのだけはやめてほしい、とか
まぁその他いろいろですね。




ワールドカップ・ベスト4まとめ

☆ クロアチア代表 1勝4分1敗 6得点6失点

攻撃 B+ 守備 B+ 面白さ B+
個人的MVP GK ドミニク・リバコビッチ



同組のベルギー同様に、4年前の主軸が年齢を重ねたクロアチア代表だが、
モドリッチに代表されるように力の衰えは感じられなかった。

『試合巧者』という言葉がピタリと当てはまるクロアチアは、
ブロゾビッチ、コバチッチ、モドリッチの盤石の中盤が自在にペースを作りだし、
相手のプレッシングをのらりくらりとかわしていき、気がつくとクロアチアのスローなペースに引きずりこんでしまう。

クロアチア最大の強みは、PK戦の強さ。これがあるからこそ「引き分けでもOK」の戦い方が出来るのだ。
日本、ブラジルを連破したPK戦最大の立役者はGKリバコビッチ。
今大会のベストGK候補にも挙げられるだろう彼の活躍で、クロアチアはしぶとくPK勝利を掴んでいった。
最終ラインではグバルディオルが成長。
ロブレン、ヴィダのベテランCBのうち1枠は後継者が定まった。

唯一前回大会から劣化したと感じたのが前線。マンジュキッチの穴は誰にも埋められなかった。
中盤が優れたゲームメイクを見せても、最後の崩しの場面で怖さを見せられるのはペリシッチだけだった。
それが、「負けないクロアチア」(言い換えれば「勝てないクロアチア」)を作ったとも言える。

余談だけれども、ABEMAの解説で本田さんがしきりにダリッチ監督を批判していたが、
個人的にはダリッチ采配で不可思議なところはほぼなかった。

クロアチアはアルゼンチン戦を除いて「巧く行っていた」上に、「油断できる状況(大量リードなど)は一度もなかった」し、
選手層が薄く、頼れる選手がベンチにほとんどいないのだ。
交代枠5枚を無理に使ってバランスを崩す必要性などどこにもないのだから、それを批判するのは的外れだと個人的には感じた。


☆モロッコ代表 3勝2分1敗 5得点3失点


 攻撃 B 守備 A+ 面白さ B+
個人的MVP DH ソフィアン・アムラバット


モロッコは「堅守のチーム」と表現されていた。
しかし、それはイコール、「守備的なチーム」を意味しない。

GKに守護神ボノがいて、身を削って守備をする最終ラインがあって、中盤にも強烈なフィルターであるアムラバットがいたからこそ、失点が少なかっただけに過ぎない。
中盤にはウナイ、ブファル、ジイェフといった足技に長けた優れたテクニシャンを数多く揃え、
所属クラブほどではなかったもののハキミも、そして逆サイドのアラーもオーバーラップを見せていた。
低重心のチームではないし、攻撃にかける人数が少ないわけでもない。

ただ、作りだしたチャンスを決めるストライカーがいなかった事、最終ラインが強固だった事から、そのような印象を与えただけで、モロッコ代表がやろうとしていたサッカーは本質的には『ミニ・スペイン』に近いものだった(本家を食ってしまったがw)


クロアチア・ベルギー・スペイン・ポルトガルを退けて、アフリカ初のベスト4進出。
最後のフランス戦の采配は正直少し残念だったが、レグラギ監督とモロッコ代表は、アフリカサッカーの歴史を作った。
それも、くじ運に恵まれたわけでもなく、見るものを退屈させるわけでもない、胸を張れるサッカーで。

クロアチア、モロッコに共通して言える事、更に言えばスペインやドイツ、スイスにも拡大して言えることだが、パスを丁寧に繋ぐチームに限って、ストライカーに恵まれない。
頼れるストライカーがいれば、大化けするのにと、そう感じるチームが今大会も多かった。


(別のチームの話で恐縮ですが、スペインのビジャ、ドイツのクローゼが偲ばれる……
彼らがいれば、スペインやドイツは確実にもっと上にいけたのになぁ)


☆フランス代表 5勝1分1敗 16得点8失点
攻撃 A+ 守備 B+ 面白さ A

個人的MVP FW キリアン・エムバペ

2018年に続いての決勝進出だったが、中身は全く別のチームだった。
それは皮肉にも、中盤の主軸だったポグバとカンテ(特にカンテ)の負傷が大きく作用していたと思われる。

デシャン監督はもともとリスクを冒さない慎重な監督だ。
リスクを取らずに、いかに勝利するかを目指す監督で、エムバペという飛び抜けた『個』さえいれば、
後はポグバ・カンテを中心にした中盤のフィルター、そして盤石の最終ラインで守り勝てる。
それで優勝したのが2018年ワールドカップだった。

しかし今大会は中軸の2人がいなくなり、中盤の守備力がぐらついた。
更に左サイドバックのリュカの負傷離脱も大きく、代わって入ったテオは攻撃型。
中盤はフィルター(カンテ役)のチュアメ二と、ボックストゥボックス型(ポグバ役)のラビオに完全に依存。
特に後者は控えを見渡しても代えがカマビンガぐらいしかおらず、カマビンガは左サイドバックの控えも兼ねていたため、実質中盤で起用される事はなかった。
(なぜラビオを代えないのかと本田さんがずっと言っていたが、答えは簡単で、同じタイプの選手がいなかったからだ)

そのため、アタッカーでありながらゲームメイクにも拘れる、まるでメッシのようなプレイを見せたグリーズマンに、圧倒的な化け物であるエムバペ、もう片翼には4年前と違ってフィットしたデンベレ、
そして最前線には4年前も頼りになった基準点のジルーという、
4-2-4とも呼べるシステム(グリーズマンを中盤にカウントした4-3-3ではあるのだが)が、
結果的にフランスを爆発的な攻撃力を持つチームへと変貌させた。

今大会、最も破壊的(攻撃に人数をかけ、主導権を握り、迫力のあるフットボールを展開する)だったチームがブラジルだとすれば、2番手は恐らくフランスだった。

前述した3人(ポグバ、カンテ、リュカ)以外にも、
ベンゼマ、ヌクンク、メニャンと野戦病院状態で、パバールは監督との意見の相違でほぼ構想外。
とどめに、カタールで蔓延する風邪(スイスも苦しめられた)にまで苦しみながら、
フランスは再び決勝の舞台に返り咲き、PK戦までもつれこませる素晴らしい戦いを見せた。
決勝は確かにほぼアルゼンチンペースだったが、それまでの戦いぶりは間違いなく準優勝にふさわしいもの。

ここにポグバ、カンテが戻ってきたら更に強くなるのだろうが、
逆にこの2人がいなかったからこその苦肉の策のアタッキング・フットボールだったようにも思う。

どう捉えていいのかわからないが、2年後のEUROに向けて最前線のジルー(ベンゼマ)以外は恐らく現状のメンバーも残れるはず。
基準点の選手は極めて大切なので、その問題をどう解決するかは見ものだ。

現時点で去就が判明していないが、デシャン監督とエムバペがいれば、2年後も4年後も、
優勝はともかく、ベスト8以上は期待しても良いだろう。






最後に、解説の本田さんは「エムバペだけのチーム」のように語っていたが、
正直、試合をほとんど観ていなさそうな本田さん(だって、ブロゾビッチすら知らないんだもの……)
がしたり顔でそう語るのはどうかと思った。

決勝だけに限れば確かにそうだったのだが、戦術・エムバペだったのはむしろ2018年大会の方であり、
今大会は『エムバペだけの攻撃』から脱却できた事こそが、フランスにとって怪我の功名とも言える攻撃力の高さとエンタメ性を高めていたからである。



☆アルゼンチン代表 4勝2分1敗 15得点8失点

攻撃 A₋ 守備 A 面白さ B+
個人的MVP FW リオネル・メッシ

全てが「メッシ」のフィナーレを飾るために用意されたような、そんな印象を受ける大会だった。

初戦はまさかのサウジアラビア戦敗戦。
最終ライン5人(GKと4バック)
中盤のデ・パウル、前線のメッシ、ディ・マリアの3枚は確定していたものの、残り3枠の回答を見つけるのに、スカローニ監督は試行錯誤した。
2戦目のメキシコ戦は激しいバトル(ラフプレー合戦:メキシコの方が汚かった)になったが、この2戦目から先発したのがマク・アリステル。
そして、この試合で途中交代して得点を決めたエンソ・フェルナンデスがデ・パウルの相棒として、
最終的には最優秀新人賞にも選ばれた。
第3戦のポーランド戦から、フリアン・アルバレスがスタメンへ。
チームの完成系がここで確定したかと思いきや、ディ・マリアの負傷によってスカローニ監督の試行錯誤は続く。
トーナメント1回戦のオーストラリア戦では初戦でも全くダメだったアレハンドロ・ゴメスを再起用するがまたしてもダメ。
準々決勝のオランダ戦では、相手に合わせた5バックを採用しオランダを途中までは完封するが、
途中から4バックにシステム・チェンジをしたオランダについていけず、結果的に延長PKまで粘られる。
なお、この試合でのアルゼンチンのラフプレー(特にパレデス)は目に余るものがあり、
個人的にはアルゼンチンVSメキシコのメキシコ側のラフプレーと並んで、
大会ワーストのダーティーパフォーマンスだった。
そのため、「メッシにタイトルを取らせてあげたい」という気持ちよりも、「こんな汚いチームに優勝してほしくない」という気持ちが勝ってしまったのは残念だった。
準決勝のクロアチア戦は、4バックに戻したものの中盤3枚をボランチ型の選手で固める采配で、
スペクタクルよりも手堅さが目立ち……
そして決勝。ようやく、ディ・マリアが戻ってきたアルゼンチンはベストメンバーを揃え、
フランスとの大一番を制したのだった。

選手個人で見るとやはりどうしてもメッシに目が行ってしまうが、それも当然。
主役は誰が見てもメッシであり、2トップの相棒フリアン・アルバレスと、復帰したディ・マリアを除けば、攻撃面で怖さを感じさせる選手はいなかった。

一方、最終ラインは堅く、GKエミリアーノ・マルティネスは大会最優秀GKに選ばれるのも納得の活躍ぶり。
中盤もビルドアップのできるバランス型の選手で固め、アタッカータイプの選手はいなかった。

ただ、ビッグクラブ未所属で今回が初のワールドカップとなるGKマルティネス(はもう30歳だが)、
MFのエンソ・フェルナンデス、マク・アリステル、
そしてFWのフリアン・アルバレス(ビッグクラブ所属だが出番が少ない)といった、
『スーパースターではない好選手』を発掘し、効果的に機能させたスカローニ監督のチーム作りは称賛されて然るべき。
オランダ戦やフランス戦の采配など、勝負師としては正直あまり称賛できないが、2018年あれだけガタガタだったアルゼンチン代表を、南米一、世界一に導いたのだから重箱の隅をつつくような批判にしかならない。
また、カタールまでやってきた大応援団の熱量も素晴らしかった。

ただ、個人的にアルゼンチンは応援していなかったので、
ABEMAだけでなく、他YouTube媒体での『アルゼンチンを応援しようキャンペーン』は正直鬱陶しかった。

後は繰り返しになるが、オランダ戦でのラフプレーさえなければ、もう少し気分良くアルゼンチンの優勝を祝えたと思う。

ともあれアルゼンチン、そしてメッシ。おめでとうございます!








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