2022年12月

準々決勝 フランスVSイングランド

        フランス  2-1   イングランド

試合内容 C+
主審 サンパイオ A₋
個人的MOM FW アントワーヌ・グリーズマン(フランス)

GK ロリス 6・5          ピックフォード 6
DF ヴァラン 6          マグワイア 5・5
  ウパメカノ 6        ストーンズ 5
  クンデ 6          ショー 5・5
  テオ 4           ウォーカー 5・5
MF チュアメ二 5・5        ヘンダーソン 5・5
  ラビオ 6          ライス 5
FW グリーズマン 6・5    MF  べリンガム 5・5
   デンベレ    4          FW  サカ 5・5
   エムバペ 5        フォデン 6
   ジルー 6・5         ケイン 6

監督 デシャン 6        サウスゲイト 5

欠場者(フ)DFリュカ(負傷・大会絶望)


交代(フ)
   デンベレ→コマン ?
   
  (イ)
   サカ→マウント 5・5
   ヘンダーソン→スターリング 5
   フォデン→ラッシュフォード 5
   ストーンズ→グリーリッシュ ?



恐らく今大会でも最も守備が硬いチーム、それがイングランドだ。
低重心で構え、攻撃は前線のスピード頼み。その前線両翼も献身的に守備に参加する運動量を持ち合わせるため、ちょっとやそっとでは崩せない。
ボールを奪えば、前線両翼が走力を生かして駆けあがり、直線的にゴールを目指す。
セットプレイの強さも無類である。
そんなイングランドは、他のどのチームも成し遂げられなかったエムバペ封じを今大会初めて実現した。
エムバペだけじゃなく、デンベレも封じられ、攻め手に困ったフランスだったが、
偶発的とも言えるチュアメ二のミドルと、グリーズマン→ジルーのホットラインで2ゴール。
イングランドを文字通り寄り切った感じだった。

ブラジルのサンパイオ主審にも触れておきたい。
「カード基準が超甘口」な今大会で、一人だけ欧州基準でカードを出してくれる、
欧州サッカーを見慣れている人間としては安心できる審判だ。
(ブラジル人なんだけど)

逆に言えば、大会の基準から外れてはいるのだけど、彼が裁けばアルゼンチンVSオランダもあんなことにはならなかっただろうと思わずにはいられない。
(ブラジル人なので、アルゼンチンの試合は裁けなかったんだろうと思うけど)

準々決勝 ポルトガルVSモロッコ

       ポルトガル  0-1      モロッコ

試合内容 A₋
個人的MOM SB アディヤド・アラー(モロッコ)

GK ディオゴ・コスタ 5・5      ボノ 8
DF ルベン・ディアス 5・5     エル・ヤミク 6
   ペペ 6            サイス 6・5
  ゲレイロ 5          ハキミ 7・5
  ダロ 5・5           アディヤド・アラー 8・5
MF ルベン・ネーベス 5・5      アムラバット 8
  ベルナルド・シルバ 5      アマラ 6
  ブルーノ・フェルナンデス 7  ジイェフ 5・5
  ジョアン・フェリックス 7    ブファル 6・5
  オタービオ 5・5        ウナイ 7・5
FW ゴンサロ・ラモス 4・5     エン・ネシリ 6・5

監督 サントス 6        レグラギ 9・5

欠場者(ポ)DFヌーノ・メンデス(負傷・大会絶望)
      MFダニーロ(負傷)
   (モ)DFアギエルド(負傷)
      DFマズラウィ(負傷)

交代(ポ)
   ゲレイロ→カンセロ 7
   ネベス→クリスチアーノ・ロナウド 5・5
   ゴンサロ・ラモス→レオン 5・5
   オタービオ→ヴィティーニャ ?
   ダロ→オルタ?

  (モ)
   サイス→ダリ 6
   アマラ→バヌン 5
   エン・ネシリ→シェディラ 3
   ジイェフ→アブクラル 5・5
   ブファル→ジャブラヌ ?

まずはモロッコ、おめでとう!!
ベルギー、スペイン、ポルトガルを倒し、アフリカ勢初のベスト4にたどり着いたモロッコの力は決してフロックではない。

アムラバットやサイスに代表されるような魂の守備、
中盤でボールを剥がせるウナイのテクニック、果敢に攻め上がるハキミ、アラーのオーバーラップ。
ゴール前に立ちはだかる守護神ボノ。
そして、団結力溢れるチームを作り上げたレグラギ監督。

そのレグラギ監督は、退場者を出した残り8分も、耐え凌ぐだけでなく素早く修正を施し、アブクラルを前線にコンバート。
鋭いカウンターからポルトガルゴールを襲う意欲を見せ、「攻撃は最大の防御」だという大原則を見せてくれた。
最終ラインに負傷者が多く出るなかでも最後まで崩れなかったのは、ハードワーク・団結力・走り切る力、そして臆することなく前に出ていく攻撃的な姿勢に他ならない。


対するポルトガルも決して悪い内容ではなかった。
前戦でハットトリックを決めたゴンサロ・ラモスを先発させ、リードされると後半早い時間帯にクリスチアーノ・ロナウドを投入するベンチワークにも間違いはなく、
ハキミにサイドを制圧されていたゲレイロをカンセロに代える采配も妥当(まぁ、最初からカンセロ先発でも良いとは思うのだけど)。

相変わらず今大会キレキレの、得点力溢れるチャンスメイカー陣、柔のジョアン・フェリックスと剛のブルーノ・フェルナンデスも、モロッコゴールに何度も迫った。

恐らくクリスチアーノ・ロナウドは今大会が最後だろうが(次のEUROぐらいまでは出るかも?)、
フェリックス、レオンといったアタッカーの有望株も育っており、最終ラインを背負って立つルベン・ディアスもまだ25歳。
ロナウド、ペペの2人を除けば主力級にベテランはいない。

優勝できるかは別にして、まだしばらくはポルトガルの強さは続くだろう。

今夜(明日夜)の試合展望その6

☆ポルトガル(60)VSモロッコ(40)

まずは、ポルトガルがクリスチアーノ・ロナウドを先発させるかどうかに注目だ。
所属するマンUでも、スタメンになれないとへそを曲げる大エースの存在は、チームにとって爆弾にもなりうる。
スイス戦でハットトリックをしたゴンサロ・ラモスが素晴らしかっただけに、ロナウドがスーパーサブとしてチームに貢献できるならこれ以上の事はないのだが。

ポルトガルの注目は、ブルーノ・フェルナンデス、ジョアン・フェリックスといった、チャンスメイクもフィニッシュもできる、得点力溢れる2列目の選手を抱えている事だ。
スーパーサブのレオンも含め、様々な手を打つことができる。

モロッコ側からは、クロアチアVSブラジルのクロアチアと似たような展開を強いられるのではないか。
ハードワークを厭わない守備力と、PKストップに定評のあるGKボノがいるだけに、またも延長PKになるならばモロッコが有利になるように思う。


☆フランス(54)VSイングランド(46)

ブラジルが消えた今、生き残っているチームの中で最も攻撃力が高いのがフランスだ。
グリーズマンをトップ下に、デンベレ、エムバペ、ジルーのカルテットは
ネイマール、ラフィーニャ、ヴィニシウス、リシャルリソンのカルテットと比肩する。

一方、強豪国の中で堅守速攻のイメージが強いのがイングランドだ。
セットプレイ時のマグワイアの威力はやはり強く、DFラインは低く保ちながら縦に速い攻撃で
両翼に託す。

試合は、フランスのエムバペ&テオが猛攻を仕掛けるフランスの左サイドVSウォーカー&サカ(ラッシュフォード)を中心とするイングランドの右サイド。
サカ(ラッシュフォード)のスピードを警戒したテオが上がれなくなると、試合の状況は大きく変わってくる。
逆に、フランスはこのサイドで優位に立てれば





準々決勝 オランダVSアルゼンチン

   オランダ  2-2      アルゼンチン
PK        3-4

試合内容 C+
主審 マテウ・ラオス C₋
個人的MOM FW リオネル・メッシ(アルゼンチン)

GK ノペルト 6          エミリアーノ・マルティネス 6
DF ファン・ダイク 5・5       オタメンディ 2・5
  アケー 5            リサンドロ・マルティネス 5
  ティンベル 5           ロメロ 6
  ブリント 5           モリーナ 6
  ドゥムフリース 4・5        アクーニャ 6・5
MF デローン 5             デ・パウル 6
  フレンキー・デ・ヨング 5    エンソ・フェルナンデス 5・5
  ガクポ 6              マク・アリステル 4
FW ベルフワイン 4            アルバレス 4・5
  デパイ 4               メッシ 7・5

監督 ファン・ハール 7      スカローニ 5・5


交代(オ)
   ベルフワイン→ベルフワイス 5
   デローン→コープマイネルス 5・5
   ブリント→ルーク・デ・ヨング 6・5
   デパイ→ヴェフホルスト 7・5
   ガクポ→ラング ?

  (ア)  
   デ・パウル→パレデス 2・5
   アクーニャ→タグリアフィコ 5  
   ロメロ→ペセーラ 3
   アルバレス→ラウタロ 6
   モリーナ→モンティエル 5・5
   リサンドロ・マルティネス→ディ・マリア 6



4-2-3-1システムを大会中に育て、上昇傾向にあったアルゼンチンと、
5-3-2システムで固い守備的サッカーでベスト8までやってきたオランダ

戦力的にはアルゼンチンの方が明らかに上だったのを、PKにまでもつれさせた要因は、
両監督の差と、不必要なラフプレーだ。

恐らくディ・マリアのコンディション不良と、アレハンドロ・ゴメスの不調もあって、アルゼンチンはオランダをリスペクトする5-3-2システムを敷いてきた。
これで、オランダの両サイドを封殺し、固い試合ながらアルゼンチンがリード。

しかしオランダは後半19分に、ブリントに代えてルーク・デヨングを投入し4バックに変更。
更にヴェフホルストを投入し、オランダは空中戦に特化したパワープレイにシフトする。
にも拘らず、アルゼンチンは5バックを継続。
アルゼンチンのオタメンディ、パレデスのラフプレイで試合がヒートアップする。

主審のマテウ・ラオスは元々スペインリーグでカードの多い審判だが、今大会のカード基準は『非常に緩く』統一されている
ただし、自らに対する抗議にはイエローを躊躇わないラオス主審
こちらの基準は統一されていなかった模様で、ラフプレイにはカードが出ず、抗議にはカードが出る歪な試合展開になってしまった。

このような緩いカード基準では、いつかそれを悪用するチームが出てくるだろうと思っていたが、
今日のアルゼンチンはまさにそれ
で、パレデスなど即退場させるべき悪質なプレイで試合を無駄に荒れさせた

そして後半55分、ほぼ試合終了間際に、ペッセーラまた無駄にラフプレイを犯し、そこからのFKでオランダが同点に追いつく。

延長後半8分、ようやくアルゼンチンがディ・マリアの投入で、4バックに変更すると急にアルゼンチンが活き活きと攻勢に出る。
しかしこれができるなら、なぜ最初からやらなかったのか。
少なくとも、オランダが4バックに変更した時に、すぐに対応するべきだったのではないか。
ディ・マリアとゴメスが使えなかったなら、アンヘル・コレアを試しても良かったのではないか。

結局、PK戦ではアルゼンチンが勝った。
順当な勝利だ。
しかし、いつもの5バックから4バックに変更し、ヴェフホルスト、ルーク・デ・ヨングを投入して空中戦に特化したファン・ハール監督と、
いつもの4バックを棄てて5バックにした結果、ファン・ハールに修正された後も腰が重く、同点に追いつかれたスカローニ監督。


監督の差は歴然だった。

準々決勝 ブラジルVSクロアチア

      ブラジル  1-1       クロアチア
         PK  2-4
試合内容 B+
個人的MOM GK リバコビッチ(クロアチア)

GK アリソン 5         リバコビッチ 9
DF マルキーニョス 6       グバルディオル 7
  チアゴ・シウバ 6      ロブレン 6
  ダニーロ 5         ユラノビッチ 7・5
  エデル・ミリトン 6・5      ソサ 5・5
MF カゼミーロ 6・5        ブロゾビッチ 6
   パケタ 7          コバチッチ 6
FW  ネイマール 7・5      MF モドリッチ 6・5
    ラフィーニャ 5    FW  ペリシッチ 5・5
    ヴィニシウス 6・5       パシャリッチ 5
    リシャルリソン 5・5      クラマリッチ 4

監督  チッチ 7          ダリッチ 8・5

欠場者(ブ)DFアレックス・テレス(負傷)
      FWガブリエウ・ジェズス(負傷・大会絶望)

交代(ブ)ラフィーニャ→アントニー 5
     ヴィニシウス→ロドリゴ 4・5
     リシャルリソン→ペドロ 5・5
     ミリトン→アレックス・サンドロ ?
     パケタ→フレッジ ?

  (ク)パシャリッチ→ヴラシッチ 5・5
     クラマリッチ→ペトコビッチ 7・5
     コバチッチ→マイェル 6  
     ソサ→ブディミル 5  
     ブロゾビッチ→オルシッチ 5・5



攻撃、守備、スペクタクル度、全てが完璧だったブラジルが大会から姿を消した
枠内シュートはブラジル11本VSクロアチア1本。
カメルーン戦、韓国戦と楽な試合で主力を休ませられたブラジルと、日本とPK戦を戦ったばかりのクロアチア。

優勝候補筆頭の呼び名にふさわしい、史上最高のブラジルはそのパフォーマンスに削ぐわないベスト8という成績で今大会を終えた。

ブラジルを地に引きずり下ろしたのは、クロアチアの驚異的な粘りだ。
ブラジルのハイプレスをひらりとかわす、プレス回避能力はカナダ戦、日本戦でも見せた通り
ハイテンポな打ち合いを望むブラジルに対し、37歳円熟の極みに達するモドリッチを中心に、
焦らず試合を落ち着かせるポゼッションで、試合をペースダウンさせていく
一方的に攻められ続けながらも、両サイドバックのソサ、ユラノビッチも安定感があり、
中央を固めるのは大会屈指のセンターバック、グバルディオル
そしてそれら全てを突破した末に、守護神リバコビッチが立ちふさがるクロアチアゴールはとにかく固い。

それでも延長前半、ネイマールパケタの素晴らしい連携から、遂にネイマールがゴールをこじ開ける。
これで勝負あったかと思われた。何せ、105分間でクロアチアの枠内シュートは0本だったのだ。

だが、ここで諦めないのがクロアチアだ。それも一気呵成に攻め込むわけでもない。
まるでリードされている事を忘れているかのような落ち着きぶりで、中盤でモドリッチがタクトを振るう一方、ダリッチ監督は長身FWブディミルを投入。
いよいよ空中戦狙いというメッセージを選手たちに伝えていく。

そして116分、途中投入されていた長身FWペトコビッチがブラジルゴールを打ち破り、クロアチアが同点に追いついた。
その後もマイェルなどが攻勢を強めたまま、120分を終え、クロアチアは2試合連続のPK戦へ。

そして、ここでまたしてもブラジルの前に立ちはだかったのは、日本戦でもPKストッパーとして存在感を見せたリバコビッチだった……。


チャンスの数、試合内容、強さ、それらは明らかにブラジルの方が上だった。
ただし、試合の流れをコントロールする力、そして絶対に諦めない心をクロアチアは持っていた。
どれだけ攻められても浮足立たず、マイペースにPKまでたどり着き、悠々とブラジルを沈めて見せた。

2大会連続ベスト4。
クロアチアのような小国にとってこれは歴史的な快挙である。

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