2023年12月

2023年読書ランキングベスト10&ゲームランキングベスト5(ノミネート)

毎年恒例の読書&ゲームランキングベスト10を新年に発表します。
この記事は、その前段階のノミネート記事です。

☆読書ノミネート


虐殺器官/伊藤計劃
ハーモニー/伊藤計劃
エトロフ発緊急電/佐々木譲
真夏の方程式/東野圭吾
ナミヤ雑貨店の奇跡/東野圭吾
日本沈没/小松左京
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士/スティグ・ラーソン
秘本三国志/陳舜臣
行きずりの街/志水辰夫
クロスファイア/宮部みゆき
首無の如き祟るもの/三津田信三
ノルウェイの森/村上春樹
魂の駆動体/神林長平
百舌鳥の叫ぶ夜/逢坂剛
カラマーゾフの妹/高野史緒
逃がれの街/北方謙三
ゼロの罠/ポーラ・ゴズリング
背徳のメス/黒岩重吾


今年読んだ本は141冊でした。
4月下旬に足を骨折して、しばらく読書生活が続いたから結構読みましたね。


☆ゲーム

読書のあおりをくって、ノベルゲームが全然できなかった……とりあえずプレイしていたゲームを書きます。超短いFDは除く。


さくら、もゆ
さくらの雲、スカァレットの恋
三国志8PK
三国志9PK
三国志10PK
三国志11PK
ドラゴンファーム(同人)
毎日キスしてロリータ(同人)
Venus Blood Desire
King Exit(同人)
天結いキャッスルマイスター
向日葵の教会と長い夏休み
あきゆめくくる(プレイ中。正月3が日にクリア予定なので、一応)
フラワーナイトガール(ソシャゲ)


うーん……ら、来年こそもっとちゃんとプレイするから……
今年は「三国志」ばっかりやっていましたね。
このラインナップだと、選出はベスト5でいいかな。

海外サッカーへの愛情がいよいよ惰性になりつつある話&好きだったチーム

※このタイトルを見て、怒ってしまう方は読まないでください

好きだったチームの話だけ読みたい方は、青太字になっているところまでスクロールしてください。



こういうネガティブな記事はあれなんですが、つまらんつまらんと言っても、何が理由なのか、
きちんと掘り下げていかなければなぁと思い、記事を書きます。

リアルタイムで海外サッカーをガッツリ見始めたのはいつぐらいなんだろう?
98-99のカンプノウの奇跡は覚えているからその辺りだと思います。
94年ワールドカップはよくわからないまま見た記憶がありますが、98年はリアルタイムで見られていないので(のちに見たけど)、ガッツリ見始めたのはEURO2000からですね。
過去のワールドカップに関してはYouTubeによく上がっているので、74年以降のワールドカップの試合は大体見てます(EUROは上がらないんだよなぁ)。


海外サッカーと一口で言っても、大きく分けると世界3大リーグ(イングランド・スペイン・イタリア)、もしくは4大リーグ(+ドイツ)と言われます。

ボスマン判決(EU内のサッカー選手は、労働の自由が与えられる。また、契約が切れれば、会社=チームに縛られず自由に移籍ができる)による選手の一極集中化により、
大体この4つのリーグにスターが集まってしまったという事ですね。

ポルトガル、フランス、オランダ、トルコリーグあたりも割と豪華ですが、
やっぱり4大リーグ、もしくは3大リーグに比べると……というのはあります。
そしてそんな各国強豪チームを集めたCL(チャンピオンズ・リーグ)が最大のクラブチーム・イベントです。

これから僕が書くのは、その辺の前提条件で考えてください。
「いや、お前が知らないだけでアルバニアリーグめっちゃ面白いから!」みたいな情報はありがたいといえばありがたいですが、まぁとにかくそんな感じです。



☆スペインリーグの娯楽的没落  ダメージ A(S~E)

僕がサッカーを見始めた頃は、スペインリーグがとても面白かったです。
時、あたかも2000年。バルセロナはリバウドをエースに、クライファート、サビオラらを従えていた頃かな? オランダ人だらけなので批判はありましたが、
当時のオランダ代表自体も凄く面白いチームで、このバルセロナも面白いサッカーをしていました。
(あまりタイトルは取れなかったけどね!)

そのバルセロナを中心に、レアル・マドリー、バレンシア、デポルティボと強豪が4つもあり、切磋琢磨していましたね。
ソシエダの躍進の年、リケルメをエースにしたビジャレアル、セビージャの躍進の年、アルゼンチン人を集めたサラゴサ、思い出すだけで魅力的なチームがたくさんありました。


面白さが最高潮に達するのはライカールト監督が就任し、ロナウジーニョ、エトー、メッシが加わった2004年頃から、伝説のグァルディオラ監督黄金時代の2013年あたりまで。
ライバルのレアル・マドリーは銀河系軍団を作ったり、仇敵モウリーニョが登場するなどある種殺伐とした、エキサイティングな2強が、そのまま世界の2強としても通用するような時代でした。
一方で、バルセロナ、レアルがあまりにもとびぬけてしまい、中堅クラブで面白いチームが減っていることに、後から思い返すと気づかされます。
バルセロナはグァルディオラがいなくなってから娯楽的に没落し、2018年のバルベルデ監督の頃にはもはや往年のパスサッカーは影も形も見られない凡庸な姿に変わってしまいました。

そして、とどめはネグレイラ事件。
以前から、スペインリーグはイタリアなどに比べて『八百長に対して処罰がされない』リーグでした。
毎年のように下位では八百長が横行し、ビジャレアルがスポルティング・ヒホンを助けた八百長や、
オサスナへの度重なる疑惑、とどめにバルセロナが18年間にわたり審判委員会に金銭を送っていたというスキャンダルまで飛び出しましたが、今のところ全ての件において『処罰なし』です。

娯楽性も失い、モラルも失ったリーグに魅力はあるのでしょうか?

その点、イングランド・プレミアリーグは色々と問題がありながらも、面白さを保ち続けています。


☆『3大リーグ以外の、メディアの取り扱いの低さ』  B

メディアではなく、自分の眼で確かめろ、というお叱りはあるかもしれません。
しかし、2010年頃の開幕号と言えば、ロシアリーグやトルコリーグ、スイスリーグやクロアチアリーグの王者まで載せていました(まぁ要はCLに出てるチームですね)

フランスリーグのリヨン・モナコ・マルセイユの3勢力の鍔迫り合いや、
オランダリーグのアヤックスとPSVの争い、
スイスリーグのバーゼルの記事を読んで試合を見たところ、活躍していたのはサラー(現リバプール)だったり、ロシアリーグのゼニトにはアーセナルに来る前のアルシャビンがいましたよね。


雑誌も、詳細な試合レポートに読みごたえがあったワールドサッカーグラフィックが消え、
しょっちゅう過去のレジェンド特集をやるのが『またかよ』感がありつつも、第2のサッカー雑誌として栄えていたワールドサッカーマガジンが消え(雑誌名を変えてからは別物)、
あまりにもしょうもない特集が多すぎるネタ雑誌として、賑やかし担当のワールドサッカーキングも消え(現在は毎号1チームを特集するものになっており、別物)
硬派すぎる読み物として時代に逆行して(?)誕生したフットボリスタもこの度廃刊となり、
今や僕が読んでいるのはワールドサッカーダイジェスト1誌しか残っていません。

ワールドサッカーダイジェスト内でも、3大リーグ以外+バイエルン・パリ以外の扱いは以前に比べて雑ですので、これでは『このチームを見てみるか』という新しい発見にも至りません。



☆過密日程・試合数の増加・大会の拡張  A+

『オカネ』なんだな、というのはわかります。
しかしね、ワールドカップが24か国から32か国になり、次回からは48か国になるんですよね?
48か国も見たいチームねぇよ!!

EUROは16チームから24チームになって、めっきり面白さが減りました。
もう、オランダ・フランス・イタリア・ルーマニアが同居したり、
『本当の意味での死のグループ』などはないんでしょうね。

次回で言えば『スペイン・クロアチア・イタリア・アルバニア』のグループが死の組ですけど、
これは死の組というほどの組み分けでもないですもん。イタリアは凋落してますし。
24か国に枠が増えて、『以前のフォーマットなら落ちていた』国、16か国を独断と偏見でチョイスしました(各国予選リーグ1位・激戦区の2位の計16チーム)が、
結果、見て良かったと感じたのはEuro2016のハンガリーだけ。
後は同じく2016のポーランドがベスト8進出しましたね(内容はつまらんかったけど)。
それ以外の国は、やっぱりあえなく全滅です。


僕が見た頃はトヨタカップだった、欧州VS南米王者の大会なんて、欧州偏重のこのご時世に要りますか?
どう考えても欧州が優勝するじゃありませんか。世界の1位~20位は全部欧州のチームが独占しているという状態ですもん。
代表でバリバリやっている南米の選手はほとんどみんな欧州に(それも4大リーグに)いるんですよ??

で、それを拡大してクラブ・ワールドカップとかいう名前になってからはもう見る気もしませんが、
更にそれを拡大するんでしたっけ? 何を考えているんだか。

スペイン・スーパーカップも2チームの直接対決から4チーム制になったし、拡大すればいいってもんじゃないと思いますけどね。

とてもじゃないけど追いかけきれません。そのせいか疲労の蓄積により選手のパフォーマンスは低下しているように思います。


☆VARによる『神経質ハンド・神経質オフサイド』の過剰な増加 B+

プレミアリーグは現在では世界最高峰であり、未だにエキサイティングな、見て損はないリーグとして僕の中で位置づけられています(本当に面白いのはマンCとリバプールくらいですが。中位も入れればブライトンとか)。

ただ、VARの使い方があまりにも拙い。
今年はそれがいよいよ露骨になり、大炎上していますが、初年度からずっと酷かったです。
ちょっとでも手に当たったら、それが故意でなくてもハンドでPK。
ほんのちょっと肩が前に出ていたらオフサイドでゴール取り消し。

ルール上はそうなのかもしれません。
が、後述の問題もあり、『見ごたえのある得点シーン』が激減している昨今、
せっかく、パスを繋ぎ、スルーパスからの抜けだしでゴールという見ごたえあるゴールが取り消されたり、逆に手を切断しないと防げないようなハンドでPKを与えられたり……見ていて楽しいですか?


☆勝利を求め、効率性を重視するサッカースタイル  S


一番の原因はこれかもしれません。
コロンビアの伝説的GKレネ・イギータほどの破天荒な選手はなかなか出てこないでしょうが、
2000年初頭のサッカー選手は『アーティスト』が多かったように思います。
ストイコビッチ(セルビア)、オコチャ(ナイジェリア)、ハジ(ルーマニア)、
ミカエル・ラウドルップ(デンマーク)、ハッジ(モロッコ)、ザホビッチ(スロベニア)、
グティ(スペイン)、リバウド、ロナウジーニョ(ブラジル)。

彼らの繰り出す『奇術』の数々は、試合の勝利に直結しないものもあったでしょうが、次に何をするかわからないワクワク感がありました。
翻って現在、こういった選手は『絶滅』しています。

簡単に言えば、『あなたはカカーが好きか、ロナウジーニョが好きか(同時代のブラジル人司令塔)』ということです。
『バレロンが好きか、ジャウミーニャが好きか(同時代のデポルティボのトップ下)』です。

前者はまず効率性の高いプレイを行ない、切れ味鋭く、その中に仄かなファンタジーを垣間見せることもあります。
後者は全身これファンタジーで、その切れ味は凄まじいですが、チームの勝利に直結するとは限りません。

現代のサッカーに後者の選手はいないと思います。ネイマールからはその香りを感じますが、なんとなく違います。
前者の選手たちは辛うじて生き残りましたが、先日引退したダビド・シルバ、エジル、
デ・ブライネ、メッシなどごく少数です(メッシは凄すぎるので、前者に入れたくなる時もありますが)。

そもそも、現代サッカーにはトップ下というポジションを置き、そこに全権を託すチームはほぼ絶滅しています。その事自体が、ファンタジーの低下と直接的に結びついているように思います。


☆ ポゼッションサッカーの弊害、相手にボールを押し付け合うスタイル  A

グァルディオラ監督のバルセロナは世界に革命を起こしました。
そこで起こった弊害は、弱小チームでもきちんとボールを繋いで攻めていこうという意識改革でした。
当然、GKもDFも足元が巧くなければ通用しません、が、お金のない弱小チームにそれは難しいことでした。
結果として、前線からのプレッシングが以前以上に強くなり、相手の最終ラインでのパス回しをかっさらう『ストーミング』が当たり前のように導入されるようになりました。

さて、そうなるとまともにパスを繋いでゴールを目指すよりも、ゴール前でパスを繋いでいる相手からボールを奪って最短距離でゴールを目指す方が、得点効率は高くなります。
必然的にそういうゴールシーンだらけになってしまいました。
かと言って、ボールを大きく蹴りだして逃げるだけでは、
ポゼッション力に溢れるチームに全てボールを支配され、パスを繋ぎ倒されてしまいます。
でなければ最初から引きこもり、10人で守るような『引きこもり・ブロック守備』チームになります。
特に国際大会では、規模が拡大したこともあり、引きこもり・ブロック守備のチームをやたら目にする羽目になりました。
(2018ワールドカップではロシア、スウェーデン、ウルグアイと3チームも引きこもりチームがベスト8に進出……)



技術力に優れたチーム同士の対戦では、とにかくボールを奪われずにパスを繋ぎたい同士が、中盤でボールをひたすら奪い合おうとする、
『鳥かご・ロンボ』(輪になって、真ん中にいる鬼にとられないようにパスを繋ぐ遊び)の試合版をひたすら見る羽目になります。

ゴール前のシーン、スーパーセーブ、そうしたものはどんどん減り、中盤以下、最終ラインでのボール回しとそれを追いかけるプレス合戦、時折起こるパスミスをかっさらってのゴール。
そうした得点シーンばかりで、まともに攻めてもVARでの微妙なオフサイドで取り消される、そんな試合が極端に多くなったように感じます。


☆生活環境の変化(私的)  B

以前はサッカー友だちがいたのですが、サッカーを語り合う友達がいなくなったこと。
また、NBAバスケを見るようになり、そちらの方が現状、はるかに楽しい事に気づいてしまったことも付け加えておきます。





☆大好きだったチームたち



クラブチーム

アーセナル 2000?(見始めた頃)~2009
アデバヨール&ファンペルシーの2トップ解散まで。


バルセロナ 2000?(見始めた頃・多分ファンハール監督)~一時中断)
2003~2012 ライカールト→グァルディオラ(黄金時代)
2013~2018 大幅に魅力は下がったが、余熱がまだ残っていた時代。バルベルデ1年目まで)



マンチェスター・シティ 2007~現在(タクシン買収~)
マンチーニ→ペジェグリーニ→グァルディオラと一貫して、ポゼッションサッカーを目指す『リメイク版・バルセロナ』


リバプール 2019頃?~現在

クロップ監督の元、就任当時は強烈カウンターのチームだったが、徐々にポゼッションでも魅せられる万能チームに。その変化が何年なのかが定かではないので2019?とした。


バレンシア 99~00
クラウディオ・ロペス&イリエの強力2トップを活かした、高速カウンター。
バレンシアは成績的には2002年頃まで強豪の一角に名を連ねるが、クラウディオ・ロペスが抜け、カリュウが入った以降は特に魅力を感じず。


セビージャ 2005頃~2010頃
(退屈な)アトレティコが第3勢力になるまで、比較的長く続いたスペイン第3のチームは
カヌーテ&ルイス・ファビアーノの強力2トップ。
ヘスス・ナバス、プエルタ、ディエゴ・カペルなど毎年のように好ウイングも輩出した。


レアル・ソシエダ 2002-2003 

ニハト&コバチェビッチのでこぼこ2トップを、ウイングのデ・ペドロ、中盤からはシャビ・アロンソが援護射撃する圧巻のチーム。
惜しくも2位に終わったが、これぞ最高の敗者(グッド・ルーザー)だった。


ビジャレアル 2005-2007

稀代の天才司令塔リケルメを中心に、ペジェグリーニ監督が作ったクラブ史上最高傑作。
今では絶対に見ることのできない、『最後の恐竜』。


ニューカッスル 2001ぐらい~2004ぐらい

シアラー&ベラミー、ウイングのロベールやダイアーらがボビー・ロブソン監督のもと、超攻撃的サッカーを繰り出したニューカッスル。オーウェンやクライファートをとった頃から沈没。


モナコ 2002~2004

新鋭デシャン監督率いるモナコは、モリエンテスにプルソ、ジュリーにロテンと魅力的なタレントを引っ提げ、CLではレアル、チェルシーを破るなど快進撃を見せた。


ボルシア・ドルトムント 2010~2013

新進気鋭のクロップ監督率いるドルトムントは、香川、ゲッツェが中心にブワシュチコフスキ、グロスクロイツ、シャヒンと中盤が強力。
翌年にはバリオスを失うもレバンドフスキを獲得し、一気にドイツの盟主へと躍り出、
シャヒンが抜けた後もギュンドアン、ロイスなど魅力あるタレントを揃えていた。
他チームのエースをまとめて引き抜くのが趣味のバイエルンにより、レバンドフスキ、ゲッツェ、フンメルスを奪われ停滞。
その後、現在に至るまでドイツNO2の地位を保ち続けるも、当時のような魅力的なサッカーはしていない。


ナポリ 2015~2018・2022~2023

サッリ監督の元、インシーニエ、メルテンス、イグアインが縦横無尽にポジションチェンジをする3トップをハムシクが支えたナポリは、分厚いユベントスの壁を崩せずも、常に魅力的なチームであり続けた。
2022~2023は新生クバラツヘリアと、スピードスターのオシメーンによる魅力あふれるチームが突如出現したが、スパレッティ監督退任で1シーズンで終焉した。


アヤックス 2018~2020

テン・ハーフ監督が作り上げた、『黄金時代のバルセロナ』イズムを感じさせてくれたチーム。
タディッチ、ジイェフの両ワイドに、前線は大ベテランのフンテラール。
中盤司令塔にフレンキー・デヨングを擁し、GKオナナ、DFマズラウィ、デ・リフトなど
その後3大リーグ+バイエルンの強豪に買われていった選手たちを多く擁するこのチームは、
メッシ・ネイマール・スアレスといった超スーパースターを揃えながらも華麗なサッカーのできないバルセロナとの対比で、見るものを驚かせた。
2019-2020は結果こそCLグループステージ敗退だったものの、誤審さえなければチェルシーではなくアヤックスがベスト16に進出していた。

そのテン・ハーフ監督もマンUに引き抜かれたものの、アヤックス時代のかけらも良いサッカーができておらず、残念な事になっている。



代表チーム編は加筆する、かも? ここまで書いて疲れましたw















SF&時間モノ ベスト100

数字は順位ではありません。

SFに関しては、小説だけで100作を選ぶよりも、
アニメやゲームにもたくさん大好きな作品があったので、媒体構わず選びました。

時間モノに関しては、『S』Fなのかファンタジーなのか紛らわしいものも多々ありますが、
(例:科学技術によって時間を遡るならSF、魔法によって過去に飛ばされるならファンタジー)
個別のケースを考えるのがとても面倒だったので、全部ひっくるめてSF扱いにしました。


今度もまた一発書きなので、絶対入れ忘れてる作品ありそう。


1 Steins:gate(ノベルゲーム/アニメ)

2 蒼の彼方のフォーリズム(ノベルゲーム)

3 1984年(小説/ジョージ・オーウェル)

4 火星年代記(小説/レイ・ブラッドベリ)

5 バック・トゥ・ザ・フューチャー1(映画)

6 11/22/63(小説/スティーブン・キング)

7 ゼノギアス(RPG)

8 Final Fantasy 7(RPG)

9 死者の代弁者(小説/オーソン・スコット・カード)

10 ゼノサーガ3(RPG)

11 うたわれるもの2二人の白皇(RPG)

12 アルジャーノンに花束を(小説/ダニエル・キイス)

13 銀河英雄伝説(小説/田中芳樹/アニメ)

14 ドラえもん のび太の鉄人兵団(アニメ/ノベライズ小説:瀬名秀明)

15 ループ(小説/鈴木光司)

16 天の光はすべて星(小説/フレドリック・ブラウン)

17 ジュラシック・パーク(小説/マイクル・クライトン)

18  遠い空の向こうで(映画)

19 キリンヤガ(小説/マイク・レズニック)

20 恋人たち(小説/フィリップ・ホセ・ファーマー)

21 ゼノサーガ1(RPG)

22 最果てのイマ(ノベルゲーム)

23 Remember11(ノベルゲーム)

24 新世紀エヴァンゲリオン(アニメ)

25 シン・ゴジラ(映画)

26 レナードの朝(映画)

27 恋はデジャヴ(映画)

28 ある日どこかで(小説/リチャード・マシスン)

29 ひぐらしのなく頃に(ノベルゲーム/小説:竜騎士07)

30 夢見師(ノベルゲーム)

31 はるまで、くるる(ノベルゲーム/18禁のみ)

32 図書室の魔法(小説/ジョー・ウォルトン)

33 悪魔のハンマー(小説/ラリー・ニーヴン&ジュリー・パーネル)

34 タウ・ゼロ(小説/ポール・アンダースン)

35 ユービック(小説/フィリップ・K・ディック)

36 マンプラス(小説/フレデリック・ポール)

37 魔法少女まどか☆マギカ(アニメ)

38 群青の空を越えて(ノベルゲーム:18禁のみ)

39 Never7(ノベルゲーム)

40 12riven(ノベルゲーム)

41 見上げてごらん、夜空の星を(ノベルゲーム:18禁のみ)

42 トムは真夜中の庭で(小説/フィリパ・ピアス)

43 ブラッド・ミュージック(小説/グレッグ・ベア)

44 タイムマシン(小説/H.G.ウェルズ)

45 動物農場(小説/ジョージ・オーウェル)

46 クロノトリガー(RPG)

47 地獄のハイウェイ(小説/ロジャー・ゼラズニイ)

48 渚にて(小説/ネビル・シュート/ドラマ)

49 わたしを離さないで(小説/カズオ・イシグロ)

50 バック・トゥ・ザ・フューチャー3(映画)

51 鋼鉄都市(小説/アイザック・アシモフ)

52 はだかの太陽(小説/アイザック・アシモフ)

53 日本沈没(小説/小松左京)

54 サマー/タイム/トラベラー(小説/新城カズマ)

55 イリヤの夏、UFOの空(小説/秋山瑞人)

56 いま、あいにゆきます(小説/市川拓司)

57 プレイ―獲物(小説/マイクル・クライトン)

58 パラサイト・イヴ(小説/瀬名秀明)

59 クロノリス(小説/ロバート・チャールズ・ウィルソン)

60 スキャナーダークリー(小説/フィリップ・K・ディック)

61 さくらの雲、スカァレットの恋(ノベルゲーム)

62 知性化戦争(小説/デイビッド・ブリン)

63 ハイペリオン(小説/ダン・シモンズ)

64 パンドラの夢(ノベルゲーム)

65 月は地獄だ(小説/ジョン・W・キャンベル)

66 ホミニッド―原人―(小説/ロバート・J・ソウヤー)

67 僕は明日、昨日の君とデートする(小説/七月隆文)

68 エンダーのゲーム(小説/オーソン・スコット・カード)

69 スローターハウス5(小説/カート・ヴォネガット)

70 永遠の終わり(小説/アイザック・アシモフ)

71 人間がいっぱい(小説/ハリィ・ハリスン)

72 虚像のエコー(小説/トマス・ディッシュ)

73 テクニカラー・タイムマシン(小説/ハリィ・ハリスン)

74 天翔ける十字軍(小説/ポール・アンダースン)

75 タイムリープ あしたはきのう(小説/高畑京一郎)

76 景の海のアぺイリア(ノベルゲーム/18禁のみ)

77 忠臣蔵46+1(ノベルゲーム)

78 虎よ、虎よ(小説/アルフレッド・べスター)

79 マレヴィル(小説/ロベール・メルル)

80 虐殺器官(小説/伊藤計劃)

81 ハーモニー(小説/伊藤計劃)

82 虚航船団(小説/筒井康隆)

83 旅のラゴス(小説/筒井康隆)

84 グランヴァカンス(小説/飛浩隆)

85 あなたの魂に安らぎあれ(小説/神林長平)

86 幻詩狩り(小説/川又千秋)

87 チグリスとユーフラテス(小説/新井素子)

88 石の血脈(小説/半村良)

89 この人を見よ(小説/マイケル・ムアコック)

90 都市(小説/クリフォード・シマック)

91 日本アパッチ族(小説/小松左京)

92 フラッシュフォワード(小説/ロバート・J・ソウヤー)

93 ターミナル・エクスペリメント(小説/ロバート・J・ソウヤー)

94 フランケンシュタイン(小説/メアリー・シェリー)

95 ハローサマー・グッドバイ(小説/マイクル・コーニィ)

96 ひまわり(ノベルゲーム)

97 この大空に翼を広げて(ノベルゲーム)

98 精神寄生体(小説/コリン・ウィルソン)

99 空のあらゆる鳥を(小説/チャーリー・ジェーン・アンダーズ)

100 Planetarian―ちいさなほしのゆめ―(ノベルゲーム 小説/涼本悠一)

2023年に読んだ本(随時更新)

S→味わい深く、いつまでも心に残りそうな作品


虐殺器官/伊藤計劃……

人を虐殺に駆り立てる『虐殺文法』の設定が秀逸。
『アメリカを守るため、世界を滅ぼす』ジョン・ポール。
そして形こそ違え同様の思想を持つウィリアムズが、主人公クラヴィスの愛する人ルツィアを殺した事、
自分を愛してくれていたと思っていた母親の真実の気持ちに触れた事から、主人公のクラヴィスは『世界の人々のために(詭弁)』アメリカを虐殺の坩堝へと叩き落す。
それが、彼の考えるルツィアを殺したウィリアムズに対する復讐であり、ジョン・ポールの起こした災厄による贖罪だった。

人は『大事な人を守るため』に、『無関係な人を殺す』。
愛のために、人を殺す。
微グロがちょっと苦手だったけれど、名作。


ハーモニー/伊藤計劃……記事はこちらで書きました。

エトロフ発緊急電/佐々木譲…… 前作「ベルリン飛行指令」も面白かったけど、その上を超えてきたシリーズ2作目。 真珠湾攻撃を控え、エトロフ島に集結する海軍艦隊。 その情報をアメリカ本国へ伝えるスパイが主人公の、スパイ小説。
切ないシーンあり、エンタメとしても面白く、大いに考えさせられる作品でもあった。

誰にも『秘密』を明かすことのできないスパイという存在。
日米開戦へと突き進んでいく、日本陸軍の愚かさ。
そして、現在の北方領土問題に関わるけれども、そもそも千島列島からアイヌ民族を追い出した日本人。
日本が中国でやった事は、今のロシアがウクライナに対してやったのと同じように非道且つ愚かな事だし、
それに対してアメリカが日本を無差別爆撃したのも、非道な事。
戦争で無惨に殺されるのは、いつだって非戦闘員である庶民。
『落としどころ』の見つけられない戦争の愚かさについても、つくづく感じる。

ヒロインのゆきさんの今後の人生にエールを送りたいけれど、亡くなった主人公が、最後にゆきさんに本当のことを伝えられ、それをゆきさんも受け入れられたのは悲惨な物語ながらも救いがあって、そこも良かったです。



真夏の方程式/東野圭吾……
今まで読んだ東野作品10作の中では一番好きかも。

夏の海で起こった一つの事件。
ミステリというよりも、主人公たちと一緒に寂れた旅館に泊まって、一夏を過ごす旅情が感じられる。
事件自体も、伏線がしっかり貼ってあり良い。

ただ、第二の事件に関しては、犯人が殺意に目覚めるまでが早すぎて「お前、殺さなくても普通に解決できたやろ」としか思えないのが若干の減点。

あと、僕の読解力のせいで、玻璃ヶ浦での生活を満喫しているところで、東京sideが出てくるとちょっと戸惑った。それを差し引いても名作。
[
このタイプの作品ではジョン・ハートの「ラスト・チャイルド」、トマス・クックの「緋色の記憶」、ウィリアム・クルーガーの「ありふれた祈り」といった作品群が大好きなんだけど、
日本にもちゃんとこういうの、あったんだね。


ナミヤ雑貨店の奇跡/東野圭吾……
非常にプロットが整った作品であり、作者の技巧を感じさせる作品。 作品自体も「最も泣ける感動作」はともかくとして、「良い話だなぁ」と思わせるものが続く。

1話の病気の恋人の看病と、オリンピック出場のどちらを取るかで悩む女性や、 2話の売れないミュージシャンの話も印象的。 伏線回収を担っているのが実は3話なので、完読後に3話を再読する事になったw

この手のタイムトラベルものにしては、生活臭が漂うヘヴィな内容が出てくるのが東野さんらしくもあるけど、許容範囲。  最後、「迷える子犬」さんにもう一度再会するところまで書いてほしかったけど、まぁいっか。


日本沈没/小松左京……

中々凄まじい災害小説で、『日本だけが沈没』というのがまた(世界中が沈没以上に)胸に来るものがあった。
今まで読んだ小松さんの作品の中では最高傑作。

欲を言えば、小まめに日本地図をつけてほしかった。
日本地理に弱いので、地名を言われてもわからん……


ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士/スティグ・ラーソン……
ミソジニー(女性蔑視)がテーマの作品で、自閉スペクトラムでピアスじゃらじゃらタトゥーヒロインのリスベットに牽引され、グイグイ読ませる。
第2作の直後から始まるためできれば一気に読んだ方が良い。ミカエルはモニカとくっつくのかぁ……エリカ派です🤧


A→読んで良かったと思える作品

地球からの贈り物/ラリー・ニーヴン……

ニーヴンらしい緻密なSF世界観と、ニーヴンらしからぬシンプルかつ活き活きした冒険物語で、
ガチガチSFで読みにくい「ノウン・スペース」シリーズにおいて、娯楽性の高い作品に仕上がっている。


秘本三国志/陳舜臣……
『面白い三国志』というよりは、『考えさせられる三国志』。
具体的に言えば、三国時代という内乱の時代に、庶民の心に浸透していく道教(五斗米道)や仏教を描いた作品だと思う。
宗教というネットワークで結ばれれば、そこには月氏(ペルシャ人)も匈奴(モンゴル人)も漢民族(中国人)もない。
まして、魏も呉も蜀もない。そうした、平和への祈りを宗教に託した三国志が、この「秘本三国志」だと思う。
このように、テーマが渋いので英雄の大活劇が読みたい人や、特に蜀のファンにはお薦めしない。
現実には未だイスラエル(ユダヤ教)がパレスチナ(イスラム教)に対して虐殺を続けており、それをキリスト教(ユダヤ教の分派)国の西欧やアメリカが支援している。
キリスト教の一派、ロシア正教の中ですらロシアとウクライナが戦争を続けている。
世の中、陳さんが望む通りにはなかなかいかないが、
いつか人類が争いを乗り越え、一つになれることを願わずにはいられない。


行きずりの街/志水辰夫……
12年ぶりに再会した元妻とのロマンスと、
学園の黒い陰謀。
前者は心に刺さるものがあるし、後者は考えさせられるが、この二つが微妙に噛みあっていないのが残念。
あと、ハッピーエンドだけど、この元妻の性格を考えると、復縁するのは少し都合が良いかな。
この奥さんは、男が危険な仕事に立ち向かう時、おいていかれるのを何よりも嫌うタイプだと思うので。


背いて故郷/志水辰夫……
面白くなるまでが長いけど、半分を過ぎたあたりから面白くなり、最後の数十ページはなかなか。
今まで読んだ志水作品よりミステリ色が強めだけど、結局は『昭和の演歌』。
『わたしの傍らを歩いている足音がする。早紀子が黙って歩いて来る』余韻の残る終わり。

「爆走! クライプシス・サーキット」/  ロジャー・ゼラズニイ&J・A・カーバー
……
宇宙船レーサーを夢見て、地球の少年マイクが旅立つのは、宇宙一規模が大きいクライプシス星系のサーキット。
密輸船への搭乗と脱出、ブラックバイトなどを経て、
彼はクロビーンのレースチームのプログラム技師として採用される。
レーサーではないものの、初めて参加する宇宙大レース。プログラムトラブルに見舞われたり、ライバル(第2パイロット)の赤毛娘トワイラとの衝突と、それを乗り越えての信頼を築き、いよいよクロビーン&トワイラはレースに優勝。
そして、クロビーンのチームは2隻目のレーシングシップを購入することを決意し、マイクは第3パイロットとしていよいよ、宇宙船レーサーへの道を踏み出すところで1巻が終了。
F1などには全く興味がない僕ですが、そんな僕でも楽しめる迫真のレースシーン。
王道ラノベ的ではありながらも、才能ある少年がそれでも様々な苦労をして、失敗もして、ライバルとの友情などもあり、いよいよ夢への一歩を踏み出すジュブナイル小説として、とても楽しめました。



首無の如き祟るもの/三津田信三……
入れ替わりトリック(+『信頼できない語り手』)が少しアクロバットすぎる気もしたけど、面白かったのでまぁいっかという感じ。
作風は完全に横溝正史ワールドで、横溝さんよりも更に怪奇色強めで好み。

ノルウェイの森/村上春樹……
死にとり憑かれた人々の話。
生の世界にいるのが『緑』なんだけど、これが18禁ゲームだったとしても眉をひそめるレベルの下品な下ネタ全開女にして、メンドクサイ女。
死の世界にいるのが『直子』なんだけど、何せ会えないのでは仕方ない。
死の世界から生の世界に戻ってくるのが『レイコ』さんで、一番まともに見える女性。

死の世界から、生の世界に戻ってくるというモチーフは理解できるんだけど、『緑』と付き合うにあたって、『レイコ』さんとエッチするのはどうなのかw
(まぁ個人的にはあまり気にしないけど、新しい女と付き合う決意表明として別の女を抱くというのはww)

『生』=『性』と直接的に結びついているので、直子が生涯一度しかHできなかったのと、緑がやたらに下品な『性』の下ネタ話を垂れ流すのは対照的。

また、ワタナベ君の心が直子から離れかかっていることを知っているのはレイコさんだけで、
直子の自殺のタイミングを考えると、直子を自殺させたのはレイコさんなんじゃないの?という疑惑があるんですが、そうするとレイコさんが黒幕悪女になりますね。
これで考えると、一見爽やかなエンディングが真っ黒になるので、個人的にはレイコさん黒幕説は取りませんが、疑えばかなり怪しいですね。

若草物語/ルイーザ・メイ・オルコット……
思ったよりも暗い内容だったけど、その中で頑張る4姉妹+母親・隣人の一家などなど、優しい人々に囲まれた、地味ではあるけれどかけがえのない青春小説。
作者の、妹に対する想いにほろりとさせられる。


ヴェイスの盲点/野尻抱介……

今や絶滅危惧種の、旧き良きスペースオペラ。
『冒険野郎』を地で行く非常識オヤジのロイドと、
ロイドに文句を言いながらもついていくマージ。
そして、冒険に胸を躍らせる弱気な少女メイの3人組の冒険モノ。

ヴェイスという機雷に260年間封鎖された惑星が舞台になった1巻では、その機雷を解除するため、大活躍の3人。
しかし、それを快く思わない者がいた。
それは、ヴェイスを封鎖されたままにして、利益を独占する企業レグルスだった。
設定も含めて、よく練りに練られた1作。

魂の駆動体/神林長平……

『ディック的世界観』+『車』+『老人2人の友情』物語で、
車には全く興味がないため83点だったけど、それでも楽しめたんだから、車好きならもっと楽しめるはず。自分も老人になった時に、こんな友だちが側にいたら嬉しいなと思った。
意識とは何か、知覚とは何か、魂とは何かを探求する『ディック的世界観』なので、
ある種、夢オチと言えなくもないような、夢ではないような。その辺は読者の想像に任せる感じだけど、それでいい。

(追記)「魂の駆動体」の第二部だけど、
『現実説』と『夢オチ説』それぞれに良いところがあるなと思う。

メタ的な事を言うなら『現実説』しかない。
夢の中で主人公はキリアになっているけど、アンク視点のパートもあるので。
キリアの見た夢だと考えるなら、その視点移動は『反則』だと思う
ただ、『夢オチ説』の良さは、主人公が昏睡している間、いろんな人たちが病室を見舞って主人公に声をかけてくれていた、という
人間的な暖かさを感じられること。
このセリフは、誰が見舞いに来た時のものかな?などと考えるのも楽しい。

『現実説』を僕は取るけど、夢オチ説も味がある。

柳生忍法帖/山田風太郎……
忍者もエロも出てこない、シリーズでは異色の剣術チャンバラ作品だけど、普通に面白かった。
沢庵和尚や、ラスボスの銅庵、最後の柳生十哲登場などの下巻は少しダレたけど(そういうのはなしで、純粋な剣術アクションが面白かった)、それでも良作。


百舌鳥の叫ぶ夜/逢坂剛……

チリのピノチェト大統領来日に際して、暗殺への警備と、公安警察の躍動。
そして、「男の娘暗殺者」の百舌鳥。

大勢の思惑が入り乱れるノンストップサスペンスは、複雑な構成、(当時の)世界情勢、巧みな伏線に支えられている。

最後、少しあっけなかったけどね。



夜のオデッセイア/船戸与一……

八百長ボクサーの主人公、その元カノで売春婦に転落した女と、売春婦に育てられている孤児の黒人男子。
あぶれもののプロレスラー2人と、八百長ボクサーのトレーナー。

人生に失敗した6人が、パーレヴィの財宝を求めて輝きだすも、それも束の間。
再び八百長ボクサーとトレーナーは、オデッセイア(車)に乗って広大なアメリカを走り始める。

しかし、最後をギャグで〆るとは思わなかったなw


カラマーゾフの妹/高野史緒……『カラマーゾフの兄弟』の偉大なるパスティーシュにして、これが真実と信じたくなるような続編。
13年前『兄弟』で語られた『フョードル』の死の真犯人は、スメルジャコフ(イワン)ではなかった。 サイコパス全開の真犯人の造形と、罪悪感に苛まれるイワンの成長物語。
『僕は、罪の意識を全く感じなかったのです。もちろん僕は長老様を愛していました。これ以上ないほどに。自分自身よりももっともっと愛していたのです。だけど僕は悲しくなかった。罪の意識もなかった。むしろ何か嬉しいような、とっても満たされたような気持ちになってきたんです。僕は射精しました』

ベルリン飛行指令/佐々木譲…… 1940年、日本のゼロ戦がイギリス空軍の支配下にある インド→イラクを通過し、トルコ→イタリア→ドイツへと向かう。  第二次大戦に向かう日本の愚かな世情と、インド・イラクでの反英運動の高まりなどが描かれた良作。

逃がれの街/北方謙三……
腐れ縁の友だちと恋人に裏切られ、自棄になった主人公は恋人を巡ってヤクザを殺し、ヤクザと警察に追われる事になる。
そんな中、彼は5歳の捨て子を拾う。
捨て子は彼に懐き、警察とヤクザから逃げながら『終わりの時』まで2人は家族のように暮らすのだった。

ゼロの罠/ポーラ・ゴズリング……
雪山に閉じ込められた男女9人。そして起こる殺人事件。
並行して、雪山での主人公ローラは、物静かで優しく、知的でありながらリーダーシップも取れるスキナーに惹かれていく。
大自然と殺人鬼、そして陰謀に、ロマンスと贅沢な良作サスペンス。


背徳のメス/黒岩重吾……
産婦人科で起こる殺人事件。
主人公は女好きでナースと寝るのが生き甲斐で、時には強引に犯すこともあるレイプ魔。
普段偉そうにしておきながら、医療ミスをした上司を庇う気がない主人公は、命を狙われながらも、セフレナースと寝て、金を盗まれる。
上司が医療ミスで殺した女はヤクザの嫁で、ヤクザをも利用して上司を追い落とそうとする主人公と、患者の命を利用してまで主人公を追い出そうとする上司。
そして主人公を狙う33歳の『ブサ老嬢』(33歳で老嬢はひどすぎ)殺人未遂犯。
クズしかいない産婦人科の暗闘を描いた作品でした。

昔の作品だから仕方ないけど、アルサロ(水商売?)、ズベ公タイプの女(びっち?)、パン助(風俗嬢?)
、ビート族(ヒッピー?)、マンボスタイル(???)
など、よくわからない俗語が出てきて困惑><


B→暇つぶし以上の有益な何かを得た作品

アストロパイロット/ローラ・J・ミクスン……
320ページの作品ですが256ページ(絶体絶命のピンチ)までは面白かったです。
後半、やけに展開が早くて、あっさり敵を倒して、トントン拍子に解決して「??」ってなりましたw
もう100ページくらい使ってじっくり書き込んでほしかったです><



友よ、静かに瞑れ/北方謙三……

ハサミ男」/殊能将之……
とりあえずデブ男に人権はなくて、美しい女性なら何をしても許されるのだ……

宇宙軍団/ジャック・ウィリアムスン……
バーナード星人(メドゥーサ)から地球を守るべく、 主人公のジョン・ウルナ―は最強兵器AKKAの知識を持つ乙女アラドレを救うべく、愉快な凸凹三人組と地獄の星へと向かう。 RPGに出てきそうなモンスターにひたすら襲われる、
ほぼ全編冒険サスペンス。
その中でほっと一息つけてくれるのが、ハゲ&デブ&アル中で愚痴っぽいけれど、鍵を開ける特殊技能を持つ心優しきおっさんギルス・ハビブラ。
完全に主人公を食っているぐらい魅力的。



パプリカ/筒井康隆……
昼は理知的な女性科学者、夜は他人の夢に入って事件を解決する少女探偵パプリカ。
男たちはみんなパプリカに惚れまくり。

悪役のキチガイさと、デウス・エクス・マキナ的な陣内・玖珂(こいつら結局何だったん?)が若干マイナスだけど、まぁ面白かったです。

裏切りのピットホール/ロジャー・ゼラズニイ&T・ワイルド……
レース界の腐敗や陰謀が強く出ていて、爽快感は薄いですね。


おそらくは夢を/ロバート・B・パーカー…… 67点+15点。 
レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」の続編として書かれた作品で、非常にチャンドラー愛が感じられる。
文体も相当チャンドラーに似せてある(ので読みにくい)が、事件のプロット自体はチャンドラーと違い非常に整理されていて読みやすい。
後半になると、パーカーの(チャンドラーには書けそうもない)ユーモアが顔を出し始め、ややチャンドラー色が薄れるが、それでも一貫して『大いなる眠り』の続編、そして『大いなる眠り』よりも面白い。
67点(正直今一つ)というのが、この本単体の感想だけども、チャンドラーの「大いなる眠り」は60点レベルの作品なので、 チャンドラーをリスペクトした上で、本家を超えたという意味では+15点の82点をあげたい。 そういうのを無視して単体で考えたら67点。

ミスターX/ピーター・ストラウヴ……
呪われた古い一族の物語だけど、それだけに家系図を作ってほしかったです。
誰が誰の父親だか色々混乱します。 主人公と懇意になるローリーが、遺産が入ると態度が豹変するのが悲しかったです。


一、二、三、死/高木彬光……真犯人、右翼ばあさん75歳
『お国のために、無益な人間を減らそう』と思いつく。
この動機の邪悪さと、ばあさんへの嫌悪感はなかなか高かったが、それにしても4人を殺したばあさん、元気である。

七人のおば/パット・マガー……感想記事はこちらに書きました。

秘悪書争奪/山田風太郎……

EDになった将軍家定のため、伝説のエロ本を求めて、忍者たちがエロ忍術で戦う、という設定は素晴らしかったんだけど、
今回はキャラ的に少し弱めで、シリーズの中ではハズレ気味。
ラスボスは「相手と一緒にエロい夢を見て、相手を操る事が出来る忍者」でした

忍法忠臣蔵/山田風太郎……
『忠臣蔵』本来の面白さに忍術を絡めた【二次創作的】作品。
そのぶん、忍者同士の戦いは正直いらなかった気もするけどw

婚約者を刺身にした序盤のシーンがラストに繋がってくる構成は秀逸。


フロスト日和/ウィングフィールド……
前作「クリスマスのフロスト」よりは面白かった気がする。

ブラック体質のフロスト警部&デントン署、無能揃いの警察官の中で、フロスト警部は比較的マシな方、という感じ。
多数の事件を絡み合わせて、見事に全てを解決してしまうプロットは流石。

新平家物語/吉川英治……
最後の方は義経話が多いというか、頼朝と梶原景時が真のクズキャラだったなって。
清盛の姿が活き活きと描かれている前半が面白い。平家の時代が良かった……。
後半は、陰湿な源氏内でのいじめっ子頼朝が暴れるので鬱。


ワインズバーグ、オハイオ/アンダーソン……
アメリカの田舎町を舞台にした群像劇。
複数の短編に出てくるキャラクターに関しては、登場人物紹介がほしかったところ(ジョージとかトムとかエリザベスとか、よくある名前で頭がこんがらがった)



白銀ジャック/東野圭吾……


オックスフォード運河の殺人/コリン・デクスター……
入院中のモース警部は暇つぶしに100年以上前の事件に興味を持ち、驚くべき真実を掴む。デクスター作品の特徴でもある、モース警部の混線した迷推理がない分、デクスターファンには物足りないかもしれないが、個人的にはスピーディーでこちらの方が好み。
あと、入院中にモテモテのモース警部がウケた。

猟犬クラブ/ピーター・ラヴゼイ……
めんどくさいミステリオタクの社会人サークルでの殺人事件。

ラヴゼイに求めていたものとは違ったけど、最低限は楽しめた。


化人幻戯/江戸川乱歩……セフレを作っては殺していく、カマキリ女由美子の存在感が凄い。
途中の推理は、この手の犯人当てクイズ作品にはありがちではあるけど、ちょっと退屈。


戦闘妖精雪風・改/神林長平……
妖精さんが戦う話かと思ったら、戦闘機の話かよww
というのはさておき、ところどころ神林さんらしく『ディック的世界観』が垣間見られたものの、全体的にはメカメカしい(?)SFで、あまり肌には合わなかった。

新宿鮫/大沢在昌……
最後の50ページは、サスペンス性が溢れて面白いし、序盤の伏線もハマって見事な出来。
読後感としては、『プロットのしっかりした、レイモンド・チャンドラー作品』といった印象。

あまりにもホモホモしく、BL描写が苦手なため。気にならない方なら72点。
あとは、ギリギリ平成に書かれているんだけど、
ケータイ電話がなかったり、カセットテープがあったり、溢れる昭和感が凄かったw

海賊と呼ばれた男/百田尚樹……
『百田さん』が書いたという時点で、どこまでノンフィクション的に読めば良いのかわからないので、あくまでもフィクションとして。
国岡さんの生き様はカッコいいと思うが、憧れるか、社員になりたいかと聞かれるとなりたくはない。 あまりにも働く事=人生になりすぎているから。  僕は日本のために、ガスの溜まっている石油タンクの底で働いたら1日で辞める。
何かというと日本万歳・日本の誇りという単語が出てきて鼻につくけれど、それを差し引いても面白かったとは思う あと、これは百田さんのフィクションではなく、 大英帝国は世界史上でマジでクズな所業しかしていない だから、それに比べて日本の占領を持ち上げる作者の主張には同意しないけど。
しかし、このすぐ後に佐々木譲の『戦争モノ』を読んだので、どんどんこの作品のチープさが露わになってしまった。まぁ、百田さんの人となりを知っていれば、期待するほうがどうかしてるか。

殺しの双曲線/西村京太郎……

「他人に対して無関心な人間社会」というテーマはわかるし、共感できる。
その、「人間社会」を描くために敢えて、キャラクター描写を類型的にした狙いもわかる。
ただ、母親の復讐のために兄が死んでもニヤニヤしている犯人のパーソナリティーは意味不。


北帰行殺人事件/西村京太郎……
集団レイパーの最後の一人、何の罰も受けなくてええの?
普通に死んでほしかったので、モヤモヤする。


クロスファイア/宮部みゆき……
最初から最後まで薄倖な女性、青木淳子の(名前も含めて)昭和の演歌的な生涯。最後はチャラ男に騙されて……。
『ガーディアン』を自称する、自警団の何とも言えない偽善者ぶりが鼻につくけど、鼻につくところまでが宮部さんの計算でしょうね。
罪もない人を殺して、ガーディアン気取ってるんじゃねぇよw お前がやってる事はただの人殺しだよ、勘違いしてんじゃねぇぞ、と思いました。
でもそれは、青木淳子さんにも跳ね返ってくるわけで、
多分僕は『行為そのもの』よりも、『行為をする際の心情』によって、嫌悪感を抱くかそうでないかが決まるんだなぁと思いました。

殺しへの招待/天藤真……

これは天藤さんには珍しい、後味の悪いミステリだなぁ。
被害者は性格ブスすぎるので殺されても仕方ないが、
犯人も負けず劣らずヤバい。
ある意味お似合い夫婦だったような気もするけどな。


平和という名の廃墟/アーカディ・マーティーン……徹底したジェンダーレスで印象深い作品。平和外交にも好感が持てた。最後150ページのサスペンスも悪くない。
ただ、全体的に読みやすいとは言えない。

夜間飛行殺人事件/西村京太郎……今まで読んだ西村作品の中ではベスト。
殺人事件はともかく、排他的な日本人の気質を強く問うた、珍しくまともな犯人像。

黒衣の女/スーザン・ヒル……怨念・祟りという、日本人にも馴染みやすいホラー作品。
雰囲気も良く楽しめた。
まぁ、この手の作品は日本製のものの方が怖いけどね。


終着駅殺人事件/西村京太郎……
仲良し7人組が7年ぶりに集まっての旅行での連続殺人。
という設定はかなり興味を惹かれるのだけど、7年前のシーンが一切ないのが非常にもったいない。

あと、最後の1人になるまで逮捕できず、最後の1人は射殺しただけなので警察は全く役に立っていないw

寝台特急殺人事件/西村京太郎……相変わらず犯人に共感できねぇ

車輪の下/ヘルマン・ヘッセ……
ヘッセ自身は14歳から数年間人生のどん底を味わうけど、18歳で復帰してるから、良かったね。
「車輪の下」の主人公ハンス君は復帰できなかったヘッセだけど、とにかく周囲にクズしかいないのがつらいですね。
最悪なのは校長だけど。

ダック・コール/稲見一良……
狩猟小説集というか、鳥への愛を感じる作品が多かった。

さすらいのスターウルフ/エドモンド・ハミルトン……宇宙で大暴れしていた宇宙海賊ヴァルナ人(通称スターウルフ)。その一人、ケインは仲間に裏切られ、行く先もないまま地球人の男に拾われる。
活劇に次ぐ活劇で、まぁ、B級娯楽SFなんだけど、意外と面白い。箸休めにどうぞ。

さいはてのスターウルフ/エドモンド・ハミルトン……
主人公が故郷を失っているという設定が、基本的には「クヨクヨしないで、まず行動!」な主人公のパーソナリティに一抹の陰を落としていて、親しみやすくしていますね
1巻では皆無だった女性キャラも登場!


望郷のスターウルフ/エドモンド・ハミルトン……

曹操/陳舜臣……
同著者の『秘本三国志』の副読本として読んだが、1800ページの『秘本』と比べて、当然ながら重複も多く、『秘本』だけ読めばいいような気がしなくもない。

特徴としては、『秘本』ほどは蜀に対して辛辣ではないこと(秘本の蜀アンチぶりはなかなかw)、『秘本』では13歳で亡くなった実際の曹宙を描いたが、こちらでは狂言回しとして名前だけ借りた別人曹宙が出てくること(紛らわしいし、これじゃオリジナルキャラみたいなものなので、別の名前をつけた方が良かったのでは?)、
曹操の初恋の相手が物語全編で活躍すること、ぐらいかな。

C→暇つぶし程度にはなった作品

漱石先生の事件簿・猫の巻/柳広司……
漱石の「吾輩は猫である」の完全な二次創作としては満点の出来。「吾輩」の名場面をほぼ完全に利用しながら、そのシーンの別解を示す。 「吾輩」は長すぎてダルいので読みたくない人が、これを読んでわかった気になるのもアリ。
個人的にタイトルはモニョる。 「漱石先生」ではなく「くしゃみ先生(吾輩は猫であるの主人公。漱石がモデル)の事件簿」が正しいと思うのだけど、 『吾輩は猫である』の主人公が『くしゃみ先生』という名前だという事が意外と知られていないので、漱石先生というタイトルにしたのだろうけど……


森を抜ける道/コリン・デクスター……
モース警視シリーズが好きな人には楽しめるんじゃないかな。

私が殺した少女/原りょう……
 『私』って主人公じゃねぇのかよww

英雄三国志/柴田錬三郎……
第一部(1~3巻)『英雄ここにあり』が64点、
第二部(4~6巻)『生きるべきか死ぬべきか』が72点。
『演義』準拠の三国志なので、比べるべきは羅漢中『三国志演義』や、吉川英治『三国志』になると思う。
第一部は、率直に言って出来は良くない。 作者が蜀(劉備・関羽・諸葛亮)が大好きなのはわかるけど、せっかく魅力あふれる群雄が各地で覇を競っているのに、大半が劉備陣営の視点からしか描かれておらず、吉川三国志と比べてもむしろ『退化』しているように思う。
ルビの間違い・不統一や(程普・孫乾に顕著)、謎の設定(劉備の長男は別にいて、劉禅は次男だった説。いつのまにか長男は消えて、劉禅が跡継ぎになっている/ 曹洪が曹操の弟になったり従弟になったりする/ 袁紹と袁術も兄弟になったり従兄弟になったりする)なども目につくし、桃園の誓いのシーンをバッサリ切ったにも関わらず、後からいつの間にか義兄弟になっていて『あの時誓った契りは~』みたいなセリフがあったりする。 

第二部になると、相変わらず関羽・諸葛亮贔屓が凄いが、魏や呉についてもある程度描かれており、バランスが改善されている。
また、第6巻『夢の終焉』は諸葛亮亡き後の物語が描かれており、割と多くの『三国志』が諸葛亮の死で物語を終わらせてしまうのに対し、きちんと描き切った(と言っても蜀の滅亡までだけど。欲を言えば晋の統一まで書いてほしかった)のは評価したいポイント。
孫権の暗君化や、孫峻がなぜか立派な武将になっているのは謎だけど、贔屓の引き倒しには見えないのでまぁいっかと流せる。 

総じて、蜀ファン向けの『三国志演義』。 ただ、第6巻を除くと取り立ててこの作品を推すべきポイントは見当たらない。 文章は読みやすく、サクサク読める。



宿命のチャンピオン/ロジャー・ゼラズニイ&T・ワイルド……
今回は、レーサーを蝕む麻薬シンジケートと対決するんだけど、そこに記憶テープ(生前の記憶をコピーしておく)などが絡んできて
そういうのはいいから、1巻(「爆走! クライプシス・サーキット」)の単純さが好きだった。

オイディプスの刃/赤江瀑……
人の血を啜る妖刀を扱った、幻想小説。
一族の殺し合いの話ではあるけど、8割方『妖刀』に誘導されているため、殺すほどの憎しみか?という疑問は尽きない(だから妖刀なんだけど)

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹

ハロウィーン・パーティ/アガサ・クリスティ……
タイトルだけど、パーティーって言わせてくれ……。
タイトルからすると陽気な感じがしないでもないけど、結構陰惨な事件なので、そこは注意。
まぁ、ミステリですからね。

忍者月影抄/山田風太郎……
このシリーズのファンだけど、今回は外れ。
「エロ」+「人間ドラマ」+「無常感」+「厨2バトル」の四拍子揃っているのがこのシリーズの良さだけど、今回は厨2バトルしかない。

各キャラ1人につき1つの忍法を持っているのがこのシリーズの特色だけど
キャラクターが立っていないと、忍法だけの存在になってしまうし、
その忍法自体も今回は大人しめ。

ついでに、今回は闘うのが男だけだからエロもないw


新宿鮫2毒猿/大沢在昌

黄金銃を持つ男/イアン・フレミング……
007シリーズ最終作として、何となく感慨深いものがある。敵の『黄金銃を持つ男』は、黄金銃をほとんど使えなかったけどw
『ドクター・ノオ』で出てきた、友人キャラのライダーや、ジャマイカが出てきたのは懐かしかった。



夜のフロスト/ウィングフィールド……
『イジリ』と『笑い』のバランスを間違えたなぁと思う作品。

イジられ役が嫌な奴だったり、剽軽に描けていればいいけれど、本作のギルモア君はひたすらかわいそう。
ミステリー部分の出来とかよりも、ギルモア君への同情しかなかったです。


非合法員/船戸与一
……『渇いた死』が彼の作風だと思うんですが、今回はいくらなんでも人が死にすぎです><

この作品がデビュー作なので、後年の片鱗は既に見せていますが、そういうのを抜きにすると、少し微妙な出来。
本作は、ダシール・ハメット作品に似てるなぁ、と思いました。

眠りなき夜/北方謙三
……弁護士主人公が、チンピラと殴り合ったり、警官と殴り合ったり、ヤクザと殴り合ったり、政治家秘書にナイフで斬りかかられたり、政治家に撃たれかかったりしてました。

魔術師/江戸川乱歩…… 明智探偵の初恋(初恋が30代後半とは遅いなぁ:苦笑)以外は特に読むべき点もないような。 ミステリあるある 『襲われたけど死ななかった奴=犯人』がまた実証されてしまった。

京都感情旅行殺人事件/西村京太郎……
別につまらなくはないんだけど、これが売れる(120万部だっけ?)のは謎い。
警察の捜査方針はめちゃくちゃだし、何より犯人の動機がひどすぎて泣く。
僕も(犯人と同じで)趣味で物語を書く人間だけど、こんな理由で人を殺すのはありえませんからw
別に『真実』じゃなくたってええやん。それでインスピレーションを得られたんだから。
何、逆恨みしてんの? 馬鹿なの?


夜行列車殺人事件/西村京太郎……迷推理の連発に頭が痛くなり、破綻しているとしか思えないけど、サスペンスとしてはまずまず。しかし、『夜0時に電車が走っているのを知っているほどの【電車マニア】が犯人』という迷推理は酷い。

日本一周「旅」号殺人事件/西村京太郎……尾行相手がトイレに入ったので、トイレの洗面所で3分も顔を洗っている間に後ろから殴られる刑事が無能すぎて爆笑。

スノウ・クラッシュ/ニール・スティーヴンソン……
仮想空間メタヴァースとアバターの設定や、シュメール神話、アッシリアの設定などは面白かったんだけど、
本筋が追いにくい話。


D→自分には合わなかった作品

ねじまき鳥クロニクル/村上春樹……
何が書きたいんだかよくわからない話でした。
戦争の悲惨さについて、結構な文章量が割かれているので反戦小説なのかというと、ファンタジーチックな現代パートにもたくさん文章量が割かれていて、その二つが融合しているようには思えませんでした。

騎士団長殺し/村上春樹……

火星夜想曲/イアン・マクドナルド……アーニー・テネヴラが政治家の道を志した中盤以降、凄いつまらなくなった(それまでもそこまで面白かったわけではない)ので、後半きつかった。

ムーンレイカー/イアン・フレミング……
相変わらず、最初はカード詐欺のチンケな悪役が、突然世界を破滅させる大物になるという謎プロットは健在。

007は二度死ぬ/イアン・フレミング……
タイガー田中とかキッシー鈴木とか、プロレスラーみたいな日本人だらけである意味面白い……。

成吉思汗の秘密/高木彬光……
今年ワースト最有力候補。
作者が信じる、チンギス・ハーン=源義経同一人物説を、 むちゃくちゃなごり押しと、出典も不確かな文献(参考文献のリストもなし)で推し進め、こじつけを重ねて370ページ 最後は輪廻転生まで持ち出して、『これが証拠だ!』で完!
『刺青殺人事件』はそこそこ面白く、『人形はなぜ殺される』、『1、2、3、死』もまずまずだったのに、作者への信頼感を一気に失わせる恐るべき愚作。

E→プロ作品として見るにはつらい作品
 



再読本

2023年は以前読んだ作品の再読を時間をとってやりました。
初回では軽く読んでいたところも、きちんと理解しようと、噛り付く気持ちでw
その分、新しい本は少なめになってしまいましたが。
ラインナップはこちら。再読前のランクと再読後のランク。
(再読したおかげで、理解が深まる作品は多かったけども、評価自体はあまり変わらないことがわかりましたねw)

伊坂幸太郎『死神の精度』  B→そのまま
泉鏡花『春昼・春昼後刻』  D→そのまま
夏目漱石『吾輩は猫である』 D→C₋
夢野久作『ドグラマグラ』  C→C+
吉川英治『三国志』     C→B

アガサ・クリスティ『アクロイド殺し』 D→C₋
アガサ・クリスティ『オリエント急行の殺人』 A→A₋
アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』 C→C+
アガサ・クリスティ『ナイルに死す』     S→S


アーサー・C・クラーク『2001年宇宙の旅』 D→C₋(理解が深まったという意味で、読んで良かった度ではB)

イアン・フレミング『ドクター・ノオ』 C→そのまま
イアン・フレミング『ゴールドフィンガー』 C+→B₋

カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』  C₋→B

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』 D→B₋
フィリップ・K・ディック『高い城の男』 D→C-
フィリップ・K・ディック『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』 D→B
フィリップ・K・ディック『ユービック』 A→B+

マーク・トウェイン「ハックルベリーフィンの冒険」 C→C+

レイ・ブラッドベリ『火星年代記』 S→そのまま
レイ・ブラッドベリ『華氏451度』  A→そのまま

レイモンド・チャンドラー『高い窓』 C+→そのまま
レイモンド・チャンドラー『さよなら愛しい人』 D→そのまま
レイモンド・チャンドラー『リトルシスター』 D→そのまま
レイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』 D→D+
レイモンド・チャンドラー『水底の女』   D+→C₋
レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』 D→C+(良さに気づけたという意味では、再読して良かったのでB)








個人的ミステリオールタイム長編小説ベスト100

数字は順位ではありません。単に100作選ぶために数字をつけただけです。
なんか前もこんなのやった気がするな。
一発書きなので、絶対何か忘れてる!

1作家3作縛りで頑張ろうと思いましたが、それだとより好みのものが入らないので途中で断念しました。



1終わりなき夜に生まれつく/アガサ・クリスティ

2五匹の子豚/アガサ・クリスティ

3ナイルに死す/アガサ・クリスティ

4 鋼鉄都市/アイザック・アシモフ

5はだかの太陽/アイザック・アシモフ

6罪と罰/フョードル・ドストエフスキー

7利腕/ディック・フランシス

8大穴/ディック・フランシス

9敵手/ディック・フランシス

10追いつめる/生島次郎

11黄土の奔流/生島次郎

12弁護側の証人/小泉喜美子

13ゴッドファーザー/マリオ・プーヅォ

14天使と悪魔/ダン・ブラウン

15ダ・ヴィンチ・コード/ダン・ブラウン

16インフェルノ/ダン・ブラウン

17八百万の死にざま/ローレンス・ブロック

18キングの身代金/エド・マクベイン

19ミレニアム1・ドラゴンタトゥーの女/スティグ・ラーソン 

20ミレニアム3・眠れる女と狂卓の騎士/スティグ・ラーソン

21七回死んだ男/西澤 保彦

22生ける屍の死/山口雅也

23魍魎の匣/京極夏彦

24陰摩羅鬼の瑕/京極夏彦

25絡新婦の理/京極夏彦

26警官の血/佐々木譲

27偽のデュー警部/ピーター・ラヴゼイ

28ラスト・チャイルド/ジョン・ハート

29キングの死/ジョン・ハート

30解錠師/スティーヴ・ハミルトン

31レイチェル・ウォレスを探せ/ロバート・B・パーカー

32マラソンマン/ウィリアム・ゴールドマン

33ありふれた祈り/ウィリアム・ケント・クルーガー

34ホット・ロック/ドナルド・ウェストレイク

35ドーヴァー4切断/ジョイス・ポーター

36バイバイ・エンジェル/笠井潔

37十日間の不思議/エラリー・クイーン

38九尾の猫/エラリー・クイーン

39リプリー/パトリシア・ハイスミス

40緋色の記憶/トマス・クック

41死にゆく者への祈り/ジャック・ヒギンズ

42千尋の闇/ロバート・ゴダード

43百万ドルをとり返せ/ジェフリー・アーチャー

44マタレーズ暗殺集団/ロバート・ラドラム

45殺人者/コリン・ウィルソン

46郵便配達は二度ベルを鳴らす/ジェームズ・ケイン

47黒い天使/ウィリアム・アイリッシュ

48暁の死線/ウィリアム・アイリッシュ

49推定無罪/スコット・トゥロー

50スカーラッチ家の遺産/ロバート・ラドラム

51虚無への供物/中井英夫

52りら荘事件/鮎川哲也

53山猫の夏/船戸与一

54孤島の鬼/江戸川乱歩

55死の接吻/アイラ・レヴィン

56慟哭/貫井徳郎

57針の眼/ケン・フォレット

58酔いどれの誇り/ジェイムズ・クラムリー

59毒薬の小瓶/シャーロット・アームストロング

60半身/サラ・ウォーターズ

61心ひき裂かれて/リチャード・ニーリィ

62アイガー・サンクション/トレヴェニアン

63殺人保険/ジェームズ・ケイン

64クワイヤボーイズ/ジョゼフ・ウォンボー

65ヒューマン・ファクター/グレアム・グリーン

(力尽きたのでミステリ周縁の作品/個人的にミステリとは思わないけど、ミステリのオールタイムベストに入っているもの
and1作家3作縛りをなくします//ほんとは1作家3作縛りでやりたかったんだけどね。
and↑に入れ忘れた作品ももちろん入れます)


66めざせダウニング街10番地/ジェフリー・アーチャー

67姑獲鳥の夏/京極夏彦

68再起/ディック・フランシス

69葬儀を終えて/アガサ・クリスティ

70狂骨の夢/京極夏彦

71鏡は横にひび割れて/アガサ・クリスティ

72わたしを離さないで/カズオ・イシグロ

73チーム・バチスタの栄光/海堂尊

74ナイチンゲールの沈黙/海堂尊

75魔界転生/山田風太郎

76甲賀忍法帖/山田風太郎

77動く指/アガサ・クリスティ

78骨折/ディック・フランシス

79災厄の街/エラリー・クイーン

80赤毛のレドメイン家/イーデン・フィルポッツ

81燃える男/A・J・クィネル

82黒いトランク/鮎川哲也

83アシェンデン/サマセット・モーム

84 3,1,2とノックせよ/フレドリック・ブラウン

85忍びの卍/山田風太郎

86市民ヴィンス/ジェス・ウォルター

87ミスティック・リバー/デニス・ルヘイン

88ブラザーズ/ウィリアム・ゴールドマン

89首無の如く祟るもの/三津田信三

90センチュリアン/ジョゼフ・ウォンボー

91ハートの刺青/エド・マクベイン

92ホッグ連続殺人/ウィリアム・デ・アンドリア

93オリエント急行の殺人/アガサ・クリスティ

94自来也忍法帖/山田風太郎

95初秋/ロバート・B・パーカー

96苦い林檎酒/ピーター・ラヴゼイ

97吸血鬼ドラキュラ/ブラム・ストーカー

98皇帝の嗅ぎ煙草入れ/ディクスン・カー

99アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

100ゼロの罠/ポーラ・ゴズリング


番外編 ベスト100には入らないけど、教養として(こういう言い方嫌だな)抑えておいてほしい作品


竹本健司「匣の中の失楽」
読み終わっても犯人どころか事件すらわからない、というミステリ作品があることを学ぶ。

ウンベルト・フーコ「薔薇の名前」
謹厳な神学の雰囲気を感じてほしい。ミステリとしても一級(ただし読みやすいとは言えない)


横溝正史「犬神家の一族」、「悪魔の手毬歌」
おどろおどろしい怪奇風味の和風ミステリーの原型(江戸川乱歩もいいけど、短編が多い)

ロス・マクドナルド「ウィチャリー家の女」
孤独なハードボイルド作家の原型を学ぶ。
個人的にはマーロウではなく、リュー・アーチャーから現代ハードボイルドは始まる。

ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」
生命を賭けて小説を書く、という気合に触れてほしい。

コナン・ドイル「緋色の研究」
ミステリと冒険小説が一作にまとまった、ミステリの元祖に近い作品。

泡坂妻夫「11枚のトランプ」
ミステリと手品(トリック)の類似性を学ぶ。

ディクスン・カー「火刑法廷」
ミステリとホラーの類似性を学ぶ。


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