著者はロベール・メルル。評価は A-。
一つ、個人的に致命的と思える欠陥があり、この評価。
それは何かと言うと、文体。
恐らく原文もそうなのだと思うのですが、読点だけで延々とつなげていくスタイルは、はっきり言って読みにくい。
引用↓
ピーターは肩をいからせた、それじゃ、どうしてぼくにあなたの危険を分担させてくれないのですか? セヴィラは手を上げた、分担しなくても、きみはわたしを助けて危険を避けさせることはできるよ、どうすればいいんですか? とピーターは熱心に言った、いいかね、質問しないでわたしが頼むことをしてくれればいいんだよ、ああ、ごまかさないで下さい! とピーターが言った、ぼくがこれまで質問しないであなたの命令に従わなかったとでもおっしゃるんですか?
という感じ。なぜ句点(。)を使わないんだ!!
これのせいで、頭に入りづらかったです。
後は、王道的展開のため、先読みがしやすいこと。
それから、個人的に一番感動したシーンが、終わりから30ページくらいのところにあったんですよね。
いや、そこで終わりにしていいだろっていう。その後の部分はないほうが、余韻があったんじゃないかというね。
長所ももちろんたくさんあります。
まずは、イルカについての広範な知識と、イルカの純真さ、かわいさ。
恋人への独占欲丸出しのイルカの様子や、交尾時のイルカの習性など、思わずにやにやできる薀蓄が盛りだくさん。
それから、社会派小説、反戦小説としての側面も見事。
歴史が繰り返しているのかもしれませんが、9・11のテロ直後のヒステリックなまでの戦意高揚と、無茶な理由付けからのイラク戦争などを、本書は見事に予言しています(相手はイラクではなく、本書では中国ですけどね)。
アメリカの政治については、かなりシニカルではありますが、的を射た描写が多かったですね。
また、イルカにまで宗教を押し付けようという愚かしさ等の諷刺も素晴らしく、社会諷刺小説としても一級品だと言えます。
登場人物は、それなりに描けているという印象。
主人公のセヴィラやイルカのイワンとベシーは、きちんと描けている一方で、研究所のメンバーは登場が多かった割には描き分けがされていない印象がありました。
一人、とてつもなくウザいキャラがいて、彼女はある意味描き分けられていましたけど(結局、あいつはなんであんなにウザいことばかりやってたんだろ?? 頭おかしかったのかな??)。
映画版についても一つ。こちらの評価はBといったところです。
前半は良いのですが、中盤からは原作を無視した展開に走ってしまい、これがあまり面白くない。最後はいいですけど。
それでも、イルカのかわいさを『実写』で見られるのは強みですよね。
これがマジでかわいいんだ。
それと、ドルリューの手がけるテーマ曲の旋律が実に美しくて、映画自体はあまり褒められないんですが、曲だけは是非聴いてほしいです。
一つ、個人的に致命的と思える欠陥があり、この評価。
それは何かと言うと、文体。
恐らく原文もそうなのだと思うのですが、読点だけで延々とつなげていくスタイルは、はっきり言って読みにくい。
引用↓
ピーターは肩をいからせた、それじゃ、どうしてぼくにあなたの危険を分担させてくれないのですか? セヴィラは手を上げた、分担しなくても、きみはわたしを助けて危険を避けさせることはできるよ、どうすればいいんですか? とピーターは熱心に言った、いいかね、質問しないでわたしが頼むことをしてくれればいいんだよ、ああ、ごまかさないで下さい! とピーターが言った、ぼくがこれまで質問しないであなたの命令に従わなかったとでもおっしゃるんですか?
という感じ。なぜ句点(。)を使わないんだ!!
これのせいで、頭に入りづらかったです。
後は、王道的展開のため、先読みがしやすいこと。
それから、個人的に一番感動したシーンが、終わりから30ページくらいのところにあったんですよね。
いや、そこで終わりにしていいだろっていう。その後の部分はないほうが、余韻があったんじゃないかというね。
長所ももちろんたくさんあります。
まずは、イルカについての広範な知識と、イルカの純真さ、かわいさ。
恋人への独占欲丸出しのイルカの様子や、交尾時のイルカの習性など、思わずにやにやできる薀蓄が盛りだくさん。
それから、社会派小説、反戦小説としての側面も見事。
歴史が繰り返しているのかもしれませんが、9・11のテロ直後のヒステリックなまでの戦意高揚と、無茶な理由付けからのイラク戦争などを、本書は見事に予言しています(相手はイラクではなく、本書では中国ですけどね)。
アメリカの政治については、かなりシニカルではありますが、的を射た描写が多かったですね。
また、イルカにまで宗教を押し付けようという愚かしさ等の諷刺も素晴らしく、社会諷刺小説としても一級品だと言えます。
登場人物は、それなりに描けているという印象。
主人公のセヴィラやイルカのイワンとベシーは、きちんと描けている一方で、研究所のメンバーは登場が多かった割には描き分けがされていない印象がありました。
一人、とてつもなくウザいキャラがいて、彼女はある意味描き分けられていましたけど(結局、あいつはなんであんなにウザいことばかりやってたんだろ?? 頭おかしかったのかな??)。
映画版についても一つ。こちらの評価はBといったところです。
前半は良いのですが、中盤からは原作を無視した展開に走ってしまい、これがあまり面白くない。最後はいいですけど。
それでも、イルカのかわいさを『実写』で見られるのは強みですよね。
これがマジでかわいいんだ。
それと、ドルリューの手がけるテーマ曲の旋律が実に美しくて、映画自体はあまり褒められないんですが、曲だけは是非聴いてほしいです。