著者はアーウィン・ショー。評価はA。

冴えない中年男性が、大金を手に入れたことから始まる、愉快でちょっとドキドキな人生物語。
感想が書きにくいのですが、
かなり笑えて、すいすい読めて、ちょっといい話。でした。
特に、イケメン老紳士フェビアンとの友情が良いですね。

主人公はかなりいい人で、大金を手に入れたことからモテモテ男に大変身しますが(吃音も直るし)、以前の冴えなかった反動なのか、それに戸惑って遊び人になりきれないところがまた面白い。
フローラにモーションをかけられて、仮病まで使って逃げ回るシーンなど、笑いが止まりませんでした。

フェビアンは、どう考えても胡散臭い男で、実際主人公を騙しているわけですが、そんなフェビアンに
「たかが金のことじゃないか。あんたとの付き合いにはそれだけの価値があったよ」と言い切ってしまえる主人公は、本当に良い奴だなと。
利害も絡んで、騙してもいた相手だけど、そんなフェビアンと絆を結べたのは主人公の人徳ですね。

不満というほどの不満はないですが、主人公を追跡する悪役(悪役というか、着服した主人公が悪いんだけど)がちょっとよくわかりませんでした。
主人公には全然危害を加えない紳士ぶりを発揮しているけど、よく考えるまでもなく2人殺してるよね……。しかも関係ない人を。よくわからん……。

ともあれ、素敵な物語でした。アーウィン・ショーは今のところ2作読んで2作とも当たり。積本の「若き獅子たち」も楽しみです。