著者はレイ・ブラッドベリ。評価は、条件付きのS

今作は、ブラッドベリの自選によるベスト短編集第1巻だ。
そんなわけで、「ロケット」「霧笛」「サウンドオブサンダー」「ロケットマン」等、珠玉の短編がいくつも収録されており、ブラッドベリ入門としてこの上ない出来となっている。そんなわけで、S評価である。


ただ、自選ベストということで、書き下ろしである「ウは宇宙船の略号さ」と「霜と炎」以外の作品は、既に彼の短編集「太陽の黄金の林檎」や「刺青の男」「メランコリィの妙薬」等に収録されているため、ブラッドベリを今まで何冊か読んできた人にもお勧めできるかといわれると難しい。
収録作品16作中、私が読んでいないのは書き下ろし2作を含めた5作のみだった。

さらに言えば、その5作のうち、A評価は「ウは宇宙船の略号さ」の1作。
その他も悪くない短編はいくつかあったものの、未読5編だけで評価をするならB評価といったところ。


以下、お気に入り短編の感想。なお、「かぶり」作品については、以前読んだ感想をコピペいたします(笑)


☆「ウは宇宙船の略号さ」 評価 A

略号さ……って、ひどいタイトルだな……。しかしタイトルはひどくても、面白いものは面白い。夢を叶えるために遠くへ旅立つ少年の希望、そして残していくものを想う気持ちが丁寧に描かれた作品。


☆「霧笛」 A 
(「太陽の黄金の林檎」にも収録)

世界にはまだまだロマンが隠れている。恐竜好きならSをつけてしまうかも。


☆「サウンド・オブ・サンダー」 A+
(「太陽の黄金の林檎」、「恐竜物語」にも収録)

タイムトラベルもの(バタフライ効果)の傑作。雰囲気の描写も素晴らしく、
訳も素晴らしかった。

☆「ロケット」 
(「刺青の男」にも収録)

なんて優しく、なんてロマンに溢れた物語なんだろう。
この短編1つだけでも、この本を読んだ価値がある。
パパもママも最高でした。

加えて言うなら、「宇宙旅行はいつまで経っても、金持ちのためだけにあり、私たち貧乏人はボロ家で暮らしている」というのも、とてもリアルですね。

☆「ロケットマン」 A
(「刺青の男」にも収録)

余韻の残る良いお話。
実は昔、漫画版で読んだことがあって、その印象のほうが強かったりする。
もちろん小説版あっての漫画版だし、小説だって相当良いんだけれど。

☆「おくりもの」 A
(「メランコリィの妙薬」にも収録)

外れの多い「メランコリィの妙薬」だが、これは良い。
わずか5ページのSSだが、心温まるお話。