著者はフレデリック・ポール。評価はB+。


「サイボーグ」になる男が火星に行く、というストーリー。実に巧みなタッチで主人公の『感覚』を描いたことに驚かされた。たとえば、主人公が目をつぶると当然物が見えなくなるわけだけど、その様子が読んでるこちらにもバッチリわかる。目をつぶったまま、人の声が聞こえている様子とかがそのまま追体験できる文章は、一読の価値があるだろう。

男の家族、仲間などキャラクターもなかなか魅力的で、読んでいて不愉快なキャラクターは出てこない。クライマックスの解決では伏線を張っていた下ネタが炸裂、と、ある意味くだらないっちゃくだらないのだが、実に楽しく気分良く読める、良質な娯楽小説だった。