著者はジョン・D・マクドナルド。評価は暫定でB+。
なぜ暫定かというと、間を空けずに再読するつもりなので。
ジョン・D・マクドナルドは初めて読む作家だが、アメリカでは絶大な評価を受けているらしく、
実は期待していた。
反面、レイモンド・チャンドラーの流れを汲むと言われていることに不安も覚えた(チャンドラーは大の苦手)。
で、読み終わってみたが、本当に良質の娯楽サスペンス小説だなと感じた。
以前紹介したアイラ・レヴィン「死の接吻」に比べると、派手さは少々落ちるが、読めば読むほど味わいが出る不思議な感覚。
純文学や一般小説ではたまに経験するが、ミステリやサスペンスというジャンルでこういう体験をしたのは初めてかもしれない。
プロットも単純で、悪役も格別大物というわけでもなく、何が面白いんだかわからないんだが、妙に面白くて先に進んでしまう。
ある意味巧いのが、適度にロマンスも加えていること。
僕がチャンドラーやハメット作品で苦手なのが、女性の描き方だったりするのだが(全然魅力的に感じない)、今回ジョン・Dの「シンデレラの銃弾」はそちらの方もなかなか良い出来になっていて、胸に染みるような文章もあった。
というわけで、A-評価にしようかとも思っているのだが、なぜB+評価にしたかというと。
この恋愛描写が、少々唐突な気もするのだ。文章が巧いから、ついつい流れに乗って「うんうん、恋してるんだね」と思ってしまうが、よくよく考えると「あれっ?いつの間にそんなに好きになったんだ?」という疑問も出てくるのである。
ネタバレしすぎるのもあれなのでぼかすが、エンディングの読後感にもこの恋愛劇は大きな働きをするので、再読時にはこの恋愛劇を中心に読み込んでいこうと思う。
そこでふに落ちればA-に修正。初読時と印象が変わらなければこのままということにする。
余談だが、チャンドラーの流れ云々について。
アメリカ・ハードボイルドの流れについて、僕は全く知らないが(そもそもハードボイルド作品に興味がないのだ。基本的に軟派な人間だし)、どうも
ジェームス・ケイン→ダシール・ハメット→レイモンド・チャンドラー→2人のマクドナルド(ロス&ジョン・D)
となっているらしい。
これで、どの作家も嫌いならば話は早いのだが、この中でケインだけは好きだったりするのだから困ったものだ(ロスマクもあまり好きではないが、4冊読んだ中で「さむけ」という作品は素晴らしいと思う)。
ケイン・ハメットの色が濃いと言われるエルモア・レナードも個人的にはイマイチである。
やはり、ハードボイルドは肌に合わないんじゃないか。と思った矢先。
こういう状況でジョン・Dを読んだわけだが……ハードボイルドと言ってもいろいろあるんだなぁと改めて思った。
なぜ暫定かというと、間を空けずに再読するつもりなので。
ジョン・D・マクドナルドは初めて読む作家だが、アメリカでは絶大な評価を受けているらしく、
実は期待していた。
反面、レイモンド・チャンドラーの流れを汲むと言われていることに不安も覚えた(チャンドラーは大の苦手)。
で、読み終わってみたが、本当に良質の娯楽サスペンス小説だなと感じた。
以前紹介したアイラ・レヴィン「死の接吻」に比べると、派手さは少々落ちるが、読めば読むほど味わいが出る不思議な感覚。
純文学や一般小説ではたまに経験するが、ミステリやサスペンスというジャンルでこういう体験をしたのは初めてかもしれない。
プロットも単純で、悪役も格別大物というわけでもなく、何が面白いんだかわからないんだが、妙に面白くて先に進んでしまう。
ある意味巧いのが、適度にロマンスも加えていること。
僕がチャンドラーやハメット作品で苦手なのが、女性の描き方だったりするのだが(全然魅力的に感じない)、今回ジョン・Dの「シンデレラの銃弾」はそちらの方もなかなか良い出来になっていて、胸に染みるような文章もあった。
というわけで、A-評価にしようかとも思っているのだが、なぜB+評価にしたかというと。
この恋愛描写が、少々唐突な気もするのだ。文章が巧いから、ついつい流れに乗って「うんうん、恋してるんだね」と思ってしまうが、よくよく考えると「あれっ?いつの間にそんなに好きになったんだ?」という疑問も出てくるのである。
ネタバレしすぎるのもあれなのでぼかすが、エンディングの読後感にもこの恋愛劇は大きな働きをするので、再読時にはこの恋愛劇を中心に読み込んでいこうと思う。
そこでふに落ちればA-に修正。初読時と印象が変わらなければこのままということにする。
余談だが、チャンドラーの流れ云々について。
アメリカ・ハードボイルドの流れについて、僕は全く知らないが(そもそもハードボイルド作品に興味がないのだ。基本的に軟派な人間だし)、どうも
ジェームス・ケイン→ダシール・ハメット→レイモンド・チャンドラー→2人のマクドナルド(ロス&ジョン・D)
となっているらしい。
これで、どの作家も嫌いならば話は早いのだが、この中でケインだけは好きだったりするのだから困ったものだ(ロスマクもあまり好きではないが、4冊読んだ中で「さむけ」という作品は素晴らしいと思う)。
ケイン・ハメットの色が濃いと言われるエルモア・レナードも個人的にはイマイチである。
やはり、ハードボイルドは肌に合わないんじゃないか。と思った矢先。
こういう状況でジョン・Dを読んだわけだが……ハードボイルドと言ってもいろいろあるんだなぁと改めて思った。