とにかく、『古いゲーム』という印象が先に立ちます。


ストーリー・キャラに関しては、
「女」大好きでやってることは酷いけれどもなぜか憎めない主人公が、好き放題をやりつつ敵と闘うという、
90年代前半を彷彿とさせるノリ(あちらは『女』ではなく、『金』でしたが、「スレイヤーズ」を連想しました)。
バトルやゲームシステムに関しても、凝ったムービーなどは一切なく、ボイスもなく、エロくない上にCG差分もほとんどなし。
説明書を読まずともゲーム内に親切すぎるチュートリアルが用意されている2000年代以降のRPGとは違い、
(アリスの館で少しは説明があるものの)、説明書を読まないとかなり戸惑うシステムなどなど。


とはいえ最後の項目に関しては、むしろ最近のRPGが親切すぎるだけとも言えますし、
ボイスも昔はなかった、ムービーなどなくとも面白いものは面白い、
大したストーリーではないがこれはこれで味がある、などなど見方によってはマイナスにはならないものばかりではあります。


ただ、個人的に、ランスの軽薄なノリはぶっちゃけると合いませんw
キャラクターに関しても基本的に薄く、内面が深く描かれることもなし。
ストーリーに関しても、考えさせられたりハッとさせられる展開もないため、バトルとバトルの繋ぎ程度の役回りでしかありません。
先が気になるとか、このキャラのイベントは玉を集めてどうしても見たいといった欲求もなく、
このキャラが気に入った、このキャラに萌えたといったものも一切ありませんでした。



これは、RPGであってもバトルよりもシナリオを強く求める僕には
(バトルは最高だけどシナリオがショボいRPGよりも、バトルはイマイチだけどシナリオが最高なRPGの方が僕の好みです)、正直大きな欠点になります。


もっとも、ランスというシリーズ自体が、(恐らく昔から)そのような作りをしているため、ここを叩くのはどうなのかな?という思いもあるにはあるのです。
ストーリー・キャラから漂うテイスト自体がもはやシーラカンスのような生きる化石でもあり、その希少価値から、「こんなゲームがたまにはあってもいいじゃないか」という思いもあります。


さて、バトルの方ですが、中毒度は高いです。
ヌルゲーマーの僕には若干難易度も高めに感じました。


同じダンジョンでも強い敵と弱い敵にハッキリ分かれており、弱い敵には二軍を出しても余裕で勝てますが、
強い敵には精鋭部隊を出さないと勝てなかったりします。
未プレイの方は、「最初から精鋭部隊を出しておけよw」と思う方もいらっしゃると思いますが、
このゲームには行動力というパラメータがあり、一度のダンジョン探索でバトルに出せる回数が決まっているのです。
よって、一軍を出していればすぐに行動力不足に陥ってしまうため、ボス戦のために一軍を温存する場面も必要になってきます。


行動力というパラメータは、なるほど、面白いと感じました。
しかし、戦闘開始直後に「逃げる」コマンドを選んでも。
あるいは戦闘開始直後に、「交代」コマンドを選んでも律儀に1消費してしまうのは、厳しいなぁと感じました。
仕方ないので二軍を出して歩きつつ、敵を見てすぐに一軍に切り替える戦術をとりましたが、
下手をすると敵の攻撃の方が速くて全滅の憂き目を見ることも。
RPGでは割とデフォルトではありますが、死ぬと以前のセーブに戻されてしまうため(ドラクエのような救済措置はないため)、
こんな理由で死んでしまうのは、モチベーションが下がります。


逆に言うと、バトルに関する不満はこれくらいでしょうか。
逆にこれくらい難易度があった方が面白いという方もいるでしょうし、
「行動力の残りを考えながら、全滅しないようにうまく一軍と二軍をバランス良く配置していくのが楽しい」という方もいると思います。
このへんも好き好き(すきずき)でしょう。


ゲームの攻略について言いますと、相手を麻痺させる攻撃が非常に有効だと感じました。
たとえばカロリアのニードル攻撃ですとか、ランスアタックに麻痺効果をつけるですとか、タマネギのニンニク突きなんかも地味に使えます。


ここからはパーティーについて書きますが、隠しキャラや、スポット参戦キャラは除きます。


前衛3枠では、まずは主人公のランス。
リックやウルザといったスポット参戦キャラでは、ランス並かそれ以上に使えるキャラも存在しましたが、そういったキャラを除けばまずは彼でしょう。

残りの2枠ですが、HPは大して伸びないものの回避能力と防御性能がそこそこ高い、かなみは使いやすいと思います。
リズナはこれといった長所もないですが、バランス良く使いやすいですね。
ロッキーは守りが割と高いのですが、何より行動力が高い上に「逃亡」スキルを持っているので、二軍の核としての活躍も期待できます。
基本二軍で出して、一軍でも使える、なかなか便利なキャラだなぁと感じました。
パットンは体力が高く、彼を入れておけばちょっとの間は安心だと思います。が、守備性能が低いため、HPの割に結構アッサリ死にます。
カオルは序盤は強いですが、後半に再加入してからはイマイチ風味。サーナキアもHPが低すぎて信頼性が低い感じでした。
コパンドンも巧く使えなかったですね。
バーナードやセスナに至っては、活かし方がほとんど思いつきません。


前衛3枠よりもシビアなのが後衛の3枠争いでしょうか。
まず回復役は絶対必要だと思うので、1枠は必ずあてます。シィルがほぼ当確かなと。
セルでも構いませんが、彼女が仲間になるのは少々遅めですし。
プリマは……シィルが入ってからはほぼ全くの役立たずと化しました。
基本、回復は1枠ですが、どうしても回復が追いつかない場合は2枠をあてることもあります。


さて、残り1~2枠。
まず、使い道がサッパリわからなかったのがメガデス。彼女は消えました。
残りの枠を、志津香・マリア・カロリアあたりが争うことになります(ラストダンジョンでは、アレックス、マジックなども加わります。この2人もとても強いです)。


タメなしで全体攻撃が使えるようになる志津香。
援護射撃でダメージ量が期待できるマリアも十二分に魅力的ですが、個人的には攻撃力も高く、麻痺も狙え、硬質変化で守備も磐石なカロリアが一押しかなと。
たくさんの敵と闘うには志津香、直接攻撃で大ダメージを狙いたいならマリア、慎重に行きたいならカロリアと
敵によって使い分けても面白い……と言いたいところですが、行動力の関係上なかなかそうもいかないのがネックですね。


タマネギも、ニンニク突きによる麻痺狙い要員として、二軍としては使える部類に入ります。
「捕獲」を使うために本当は前衛におきたいのですが、攻撃力に期待できないため、後ろでちまちまニンニク突きをする姿が目立ちました。



【まとめ】


中毒度の高いRPGで、難易度はやや高め。
かなり古いテイストで、正直シナリオ・キャラには関心が全く持てず、僕の評価は高くない。
しかし、こういったノリが好きな人はいると思うし、それこそが「ランスシリーズらしさ」でもあると思われる。

バトルは結構楽しかったよ。
麻痺攻撃最高! カロリア使いやすいよ!


と、以上になります。