主な欠場者(ブ)なし
       (ク)マンジュキッチ、プラニッチ

【試合前の予想】
開催国でもありますし、ブラジルが圧勝するのではと予想。
クロアチアがここで勝ったりするようなことがあると、面白くなると思うので、クロアチアの健闘に期待します。
          


             ブラジル    3-1         クロアチア
試合内容 B
主審 E
MOM  OH オスカル(90)

 GK        ジュリオ・セーザル(55)    スティペ・プレティコサ(60)
 DF        ダニエル・アウベス(60)    デヤン・ロブレン(60)
           マルセロ(55)          ダリヨ・スルナ(50)
           チアゴ・シウバ(50)       ヴェドラン・コルルカ(60)
           ダビド・ルイス(55)       シメ・ヴルサリコ(55)
 MF        パウリーニョ(60)        ルカ・モドリッチ(65)
           オスカル(90)          イバン・ペリシッチ(55)
           フッキ(45)            イバン・ラキティッチ(60)
           ネイマール(70)         マテオ・コバチッチ(45)
           ルイス・グスタボ(50)      イビカ・オリッチ(55)
 FW        フレッジ(40)           ニキツァ・イェラビッチ(60)       
 
監督         フェリペ・スコラーリ B     ニコ・コバチ B

(ブ)
パウリーニョ(60)→エルナネス(55)
フッキ(45)→ベルナール(55)
ネイマール(70)→ラミレス(50)

(ク)
コバチッチ(45)→ブロゾビッチ(45)
イェラビッチ(60)→レビッチ(55)



いよいよ開幕戦。ブラジルがボールを支配する
前半立ち上がりから、鋭いカウンターを見せたのがクロアチア。
左サイド、オリッチの精力的なプレイが目立つ。
中盤はクロアチアが誇るラキティッチ、モドリッチらが積極的な守備と、安定したキープ。

11分、まさかの展開でブラジルが先制を許す。
オリッチのクロスからイェラビッチがミート、マルセロのオウンゴールを誘発した。

しかし、ここで気持ちが少し守りに入ってしまったか、徐々にクロアチアが前に行けなくなる。
若干動揺が見られたブラジルも徐々に回復。
中でもオスカルのプレイが際立っていた。彼がボールを持てば何かが起こる。
それが現実となったのは、29分。
クロアチアの包囲をものともせず、オスカルが単独突破を見せたのだ。
オスカルに引き寄せられたクロアチアの守備が一気に手薄になったその瞬間、決めたのはエース、ネイマール。
ブラジルが同点に追いついた。 


後半も素晴らしい攻防が展開されるなか、試合を壊したのは日本人審判西村だった。
ホームアドバンテージとでも言おうか、完全なミスジャッジでブラジルにPKを与えたのだ。
せっかくの好試合を台無しにする最低のジャッジ。
Euro08・2010・2012年大会はこういうあからさまなミスジャッジが少ない大会だっただけに、
初戦からミスジャッジとはつくづく残念である。
開催国はこういう笛があるので、あまり応援したくない。


だが、オスカルは素晴らしかった。
本当に素晴らしかった。
3点目のゴールも含め、今日のMOMは紛れもなく彼だろう。
彼の美技に、少し救われた気がした(1点差で負けたら、ミスジャッジのせいで負けた!とすごく悔しかったので)


『採点理由』

【ブラジル】

優勝を狙う大国として、及第点のパフォーマンスを見せた。
本文でも言及しているが、オスカル―ネイマールのテクニシャンホットラインは溌剌とプレイ。
プレイのすべてが際立っていたオスカルに加え、素晴らしいゴールでブラジルの焦りを吹き飛ばした
ネイマールも、さすがエースと呼べる活躍だった。

一方、攻撃陣で元気がなかったのがフッキとフレッジ。
フッキは一度素晴らしい突破があったもののそれだけで、フレッジに至っては「疑惑のPKをゲットしたこと」以外は何もしていない。
サイドバックの上がりは概ね良好で、とりわけダニエル・アウベスの背後への飛び出しが光った。


中盤で光ったのはパウリーニョ。彼のオーバーラップは迫力満点だ。
一方、相棒のグスタボはファウルでしかクロアチアを抑えられず、あまりいい印象がない。


今後への課題としては、やはりフッキとフレッジのところだろうか。
ベルナールという代役が控えるフッキはまだしも、フレッジの控えはジョーしかおらず、少々頼りないところだ。


【クロアチア】

ブラジルでの開催ということで、コンディションが心配されたクロアチアだが、想像以上に体が切れていた。
粒の揃った中盤はモドリッチ、ラキティッチを筆頭に守備に攻撃にとレベルの高さを世界に披露。
特に彼らの中盤での守備は非常に効いていた。
サイドのオリッチ、ペリシッチ。出場停止のエース、マンジュキッチに代わって登場のイェラビッチも含め、
全体的に好パフォーマンスだった。 

ブラジルを相手に押し込まれる時間が長かったが、これは相手を考えると仕方のないことだろう。
負傷のプラニッチに代わってDFラインに入ったヴルサリコは、背後を狙うダニエル・アウベスをギリギリのところで抑えていた。


【審判団】

上で書いたように、PKが全て。あってはならないミスだった。
「幻のゴール」についても取り沙汰されているが、僕はこちらは正当なジャッジ(オリッチのファウル)だと思う。

明確なミスジャッジとしては、クロアチアのCKになるはずが、ブラジルのゴールキックになったシーンが一度あった。
他にはペリシッチのイエローもののファウルにカードを出さなかった点も少し気になったが、こちらはミスと呼べるほどのものではない。


ネットを見て、一番ガッカリしたのが『日本人だから、何をしてもかばってあげるのが当然(日本人審判を叩いてるのは、シナチョン・在日(原文ママ)』というような論調。


真面目に取り上げるのも馬鹿らしいが、歪んだ形のナショナリズムを見せられるのは心底辟易する。
日本人審判だからといって過剰に叩くこともしないし、日本人審判だからといって他の審判と見方を変えるのもおかしな話だと思う。
「あれは誤審ではない」という方については、どう感じようが個人の自由なので、ここでは触れない。
しかし、「誤審」だとわかっていながら「『日本人だからという理由で』庇い立て」するのはどうかと思う

(審判にだってミスはあるから、そんなに責めてはかわいそうだという心優しい弁護も見た。
この優しさが国籍に関係なく適用されるならば、この主張はアリだと僕は思う。)


審判にミスはつきもの。
西村氏も含め、他の審判団は今後こういった誤審を繰り返さないよう願っている。
決勝トーナメントでの誤審に比べれば影響は小さい。
今後繰り返さないならば、いいと思う。


後は「あの誤審がなければクロアチアが勝っていた」というのは少々言い過ぎで、その可能性は極めて低かったと感じている。
ただ、「引き分けていた」可能性は大いにあっただろう、とも思っているだけに、残念なジャッジだったとは思っている。