まずは点数から。
シナリオ 110/150 キャラ 110/150 絵70/100 音 75/100 その他システムなど 100/100
印象 +30/50 合計 495/650
ESにつける点数 81 69位/160ゲームくらい中(かな?)
ガールズトークが楽しく雰囲気の良い、「友達ゲー」。
シナリオ 110/150 キャラ 110/150 絵70/100 音 75/100 その他システムなど 100/100
印象 +30/50 合計 495/650
ESにつける点数 81 69位/160ゲームくらい中(かな?)
ガールズトークが楽しく雰囲気の良い、「友達ゲー」。
エロゲ主人公屈指の可愛さを誇る智の魅力もあって、百合ゲーとして存分に楽しめた。
反面、シナリオはややパンチ不足。ハズレ者たちの同盟にしては悲壮感に欠け、鬱屈もしておらず皆が皆良い子ばかり。
単なる仲良し集団の域を出ないように思えたのが残念だった。
☆女装主人公「智」のかわいさと、ガールズトーク
女装主人公モノというジャンルは「おとぼく」くらいしかプレイしたことがないのですが、女顔の主人公はエロゲによく登場します。
後者に関しては本当に女顔というだけですし、前者に関しても中身はバリバリの男で、(それが良いという方もいるかと思いますが)
個人的には何か違和感がありました。
「お姉さますてきー」と慕われまくるその姿は、イケメン主人公がハーレムを形成している様子と何ら変わらないように思えたのです。
その点、本作の主人公の「智」は中身が完全に女の子だったため、男1:女5という人数構成にありがちなハーレム的嫌らしさ
(注:ハーレムものが嫌いなわけではありません)は欠片もなく、仲良し女性6人組の楽しいトークを堪能することができました。
(本当は男だけど)女の子同士の友情、という感じがしてとても居心地が良かったです。
智を男の子にしたのは、SEXシーンを入れたいためだけなんじゃないかとすら思います。
でもSEXシーンでも智はどう見ても女の子なので、これはもう「ふたなり」だと思って楽しみました。
Hシーンの描写が濃いわけではありませんが、「抜きゲー」以外で「ふたなり」が出てくる作品はほとんどないこともあり、
割と実用もできたのは嬉しい誤算でした。
☆魅力的な5人の「友達」
(めちゃくちゃ気に入っているヒロインというのもいないんですが)、ヒロイン達は誰もが欠点を抱えながらも、
「友達」として魅力的なメンバーで、ストレスを感じることなく楽しめたのも良かったですね。
ただ一方で、『呪われた者たち――ここでしか仲間を作れない人の群れ――』という境遇を考えるなら、
もっと悲壮感のようなものを。
ここだけが楽園であり、他の世界では生きられないと感じられるような雰囲気を、もっと出してほしかったです。
終始和気藹々とした彼女たちからは、「世界で唯一の仲間たち」という印象を受けることはなく、どこにでもいる仲良しグループに留まっているような感覚を受けました。
『呪い』自体も、もちろん大変なハンディキャップではありますが、現実世界ではもっと悲惨なハンディを抱えて生まれてくる障害者の方も大勢いるわけで、そういう方たちに比べると「特殊能力」が備わっているぶん、「呪われている」とまでは言えないのでは?
と思います。
余談ですが、「空気読め」と再三伊予が言われるシーンがありますが、正直に言えばこの面子は智を除くと全員が空気を読めてない気がします。
こよりあたりはかなりマシかなとは思いますが、それこそ茜子自身は空気を読む気すらないじゃないですかw
☆シナリオについて
一番気に入ったのは花鶏シナリオでした。
花鶏がどんどん孤立していく展開は、彼女が抱える「呪い」も相俟ってとても良かったと思います。
また、こよりシナリオで明かされる「幼馴染」という設定は、共通ルートでさりげなく伏線が張られていることに感心しました。
ただ、それ以外のシナリオはまずまず悪くないものの、可も不可もなかったかなと思います。
特に茜子ルートはラストなのだから、もう少し盛り上げてほしかったなと。
原因として考えられるのは、三宅・小夜里&社長、恵(恵も一応立ち位置は悪役だと思う)と、悪役が割とショボかったこと。
三宅は良い人そうなので、もっとうまくだましてくれるのかと思ったんですが、どのルートでもアッサリ本性がばれてしまいます(もしくは死んでしまう)し、
社長などは典型的な小物すぎて失笑してしまうレベル。
恵にしても、
恵にしても、
「自分の命を生きながらえるために、社会のクズを殺す恵」を許容するのはまだしも、
「正義の味方」としてある程度積極的に肯定するようなシーンがあるのも、少々興ざめでした。
☆総評
一言感想でも書きましたが、雰囲気の良い百合ゲーというか、女友達同士の軽妙で楽しい会話を楽しむゲームとして、
一定の評価はできると思います。
シナリオも特段悪くはなく、むしろ良い方の部類ではあるのですが、やはりパンチ力不足が気になりました。
「泣いた」「感動した」「熱くなった」など、感情を強く揺さぶられたシーンが一度もなかったんですよね。
個人的には、もっと「呪われた社会」に対して、牙を剥いてほしかったな。
仲間だけを特別視して、それ以外の者にもっと排他的になっても良かったんじゃないかな、と。
良い子たち、すぎた気がします。
良い子たち、すぎた気がします。
最後に。
高○生にもなって、図書館で騒ぐような人間は正直軽蔑します。
まぁこのゲームに関しては、雰囲気も良いしそんなことで減点はしませんが……場所は弁えてください。
図書館ヘビーユーザーからのお願いでした。