グループC
コロンビア 65%
コートジボアール 55%
日本 45%
ギリシャ 35%
強国不在のグループだ。
有利不利はあれど、日本を含めてどの国が突破してもおかしくないし、どの国が敗退してもおかしくない。
ポールポジションにいるのはコロンビアだろう。
実に南米らしいチームで、パスを繋ぎ、勝負強く、決めるべきところは決め、ファウルで相手を止める。
そんなチームだ。
大エースのファルカオが負傷により、大会参加すら危ぶまれているのは大きな懸念要素だが
(注:大会不参加が決定)、
控えにもポルトガルリーグ得点王ジャクソン・マルティネスや、セビージャで活躍中のバッカなどタレントがおり、
侮ることはできない。
なお、コロンビアの控えGKに43歳のモンドラゴンという選手がいる。
控えGKなので試合に出る可能性は高くないが、出場すればワールドカップの最年長記録更新である。
もしもコロンビアがグループリーグ最終戦までに突破を決めていれば(もしくは敗退が決まっていたら)、
最終戦の日本戦では、モンドラゴンの姿が見られるかもしれない。ぜひ、注目してみてほしい。
二番手は長らくアフリカ最大のタレント国と言われたコートジボアール。
不幸にも2006・2010はいずれも死のグループに組み込まれ、敗退を余儀なくされてきたが、
このグループならば!と意気込んでいるに違いない。
エースのドログバは既に36歳と衰えが気になるが、今シーズン、ローマで大車輪の活躍を見せたウイングのジェルビーニョや、アフリカで最高のMFトゥーレ・ヤヤは、間違いなくワールドクラスだ。
90年代のブラックアフリカといえば、戦術など意にも介さず、そのダイナミックな身体能力を自由気ままに発揮する、意外性と本能によるフットボールが展開されていた。
ところが2000年代に入ると、徐々に戦術が浸透し始め、組織だった動きを選手たちが覚え始めた反面、
かつてのような意外性・パッションはなりをひそめ、まるで軍隊のように規則正しいサッカーに変貌してしまった。
そんな中、かつてのアフリカ、野生児の息吹を感じさせるサッカーをずっと行ってきたコートジボアール。
今大会でもまだ、あのサッカーは健在だろうか。注目したい。
その攻撃の迫力は、アフリカ最強である。
日本については皆さんもよくご存知のことと思う。
中盤は歴代最高の顔ぶれで、やっているサッカーも今までの日本代表で一番美しいものになっていると思う。
反面、守備の脆さは気になるところで、FWも大迫、柿谷という新顔が出てきたものの、不安要素として残り続けている。
2002年、トルシエジャパンの頃は「日本人だから日本を応援するけど、正直にいえば相手の方がずっと面白いサッカーしてるなー」と思うことが非常に多かったけれど、
今のザッケローニ・ジャパンは、僕が日本人じゃなくても応援したくなるような、面白いチームだと思う。
もちろん勝敗も大事だけれど、面白いサッカーを見せてくれればそれでいい。そんなふうにも思っている。
最後に残ったギリシャ。
足元も不器用、スター選手もいない、とかく地味なチームだけれど、
2012欧州選手権で見せてくれた、最後まで諦めない愚直なフットボールには感心させられた。
とにかく一生懸命さが見るものに伝わってくる、そんな好チームなのである。
中盤では37歳の重鎮カラグーニスが未だに汗をかき、前線ではサマラスが孤軍奮闘。
サイドからはサルピンギディスが切れ味鋭い突破を見せる。
さて、そんなグループCの4チームは、
グループリーグを突破してもいずれもベスト16止まりに終わる可能性が高い。
何故なら、トーナメント1回戦で対決するグループDはイタリア・イングランド・ウルグアイという死のグループ。
どこが来ても、グループCの彼らよりも1ランクも上のチームなのである。
★グループD
ウルグアイ 70%
イタリア 69%
イングランド 60%
コスタリカ 1%
3強1弱。こんなグループに入ってしまったコスタリカはお気の毒としか言いようがない。
戦力的に見てトップにいるのはイタリアだろう。
かつてのような守備一辺倒の姿はなりをひそめ、中盤でパスを繋ぐクオリティの高いサッカーを実践してきた。
好チームなのは間違いない。
チームの核はユベントスの選手で占められており、
GKブッフォン、DFバルザーリ、キエッリーニ、MFピルロと縦のラインは磐石。
そこにデロッシ、モントリーボ、バロテッリら他チームの主力が加わっている。
ただし、いくつかの点から、優勝候補には推しづらい。
1、(欧州のチームのほとんどが抱えている欠点だが)FWのクオリティ不足。
2012年の欧州選手権でブレイクしたかに見えたバロテッリだが、今シーズンは不調に喘ぎ、パートナーのロッシは負傷上がりだ(注:結局ロッシは間に合わず。恐らくパートナーを務めるのはカッサーノとなる)。
2、チームの絶対的な柱ピルロの年齢(35歳)
3、Euro2012、コンフェデ2013、2大会連続での終盤の息切れ&負傷者続出
4、今大会の移動距離、イタリアはワースト2。その上、第1戦の会場は酷暑のマナウス
要は、体力面で大いに不安だと言いたいのである。
まず3だが、Euro2012でもコンフェデ2013でも、トーナメントの最後まで戦い抜いた(コンフェデは3位決定戦だけど)イタリアは、大会終盤になるにつれバテにバテた。
選手の脚は止まる、けが人は出るわで満身創痍の状態だったのだ。
これは一つには年齢の高さもあげられるだろうし、コンディション調整の失敗もあげられると思う。
もちろん両大会でPK戦を経験したことも理由の一つだろうが、
同じく両大会でPK戦があってもピンピンしていたスペインと比べても、その差は歴然だった。
更に、今大会の舞台となるブラジルは広い。移動距離も凄いのである。
「そんなのどこの国も一緒じゃないか」と思われるかもしれないが、そんなことはない。
たとえば、最も移動距離の少ないベルギーは1984キロだ(1984キロでも十分すごいと思うのだが)。
これがイタリアはなんと、14126キロ。ベルギーの7倍である。
予選リーグ約2週間で14126キロ……その上3試合。移動だけでも疲れてしまいそうな距離なのだ。
まぁ交通アクセスとかはわからないし、単純に距離だけをあげても意味はないかもしれないが……。
そして
5 イタリアは、たまに大コケする
これである。
思い返せば前回ワールドカップ、イタリアはパラグアイ・スロバキア・ニュージーランドという
どう考えても突破確定と思われたグループで予選リーグ敗退の憂き目にあっているのである。
94年ワールドカップでもギリギリのところで勝ち抜いており、非常に危なっかしいのだ。
そんなイタリアよりも、(1%だが)突破確率を上と予想したのがウルグアイである。
ウルグアイについては以前も書いたが、勝つためには手段を選ばない国である。
前線にスアレス、カバーニという偉大なストライカーを2枚も抱え、控えにはベテランになったとはいえ、
前回大会MVPのフォルランがいる。
ここまでFWにタレントが揃うチームは、他にアルゼンチンぐらい。
列強国に勝るとも劣らないFW陣の能力を踏まえ、中盤から後ろは守備能力の高い選手を多数並べる。
大崩れせず、チャンスとなるや確実に決めるストライカーがいる。
どちらかと言うと古典的なカウンター戦術をとるウルグアイ。
面白いサッカーではないかもしれないが、確実に計算できるチームだ。
未知数なのがイングランドだ。
2001年のエリクソン監督就任以降、時代に逆行するように、イングランドは守備至上主義サッカーに専心してきた。
その結果、果てしなくつまらない、ゴール前に人数を集め守りを固め続けるサッカーを繰り返してきたのだ。
だが、ホジソン監督はそんなイングランドを変えようとしている。
頼りになるベテラン選手も数名残ってはいるものの、チームは過渡期で、まだこれからという若手も多い。
今シーズン、活き活きとしたサッカーを披露してくれたリバプール勢を中心に、
近年漂っていた閉塞感をまずは打ち破ること。
今大会は、悪しき引きこもりサッカーからの脱却を、世界に印象づけたいところだ。
中盤の核はダイナミズム溢れるジェラード、攻撃の核はマンチェスター・ユナイテッドで孤軍奮闘を見せたルーニー。
一方DFラインは長らく代表を引っ張ってきたテリーやファーディナンド、アシュリー・コールが抜け、
ケーヒル&ジャギエルカというセンターに、ベインズ、グレン・ジョンソンと中堅選手に顔ぶれが変わった。
前任者に比べればやや小粒感もあるが、ベインズ、ケーヒルは特に急成長中なだけに、期待したいところだ。
グループDを突破したチームは、グループCのチームと当たる。
イタリア、イングランド、ウルグアイ。
いずれにしても、コロンビア、コートジボアール、日本、ギリシャよりも格上。
このグループを勝ち上がったチームはベスト8進出に大きく前進したことになる。
コロンビア 65%
コートジボアール 55%
日本 45%
ギリシャ 35%
強国不在のグループだ。
有利不利はあれど、日本を含めてどの国が突破してもおかしくないし、どの国が敗退してもおかしくない。
ポールポジションにいるのはコロンビアだろう。
実に南米らしいチームで、パスを繋ぎ、勝負強く、決めるべきところは決め、ファウルで相手を止める。
そんなチームだ。
大エースのファルカオが負傷により、大会参加すら危ぶまれているのは大きな懸念要素だが
(注:大会不参加が決定)、
控えにもポルトガルリーグ得点王ジャクソン・マルティネスや、セビージャで活躍中のバッカなどタレントがおり、
侮ることはできない。
なお、コロンビアの控えGKに43歳のモンドラゴンという選手がいる。
控えGKなので試合に出る可能性は高くないが、出場すればワールドカップの最年長記録更新である。
もしもコロンビアがグループリーグ最終戦までに突破を決めていれば(もしくは敗退が決まっていたら)、
最終戦の日本戦では、モンドラゴンの姿が見られるかもしれない。ぜひ、注目してみてほしい。
二番手は長らくアフリカ最大のタレント国と言われたコートジボアール。
不幸にも2006・2010はいずれも死のグループに組み込まれ、敗退を余儀なくされてきたが、
このグループならば!と意気込んでいるに違いない。
エースのドログバは既に36歳と衰えが気になるが、今シーズン、ローマで大車輪の活躍を見せたウイングのジェルビーニョや、アフリカで最高のMFトゥーレ・ヤヤは、間違いなくワールドクラスだ。
90年代のブラックアフリカといえば、戦術など意にも介さず、そのダイナミックな身体能力を自由気ままに発揮する、意外性と本能によるフットボールが展開されていた。
ところが2000年代に入ると、徐々に戦術が浸透し始め、組織だった動きを選手たちが覚え始めた反面、
かつてのような意外性・パッションはなりをひそめ、まるで軍隊のように規則正しいサッカーに変貌してしまった。
そんな中、かつてのアフリカ、野生児の息吹を感じさせるサッカーをずっと行ってきたコートジボアール。
今大会でもまだ、あのサッカーは健在だろうか。注目したい。
その攻撃の迫力は、アフリカ最強である。
日本については皆さんもよくご存知のことと思う。
中盤は歴代最高の顔ぶれで、やっているサッカーも今までの日本代表で一番美しいものになっていると思う。
反面、守備の脆さは気になるところで、FWも大迫、柿谷という新顔が出てきたものの、不安要素として残り続けている。
2002年、トルシエジャパンの頃は「日本人だから日本を応援するけど、正直にいえば相手の方がずっと面白いサッカーしてるなー」と思うことが非常に多かったけれど、
今のザッケローニ・ジャパンは、僕が日本人じゃなくても応援したくなるような、面白いチームだと思う。
もちろん勝敗も大事だけれど、面白いサッカーを見せてくれればそれでいい。そんなふうにも思っている。
最後に残ったギリシャ。
足元も不器用、スター選手もいない、とかく地味なチームだけれど、
2012欧州選手権で見せてくれた、最後まで諦めない愚直なフットボールには感心させられた。
とにかく一生懸命さが見るものに伝わってくる、そんな好チームなのである。
中盤では37歳の重鎮カラグーニスが未だに汗をかき、前線ではサマラスが孤軍奮闘。
サイドからはサルピンギディスが切れ味鋭い突破を見せる。
さて、そんなグループCの4チームは、
グループリーグを突破してもいずれもベスト16止まりに終わる可能性が高い。
何故なら、トーナメント1回戦で対決するグループDはイタリア・イングランド・ウルグアイという死のグループ。
どこが来ても、グループCの彼らよりも1ランクも上のチームなのである。
★グループD
ウルグアイ 70%
イタリア 69%
イングランド 60%
コスタリカ 1%
3強1弱。こんなグループに入ってしまったコスタリカはお気の毒としか言いようがない。
戦力的に見てトップにいるのはイタリアだろう。
かつてのような守備一辺倒の姿はなりをひそめ、中盤でパスを繋ぐクオリティの高いサッカーを実践してきた。
好チームなのは間違いない。
チームの核はユベントスの選手で占められており、
GKブッフォン、DFバルザーリ、キエッリーニ、MFピルロと縦のラインは磐石。
そこにデロッシ、モントリーボ、バロテッリら他チームの主力が加わっている。
ただし、いくつかの点から、優勝候補には推しづらい。
1、(欧州のチームのほとんどが抱えている欠点だが)FWのクオリティ不足。
2012年の欧州選手権でブレイクしたかに見えたバロテッリだが、今シーズンは不調に喘ぎ、パートナーのロッシは負傷上がりだ(注:結局ロッシは間に合わず。恐らくパートナーを務めるのはカッサーノとなる)。
2、チームの絶対的な柱ピルロの年齢(35歳)
3、Euro2012、コンフェデ2013、2大会連続での終盤の息切れ&負傷者続出
4、今大会の移動距離、イタリアはワースト2。その上、第1戦の会場は酷暑のマナウス
要は、体力面で大いに不安だと言いたいのである。
まず3だが、Euro2012でもコンフェデ2013でも、トーナメントの最後まで戦い抜いた(コンフェデは3位決定戦だけど)イタリアは、大会終盤になるにつれバテにバテた。
選手の脚は止まる、けが人は出るわで満身創痍の状態だったのだ。
これは一つには年齢の高さもあげられるだろうし、コンディション調整の失敗もあげられると思う。
もちろん両大会でPK戦を経験したことも理由の一つだろうが、
同じく両大会でPK戦があってもピンピンしていたスペインと比べても、その差は歴然だった。
更に、今大会の舞台となるブラジルは広い。移動距離も凄いのである。
「そんなのどこの国も一緒じゃないか」と思われるかもしれないが、そんなことはない。
たとえば、最も移動距離の少ないベルギーは1984キロだ(1984キロでも十分すごいと思うのだが)。
これがイタリアはなんと、14126キロ。ベルギーの7倍である。
予選リーグ約2週間で14126キロ……その上3試合。移動だけでも疲れてしまいそうな距離なのだ。
まぁ交通アクセスとかはわからないし、単純に距離だけをあげても意味はないかもしれないが……。
そして
5 イタリアは、たまに大コケする
これである。
思い返せば前回ワールドカップ、イタリアはパラグアイ・スロバキア・ニュージーランドという
どう考えても突破確定と思われたグループで予選リーグ敗退の憂き目にあっているのである。
94年ワールドカップでもギリギリのところで勝ち抜いており、非常に危なっかしいのだ。
そんなイタリアよりも、(1%だが)突破確率を上と予想したのがウルグアイである。
ウルグアイについては以前も書いたが、勝つためには手段を選ばない国である。
前線にスアレス、カバーニという偉大なストライカーを2枚も抱え、控えにはベテランになったとはいえ、
前回大会MVPのフォルランがいる。
ここまでFWにタレントが揃うチームは、他にアルゼンチンぐらい。
列強国に勝るとも劣らないFW陣の能力を踏まえ、中盤から後ろは守備能力の高い選手を多数並べる。
大崩れせず、チャンスとなるや確実に決めるストライカーがいる。
どちらかと言うと古典的なカウンター戦術をとるウルグアイ。
面白いサッカーではないかもしれないが、確実に計算できるチームだ。
未知数なのがイングランドだ。
2001年のエリクソン監督就任以降、時代に逆行するように、イングランドは守備至上主義サッカーに専心してきた。
その結果、果てしなくつまらない、ゴール前に人数を集め守りを固め続けるサッカーを繰り返してきたのだ。
だが、ホジソン監督はそんなイングランドを変えようとしている。
頼りになるベテラン選手も数名残ってはいるものの、チームは過渡期で、まだこれからという若手も多い。
今シーズン、活き活きとしたサッカーを披露してくれたリバプール勢を中心に、
近年漂っていた閉塞感をまずは打ち破ること。
今大会は、悪しき引きこもりサッカーからの脱却を、世界に印象づけたいところだ。
中盤の核はダイナミズム溢れるジェラード、攻撃の核はマンチェスター・ユナイテッドで孤軍奮闘を見せたルーニー。
一方DFラインは長らく代表を引っ張ってきたテリーやファーディナンド、アシュリー・コールが抜け、
ケーヒル&ジャギエルカというセンターに、ベインズ、グレン・ジョンソンと中堅選手に顔ぶれが変わった。
前任者に比べればやや小粒感もあるが、ベインズ、ケーヒルは特に急成長中なだけに、期待したいところだ。
グループDを突破したチームは、グループCのチームと当たる。
イタリア、イングランド、ウルグアイ。
いずれにしても、コロンビア、コートジボアール、日本、ギリシャよりも格上。
このグループを勝ち上がったチームはベスト8進出に大きく前進したことになる。