評価はA+。
 
実はスティーブン・バクスターの「タイムシップ」を読みたいと思い、事前予習のために読んだ本書。
言わずと知れた超有名な作品ではあるけれど、読むのは初めてだった。


しかしこれが実に素晴らしい。
大昔の作品は得てして、 「パイオニア」であることに意義があり、今読むと後続の作品に一段も二段も劣るということがあるけれど、本書に関しては2014年に読んでなお、興奮・スリル・冒険・感動があった。

このワクワク、どこかで感じたなと思ったら「ドラえもん」だ。
タイムマシンに乗って、恐竜の世界とか、ギガゾンビの世界とかに行くあの感じ。
本書からは、あのワクワク感を存分に味わえた。
地球の終末期までを描くスケール感は、ポール・アンダースンの「タウゼロ」で感じたあの興奮と同じだ。
 

貴族階級と労働者階級に分かれてしまった未来世界の描写、終末期のカニの化け物、
そしてラスト、花の贈り物の一文。

短いという事もあるが、一行たりとも退屈することがなかった。