スウェーデン    3-1        ロシア

試合内容 B+
MOM SH ブローリン(80)(スウェーデン)

GK ラベリ(65)             ハーリン(50)
DF ニルソン(50)           ニキフォロフ(40)
   パトリック・アンデション(45)  オノプコ(40)
   ビョークランド(55)        ゴルルコビッチ(0)
   ユング(65)            フレストフ(40)
MF テルン(55)            クズネツォフ(40)
   シュバルツ(40)          ポポフ(40)
   インゲソン(50)          ボロデュク(20)
   ブローリン(80)          モストボイ(60)
FW ダーリン(75)           ラドチェンコ(55)
    ケネット・アンデション(65)  サレンコ(55)

監督  スベンション B         サディリン C-

(ス)ビョークランド(55)→エルリンマンク ?
  ケネット・アンデション(65)→ラーション ?

(ロ)ポポフ(40)→カルピン(50)
   ボロデュク(20)→ガリヤミン ?
 

初戦、カメルーンと引き分けたスウェーデンと、ブラジルに敗れたロシアの一戦。
既に一敗をしているロシアはこの試合に敗れると予選突破は絶望。
予選突破には勝ち点「4」が必須のため、一方のスウェーデンもこの試合で勝利しないと、
最終戦のブラジルを相手に勝利しなければならず、非常に追い込まれることになる。
やはり、ブラジルはこのグループでは抜きんでているからだ。


さて、試合の方は前半早々にロシアが先制するも、後が続かない。
プレイ内容は明らかにスウェーデンの方が質が高く、それに比例するようにスウェーデンが同点に追いつく。
後半すぐにゴルルコビッチが退場してからは、スウェーデンがロシアを圧倒し、結局3-1と勝利。
ロシアの敗退が決まった。


まずはロシアだが、大会を通して良いところがなかった。
やはり、監督との確執で主力5人が造反というのは、どう考えても異常事態である。
今日の試合に限れば、戦犯はゴルルコビッチだろう。
マークについていたスウェーデンFWダーリンを全く抑えられず、何度もファウルを繰り返した上での退場。
何度も、と書いたが、悪質なファウルは4度である。4度もファウルをしたら、そりゃ退場する。
ハーフタイムでゴルルコビッチを下げる、もしくは下げないまでもダーリンのマーク役を別の選手に代えるといった措置を施さなかったサディリン監督への評価も当然辛い。

ロシアの希望はSHのモストボイだろうか。この後、ロシアの皇帝として君臨するモストボイだが、当時はまだ24歳。後の活躍の片鱗はこの試合でも見せていた。


スウェーデンは、素直に考えれば2ゴールを挙げ、相手を退場に追い込んだFWダーリンがMOMだろう。
非常にゴール嗅覚に優れたFWで、エネルギッシュに動いている。
相棒のケネット・アンデションも素晴らしい。特に3点目のアシスト、ダーリンに送ったクロスは完璧だった。
だが、個人的に目を見張ったのはブローリンのプレイ。
10番タイプ(トップ下)の選手がいないスウェーデンにあって、攻撃のスイッチを入れるのはブローリンだろう。
中盤の底、テルンなりインゲソンなりシュバルツなりから、ブローリンにボールが渡った瞬間から、スウェーデンの攻撃が始まるといって良い。見ていてワクワクさせられる選手だ。

他には、左サイドから素晴らしいオーバーラップを繰り返したサイドバックのユングにも目を奪われた。
ロシアが一人少なくなったのだから、やはりこれぐらい攻撃をしてこそのサイドバックだろう。
現代の基準で考えると、94年大会のサイドバックはオーバーラップが極めて少ない。
初戦を見ての例外はブラジルのレオナルドとジョルジーニョ、そしてスイスのホッディガーに、アルゼンチンのチャモくらいだろうか。
サイドバックのオーバーラップがあるから相手を圧倒できるのか、相手を圧倒できているからサイドバックが上がれるのかは何とも言えないところだが、たとえばイタリアが10人になってもちっとも上がってこなかったノルウェーのSBなどは、もう少しこのスウェーデンのユングのように効果的な攻め上がりを考えるべきだと思う。