前回で「つよきす初代」が終わって、今回から「3学期」です。


実は、有名な「初代」よりも「3学期」の方が面白かった記憶があるんですよね。
その辺はおいおい確認していくけど、乙女さんに関しては圧倒的に「3学期」の方が上かな。


乙女ルートは「拳法部大会」が物語の核になっていて、そこを境に前半と後半に分かれます。


①あかり先生の毒物により、乙女さんとキスする必要が生まれてドキドキ
(恋愛導入部)

②卒業生追い出し運動会で、乙女さんと二人三脚

③拳法部大会(前半) 『自主性』のないレオに乙女さんが激怒

④拳法部大会(当日) 卑劣な他校生徒にレオ怒りのローキック

⑤告白、エンディング


明らかに力が入っているのが③と④。
クライマックスに拳法部大会を持ってくるあたり、初代つよきす乙女ルートのクライマックス(VS村田の竜鳴祭)をオマージュしていて、心憎いなぁと思わされます。

(初代以来の)乙女さんのあのやり方じゃ、レオが自主性をなくすのも当然の帰結ですし、
その事を反省する乙女さんは、初代の傍若無人な姉とは違い、人間味を感じてとても良かったですね。
初代の乙女さんは嫌いですが、3学期の乙女さんは嫌いじゃないです。
まぁ依然としてあまり得意なタイプとは言えないですがw、読んでいて嫌な気持ちはしませんでした。
大会前日の乙女さんの説教は、必見ではないでしょうか。


伏線が『これでもか!』とばかりに貼られまくっていたのは肯定すべきか否定すべきか……
ちょっとやりすぎと思わなくもないですが……まぁここまで伏線を貼れば、忘れっぽいプレイヤーが時間を空けてやっても思い出せるので良いのかな。


大会当日。胸糞悪い他校との拳法対決ですが、『つよきすNext』の最終ルートとは違って、
ぶっ倒した時の爽快さ>>胸糞悪さのバランスになっていたのも良かったです。
『next』の方は、爽快さ<<胸糞悪さになっていたので、
もしまたさかき傘が『クソヤローをぶっ倒す』話を書く時は、この乙女ルートくらいのバランスでお願いします。
さらっと素奈緒に対する言及があるのも良いですね。
『キャラクター同士が、気持ちをぶつけ合う』シーンを盛り上げる手腕は、さかき傘はかなりのやり手だと思っています。


⑤の卒業式当日の告白、乙女さんの涙もポイント高いっすな。
と、このように『物語』を詰めていった結果、乙女さんとの本編でのHシーンは1回だけとなっております。告白自体、エンディングの直前になってるし。
でも、ろくにストーリーがなく、Hシーンだけが連打されていた初代乙女ルートより、
よっぽどこちらの方がいいでしょ。


①に関しては、まぁ『漫画的』だなぁとは感じます。
『初代カニルート』で既に行われている(カニルートでは、1日中離れない縄)とはいえ、『キスすると治る毒物』みたいな不自然なネタで、一気に距離を詰めるのはちょっとファンタジー入りすぎかなぁとは。
しかもこの手のネタは、確か他ルートでも使われていたはずで、恋愛を描くには『雑』ですよね。
この辺は『つよきす』という物語をどう捉えるのかにもよるのかも。
何でもありなお気楽ラブコメだと考えれば、アリですし、
よりリアル寄りの恋愛物語だと考えれば、ナシです。


厄介なのは『つよきす』という作品(とりあえず初代を念頭に置いています)自体が、
『何でもあり~ラブコメ』の要素と『リアル寄り~物語』の要素を兼ね備えていること。
ドラゴンボール的なドッジボール大会や、喋るインコなどを考えれば『何でもあり~ラブコメ』に一見見えますが
キャラクターの心の動きや、竜鳴館を一歩出た『社会』の描き方などは割としっかり地に足のついた側面を持っているだけに……。ま、つまんなくはないからいいとしますか。
強引すぎる力業ではありますが。


インパクトが弱いのは②かな。
ここはもう少し盛り上げても良かったと思うけど、まぁこれはこれでいっか。
二人三脚と言えば、初代つよきすカニルートを思い出しますけど、これに関してはあちらの方が盛り上がったかな。ライバルはやはり村田&西崎ペアという事で、手堅いオマージュです。


そんなわけで、初代のアイテムを借用できるのは後発作品のストロングポイントではありますが、
決して二番煎じではなく。
乙女さんの接し方と、レオの自主性といったあたりを再検討し、改めて姉弟の関係を再構築し直した
『つよきす3学期・乙女ルート』は、僕的にはかなりポイントの高いルートであります。



SーE

レオ A
乙女 B+
シナリオ A- 
羨ましさ B-(拳法大会には出たくないという意味でww)
青春度  B+
Hシーン B


データ(アフターストーリー込み)

    シーン回想数 2
    レオの射精回数:3発+14
    sex回数: 2+2回 H日数:2日+2日
    乙女さんが逝った回数:多分4