2020年に読んだ本ベスト10
2020年に読んだ本トップ10(発売したものではなく、僕が読んだもの、です)
1位 ありふれた祈り
幸福だった少年時代、ニューブレーメンの夏。
一つの事件が、幸福を引き裂いていく。
切なく、愛おしい少年時代の終わりを描いたミステリ。
最近のアメリカミステリではよく見るタイプの物語だけど、好きなものは好き。
2位 インフェルノ
エンタメ色全開でありながら、人口過剰問題について考えさせられる。
「ダヴィンチ・コード」が有名なブラウンだが、
『インフェルノ』の衝撃は、個人的最高傑作『天使と悪魔』に匹敵した。
3位 旅のラゴス
文明が崩壊した世界、古代文明の叡智が眠る唯一の図書館へと、
国境を越え、人生を賭けて旅をするラゴス。
ラゴスの生き方に、強く惹かれた。
4位 緋色の記憶
誰よりも『自由』に憧れていた田舎の少年の前に現われた、美人教師と国語教師。
少年の善意が犯罪を生み、幸福は粉々に砕け散ってしまう。
1位に選んだ「ありふれた祈り」と同じく、犯罪によって終わりを告げる
幸福な少年時代の物語。ボタンの掛け違いが切ない。
5位 はじまりはセントラル・パークから
幸福に暮らしていた一家だったが、時の移り変わりと共に子供は巣立ち、パパとママのやりたい事も変わっていく。
愛情はありながらもバラバラに離れていく一家を描いた、地味ながら心に残る名作。
6位 文学少女と飢え渇く幽霊
現代日本を舞台に、『嵐が丘』で描かれた、狂おしく鮮烈な愛憎を見事に再現し、更に一ひねり加えた『ライトノベル版 嵐が丘 ver1.5』。
殺して、犯して、吐いて、拒んで、奪い尽くす愛。
叩いて、縛って、鎖を打って、刺して、憎む、愛。
邪魔する者を全て殺して、時を戻して、親族全て殺し、結婚さえも利用して、ただ、相手の心に憎しみを刻みつけることで、自分を覚えていてほしい、そんな愛。
『文学少女シリーズ』の最高傑作。
7位 マンスフィールドパーク
悲しかったり激しかったりする作品に混じって、癒し系恋愛ドラマが2020年の7位。
田舎の優雅な庭園の居心地の良さがいつまでも心に残る。
癒されたい人はぜひ。
8位 ナイチンゲールの沈黙
前作「チームバチスタの栄光」が、ミステリという枠組みの中での論理的美しさを表現していたのに対し、
作者は本作で、ミステリという枠組みに頼らずとも詩的物語の美しさを表現してみせた。
瑞人と由紀、そして小夜の関係性。小夜の歌に乗せて、由紀が海辺に舞うシーンが殊更印象深い。
9位 文学少女と慟哭の巡礼者
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に題材をとった『文学少女』シリーズの第5巻。
人はなぜ物語を書くのか。あるいは、人はなぜ何かを表現するのか。
雨にも負けず、風にも負けず、物語を綴った賢治への暖かな眼差しを感じる一作。
10位 planetarian ちいさなほしのゆめ
連作短編集。
昔は大人気だったデパート屋上のプラネタリウム。今は客がほとんど来ないそこで、かつて客として出会った少年との再会を待ち続けるロボット、
ほしのゆめみを描く『スノードロップ』
地中世界に潜り、星を見る事もなく育つ地球人たちの集落に旅人が訪れ、手作りのプラネタリウムを子供たちに見せる『星の人』
の2編が特に好き。
次点は
再起/ディック・フランシス
虚航船団/筒井康隆
復讐法廷/ヘンリー・デンカー
クレイジーフラミンゴの秋/誼阿古
あたり。
今年は3月ぐらいまではSFを中心に読んでいきます。
☆ゲーム
1位 フォーリン・ラビリンス -隷属の少女たち- (同人)
2位 Soulnite ~魂の精晶石~(同人)
3位 誘惑なまいきロリータ(同人)
4位 サカつく2013
5位 創神のアルスマグナ
トップ2は、かなり楽しませていただいた同人RPGです。夢中になってやりました。
安定のロリータシリーズはともかくとして、4位、5位は豊作の年ならトップ10にも入らないですね。
いや、そろそろゲームも本格復帰したいです。