イントロダクション
今年の3月から、4か月あまり「信長の野望・創造PK」というゲームにはまっておりました。
このゲームはKOEIという会社から出ている国取りシミュレーションゲームで「三国志」と並ぶ人気シリーズとなっております。
ただし、私は「信長の野望」シリーズをプレイするのは今回が初めて。
信長・秀吉・家康ぐらいは知っていますが、それ以外はほぼ無知です。
受験も世界史専攻でしたし、「三国志」と違って『これ1冊読んでおけばOK』という小説がないのも厳しいですね。
そんなわけで、ゲームをやりつつ、
勉強がてらこの時代の小説を読みまくった4か月になりました。
まずはメインの3人を
司馬遼太郎さんはとにかく読みやすく、以前にも読んで慣れていたため、
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3人は司馬遼太郎作品でチェックしました。
「国盗り物語」と「関ヶ原」は、だいぶ前に読んだのですが、せっかくなのでまとめました。
「国盗り物語」は斎藤道三の魅力が爆発する前半と、織田信長を描いた後半に分かれますが、前半部分が特に面白かったです。
ゲームだと道三のイベントはないけど……。
信長は、信秀(信長パパ)、秀吉と合わせて24個もイベントがありますけどねw
ちなみにゲームは、タイトル通り、信長でプレイするのが初回プレイにはお勧めです。
ゲームでは京都を取らないとクリアできないのですが、信長は京都に近く、優秀な武将も多く、尾張・美濃は肥沃で土地も富み、イベントもムービーも盛り沢山で、とても楽しいです。
信長の次は秀吉ですよね!
この作品の秀吉は、『人たらし』ぶりがこれでもかと書かれている好人物で、とても面白いです。
ただ、残念なのは『小牧・長久手の戦い』で終わってしまうところ。
ゲームの秀吉も最強レベルですが、最初から強すぎる大名でプレイするのは個人的にあまり楽しくないのと、
秀吉以外の大名でプレイすると、ものすごく強い秀吉と対決しなきゃいけないので、しんどかったです。
『関ヶ原』(本引用で見つけられず)
「関ヶ原」も名作です。これは石田三成が主人公と言ってもいいのかな。敵役として徳川家康が出てきます。
この作品の石田三成は不器用な正義漢で、実に応援したくなります。
それに比べて、徳川家康の憎い事、憎い事。
ゲームでは石田三成ではクリアしていませんが、三成の親友、大谷吉嗣でクリアしました。
大谷吉嗣の小説は読んでいません(まぁ、三成の「関ヶ原」読んでるし、ええやろ……)
家康と戦わなきゃいけないので本当に大変でしたが、多分、最初から家康とぶつかれる西軍でプレイした方がまだ難易度は低そうです。
『関ヶ原の戦い』シナリオを選ぶと、ゲーム開始後しばらく経つと、家康の勢力がとんでもないことになるので、家康の味方をしている場合じゃありません……。
徳川家康主人公の、司馬遼太郎作品が「覇王の家」です。でもこれはあまり面白くなかったです。
「小牧・長久手の戦い」が300ページぐらい書かれています。
出世欲にとり憑かれた凡人、山内一豊と奥さんの千代を描いたこの作品も非常に面白かったです。
「小牧・長久手の戦い」以降の、変質していく秀吉の姿にも触れる事ができます。
元々、善良だった人間が、権力を持つ事で邪悪な人間へと変わっていく姿が、
一豊・秀吉の二人に重ねられていて、感慨深かったです。
ちなみに一豊ではクリアしていませんw
「功名が辻」を読む前に、『小牧・長久手の戦い』以降の秀吉が知りたくて手に取りました。
こちらは、最初から最後までずっとダークな秀吉さんです。
山田風太郎先生の忍法帖シリーズのファンなのですが、この作品に関しては、そんなに、かなぁ。
ずっとダークでい続けるよりも、司馬遼太郎作品の秀吉のように、徐々に変わっていってしまう方が個人的には好みです。
秀吉の弟、秀長から見た秀吉の物語ですね。
信長ー秀吉ラインの物語をこれだけたくさん読むと、さすがに流れもバッチリわかりますが新鮮味は特になかったです。
秀吉を支えた二人の軍師、黒田官兵衛と竹中半兵衛の物語。
牢獄にぶちこまれて、出てきたときには片足が不自由になるような陰鬱な物語でも、
吉川さんにかかると、牧歌的になっちゃうのは良いのか悪いのか。
爽やかな友情物語でした。
関ヶ原~大阪冬の陣の間の家康が描かれた作品です。
超名作だと思うのですが、これは歴史小説というよりは伝奇小説なので、この特集に入れるのは少々ためらいもあります。
(まぁ、ゲームにもオマケ武将で真田十勇士や里見八犬士が出てくるので、別にいいか)
ちなみに家康は、「本能寺の変」の直前のシナリオでプレイしたのですが、秀吉が強すぎてクリアが相当大変でした。
信玄と謙信
信長・秀吉・家康の次に有名だと思われるこの2人についても読みましたし、プレイしましたよ!
宿命のライバルなのはわかるんですが、「武田信玄」では信玄持ち上げ、謙信叩きが強かったですね。
「天と地と」の信玄も、割と叩かれてはいましたが。相容れないものがあるのでしょうかw
個人的には作品としても、人物としても「天と地と・上杉謙信」の方が好きになりました。
ただし、己の感情に正直な正義漢、謙信よりも、
目的のためには手段を選ばない信玄の方が「リーダー」としては上なのかも。
ちなみにゲームでは、信玄は信長の次にプレイしやすい大名ですね。
翻って、謙信は酷かった……。「北条討伐」のイベントが難しすぎて、死にそうになっていました。
越後は人口も少なく、山ばかりで兵士もおらず、部下は武力バカが多くて、マジしんどかったです。
物語では謙信が好きになりましたが、このゲームではもう謙信でプレイしたくはないです……。
で、あれだけ苦労した「北条討伐」は「天と地と」では40ページほどで済まされていましたw
海音寺さん繋がりで
も読みました。
ゲームでは、1582年以降のシナリオで、秀吉以外でプレイするなら伊達政宗が一番楽しいです。
なんか隻眼でかっこいいし期待したんですが……政宗が戦国大名として頑張っていたのは最初の200ページだけで、
後半は蒲生氏郷の足を引っ張る事ばかり考えていて、政宗公、率直に好きになれませんでした……。
山岡さんの「伊達政宗」とこちらと、どちらを読もうか迷ったんですが山岡さんのは全8巻と長いしなぁ……。
ちなみに海音寺さんのエッセイも読んだのですが、石田三成がボロクソに書かれていて、面白かったです。
司馬遼太郎「関ヶ原」の三成と印象が全然違うw
『鳥なき島のこうもり』長宗我部元親を描いた作品ですが、あまり印象に残っていません。
ゲームでは、長宗我部家も弟の親泰ぐらいしかロクな武将がいないんですが、四国内のライバルは輪をかけて酷いので、四国統一までなら余裕で行けます。
その後は信長と仲良くしつつ、毛利家を倒してクリアしましたが、最後まで強い武将が少なかったですねw
クリア時の武将の質では、多分最弱でしたw
このゲームは、遠方の武将を引き抜くのがとても難しく、敵と戦って捕まえないと仲間が増えないので、敵が弱いのも良いんだか悪いんだか、です。
中国地方の雄、毛利元就でもクリアしました。信長・信玄の次ぐらいにやりやすかったかな。
作品では元就の若い頃のエピソードが多く、ゲームの内容に入るまでにずいぶんかかりましたが、
義母の杉の大方や、奥さんの妙キュウさんとの絆は感動しました。
また、ゲームをやっているだけではよくわからない、東の尼子と西の大内に囲まれた毛利家の悲哀について知る事が出来たのも良かったです。
NHK大河ドラマの原作にもなった
も興味があったのですが、ゲーム内最大のイベント「厳島の戦い」などが描かれていないと聞いていたので、
今回は見送りました。
せっかくだからそのうち読んでみようかな?
島津4兄弟の義久でもクリアしましたよ! 島津家は武将は素晴らしいのですが、南九州はとにかく土地が拓けていないのがつらかったですね。
一応、島津義久でクリアしたので義久の小説を……と思ったのですが、あまりピンとくるものがみつからず、四男家久が主人公のこの作品を選びましたが、
期待以上に面白かったです。
ここに挙げた作品群の中でもかなり上位に来る面白さで、この作家さんを追いかけてみたいと思っちゃいました。
沖田畷の戦いの描写は圧巻の迫力でしたし、人付き合いが全くできず、精神的に子供のままなのに戦に関しては天才な島津家久も良かったです。
以上!
北条氏康でもクリアしたのですが、
くらいしか作品が見つからず、まだ完結していないっぽいのでひとまず保留中です。
北条は土地は良いのですが、猛将タイプの武将が少なかったのと、甲相駿三国同盟の影響で、今川義元が亡くなるまで駿河に侵攻できないのがつらかったですね。