S→味わい深く、いつまでも心に残りそうな作品


虐殺器官/伊藤計劃……

人を虐殺に駆り立てる『虐殺文法』の設定が秀逸。
『アメリカを守るため、世界を滅ぼす』ジョン・ポール。
そして形こそ違え同様の思想を持つウィリアムズが、主人公クラヴィスの愛する人ルツィアを殺した事、
自分を愛してくれていたと思っていた母親の真実の気持ちに触れた事から、主人公のクラヴィスは『世界の人々のために(詭弁)』アメリカを虐殺の坩堝へと叩き落す。
それが、彼の考えるルツィアを殺したウィリアムズに対する復讐であり、ジョン・ポールの起こした災厄による贖罪だった。

人は『大事な人を守るため』に、『無関係な人を殺す』。
愛のために、人を殺す。
微グロがちょっと苦手だったけれど、名作。


ハーモニー/伊藤計劃……記事はこちらで書きました。

エトロフ発緊急電/佐々木譲…… 前作「ベルリン飛行指令」も面白かったけど、その上を超えてきたシリーズ2作目。 真珠湾攻撃を控え、エトロフ島に集結する海軍艦隊。 その情報をアメリカ本国へ伝えるスパイが主人公の、スパイ小説。
切ないシーンあり、エンタメとしても面白く、大いに考えさせられる作品でもあった。

誰にも『秘密』を明かすことのできないスパイという存在。
日米開戦へと突き進んでいく、日本陸軍の愚かさ。
そして、現在の北方領土問題に関わるけれども、そもそも千島列島からアイヌ民族を追い出した日本人。
日本が中国でやった事は、今のロシアがウクライナに対してやったのと同じように非道且つ愚かな事だし、
それに対してアメリカが日本を無差別爆撃したのも、非道な事。
戦争で無惨に殺されるのは、いつだって非戦闘員である庶民。
『落としどころ』の見つけられない戦争の愚かさについても、つくづく感じる。

ヒロインのゆきさんの今後の人生にエールを送りたいけれど、亡くなった主人公が、最後にゆきさんに本当のことを伝えられ、それをゆきさんも受け入れられたのは悲惨な物語ながらも救いがあって、そこも良かったです。



真夏の方程式/東野圭吾……
今まで読んだ東野作品10作の中では一番好きかも。

夏の海で起こった一つの事件。
ミステリというよりも、主人公たちと一緒に寂れた旅館に泊まって、一夏を過ごす旅情が感じられる。
事件自体も、伏線がしっかり貼ってあり良い。

ただ、第二の事件に関しては、犯人が殺意に目覚めるまでが早すぎて「お前、殺さなくても普通に解決できたやろ」としか思えないのが若干の減点。

あと、僕の読解力のせいで、玻璃ヶ浦での生活を満喫しているところで、東京sideが出てくるとちょっと戸惑った。それを差し引いても名作。
[
このタイプの作品ではジョン・ハートの「ラスト・チャイルド」、トマス・クックの「緋色の記憶」、ウィリアム・クルーガーの「ありふれた祈り」といった作品群が大好きなんだけど、
日本にもちゃんとこういうの、あったんだね。


ナミヤ雑貨店の奇跡/東野圭吾……
非常にプロットが整った作品であり、作者の技巧を感じさせる作品。 作品自体も「最も泣ける感動作」はともかくとして、「良い話だなぁ」と思わせるものが続く。

1話の病気の恋人の看病と、オリンピック出場のどちらを取るかで悩む女性や、 2話の売れないミュージシャンの話も印象的。 伏線回収を担っているのが実は3話なので、完読後に3話を再読する事になったw

この手のタイムトラベルものにしては、生活臭が漂うヘヴィな内容が出てくるのが東野さんらしくもあるけど、許容範囲。  最後、「迷える子犬」さんにもう一度再会するところまで書いてほしかったけど、まぁいっか。


日本沈没/小松左京……

中々凄まじい災害小説で、『日本だけが沈没』というのがまた(世界中が沈没以上に)胸に来るものがあった。
今まで読んだ小松さんの作品の中では最高傑作。

欲を言えば、小まめに日本地図をつけてほしかった。
日本地理に弱いので、地名を言われてもわからん……


ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士/スティグ・ラーソン……
ミソジニー(女性蔑視)がテーマの作品で、自閉スペクトラムでピアスじゃらじゃらタトゥーヒロインのリスベットに牽引され、グイグイ読ませる。
第2作の直後から始まるためできれば一気に読んだ方が良い。ミカエルはモニカとくっつくのかぁ……エリカ派です🤧


A→読んで良かったと思える作品

地球からの贈り物/ラリー・ニーヴン……

ニーヴンらしい緻密なSF世界観と、ニーヴンらしからぬシンプルかつ活き活きした冒険物語で、
ガチガチSFで読みにくい「ノウン・スペース」シリーズにおいて、娯楽性の高い作品に仕上がっている。


秘本三国志/陳舜臣……
『面白い三国志』というよりは、『考えさせられる三国志』。
具体的に言えば、三国時代という内乱の時代に、庶民の心に浸透していく道教(五斗米道)や仏教を描いた作品だと思う。
宗教というネットワークで結ばれれば、そこには月氏(ペルシャ人)も匈奴(モンゴル人)も漢民族(中国人)もない。
まして、魏も呉も蜀もない。そうした、平和への祈りを宗教に託した三国志が、この「秘本三国志」だと思う。
このように、テーマが渋いので英雄の大活劇が読みたい人や、特に蜀のファンにはお薦めしない。
現実には未だイスラエル(ユダヤ教)がパレスチナ(イスラム教)に対して虐殺を続けており、それをキリスト教(ユダヤ教の分派)国の西欧やアメリカが支援している。
キリスト教の一派、ロシア正教の中ですらロシアとウクライナが戦争を続けている。
世の中、陳さんが望む通りにはなかなかいかないが、
いつか人類が争いを乗り越え、一つになれることを願わずにはいられない。


行きずりの街/志水辰夫……
12年ぶりに再会した元妻とのロマンスと、
学園の黒い陰謀。
前者は心に刺さるものがあるし、後者は考えさせられるが、この二つが微妙に噛みあっていないのが残念。
あと、ハッピーエンドだけど、この元妻の性格を考えると、復縁するのは少し都合が良いかな。
この奥さんは、男が危険な仕事に立ち向かう時、おいていかれるのを何よりも嫌うタイプだと思うので。


背いて故郷/志水辰夫……
面白くなるまでが長いけど、半分を過ぎたあたりから面白くなり、最後の数十ページはなかなか。
今まで読んだ志水作品よりミステリ色が強めだけど、結局は『昭和の演歌』。
『わたしの傍らを歩いている足音がする。早紀子が黙って歩いて来る』余韻の残る終わり。

「爆走! クライプシス・サーキット」/  ロジャー・ゼラズニイ&J・A・カーバー
……
宇宙船レーサーを夢見て、地球の少年マイクが旅立つのは、宇宙一規模が大きいクライプシス星系のサーキット。
密輸船への搭乗と脱出、ブラックバイトなどを経て、
彼はクロビーンのレースチームのプログラム技師として採用される。
レーサーではないものの、初めて参加する宇宙大レース。プログラムトラブルに見舞われたり、ライバル(第2パイロット)の赤毛娘トワイラとの衝突と、それを乗り越えての信頼を築き、いよいよクロビーン&トワイラはレースに優勝。
そして、クロビーンのチームは2隻目のレーシングシップを購入することを決意し、マイクは第3パイロットとしていよいよ、宇宙船レーサーへの道を踏み出すところで1巻が終了。
F1などには全く興味がない僕ですが、そんな僕でも楽しめる迫真のレースシーン。
王道ラノベ的ではありながらも、才能ある少年がそれでも様々な苦労をして、失敗もして、ライバルとの友情などもあり、いよいよ夢への一歩を踏み出すジュブナイル小説として、とても楽しめました。



首無の如き祟るもの/三津田信三……
入れ替わりトリック(+『信頼できない語り手』)が少しアクロバットすぎる気もしたけど、面白かったのでまぁいっかという感じ。
作風は完全に横溝正史ワールドで、横溝さんよりも更に怪奇色強めで好み。

ノルウェイの森/村上春樹……
死にとり憑かれた人々の話。
生の世界にいるのが『緑』なんだけど、これが18禁ゲームだったとしても眉をひそめるレベルの下品な下ネタ全開女にして、メンドクサイ女。
死の世界にいるのが『直子』なんだけど、何せ会えないのでは仕方ない。
死の世界から生の世界に戻ってくるのが『レイコ』さんで、一番まともに見える女性。

死の世界から、生の世界に戻ってくるというモチーフは理解できるんだけど、『緑』と付き合うにあたって、『レイコ』さんとエッチするのはどうなのかw
(まぁ個人的にはあまり気にしないけど、新しい女と付き合う決意表明として別の女を抱くというのはww)

『生』=『性』と直接的に結びついているので、直子が生涯一度しかHできなかったのと、緑がやたらに下品な『性』の下ネタ話を垂れ流すのは対照的。

また、ワタナベ君の心が直子から離れかかっていることを知っているのはレイコさんだけで、
直子の自殺のタイミングを考えると、直子を自殺させたのはレイコさんなんじゃないの?という疑惑があるんですが、そうするとレイコさんが黒幕悪女になりますね。
これで考えると、一見爽やかなエンディングが真っ黒になるので、個人的にはレイコさん黒幕説は取りませんが、疑えばかなり怪しいですね。

若草物語/ルイーザ・メイ・オルコット……
思ったよりも暗い内容だったけど、その中で頑張る4姉妹+母親・隣人の一家などなど、優しい人々に囲まれた、地味ではあるけれどかけがえのない青春小説。
作者の、妹に対する想いにほろりとさせられる。


ヴェイスの盲点/野尻抱介……

今や絶滅危惧種の、旧き良きスペースオペラ。
『冒険野郎』を地で行く非常識オヤジのロイドと、
ロイドに文句を言いながらもついていくマージ。
そして、冒険に胸を躍らせる弱気な少女メイの3人組の冒険モノ。

ヴェイスという機雷に260年間封鎖された惑星が舞台になった1巻では、その機雷を解除するため、大活躍の3人。
しかし、それを快く思わない者がいた。
それは、ヴェイスを封鎖されたままにして、利益を独占する企業レグルスだった。
設定も含めて、よく練りに練られた1作。

魂の駆動体/神林長平……

『ディック的世界観』+『車』+『老人2人の友情』物語で、
車には全く興味がないため83点だったけど、それでも楽しめたんだから、車好きならもっと楽しめるはず。自分も老人になった時に、こんな友だちが側にいたら嬉しいなと思った。
意識とは何か、知覚とは何か、魂とは何かを探求する『ディック的世界観』なので、
ある種、夢オチと言えなくもないような、夢ではないような。その辺は読者の想像に任せる感じだけど、それでいい。

(追記)「魂の駆動体」の第二部だけど、
『現実説』と『夢オチ説』それぞれに良いところがあるなと思う。

メタ的な事を言うなら『現実説』しかない。
夢の中で主人公はキリアになっているけど、アンク視点のパートもあるので。
キリアの見た夢だと考えるなら、その視点移動は『反則』だと思う
ただ、『夢オチ説』の良さは、主人公が昏睡している間、いろんな人たちが病室を見舞って主人公に声をかけてくれていた、という
人間的な暖かさを感じられること。
このセリフは、誰が見舞いに来た時のものかな?などと考えるのも楽しい。

『現実説』を僕は取るけど、夢オチ説も味がある。

柳生忍法帖/山田風太郎……
忍者もエロも出てこない、シリーズでは異色の剣術チャンバラ作品だけど、普通に面白かった。
沢庵和尚や、ラスボスの銅庵、最後の柳生十哲登場などの下巻は少しダレたけど(そういうのはなしで、純粋な剣術アクションが面白かった)、それでも良作。


百舌鳥の叫ぶ夜/逢坂剛……

チリのピノチェト大統領来日に際して、暗殺への警備と、公安警察の躍動。
そして、「男の娘暗殺者」の百舌鳥。

大勢の思惑が入り乱れるノンストップサスペンスは、複雑な構成、(当時の)世界情勢、巧みな伏線に支えられている。

最後、少しあっけなかったけどね。



夜のオデッセイア/船戸与一……

八百長ボクサーの主人公、その元カノで売春婦に転落した女と、売春婦に育てられている孤児の黒人男子。
あぶれもののプロレスラー2人と、八百長ボクサーのトレーナー。

人生に失敗した6人が、パーレヴィの財宝を求めて輝きだすも、それも束の間。
再び八百長ボクサーとトレーナーは、オデッセイア(車)に乗って広大なアメリカを走り始める。

しかし、最後をギャグで〆るとは思わなかったなw


カラマーゾフの妹/高野史緒……『カラマーゾフの兄弟』の偉大なるパスティーシュにして、これが真実と信じたくなるような続編。
13年前『兄弟』で語られた『フョードル』の死の真犯人は、スメルジャコフ(イワン)ではなかった。 サイコパス全開の真犯人の造形と、罪悪感に苛まれるイワンの成長物語。
『僕は、罪の意識を全く感じなかったのです。もちろん僕は長老様を愛していました。これ以上ないほどに。自分自身よりももっともっと愛していたのです。だけど僕は悲しくなかった。罪の意識もなかった。むしろ何か嬉しいような、とっても満たされたような気持ちになってきたんです。僕は射精しました』

ベルリン飛行指令/佐々木譲…… 1940年、日本のゼロ戦がイギリス空軍の支配下にある インド→イラクを通過し、トルコ→イタリア→ドイツへと向かう。  第二次大戦に向かう日本の愚かな世情と、インド・イラクでの反英運動の高まりなどが描かれた良作。

逃がれの街/北方謙三……
腐れ縁の友だちと恋人に裏切られ、自棄になった主人公は恋人を巡ってヤクザを殺し、ヤクザと警察に追われる事になる。
そんな中、彼は5歳の捨て子を拾う。
捨て子は彼に懐き、警察とヤクザから逃げながら『終わりの時』まで2人は家族のように暮らすのだった。

ゼロの罠/ポーラ・ゴズリング……
雪山に閉じ込められた男女9人。そして起こる殺人事件。
並行して、雪山での主人公ローラは、物静かで優しく、知的でありながらリーダーシップも取れるスキナーに惹かれていく。
大自然と殺人鬼、そして陰謀に、ロマンスと贅沢な良作サスペンス。


背徳のメス/黒岩重吾……
産婦人科で起こる殺人事件。
主人公は女好きでナースと寝るのが生き甲斐で、時には強引に犯すこともあるレイプ魔。
普段偉そうにしておきながら、医療ミスをした上司を庇う気がない主人公は、命を狙われながらも、セフレナースと寝て、金を盗まれる。
上司が医療ミスで殺した女はヤクザの嫁で、ヤクザをも利用して上司を追い落とそうとする主人公と、患者の命を利用してまで主人公を追い出そうとする上司。
そして主人公を狙う33歳の『ブサ老嬢』(33歳で老嬢はひどすぎ)殺人未遂犯。
クズしかいない産婦人科の暗闘を描いた作品でした。

昔の作品だから仕方ないけど、アルサロ(水商売?)、ズベ公タイプの女(びっち?)、パン助(風俗嬢?)
、ビート族(ヒッピー?)、マンボスタイル(???)
など、よくわからない俗語が出てきて困惑><


B→暇つぶし以上の有益な何かを得た作品

アストロパイロット/ローラ・J・ミクスン……
320ページの作品ですが256ページ(絶体絶命のピンチ)までは面白かったです。
後半、やけに展開が早くて、あっさり敵を倒して、トントン拍子に解決して「??」ってなりましたw
もう100ページくらい使ってじっくり書き込んでほしかったです><



友よ、静かに瞑れ/北方謙三……

ハサミ男」/殊能将之……
とりあえずデブ男に人権はなくて、美しい女性なら何をしても許されるのだ……

宇宙軍団/ジャック・ウィリアムスン……
バーナード星人(メドゥーサ)から地球を守るべく、 主人公のジョン・ウルナ―は最強兵器AKKAの知識を持つ乙女アラドレを救うべく、愉快な凸凹三人組と地獄の星へと向かう。 RPGに出てきそうなモンスターにひたすら襲われる、
ほぼ全編冒険サスペンス。
その中でほっと一息つけてくれるのが、ハゲ&デブ&アル中で愚痴っぽいけれど、鍵を開ける特殊技能を持つ心優しきおっさんギルス・ハビブラ。
完全に主人公を食っているぐらい魅力的。



パプリカ/筒井康隆……
昼は理知的な女性科学者、夜は他人の夢に入って事件を解決する少女探偵パプリカ。
男たちはみんなパプリカに惚れまくり。

悪役のキチガイさと、デウス・エクス・マキナ的な陣内・玖珂(こいつら結局何だったん?)が若干マイナスだけど、まぁ面白かったです。

裏切りのピットホール/ロジャー・ゼラズニイ&T・ワイルド……
レース界の腐敗や陰謀が強く出ていて、爽快感は薄いですね。


おそらくは夢を/ロバート・B・パーカー…… 67点+15点。 
レイモンド・チャンドラーの「大いなる眠り」の続編として書かれた作品で、非常にチャンドラー愛が感じられる。
文体も相当チャンドラーに似せてある(ので読みにくい)が、事件のプロット自体はチャンドラーと違い非常に整理されていて読みやすい。
後半になると、パーカーの(チャンドラーには書けそうもない)ユーモアが顔を出し始め、ややチャンドラー色が薄れるが、それでも一貫して『大いなる眠り』の続編、そして『大いなる眠り』よりも面白い。
67点(正直今一つ)というのが、この本単体の感想だけども、チャンドラーの「大いなる眠り」は60点レベルの作品なので、 チャンドラーをリスペクトした上で、本家を超えたという意味では+15点の82点をあげたい。 そういうのを無視して単体で考えたら67点。

ミスターX/ピーター・ストラウヴ……
呪われた古い一族の物語だけど、それだけに家系図を作ってほしかったです。
誰が誰の父親だか色々混乱します。 主人公と懇意になるローリーが、遺産が入ると態度が豹変するのが悲しかったです。


一、二、三、死/高木彬光……真犯人、右翼ばあさん75歳
『お国のために、無益な人間を減らそう』と思いつく。
この動機の邪悪さと、ばあさんへの嫌悪感はなかなか高かったが、それにしても4人を殺したばあさん、元気である。

七人のおば/パット・マガー……感想記事はこちらに書きました。

秘悪書争奪/山田風太郎……

EDになった将軍家定のため、伝説のエロ本を求めて、忍者たちがエロ忍術で戦う、という設定は素晴らしかったんだけど、
今回はキャラ的に少し弱めで、シリーズの中ではハズレ気味。
ラスボスは「相手と一緒にエロい夢を見て、相手を操る事が出来る忍者」でした

忍法忠臣蔵/山田風太郎……
『忠臣蔵』本来の面白さに忍術を絡めた【二次創作的】作品。
そのぶん、忍者同士の戦いは正直いらなかった気もするけどw

婚約者を刺身にした序盤のシーンがラストに繋がってくる構成は秀逸。


フロスト日和/ウィングフィールド……
前作「クリスマスのフロスト」よりは面白かった気がする。

ブラック体質のフロスト警部&デントン署、無能揃いの警察官の中で、フロスト警部は比較的マシな方、という感じ。
多数の事件を絡み合わせて、見事に全てを解決してしまうプロットは流石。

新平家物語/吉川英治……
最後の方は義経話が多いというか、頼朝と梶原景時が真のクズキャラだったなって。
清盛の姿が活き活きと描かれている前半が面白い。平家の時代が良かった……。
後半は、陰湿な源氏内でのいじめっ子頼朝が暴れるので鬱。


ワインズバーグ、オハイオ/アンダーソン……
アメリカの田舎町を舞台にした群像劇。
複数の短編に出てくるキャラクターに関しては、登場人物紹介がほしかったところ(ジョージとかトムとかエリザベスとか、よくある名前で頭がこんがらがった)



白銀ジャック/東野圭吾……


オックスフォード運河の殺人/コリン・デクスター……
入院中のモース警部は暇つぶしに100年以上前の事件に興味を持ち、驚くべき真実を掴む。デクスター作品の特徴でもある、モース警部の混線した迷推理がない分、デクスターファンには物足りないかもしれないが、個人的にはスピーディーでこちらの方が好み。
あと、入院中にモテモテのモース警部がウケた。

猟犬クラブ/ピーター・ラヴゼイ……
めんどくさいミステリオタクの社会人サークルでの殺人事件。

ラヴゼイに求めていたものとは違ったけど、最低限は楽しめた。


化人幻戯/江戸川乱歩……セフレを作っては殺していく、カマキリ女由美子の存在感が凄い。
途中の推理は、この手の犯人当てクイズ作品にはありがちではあるけど、ちょっと退屈。


戦闘妖精雪風・改/神林長平……
妖精さんが戦う話かと思ったら、戦闘機の話かよww
というのはさておき、ところどころ神林さんらしく『ディック的世界観』が垣間見られたものの、全体的にはメカメカしい(?)SFで、あまり肌には合わなかった。

新宿鮫/大沢在昌……
最後の50ページは、サスペンス性が溢れて面白いし、序盤の伏線もハマって見事な出来。
読後感としては、『プロットのしっかりした、レイモンド・チャンドラー作品』といった印象。

あまりにもホモホモしく、BL描写が苦手なため。気にならない方なら72点。
あとは、ギリギリ平成に書かれているんだけど、
ケータイ電話がなかったり、カセットテープがあったり、溢れる昭和感が凄かったw

海賊と呼ばれた男/百田尚樹……
『百田さん』が書いたという時点で、どこまでノンフィクション的に読めば良いのかわからないので、あくまでもフィクションとして。
国岡さんの生き様はカッコいいと思うが、憧れるか、社員になりたいかと聞かれるとなりたくはない。 あまりにも働く事=人生になりすぎているから。  僕は日本のために、ガスの溜まっている石油タンクの底で働いたら1日で辞める。
何かというと日本万歳・日本の誇りという単語が出てきて鼻につくけれど、それを差し引いても面白かったとは思う あと、これは百田さんのフィクションではなく、 大英帝国は世界史上でマジでクズな所業しかしていない だから、それに比べて日本の占領を持ち上げる作者の主張には同意しないけど。
しかし、このすぐ後に佐々木譲の『戦争モノ』を読んだので、どんどんこの作品のチープさが露わになってしまった。まぁ、百田さんの人となりを知っていれば、期待するほうがどうかしてるか。

殺しの双曲線/西村京太郎……

「他人に対して無関心な人間社会」というテーマはわかるし、共感できる。
その、「人間社会」を描くために敢えて、キャラクター描写を類型的にした狙いもわかる。
ただ、母親の復讐のために兄が死んでもニヤニヤしている犯人のパーソナリティーは意味不。


北帰行殺人事件/西村京太郎……
集団レイパーの最後の一人、何の罰も受けなくてええの?
普通に死んでほしかったので、モヤモヤする。


クロスファイア/宮部みゆき……
最初から最後まで薄倖な女性、青木淳子の(名前も含めて)昭和の演歌的な生涯。最後はチャラ男に騙されて……。
『ガーディアン』を自称する、自警団の何とも言えない偽善者ぶりが鼻につくけど、鼻につくところまでが宮部さんの計算でしょうね。
罪もない人を殺して、ガーディアン気取ってるんじゃねぇよw お前がやってる事はただの人殺しだよ、勘違いしてんじゃねぇぞ、と思いました。
でもそれは、青木淳子さんにも跳ね返ってくるわけで、
多分僕は『行為そのもの』よりも、『行為をする際の心情』によって、嫌悪感を抱くかそうでないかが決まるんだなぁと思いました。

殺しへの招待/天藤真……

これは天藤さんには珍しい、後味の悪いミステリだなぁ。
被害者は性格ブスすぎるので殺されても仕方ないが、
犯人も負けず劣らずヤバい。
ある意味お似合い夫婦だったような気もするけどな。


平和という名の廃墟/アーカディ・マーティーン……徹底したジェンダーレスで印象深い作品。平和外交にも好感が持てた。最後150ページのサスペンスも悪くない。
ただ、全体的に読みやすいとは言えない。

夜間飛行殺人事件/西村京太郎……今まで読んだ西村作品の中ではベスト。
殺人事件はともかく、排他的な日本人の気質を強く問うた、珍しくまともな犯人像。

黒衣の女/スーザン・ヒル……怨念・祟りという、日本人にも馴染みやすいホラー作品。
雰囲気も良く楽しめた。
まぁ、この手の作品は日本製のものの方が怖いけどね。


終着駅殺人事件/西村京太郎……
仲良し7人組が7年ぶりに集まっての旅行での連続殺人。
という設定はかなり興味を惹かれるのだけど、7年前のシーンが一切ないのが非常にもったいない。

あと、最後の1人になるまで逮捕できず、最後の1人は射殺しただけなので警察は全く役に立っていないw

寝台特急殺人事件/西村京太郎……相変わらず犯人に共感できねぇ

車輪の下/ヘルマン・ヘッセ……
ヘッセ自身は14歳から数年間人生のどん底を味わうけど、18歳で復帰してるから、良かったね。
「車輪の下」の主人公ハンス君は復帰できなかったヘッセだけど、とにかく周囲にクズしかいないのがつらいですね。
最悪なのは校長だけど。

ダック・コール/稲見一良……
狩猟小説集というか、鳥への愛を感じる作品が多かった。

さすらいのスターウルフ/エドモンド・ハミルトン……宇宙で大暴れしていた宇宙海賊ヴァルナ人(通称スターウルフ)。その一人、ケインは仲間に裏切られ、行く先もないまま地球人の男に拾われる。
活劇に次ぐ活劇で、まぁ、B級娯楽SFなんだけど、意外と面白い。箸休めにどうぞ。

さいはてのスターウルフ/エドモンド・ハミルトン……
主人公が故郷を失っているという設定が、基本的には「クヨクヨしないで、まず行動!」な主人公のパーソナリティに一抹の陰を落としていて、親しみやすくしていますね
1巻では皆無だった女性キャラも登場!


望郷のスターウルフ/エドモンド・ハミルトン……

曹操/陳舜臣……
同著者の『秘本三国志』の副読本として読んだが、1800ページの『秘本』と比べて、当然ながら重複も多く、『秘本』だけ読めばいいような気がしなくもない。

特徴としては、『秘本』ほどは蜀に対して辛辣ではないこと(秘本の蜀アンチぶりはなかなかw)、『秘本』では13歳で亡くなった実際の曹宙を描いたが、こちらでは狂言回しとして名前だけ借りた別人曹宙が出てくること(紛らわしいし、これじゃオリジナルキャラみたいなものなので、別の名前をつけた方が良かったのでは?)、
曹操の初恋の相手が物語全編で活躍すること、ぐらいかな。

C→暇つぶし程度にはなった作品

漱石先生の事件簿・猫の巻/柳広司……
漱石の「吾輩は猫である」の完全な二次創作としては満点の出来。「吾輩」の名場面をほぼ完全に利用しながら、そのシーンの別解を示す。 「吾輩」は長すぎてダルいので読みたくない人が、これを読んでわかった気になるのもアリ。
個人的にタイトルはモニョる。 「漱石先生」ではなく「くしゃみ先生(吾輩は猫であるの主人公。漱石がモデル)の事件簿」が正しいと思うのだけど、 『吾輩は猫である』の主人公が『くしゃみ先生』という名前だという事が意外と知られていないので、漱石先生というタイトルにしたのだろうけど……


森を抜ける道/コリン・デクスター……
モース警視シリーズが好きな人には楽しめるんじゃないかな。

私が殺した少女/原りょう……
 『私』って主人公じゃねぇのかよww

英雄三国志/柴田錬三郎……
第一部(1~3巻)『英雄ここにあり』が64点、
第二部(4~6巻)『生きるべきか死ぬべきか』が72点。
『演義』準拠の三国志なので、比べるべきは羅漢中『三国志演義』や、吉川英治『三国志』になると思う。
第一部は、率直に言って出来は良くない。 作者が蜀(劉備・関羽・諸葛亮)が大好きなのはわかるけど、せっかく魅力あふれる群雄が各地で覇を競っているのに、大半が劉備陣営の視点からしか描かれておらず、吉川三国志と比べてもむしろ『退化』しているように思う。
ルビの間違い・不統一や(程普・孫乾に顕著)、謎の設定(劉備の長男は別にいて、劉禅は次男だった説。いつのまにか長男は消えて、劉禅が跡継ぎになっている/ 曹洪が曹操の弟になったり従弟になったりする/ 袁紹と袁術も兄弟になったり従兄弟になったりする)なども目につくし、桃園の誓いのシーンをバッサリ切ったにも関わらず、後からいつの間にか義兄弟になっていて『あの時誓った契りは~』みたいなセリフがあったりする。 

第二部になると、相変わらず関羽・諸葛亮贔屓が凄いが、魏や呉についてもある程度描かれており、バランスが改善されている。
また、第6巻『夢の終焉』は諸葛亮亡き後の物語が描かれており、割と多くの『三国志』が諸葛亮の死で物語を終わらせてしまうのに対し、きちんと描き切った(と言っても蜀の滅亡までだけど。欲を言えば晋の統一まで書いてほしかった)のは評価したいポイント。
孫権の暗君化や、孫峻がなぜか立派な武将になっているのは謎だけど、贔屓の引き倒しには見えないのでまぁいっかと流せる。 

総じて、蜀ファン向けの『三国志演義』。 ただ、第6巻を除くと取り立ててこの作品を推すべきポイントは見当たらない。 文章は読みやすく、サクサク読める。



宿命のチャンピオン/ロジャー・ゼラズニイ&T・ワイルド……
今回は、レーサーを蝕む麻薬シンジケートと対決するんだけど、そこに記憶テープ(生前の記憶をコピーしておく)などが絡んできて
そういうのはいいから、1巻(「爆走! クライプシス・サーキット」)の単純さが好きだった。

オイディプスの刃/赤江瀑……
人の血を啜る妖刀を扱った、幻想小説。
一族の殺し合いの話ではあるけど、8割方『妖刀』に誘導されているため、殺すほどの憎しみか?という疑問は尽きない(だから妖刀なんだけど)

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹

ハロウィーン・パーティ/アガサ・クリスティ……
タイトルだけど、パーティーって言わせてくれ……。
タイトルからすると陽気な感じがしないでもないけど、結構陰惨な事件なので、そこは注意。
まぁ、ミステリですからね。

忍者月影抄/山田風太郎……
このシリーズのファンだけど、今回は外れ。
「エロ」+「人間ドラマ」+「無常感」+「厨2バトル」の四拍子揃っているのがこのシリーズの良さだけど、今回は厨2バトルしかない。

各キャラ1人につき1つの忍法を持っているのがこのシリーズの特色だけど
キャラクターが立っていないと、忍法だけの存在になってしまうし、
その忍法自体も今回は大人しめ。

ついでに、今回は闘うのが男だけだからエロもないw


新宿鮫2毒猿/大沢在昌

黄金銃を持つ男/イアン・フレミング……
007シリーズ最終作として、何となく感慨深いものがある。敵の『黄金銃を持つ男』は、黄金銃をほとんど使えなかったけどw
『ドクター・ノオ』で出てきた、友人キャラのライダーや、ジャマイカが出てきたのは懐かしかった。



夜のフロスト/ウィングフィールド……
『イジリ』と『笑い』のバランスを間違えたなぁと思う作品。

イジられ役が嫌な奴だったり、剽軽に描けていればいいけれど、本作のギルモア君はひたすらかわいそう。
ミステリー部分の出来とかよりも、ギルモア君への同情しかなかったです。


非合法員/船戸与一
……『渇いた死』が彼の作風だと思うんですが、今回はいくらなんでも人が死にすぎです><

この作品がデビュー作なので、後年の片鱗は既に見せていますが、そういうのを抜きにすると、少し微妙な出来。
本作は、ダシール・ハメット作品に似てるなぁ、と思いました。

眠りなき夜/北方謙三
……弁護士主人公が、チンピラと殴り合ったり、警官と殴り合ったり、ヤクザと殴り合ったり、政治家秘書にナイフで斬りかかられたり、政治家に撃たれかかったりしてました。

魔術師/江戸川乱歩…… 明智探偵の初恋(初恋が30代後半とは遅いなぁ:苦笑)以外は特に読むべき点もないような。 ミステリあるある 『襲われたけど死ななかった奴=犯人』がまた実証されてしまった。

京都感情旅行殺人事件/西村京太郎……
別につまらなくはないんだけど、これが売れる(120万部だっけ?)のは謎い。
警察の捜査方針はめちゃくちゃだし、何より犯人の動機がひどすぎて泣く。
僕も(犯人と同じで)趣味で物語を書く人間だけど、こんな理由で人を殺すのはありえませんからw
別に『真実』じゃなくたってええやん。それでインスピレーションを得られたんだから。
何、逆恨みしてんの? 馬鹿なの?


夜行列車殺人事件/西村京太郎……迷推理の連発に頭が痛くなり、破綻しているとしか思えないけど、サスペンスとしてはまずまず。しかし、『夜0時に電車が走っているのを知っているほどの【電車マニア】が犯人』という迷推理は酷い。

日本一周「旅」号殺人事件/西村京太郎……尾行相手がトイレに入ったので、トイレの洗面所で3分も顔を洗っている間に後ろから殴られる刑事が無能すぎて爆笑。

スノウ・クラッシュ/ニール・スティーヴンソン……
仮想空間メタヴァースとアバターの設定や、シュメール神話、アッシリアの設定などは面白かったんだけど、
本筋が追いにくい話。


D→自分には合わなかった作品

ねじまき鳥クロニクル/村上春樹……
何が書きたいんだかよくわからない話でした。
戦争の悲惨さについて、結構な文章量が割かれているので反戦小説なのかというと、ファンタジーチックな現代パートにもたくさん文章量が割かれていて、その二つが融合しているようには思えませんでした。

騎士団長殺し/村上春樹……

火星夜想曲/イアン・マクドナルド……アーニー・テネヴラが政治家の道を志した中盤以降、凄いつまらなくなった(それまでもそこまで面白かったわけではない)ので、後半きつかった。

ムーンレイカー/イアン・フレミング……
相変わらず、最初はカード詐欺のチンケな悪役が、突然世界を破滅させる大物になるという謎プロットは健在。

007は二度死ぬ/イアン・フレミング……
タイガー田中とかキッシー鈴木とか、プロレスラーみたいな日本人だらけである意味面白い……。

成吉思汗の秘密/高木彬光……
今年ワースト最有力候補。
作者が信じる、チンギス・ハーン=源義経同一人物説を、 むちゃくちゃなごり押しと、出典も不確かな文献(参考文献のリストもなし)で推し進め、こじつけを重ねて370ページ 最後は輪廻転生まで持ち出して、『これが証拠だ!』で完!
『刺青殺人事件』はそこそこ面白く、『人形はなぜ殺される』、『1、2、3、死』もまずまずだったのに、作者への信頼感を一気に失わせる恐るべき愚作。

E→プロ作品として見るにはつらい作品
 



再読本

2023年は以前読んだ作品の再読を時間をとってやりました。
初回では軽く読んでいたところも、きちんと理解しようと、噛り付く気持ちでw
その分、新しい本は少なめになってしまいましたが。
ラインナップはこちら。再読前のランクと再読後のランク。
(再読したおかげで、理解が深まる作品は多かったけども、評価自体はあまり変わらないことがわかりましたねw)

伊坂幸太郎『死神の精度』  B→そのまま
泉鏡花『春昼・春昼後刻』  D→そのまま
夏目漱石『吾輩は猫である』 D→C₋
夢野久作『ドグラマグラ』  C→C+
吉川英治『三国志』     C→B

アガサ・クリスティ『アクロイド殺し』 D→C₋
アガサ・クリスティ『オリエント急行の殺人』 A→A₋
アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』 C→C+
アガサ・クリスティ『ナイルに死す』     S→S


アーサー・C・クラーク『2001年宇宙の旅』 D→C₋(理解が深まったという意味で、読んで良かった度ではB)

イアン・フレミング『ドクター・ノオ』 C→そのまま
イアン・フレミング『ゴールドフィンガー』 C+→B₋

カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』  C₋→B

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』 D→B₋
フィリップ・K・ディック『高い城の男』 D→C-
フィリップ・K・ディック『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』 D→B
フィリップ・K・ディック『ユービック』 A→B+

マーク・トウェイン「ハックルベリーフィンの冒険」 C→C+

レイ・ブラッドベリ『火星年代記』 S→そのまま
レイ・ブラッドベリ『華氏451度』  A→そのまま

レイモンド・チャンドラー『高い窓』 C+→そのまま
レイモンド・チャンドラー『さよなら愛しい人』 D→そのまま
レイモンド・チャンドラー『リトルシスター』 D→そのまま
レイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』 D→D+
レイモンド・チャンドラー『水底の女』   D+→C₋
レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』 D→C+(良さに気づけたという意味では、再読して良かったのでB)