何とか人の振りをしなくちゃ そっと周りを窺って 窮屈な『普通』を演じてるの
軋む心に気づかない振り 歯車がギシギシ唸ってる
お願い あたしを『普通』でいさせて……

「あの娘は何だか変だよね」 そっと誰かが 耳の奥で囁いている
そんなの全部わかっているよ 『正解』があたしを窒息させるだけ
正しい答えもわかってる ただ、わかっていてもできないだけなんだ
お願い あたしに『息』を吸わせて……


勝手に期待して 勝手に裏切られて 勝手に傷ついて
そんなこと 終わりの時までし続ける懲りないあたし
だけど期待がなかったら どうして誰かを好きになれる?
だけど期待がなかったら どうして誰かと繋がれる?


みんながやるのと同じように どうして あたしはできないのだろう?
どうしてみんなと 同じ振りをしなくちゃならないのだろう?
「あなたが出来損ないに造られた」からと 聲が頭蓋骨を震わせる


みんながへんなあたしを見て 嗤っている
あたしは何も変なことなどしていないのに



何とか人の振りをしなくちゃ そんな息苦しさに あたしはもう惑わない
だってあたしはバケモノだもの 神さまが 戯れに造った不良品
お願い 誰か あたしを拾って……


ヒトの偽物は本物のカイブツになり あたしを嗤うものはもういない
そして カイブツは無人の流砂に巻かれてる

世界にはヒトがいなくなったから 出来損ないも正解もない
お願い 誰か あたしを見つけて

世界には誰もいなくなったから ヒトもカイブツもない
お願い あたしの声は届かない もう誰にも もう誰にも