往年の名選手ジダンが、現代のサッカーには「美しさ」が欠けていると語りました。
まさに、僕も感じているところです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cfe32a7d5942a55e9c494a6afaaaf18185c3078a

ただ、美しさというのは私的なものであり、データで表しにくいものでもあります。
そこで、そんなジダンにお薦めしたい(?)美しい選手・チームを勝手に推薦します。


マンチェスター・シティ

グァルディオラ監督のパスサッカーは、壮大なオーケストラのよう。
守備戦術が発達しすぎている現代においても、彼の追い求めるサッカーは輝いています。
タクトを振るうピッチ内の指揮者はロドリ
そして、各選手を繋ぐ潤滑油はベルナルド・シルバです。
左サイドでは、グァルディオラサッカーでは珍しい、ソリスト・ドリブラーのジェレミー・ドク
この3人が、マンCの美しいサッカーを支えている選手たちだと思います。
その美しさを、結果という形に繋げるのは怪物ハーランド。
フィジカルモンスターなので、『詩』とはまた違うと思いますが、やはり大切な選手だと思います。


マルティン・ウーデゴール(アーセナル)

実利的なアルテタ・アーセナルには美しさをほとんど感じません。
しかし、ウーデゴールがピッチにいると、微かにファンタジーを加えてくれます。
右サイドのブカヨ・サカも、単独で突破口を切り開ける選手。
また、偽10番としてのカイ・ハベルツは非常にテクニカルな選手ですが、残念ながら故障中です。


サンドロ・トナーリ(ニューカッスル)

ロドリのように、中盤でパスを配るタイプの芸術家は、現代サッカーでも生き残っています。
その中でもとりわけ優雅さを感じるのがトナーリ。
彼こそがピルロの後継者であり、最も美しい「5番」です(背番号は8だけど)。



バルセロナ

ハンジ・フリック監督のギリギリを攻めるハイライン・ハイプレスサッカーは、
現在、世界で最もワクワクさせるサッカーを見せてくれています。
ピッチ内の指揮官はフレンキー・デヨングとペドリ。
右サイドのヤマルは華麗に、左サイドのラフィーニャはダイナミックにサイドを切り刻みます。


ヴィニシウス(レアル・マドリ―)

ブラジルサッカーには今でも、アイソレーションを得意とするドリブラーが生まれてきます。
一世代前(と言ってもまだ現役ですが)ならネイマール。(その前ならロビーニョ。ロナウジーニョ)
そして現在はヴィニシウスが該当します。

ただし、この手のドリブラーは現代サッカーだと今一つ輝きを放つことができません。
それがブラジル代表の限界にもなっているし、ジダンが嘆く要因の一つにもなっていると感じます。


バイエルン・ミュンヘン

バンサン・コンパニ監督が率いるバイエルンは、バルセロナにとても近いスタイルです。
そのバイエルンで踊るようなステップを見せているのが、右サイドのマイケル・オリース。
近年のフランスにはいなかったタイプの、独創性とスピードを持ち合せた芸術家で、ロナウジーニョみを感じさせる選手です。


パリ・サンジェルマン

昨シーズン、欧州王者に輝いたルイス・エンリケ監督のパリは、バイエルンやバルセロナほど超攻撃的ではありませんが、非常にバランスの取れた中盤3枚が機能美を感じさせる好チームです。
チームの指揮者はヴィティーニャ
そして、サイドから切れ味鋭くカットインしてくるのがクバラツヘリアと、ブラッドリー・バルコラ
特にクバラツヘリアは、ロッベンのDNAを引き継ぐ完成されたサイドアタッカーです。


ケビン・デ・ブライネ(ナポリ)

チーム単位ではなく、個人単位で考えた場合、現代サッカーで最もファンタジーを感じる選手は、ナポリのデ・ブライネ。
他の誰にも見えない狭いパスコースを見つけ、針の穴を通すようなキラーパスを繰り出せるファンタジスタ。ジダンの語る『失われた10番』こそがこのデ・ブライネです。
一世代前ならダビド・シルバ。
ジダンが語るように、このタイプの選手がほぼ見られなくなったのが、個人的にはとても寂しく感じます。


ルカ・モドリッチ(ミラン)

既に40歳を迎えていますが、未だに衰えを見せないのがミランでタクトを振るうモドリッチ。
最終ラインからボールを引き出し、前線に繋げるオフ・ザ・ボールの動きと、シルクのようなタッチは必見です。

リオネル・メッシ(インテル・マイアミ)

世界最高の選手であり、サッカー史上に間違いなく名を残す名選手。
全盛期は過ぎましたが、ドリブル、パス、スペースメイク、裏抜け、フィニッシュと、攻撃面の全ての能力に優れ、同世代のクリスチアーノ・ロナウドに比べて、より技巧的な選手です(クリロナはフィジカルモンスターのイメージ)。
アルゼンチン代表でメッシの相棒を務めていた、アンヘル・ディ・マリアは、
ジダンにとってのピレスのような、頼れる副官でした。


最終ラインの指揮官たち

マンCの最終ラインの、ジョン・ストーンズルベン・ディアス
リバプールのフィルジル・ファン・ダイク
パリ・サンジェルマンのマルキーニョス
彼らから『魔法』を感じる事はありませんが、優雅にチームを指揮するその姿には見応えがあります。
フンメルスの系譜を継ぐ選手です。


と、こんな感じでしょうか?
2000年頃は、リバウドにストイコビッチ、レコバ、ハジ、オコチャ、ミカエル・ラウドルップ、ザホビッチ、ベーロン、ロシツキーなどなど各チームに魔術師がいたものですが、
今は辛うじてメッシとデ・ブライネが10番タイプで、ファンタジアを持ち合せている選手でしょうか。
寂しいですねぇ(昔は良かったおじさん)