81点。

「セミがうるせぇ」という衝撃的(?)な冒頭の一行から、絶対つまらんやろと謎の見切りをつけて10年、遂に再チャレンジしました★

「セミがうるせぇ」という衝撃的(?)な冒頭の一行から、絶対つまらんやろと謎の見切りをつけて10年、遂に再チャレンジしました★(←ライターのオマージュ)

ルートごと(afterの感想も、ヒロインルートのところに統合しています)の感想を書いて、
最後に総評を書きます。


☆柚月沙耶√ B

全ての始まり。OPに当たる部分。主人公のヒロ君と、美少女双子姉妹の姉が結ばれるまでが長いです。
結ばれた後は割とすぐ事故に遭い、亡くなってしまいます。

ストーリー展開的に「君が望む永遠」や「もしも明日が晴れならば」に似ていて、両作とも大好きなので期待しましたが、かなりスローな立ち上がり。
というか事故に遭うまでは正直そんなに面白くは、なかったです。
なので、そういう作品(事故に遭う。遭ってからが本番)だと知らなければ、やめていたかもしれません。
沙希もかわいいし、沙耶もかわいいけど。


☆姫萩はるな√ C+

沙耶を轢き、自らも亡くなった母。
そんな親を持つ睦月のもとに、姉を名乗る不審な先輩、はるなが現れて~というお話。
事故の全容がよくわからないまま、突然ヒロくんや柚月沙希といったメインキャラクターから、誰だかわからないキャラの話に飛ばされるのは、構成的に少し微妙な気もしました。
複数主人公自体は別に否定派ではないんですけど、率直に言って「どなたですか?」的な。
睦月くんは事件当時者の息子なので、ここに出てくる意義はわかるんですが、はるなis誰?という。(沙耶√で、モデルをしている先輩として、少しだけ登場していますが、ヒロくんや柚月姉妹との接点はない)

話を進めると、事故を起こした母の教え子ということがわかるものの、はるなが『家族(姉弟)』という形に拘泥する理由が見えてきません。
はるなは母親がいないっぽいので、睦月ママを母のように慕っていたのはわかりますが……。

周囲が睦月を剣道部に引っ張っていこうとするのもよくわかりませんでしたが、睦月が逃げずに剣道部に行き、沙希と話したのは偉かったです。
沙希もいい子だけど(いい子すぎる気もする)、やっぱり睦月が剣道部に足を運ばなければ、二人の交流も生まれなかったでしょうし。
周囲もたぶん、沙希の人格を見込んで睦月くんを引っ張って行ったんでしょうね。
そう思わないと、あまりにも無責任でちょっとどうかと思っちゃいますけど。

と、そこに、笹岡と申す輩が睦月をいじめに来ます。
事情を知りもしないのに、加害者の家族をバッシングするヤフコメ民みたいな三下です。
こやつも呆気なくいなくなって無事解決。
こんな胸糞悪いキャラに粘られても嫌ですが、「お前何のために出てきたん?」とも思ってしまいました。

afterでは睦月とはるなが結ばれる障害として再び『姉と弟』の問題が立ちはだかるのですが、マジで、はるながなんで家族に固執するのか最後までわかりませんでした。


☆山吹美幸√ B+

事故の原因を作ってしまった薄幸少女の話。
大切な母の形見を思わず拾うという行動は共感できるので、そんなに自分を責めなくてもと思うけど……まぁ責めちゃうよね。
看護師になって償うという姿勢は立派だと思います。

ただ、雛ちゃんの夫に何度も謝りに行くのは、『許してもらうことで、罪の意識を軽くしたいのかな?』と思ってしまいました。
あと、それなら母を亡くした睦月くんのところにも行かないと、と思うのですが、描写が無かったのは気になりました。

美幸ちゃんはかわいいし、このルートにだけ出てくる唯ちゃんもかわいかったです。
唯×美幸の百合っぽいサービスシーンが少しだけありましたが、シチュエーションが「えっろ!」なので、
もっとねっとりお願いします!
委員長=好成績とは限りませんが、美幸ちゃんの成績が悪いのは意外。

唯ちゃんもクリアしたかったけど、事故当時者と結ばれないと作品的にダメなのかもしれませんね。



☆小田巻雛√ B

事故に巻き込まれ、失明してしまった少女の物語。
良い話だと思うのですが、元気だった頃のデートシーンがあまり面白くなくてイマイチ二人に感情移入ができなかったり、
一度別れてからの復縁→結婚に至る流れが早すぎて、もう少し読者の気持ちを盛り上げる工夫が欲しいなと思いました。
そういう意味で、良い素材を活かしきれていない印象です。
日常シーンが微妙なのは作品通しての課題ですが……復縁→結婚はもっとボリュームを費やしてほしかったです。

主人公のボケがところどころ面白く、いい漫才夫婦だなとは感じました。
二人の生活は大変そうだけど、幸福を祈りたいです。
絵本作家で5人家族を食わせるのはキツそうな気がするけど……幸せに。でも、子供3人は欲張りすぎだと思うぞ(と、子供をそもそも欲しいと思っていないfeeは思った)。

余談ですが、自分の趣味のほとんどは眼が見えなくなったらできない事だなと思い、怖くなりました。


☆柚月沙希√ A-

沙耶を亡くした傷を乗り越えて、二人が結ばれるまでの物語。
序盤から陰鬱な展開で、沙希に当たるヒロくんには「……こいつ……」となったものの、大事な人を亡くしたばかりじゃ仕方ないかなとも思います。
沙希も、元気づけるのを少し焦りすぎたのかもな、とも。
学校に来れてるだけでも上々ではあるので……。
沙耶の死を受け入れ、afterに入ると平和な日常シーンになりますが、ここはあまり面白くない……。


ヒロの「沙希を、沙耶に重ねているだけかもしれない」
沙希の「私だけが幸せになるわけにはいかない」
という二重の『呪縛』を解いて最後には結ばれ、
結婚も決めたというエンディングは、良かったなぁ!と素直に思いました。

クリア直後は、
沙耶が元気だったら、ヒロは沙耶と結婚したのかな。その場合、沙希はどうしただろうとか。
あるいは沙耶が元気なまま、ヒロと沙耶が破局した場合、
ヒロと沙希はくっついただろうかとか、色々想像して浸りました。

普段ならハーレム3Pくれーと言うところですが、この作品にそれを求めるのは無粋……。


☆総評

(重苦しい話は苦手ですが)切ない話、悲しい話は大好きなので、楽しむ事が出来ました。
ルート格差を嘆く感想も見ましたが、はるなルート以外は楽しんで読めましたし、
複数ライターの実力差も感じませんでした。

ネガティブな要素としては、これだけ悲しい話が多いのに、涙腺が揺さぶられることは一度もなかったです。
全体的にボリューム不足だったり、演出も大人しめだったなと思いました。
既に事故は起きてしまっているので、「動き」のつけづらい設定だったかもしれませんが……良くも悪くも、「あっさり」だったなと思います。

修正パッチを当てないと、なかなか凄い数のバグがあるのも、ちょっとどうかと思いました(1点だけ減点しました)。


というわけで、ようやくプレイ出来たAster。
期待以上ではありませんでしたが、思い出に残りそうな、良い作品でした。

このゲームをクリアしたのは、2026年7月、外は地獄のような暑さです……。
「セミがうるせぇ……」