大変長らくお待たせしました。
2011年読書ランキングを発表したいと思います。



10位 ずっとお城で暮らしてる/シャーリィ・ジャクスン 

引きこもり少女と大好きな姉の、二人だけの楽園は夢みるように美しく、それでいてどこか哀しい。
姉に共感するか、妹に共感するか。物語は2つの顔を併せ持つ。


9位 タウゼロ/ポール・アンダースン

ホラ話のあまりのスケールの大きさに圧倒される。
ここまでスケールの大きなSFは、ちょっと他では思いつかない。


8位 悲しみよこんにちは/フランソワーズ・サガン

父の婚約者を殺害しようと企てる、不安定であやふやな小悪魔少女の心理描写が秀逸。


7位 ジュラシックパーク/マイクル・クライトン

福島原発事故を引き合いに出すまでもなく、『全てをコントロールしよう』という人間の思い上がりは、甚大な被害・悲劇を招く。
「計画は完璧だった」と繰り返し、過ちを認めない園長ハモンドの姿には、科学者クライトンの痛切なメッセージが
篭められている。


6位 殺人者/コリン・ウィルソン

下着ドロにして殺人鬼のリンガードは、世界をどのように見ていたのか?
ラスト20ページの衝撃は計り知れない。


5 位 精神寄生体/コリン・ウィルソン 

MMR-X-ファイル的な面白さが請け合える、SF小説。
論文調の文章で、リアルさを演出する手腕はお見事。


4位 グリーンマイル/スティーブン・キング 

キリストの磔刑をモチーフにした、直球の『泣かせるお話』。
さすがキングというべきか、ストーリーテリングが実に心憎い。


3位 天使と悪魔/ダン・ブラウン

科学と宗教の対立を軸に、ハリウッドサスペンス的な活劇と、読者の知的好奇心を刺激する薀蓄が織り交ぜられた娯楽大作。
ダビンチ・コードを楽しめた方なら、楽しめること保証つき!
 

2位 1984年/ジョージ・オーウェル

究極のデストピア。
緻密に作りこまれた世界観は近未来SF屈指の出来。
無知な者が読むと、壮絶な誤解を招きかねない禁断の書。


1位 きみの友だち/重松清

「わたしは『みんな』が嫌いだから。『みんな』が『みんな』でいるうちは、友だちじゃない、絶対に」。

クラスのハズレ者同士が育む、かけがえのない二人だけの友情。
心に突き刺さる、最高の青春小説。



以上10作でした。
いかがでしたでしょうか?

今年2012年は、去年ほど冊数は読まないかもしれませんが、
今年も良い本に出会いたいと思っています。